薬師アレンとエルフのリズレ   作:ルゥー創作するのは間違っているだろうかー

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冒険者登録

 





 

「リズレっ、助けに来たぞ」

 

 

「アレン...どうやってここに」

 

「ほら、これ飲め」

 

「...」

薬瓶と睨めっこするリズレ

 

「毒じゃない、鎮静薬と一時的な魔力回復だ」

 

リズレが飲み干すとその瞳に力が宿る

「アレン、ここから逃げる!」

 

「おう」

アレンは笑う

魔力に限界はあるがーーー薬にゃ限界はないんだぜ?

 

「なんで来たの?」

 

「お前は俺の患者だから」

 

 

「そんなことで?...信じられない」

 

「そんなことだからだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

森が煙幕に包まれる

エルフは混乱に陥った

 

「本当に姫を助けるつもりなのかい?」

さっきのエルフだった

 

 

「そうだ」

 

 

「君の心意気に森も寄り添っているみたいだね」

 

「僕も森の意志を尊重したいと思っている」

 

そう瞳を青く光らせたエルフは一瞬でアレンを消した

 

リズレの隣まで一気に飛ばされたアレンはエルフの顔に液体をかけた

 

 

 

「なっ――」

 

 

 

エルフ達の視界が揺れる。

 

 

 

膝が崩れた。

 

 

 

倒れるエルフ達

「安心しろ、睡眠薬入りの特別製だ」

 

リズレにそう笑いかけた

 

 

 

 

 

 

 

 

アレンとリズレは森を抜け、洞窟に隠れた

 

「ちょっと休憩...」

 

「だらしないな」

 

「ボロボロの今のお前には言われたくない」

 

 

 

 

 

「これからどうするの?」

リズレは尋ねる

 

「薬舗に戻っても捕まるよな?」

 

「そうね、余計な事しなければよかったのに」

 

「そうは思ってないだろ?」

 

リズレは答えなかった。

 

洞窟の奥で水滴が落ちる音だけが響く。

 

「また助けられた...」 

 

 

「とりあえず宿屋に向かうか」

 

「街へ行くの?」

 

「そうだ、人混みの方が隠れやすいだろ」

 

「お前、冒険者登録したことあるか?」

 

「前に」

 

「前って?」

 

「...70年くらい前」

 

「前?」

 

「...前だ」

 

「貫禄超えてるぞ」

 

「うるさい」

 

「更新が必要だな」

 

 

 

 

 

街に着き宿屋へ入る

「ふぅ。やっと一息だな、具合はどうだ?」

 

「薬が消えかけてる、痛い」

 

「そうか、ちょっと見せてみろ」

 

 

「まだ...抵抗ある」

 

「慣れてもらっても困る」

 

「でも、仕方ない」

 

「大人しくしてろ」

ベッドに横たえさせ、傷の具合を見る

 

「薬舗じゃないから大したことはできないな...」

軟膏を塗り直し、包帯を巻き直す

 

リズレはそのまま眠りについてしまった

 

余程疲れていたんだな

薬に頼ったとはいえ身体を酷使しすぎた結果だ

 

起こさないように宿を出て食料を調達する

 

 

 

 

「ーーーっ」

また、人間と同じ部屋で寝てしまった

 

リズレは耳まで真っ赤にする

 

 

 

「……」

 

(なんで、こんなに気にしてるの)

 

 

 

 

最初は意識が飛んだから仕方ない

でも今は...治療してもらっている間に寝落ち

 

「リズレ、起きたのか?」

その声に肩を振るわせる

 

「飯食ったら、ギルドに行くぞ」

 

「分かった」

 

「ちゃんと鎮静薬は飲んでけ」

 

「助かる」

薬湯を受け取ると素直に飲んだ

アレンは首を傾げる

 

「なんか、大人しくなったな」

 

「うるさい」

 

 

「お兄ちゃん、綺麗なエルフ連れて珍しいね」

 

「ええ。まあ...」

 

 

ギルドに着くと奇異な視線が集まった

俺ではなく、リズレに

 

