レルネーの友   作:餅もち

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第九話

 

♢♢♢♢♢

 

あの日から数日後、森の奥には一つの秘密基地が完成していた。元々は怪物が住んでいた洞窟をカルキノスが勝手に改造した結果である。

洞窟の中を軽く掃除して入り口を枝や葉っぱで隠しただけの簡素なものだがカルキノスは満足していた。

その秘密基地の中に集めた宝物を隠していた。 

宝物は初めてこっそり村から出て遊んでいた頃からずっと集めているので多岐に渡る。倒した猪の牙や熊の爪などの倒した獣から剥ぎ取ったもの、機械の残骸や汚れた剣や槍などの武器。その辺に落ちてた綺麗な石やいい感じの木の棒までカルキノスは今までさまざまなものを宝物として拾ってきていた。

 

「なんだかんだあの蛇は戻ってこなかったしもうどこか別のところまで逃げていったのかもな。まあ、問題は無さそうだし、とりあえず今日は早めに帰っておくか。」

 

その姿を一匹の小さな蛇は静かに見ていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それからもカルキノスは毎日のように洞窟にきて、秘密基地づくりを頑張っていた。洞窟が秘密基地とバレないように木を引き抜いて洞窟の入り口に植えてみたり、出口を無駄に増やしてみたり、入り口を完全に土で埋めて出入り口を一つだけにしたり、埋めた入り口を元に戻したり、時々迷走して上手く決まらない時もあったが一週間かけてやっと完成させることが出来た。

その姿を小さな蛇は静かに見ていた。

 

完成後は村で使わなくなった布や道具を持ってきたり、狩った獣を置く場所に使ったり、剣のような形の木の枝を見つけて喜んだりしていた。

その姿を小さな蛇は静かに見ていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんなある日。カルキノスはいつものように村を出て洞窟に行く途中、大きな物音が聞こえ、驚きと好奇心でそちらの方に行ってみる。

 

「確かこの辺だったような、ん?」

 

そこに何かいる。近くの草むら。そして、俺の後ろ。

 

まずい、避けろ!

 

咄嗟に俺は右に避けると俺がいた場所が化け物の攻撃によって消し飛ぶ。

 

後ろを振り返ると俺の腰程度の高さの継ぎ接ぎの怪物がいる。けどその姿はもうボロボロで立つのもやっとという感じだ。

だがその気配は今まで見てきたどの怪物とも違う。いや、むしろ神聖さすら感じる。今まで集めた機械の残骸をくっつけたような姿だった。

そういえば、あの蛇もこんな感じだったっけ。

 

「けど、それほどヤバいって感じしないな。攻撃してきたし壊して宝物の一つにしよーっと」

 

怪物はピーッガーッとなにかしようとしていたけどカルキノスは気にせず壊して秘密基地に持って帰ろうとした。そして草むらにも何かいたことを思い出してそーっと近づく。すると、そこには一匹の蛇がいた。

 

「あれ?小さい蛇?・・・・・・蛇!?」

 

カルキノスの頭に先日の大蛇の姿がよぎる。

 

もしかして仲間か。いや、野生動物が巻き込まれただけっていう可能性も。けど仲間だったら危険だし。またあいつがきたら追い返せるか分かんないし、蛇なんて気にする必要ない。

 

「よし、あれだけ持ち帰ってさっさと帰ろー」

 

そう言ってカルキノスはその場から離れていこうとする。しかし、蛇はよく見ると傷だらけだった。呼吸も浅く、明らかに死にかけていた。

 

カルキノスは迷っていた。ただの蛇ならここで見殺しにするのは可哀想。でもこの状況ではこの蛇はめっちゃ怪しい。今すぐ逃げるのが正しい。今までだってそうしてきた。しかし、カルキノスはやけにその蛇が気になった。迷って迷って迷っていた。結局、カルキノスはため息を吐き恐る恐る蛇に近づく。そうしてある程度近づくと蛇がゆっくり顔をこちらに向けた。

 

「お前、ただの蛇か?それともでかい蛇の仲間?」

 

カルキノスは距離をとりながら聞いてみる。すると、蛇はいきなり喋りだした。

 

「エネルギー・・・・・・不足・・・・・・」

 

「は?・・・・・・え?」

 

「要約、おなか・・・・・・すいた・・・・・・」

 

「おわぁ!?蛇が喋った!?って今なんて?」

 

