レルネーの友   作:餅もち

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第一話

カニは意気揚々とレルネーに向かおうとしたところで自分の身体が小さなままになっていることに気づく。

 

「あっ、あの人に元に戻してもらうの忘れてた!急いで戻らなきゃ!」

 

何か忘れてたような気がしてたけどこれだったか。街の中に入られてたらもうどうしようもないし急がないと。そうして、急いで街に戻ったけど残念ながらもうあの老婆は姿を消していた。その代わりに、とても綺麗な人がこちらを見ていた。

 

あっ、この人にあのおばあさんがどこに行ったのか聞こう。あのおばあさんには身振りで伝わったんだし、この人にもきっと伝わるだろ。

 

「(カニは両方の鋏をふりふりする)」

「(この子はなんで戻ってきたのかしら)」

「(カニは鋏で街を指しもう一方で女性を指す)」

「(あぁなるほど。自分の大きさを元に戻してもらいに来たのね)」

「(女性がカニのいる下を見ないので気付いてないのかと焦る)」

「(どうしようかしら。素直に戻してもいいけれど)」

「(カニは諦めて、今の自分なら街にも入れるだろうと門に向かう)」

「(けど、どうせなら)待ちなさい、そこのカニ」

「(気付いてたの!?)」

「貴方に良いことを教えてあげる。貴方を小さくした老婆の正体は私よ。戻してほしければ貴方が今向かおうとしているレルネーに他者の力を借りずにその身体で辿りつきなさい。そうすれば貴方の身体を元に戻した上で私の加護を与えましょう。」

「(いや・・・えっ!?。貴方みたいな綺麗な人じゃなくて俺を小さくしたのはおばあさんですよ!?それに加護って何ですか!?)」

「ふむ。では加護は今与えましょう。そして、自分の大きさを自由に変えられる腕輪。それらでレルネーに向かいなさい。そこで貴方の失われた記憶の手がかりが見つかるでしょう。」

「(えっ。いや記憶の手がかり!?それになんか色々貰っちゃったよ。てゆうかそれより!貴方は誰なんですか!?)」

 

 

「良い質問ですね。答えましょう。私の名はヘラ。オリンポス十二神の一柱であり、最高神ゼウスの妻。この世界における神々の女王です。カルキ・・・いえカニ。貴方に試練を与えます。私が与えた加護と腕輪を使い、怪物ヒュドラの住むレルネーに辿りついて見せなさい。そうすれば、貴方が求めるものを得られるでしょう。」

 

 

「(まだ状況が上手く飲み込めないけどつまり、レルネーに行けば記憶の手がかりを得られるってことだよね。元々レルネーには行くつもりだったし、神様から得られるものがあるなんて言われちゃったら行くしかないよな。よっし!ありがとうございますヘラ様。俺行ってきますね!)」

 

「いいでしょう。レルネーはここから南。あちらの方にあります。その道中にも様々な危険があるでしょうが、しかし本当に大変なのはレルネーに着いてからということは覚えておきなさい。」

 

「(南ですね。それじゃあ行ってきます!)」

 

「ふむなるほど。ではここはこうやって送りましょう。いってらっしゃい。と。」

 

 

 

 

 

 

 

 

いやー。神様って酷いことするなって思ったけど思ってたよりいい人だったな。よく神様が『口にも出さないようなえげつないこと』とかしてるって聞いてたけどそんなことないのかな。それかヘラ様が神様の中で特別優しいだけなのかもしれないしね。今度ヘラ様の神殿見かけたらお礼言っておかないと。あそうだ貰った腕輪で自分の大きさを元に戻しておかないと。・・・・・・これでよし!

 

「ていうか道中に危険があるって言われたのに全然出てこないな。そろそろレルネーに着いちゃうぞー。来るならさっさとこーい。・・・・・・なんて実際に来たら困るんだけど。」

 

 

ガサガサ  グルルゥ ガルルゥ ガサガサ

 

「なるほど。これがあの噂をすればってやつだな。よーしにーげろー!」

 

ギャオオオォォォォ!!!!!

