薬師アレンとエルフのリズレ 作:ルゥー創作するのは間違っているだろうかー
「ベル、これ」
「コレって何ですか?」
「素人でも簡単な魔法なら使えるようになる本」
開けばポンと!
そんな魔導書があればいいのに
ベルはずっと思い続けていた
それが、今!
目の前に!!!
「おぉ!良いですね...ってこれもかなり高いですよ?!」
「返せない額じゃ無い」
「僕には一生リズレさんにお金を返し続けてる未来しか見えません」
「そんなことない、依頼によっては一回だけで届くから」
「かなりヤバい案件に足突っ込みますよ、それ」
「任せるけど?」
「いや、買います」
どどーん
ベルはお会計に向かった
「偉い」
リズレが後を追う
「っていうか、リズレさん。お金持ちすぎません?」
「長く生きてるからね」
「そういえば、金銭感覚元から違った...!!!」
「遅かったな、昼飯できてるぞ?」
「アレンさん、僕!魔導書買っちゃいました」
「は?あれ高すぎて無理だろ」
「リズレさんに買ってもらいました!僕、一生かけてリズレさんにお金を返します」
「お前...人の人生狂わせる気だろ?」
「決めたのはベルだし?」
「これ、大丈夫か?」
アレンは苦笑いする
ベルは早速宿屋で魔導書を開く
1ページ目を開くと眩しい光がベルを包み込んだ
次の瞬間、視界が白く染まった。
「え?」
ベルの意識は本の中に取り込まれた
テーブルの上に突っ伏すベル
「あれ、1日は戻ってこないと思う」
「そうなのか?」
「今まで見てきた経験上」
「大丈夫なんだろうな?」
「アレンは街に行かないの?」
「何か用事でもあるのか?」
「薬草のナイフじゃ心許ないって言ってる」
「確かにな...ん?お前、俺にも借金負わせようとしてないだろうな?」
「バレたか」
口元を緩めるリズレ
楽しそうだった
「食料でも調達してくるか」
「いや、武器」
「...やっぱそうなるか」
アレンは頭を掻きながら宿屋を後にした
「アレン、あれも美味しそう」
リズレが指を指す
「お前...食料調達というかただ買い食いしてるだけになってるぞ?」
「美味しいからいいの。アレンはよく食べろって言うし」
「はい」
口元に差し出された黄金芋の揚げ物をアレンは照れながら齧った
「なんか...本当にデートみたいだな」
珍しく顔を赤くするアレン
「そういうものなの?」
リズレが首を傾げる
「お前、デートした事あるだろ?」
「こういうのがデートなら、いくらでもある」
リズレは思い出すように空を見上げながら行った
「どんなヤツだったんだ?」
「一緒に旅をしていた人」
「それだけか?」
「そう」
「エルフの恋愛ってどうなってるんだ?」
「さあ...?それで、アレンは?」
「俺?」
「うん、初デートの相手はどんな人?」
アレンはリズレを見て固まる
「......お前が初めて、かもな」
「初めて?」
「これがそうならな」
「意外」
「何で」
「女慣れしてそうだし」
アレンは固まる
リズレがこんなこと言うの珍しくないか?
「仕事だからな」
「だから仲良くなる人もいるでしょう?」
「お前みたいなのか?」
「...?」
リズレが目を丸くする
「ベルのおかげかもしれないが、前より信頼されてる感がある」
「...」
リズレが視線を逸らす
耳がほんのり色づく気配を感じたから
アレンは一息ついた
「さて。そろそろベルのところに戻るか」
「まだ武器見てない」
アレンの裾を引くリズレ
「忘れてなかったか」
その手元を見てしまうアレン
「忘れさせようとしてたの?」
「デートで誤魔化そうとした」
アレンは認めた
「デートしたかったんじゃない?ベルにやきもち?」
「そんなんじゃない」
アレンの耳まで真っ赤だった
「人間はすぐ嘘つく」
そんなアレンを見てくすりとリズレは笑う