「おなか・・・・・・」

 

「え?」

 

「すいた・・・・・・」

 

カルキノスは思わず数秒固まった。そして、もう一度蛇を見る。死にかけで傷だらけ。それで喋る上お腹が空いているらしい。

 

「ぷっ・・・・・・あははははは!まじかよ喋る蛇に会ったと思えばその第一声がお腹空いたとか。あははは!ダメだ面白すぎ!もっとこうあるだろ!怪物らしく殺すとか、呪うとか。それでビビりながら近づいて、喋った言葉はお腹空いたとか、あはははは!」

 

蛇は無言でこちらを見続けていた。

 

「なぜ、そんなに笑っているのですか?」

 

「いや、面白すぎて、ブハッ!ダメだ話してるだけで笑っちゃう。」

 

「分かりません。今までのどこにそんなに笑うところがあったのか。よければ教えてもらえませんか。」

 

「あはははははは!俺今蛇と話してるんだけど!あはははははは!」

 

「あの?私の話、聞いていますか?」

 

カルキノスはしばらく笑い続けていた。

 

 

 

 

やがて落ち着き、カルキノスは蛇の近くにしゃがみ込む。

 

「なるほどな。怪我してるし、お腹も空いてるのか。」

 

「そうですがそれだけではないです。先に私の疑問に答えt」

 

「よしっ!薬草と食べられそうなの持ってくるから少し待ってろ。」

 

「・・・・・・? 殺さないのですか?それに薬草や食べ物まで?」

 

「まあ、少し考えたけど蛇ってだけで殺す理由も見捨てる理由もないしな。すぐ戻るから少し待ってろ」

 

そう言ってカルキノスは立ち上がって歩き出す。その姿を蛇は見ていた。隠れずに、その後ろ姿を見ていた。ふと、カルキノスは振り返って

 

「あっそうそう逃げるなよ。あーいや逃げてもいいけど怪我は治せよ。できないなら待ってろ。」

 

そう言って少年は走り去っていく。残された蛇はその背中を見ていた。見えなくなるまで、見えなくなってもしばらくはずっと少年の行った方を見ていた。

 

「整理。します。私は何故『対象K』、いえ個体名『カルキノス』と関わったのか。カルキノスに殺されてから四六時中カルキノスの観察を行っていたせいで食事をとることを忘れてしまい、アレに襲われた。弱っていたとはいえ、私は不死の怪物。最初に不意打ちを喰らったせいで大きな音が出てしまいカルキノスが来そうになった。しかし、相手を殺して逃げ切るなんて簡単のはず。それなのに何故私は逃げずに倒れたふりをしていたのか。しかも、本体で。その後も、何故自身が困っていることをカルキノスに打ち明けたのか。カルキノスが笑って受け入れてくれたから良いものの。あの時、多くの場合殺されていたと考えられます。もし、あの時また殺されていたならもう二度とカルキノスの前に立つことは出来なかった。それに、傷を治すといわれ、何故否定しなかったのか。私の不死によって、怪我なんて瞬きよりも速く治るというのに。それになぜ傷だらけでカルキノスの前に出たのか。ふむ。・・・・・・・・・・・・・・・・・・とりあえずカルキノスが来るのを待ちます。これの答えはまた今度探しましょう。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

♢♢♢♢♢

 

「その気持ち、今なら分かるよ。これはなんだよ!カルキノスを知りたい、もう見ているだけじゃなく関わりたい!カルキノスからしてもらうことはなんでも嬉しい!これが愛じゃないなら何を愛って言うの?ってぐらいだよ!まあ、分かったのは最近なんだけどね!」

 

「あぁ、こんなんだったな。この後薬草とか獣の肉保存してたやつとかを食わせて森に帰そうとしたけど、ついてきてたせいで秘密基地の場所バレて二人の秘密にしたんだっけ。」

 

「そう!あの時は訳も分からず身体が勝手に動いてたけど今思えばカルキノスと別れたくなくてついていってたんだよね。あの時の私良くやったよ!ナイス!」

 

「あれ?オピスはいつ頃から作り始めたんだっけ?」

 

「まあまあ、ゆっくり見ようよ!これから見ていけば大体分かるから、ね!」




Fateの人外は殺されてから仲良くなると分かったのでこんな感じにしてみました。
ここが変だよとか誤字などがあれば優しく教えてください

読んでくれてありがとうございます
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