 

「やめてー!俺食べても美味しいくないから!ほら見た目通りのカニだから!食べても美味しくないからー!」

 

やばいどうしよ!あっそうださっきヘラ様から貰った腕輪を使えば!

 

 

 

って俺のサイズが変わったところで俺は見た目通りの強さしかねぇっての!とりあえず今は逃げに専念して・・・・・・・・・・・・うわっ!げふぅ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いてて、逃げてる時にいきなり土が泥になったせいでこけちゃった。あっそうだ追いかけてきたやつは!

 

・・・・・・あ、俺の上にいたんですね。

 

いやだー!まだ死にたくないー!

まだ、・・・・・・まだ!アイツに・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・アイツって誰だ

 

 

 

ギャオオオォォォォ!!!

 

「待って!今何か!思い出しそうなんだ!少しだけ待っt・・・・・・」

 

ズシンッ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「・・・・・・あれっ。生きてる。何で。うわっ真横にこいついるんだけど!ってあれこいつ死んでる。何で?いやもしかしてここっt

 

 

 


 

 

「丁度いいからあの化け物のやばいところも教えといてやる。やつは、猛毒の息を吐く。しかも奴の毒はわずかに吸っただけでも生物を死に至らしめる。それ以外は何も分からなぇ。だから悪いことは言わん。化け物退治がしたければ他のやつにしときな。アイツは近づくだけでお陀仏だからの。」

 

「あぁ。・・・・・・そうしとくよ。ありがとな爺さん。」

 

「でも、実際に会ったことあるんだろ。そのヒュドラっつー化け物はどんな姿だったんだ?」

 

 


 

 

 

『奴の姿は、九つの首を持つ、大きな海蛇だよ。』

「・・・・・・【検討】・・・・・・状況整理」

 

まて、落ち着いて状況を整理しろ俺

俺はカニ。5年前から記憶喪失になり、その記憶のピースがここにあるってヘラ様から言われてここに来た。それから、・・・・・・ってこんなことを考える暇はないんだって!とりあえず身体を限界まで小さくして隠れt

 

「【問題】・・・・・・理解不能、なぜただの生命体がこの環境でまだ生きているのか。【推測】・・・・・・対象は神々の変身した姿、もしくは当機に危害を加えにきた『英雄』と判断。【提案】・・・・・・今すぐ離れて行った場合当機が危害を加えることはない。」

 

 

ヤバいバレてる

何で俺を神様や英雄なんかに勘違いしてんのか分からんが俺がここに隠れてるのがバレてるのは確かだ。逃してくれるってんならありがたく逃げt

 

「【再考】・・・・・・神がこの場に来ることはありえない。対象は当機に危害を加える『英雄』である。」

 

「【要求】・・・・・・今すぐ出てきて名前を名乗ることを求める。応じない場合撃滅する」

 

本当にまじでどういう状況なんだよ!逃してくれると思ったら名を名乗れなんて。あいにく俺に名前なんてないんだよ!けどこのまま隠れているよりはとりあえず出てみる方がいいか。俺は所詮カニ。ヒュドラも見逃してくれるだろ。もしかしたらでてもバレないかもしれないしな。

 

とりあえずそーっと出て、あっバレてなさそう。よし逃げr

 

「【停止】そこの生命体はただちに停止せよ。」

 

そりゃダメですよねー

 

「【疑問】カニ?なぜ生きて活動している?【確認】【解析】【驚愕】【肯定】【否定】【反論】【理解】【歓喜(エラー)】【疑問(エラー)】【異常(エラー)】【破綻(エラー)】」

 

 

 

 

 

「【断定】対象を『カルキノス』と判断」

 

 

 

 

 

 

 

 

「【挨拶】初めまして、当機の名称はヒュドラ。」

「はっ!?カル、キ・・・ノ・・・はっ!?」

「人間たちは、当機を『レルネーの沼の怪物』と呼びます。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして俺はあまりの情報量に気を失った。




こんにちは、読んで頂きありがとうございます
作者はFateについてあまり知らないのですが、Fateにおいてギリシャ神話はロボットが神になってたり、テュフォンがロボットだったりするみたいなので思い切ってヒュドラをロボットにしてみました。
もし何か変なところがあったら優しく教えてもらえると嬉しいです。
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