薬師アレンとエルフのリズレ   作:ルゥー創作するのは間違っているだろうかー

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再会

「目が覚めたか?」

 

 

リズレは包帯と湿布を取り替えて丸3日眠ったままだった

 

 

かなり魔力の消耗が激しかった

しかも碌に寝ていなかったのもあるだろう

 

 

あとはちゃんと食事を摂って休んで欲しいものだ

 

つきっきりの看病で人のこと言えないのが恥ずかしいが...

 

「世話になった」

起きて早々リズレは呟いた

 

「無理するなって」

痛みを堪えながら起き上がるリズレに手を貸す

 

「触るな...」

相変わらずの拒否反応

 

「俺がまた手を貸すから、何か入れておけ」

力無く抵抗するリズレを心配する

体力が限界に近い

顔も真っ青

健康状態は最悪だった

 

鍋を温め直しにいく

 

 

「ここを出る」

ベッドからふらふらと立ち上がるリズレ

魔力低下は予想通り足元を危うくする

どこに行けるというのか?

 

 

「いつ?」

 

「今」

 

「飯は?」

 

「...要らない」

 

「おい、それはダメだ」

 

一歩、一歩ゆっくりとドアへ向かうリズレの腕を掴む

 

 

「離して」

 

「ダメだ、座れ」

 

「行かなきゃ」

 

「どこに?」

 

「また巻き込む...」

 

 

 

 

「それでも、行かせることはできない」

はっきりとアレンはリズレに向かって言った

 

 

 

その時「ドンッ」ドアが吹き飛んだ

 

「ドア-っ?!」

アレンが叫ぶ

 

 

空気が冷える

 

開放的になったさっきドアがあった場所に向かってリズレがゆっくりと進む

「リズレ、戻れ」

 

外には見覚えのない"エルフ"がいた

 

「...また、来るね」

そう言ってリズレは忽然と消えた

いなくなった

 

 

 

「リズレッ」

 

 

「ありがとう、僕たちの姫を守ってくれて」

 

...姫?

...地位のある偉い奴ってことか?

少々引っかかるが今はそれどころじゃない

 

「リズレをどこに連れて行った?!」

 

 

「あれは彼女の意思だ」

 

 

「まだ治療途中だ」

 

「あとは僕たちで治す」

 

「重症だぞ?」

 

「僕たちには薬より効果的な、方法がある」

そう言うとエルフは青色の瞳を輝かせた

 

「魔力のことか?なんでもありだな」

 

 

「人間は、追いかけて来なくていいからね」

そう言ってエルフはまた消えた

 

「魔力って便利だな...」

 

 

 

でも、これでリズレは助かるのかもしれない。

同族のもとへ帰ったなら、俺なんかよりずっと良い治療を受けられるだろう。

 

 

 

一件落着――のはずだった。

 

 

 

なのに胸の奥が妙にざわつく。

 

 

 

リズレはずっと何かに追われていた。

傷だらけになって、それでも逃げ続けていた。

 

 

 

安心できる場所に帰る人間の顔じゃなかった。

 

 

 

 

 

「しょうがねえな...」

頭を掻いて立ち上がる

 

俺が行って何かできるわけじゃないのは分かってる

でも、足が自然と動いた

 

 

リズレが屋根の上でずっと見ていた森の方向へ走る

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「リズレ、大分弱っているな」

 

「誰のせい?」

 

「今、治癒をします」

 

「待て」

 

「まずは話を聞いてから」

 

「...早く、コレ治してよ」

包帯の腕をさするリズレ

 

「お前はまた逃げる」

 

「逃げても捕まる」

 

「瞳は諦めていない、図星だな」

 

「...」

 

「109年お前を探し続けている幼馴染の事も考えてやれ」

 

「...探さなくていい」

 

「王族としての役目を果たせ」

 

「力を利用するためでしょう」

 

「エルフの里や森を襲った人間は許すわけにいかぬのだ」

 

 

「あの森を枯らす危険因子も含めてな」

 

「アレンのこと?」

 

「情を絆されたか?」

 

リズレは視線を落とす

 

「誤解、見てのとおり世話になっただけよ」

 

 

「礼はしないと、だな」

 

「いいの?」

 

「お前が大人しく戻るなら許可しよう」

 

「嘘」

リズレは鼻で笑う

 

 

 

「報告!こちらにまっすぐ向かってくる人間がいます」

 

 

 

「どうしますか?」

 

「放っておけ、どの道辿り着けない」

 

 

「いや、それアレンでしょ」

 

 

「ならば、殺せ」

 

 

「なっーーー」

リズレは瞳を大きく開ける

 

 

「エルフについて知りすぎた」

 

「私のせいじゃん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うああああ?!矢が飛んでくるッ、死ぬゥ?!」

アレンは叫びながら森を真っ直ぐ駆け抜けた

 

 

「アイツ死なないぞ?」

 

「なんでだ」

 

「もっと増援を!」

 

木の枝が矢を弾く

 

森が助けてくれている

なんだ?

 

リズレか?

 

「って言うか、俺死ぬよね?」

うおぉぉ?!

矢が増える

 

束が飛んできているみたいだ

 

「命中したよな?」

 

「確かに」

 

「じゃあなんでまだ走ってる?」

 

「わからん」

 

アレンは薬瓶を掴む

「くそっ、これでどうだ?!」

 

パリンッ

瓶が地面に叩きつけられ森の中が霧に包まれる

 

 

「あっ、見失った」

 

「マズイ」

 

「報告!」

 

「リズレ、人間に手を貸したな?」

 

「別に何もしてないけど?」

 

 

「ではなぜーーー」

 

 

「森が守ってるんじゃない?」

 

 

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