「居心地、最悪...」

耳まですっぽりフードを被り直しそう溢す

 

「俺も。早く済ませよう」

 

「冒険者登録をお願いします」

 

受付嬢は俺たちを見比べ、羊皮紙を2枚取り出した

 

アレンが筆をとり書き始める

 

リズレに筆を渡す

「名前書けるか?」

 

「...馬鹿にしてる?」

 

「人間嫌いそうだったからさ」

 

「その程度なら知識はある」

 

珍しいエルフ特有の受け答えに受付嬢はクスッと笑い登録の手続きを進める

 

「はい、登録は完了しました。あとは初心者向けのクエスト紹介ですが...」

 

「いや、それはいい。ありがとう」

アレンはそう言うと掲示されている案内板を見廻す

 

薬草採取系に思わず目がいくけど

「...今はあまり森に入るべきじゃないな」

 

多分、血眼になって探している

俺とリズレを

 

「...」

リズレも静かに隣で眺めている

 

「とりあえず簡単に済ませて次の街を目指したいな」

 

「これとかどう?」

リズレが薦める

 

護衛任務

荷馬車を盗賊や魔物から守る、か

 

「柄じゃないけど、やるか」

 

「うん」

 

 

 

荷馬車の停留所でリズレは馬と仲良くしていた

人間より馬が好きらしい

馬もエルフが好きなのか

全く警戒していない

 

約束の場所へ向かう

依頼人は荷馬車の準備をして出発の時を今かと待っていたようだ

 

「よろしくお願いします」

俺は簡単に挨拶を済ませて荷馬車へ乗り込む

 

「...護衛でしょ?」

片眉を上げてリズレはアレンを見る

 

「お前は怪我人だから無理するな」

 

「アレンより強いと思うけど」

 

「本音を吐くな...」

 

 

「頼むよ」

荷馬車がゆっくりと動き出す

 

「俺たちも辺りを確認するが、異変があれば直ぐに知らせてくれ」

 

「護衛なのに、荷馬車に乗ってるの新鮮すぎる」

リズレはふっと笑う

 

「普通は外にいるって?馬の足について行けるか!」

 

 

ガタン、ガタンと山道を通る

何事も起こっていない

 

「アレン、少し寝たら?」

リズレはそう声をかけた

 

欠伸をしながらアレンは応えた

「護衛中に寝れないだろ?」

 

「出たら、私がやる」

 

 

「...お前は重症だぞ」

 

「身体が鈍る」

 

「そういう問題か?」

 

「そう」

 

 

 



ガタ、ゴトと揺れる荷馬車の中で突然リズレが立ち上がった

 

「どうした?」

 

「狼が3匹、近づいてる」

そう言うとリズレは荷馬車の上へと飛んだ

 

「あっ!待て、傷が開くだろ」

アレンは揺れる荷馬車にしがみつきながら必死で上がった

 

荷馬車の後方、木々の隙間を縫うように三つの影が走る。

 

 

 

灰色の毛並みを揺らしながら狼たちが迫っていた。

 

 

「リズレ、弓使えるのか?」

 

「多少なら」

 

ググっと力を込め、弓を弾く

「ギャァオウッ!!!」

 

狼が1匹倒れた

 

「ヒィイ?!」

依頼主が狼狽え、荷馬車が一際大きく揺れた

 

「おい!狼は任せて、しっかり運転しろ!」

アレンがしがみつきながら叫んだ

 

「はいっ」

 

リズレは涼しい顔で次の標的目掛け弓を穿つ

 

「グギャアオウ!!!」

倒れる狼

 

リズレは荷馬車の中へ戻る

「もう一匹は?」

 

「あと一匹は逃げた」

リズレはそう口許を緩めた

 

初回の護衛任務はこうして無事に終わりを告げた

 

 

「兄ちゃん達、楽勝だったな」

 

「まあね」

リズレの手柄だ

流石、エルフは凄い

 

リズレは相変わらず馬とコミュニケーションをとっている

 

「またよろしく頼むよ」

そういって依頼主と別れる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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