「【警告】対象Kは理解するべきである。これで本日24回目の侵入ですが、対象Kは1mも進めずに吹き飛ばされている。」
「うるせぇよ。少しでも進めば追い返すか、沼に突っ込みやがって。何でそんなに入らせたくないんだよ」
「【解答】対象Kにとってこのレルネーは危険である」
「その危険ってなんだよ」
「【解答】危険は危険。侵入は決して許さない。」
「その危険について説明しろって言ってんの」
「【解答】説明はすでに終えている。」
「お前誰かに説明することもできないの?」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
沈黙。
お互いに顔を見合わせ、数秒、数十秒たったころ。
「【解答】対象Kにとって説明不足であったことは認めましょう。」
「あぁん!」
「【解答】事実です。そして対象Kが理解できる説明をしましょう。」
「お前はいちいちそんな言い方しか出来ないのかこの野郎」
「【解答】対象Kは脆弱です。」
「おい無視すんな。それについては自覚してるけど」
「【追加】さらに沼によくハマっています」
「それはお前のせいだろうが!」
「【結論】対象Kはこの場所で生きるのに向いていない」
「だから、そんなんじゃ納得できないんだよ!」
ヒュドラは真面目に、そして真剣にふざけることなく説明していた。だから彼は余計に腹が立っていた。
「【疑問】対象Kはなぜそれほど危険な場所に近づきたがるのか。【再論】対象Kは自殺志願者である。」
「だから前から言ってんだろ。俺の記憶の手がかりがここにあるんだよ。ヘラ様からここで何か見つかるって保証もしてもらってるしな。」
「・・・・・・【報告】記憶とは必ずしも取り戻すべきものであるとは限らない。さらに、当機が対象Kをこの奥に入れることはありえない。【提案】今すぐこの場から離れ、別の場所で生きていくことを進める。」
「嫌だね。そんなのムカつくし、ここに来て分かったこともあるんだ。『カルキノス』。この言葉、初めて会った時に俺に対して言っていた言葉だ。それにヘラ様も俺に話しかけてくるときにカルキノスと言っていた。つまり、俺の名前はこの『カルキノス』じゃないかって思うわけ。そう考えてみるとお前が呼ぶ『対象K』のKは
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・おい。なんか言えよ。驚きすぎて言葉もでないのか?仕方ない今すぐに俺に今までの謝罪をして、俺について知ってること洗いざらい吐き出したら許してやろう。」
そう言ってカニ・・・・・・いや、カルキノスは沼に向けて一歩踏み出す。
すると怪物、・・・・・・ではなくヒュドラの首がピクリと動く。
「おい待て。先に話し合おう。今は話をするところだろ。ほら戻った!もう沼から出てるから!」
「【警告】」
「いや待て待て待て。」
「【警告】」
「話の途中だろ!?」
「【迎撃】」
そういってヒュドラはカルキノスを空に吹き飛ばす。
カルキノスが空を飛び、地面を転がって、やがて木の幹にぶつかる。
「ぐえっ!」
「【報告】本日25回目の侵入です。」
「この・・・・・・や、ろう・・・・・・・・・が。覚えて・・・・・・やがれ。」
「【解答】覚えています」
「そうゆう意味じゃねえよ。くそっ・・・・・・」
そう言ってカルキノスは意識を失った。
♢♢♢♢♢
空はもう赤くなり、夕日の眩しさでカルキノスは目を覚ます。
「あら。起きたのね」
「いた・・・・・くない。なんでだ?まあいい。あの野郎俺をこのまま放置していきやがったな。・・・・・・次はどうやって侵入して・・・・・・・・・・・・ヘラ様!?」
「ええ、そうよ。おはよう」
「あぁ。おはようございます。ってなんでここにヘラ様が!?」
「あの子にお願いしたものを取りに来たんだけど。カル・・・・・・、貴方が倒れてるのを見かけたから少し見てたのよ。」
「俺のことはカルキノスでいいですよ。というか聞きたいことが色々あるんです。ってここどこだ?」
「レルネーの近くですよ、カルキノス」
「あぁ。思い出した。アイツめさっきはよくもやってくれたな、」
ヘラは笑う
「そうね。カルキノスはよく頑張っているわ。」
「神さまに褒めてもらえるなんて!ありがとうございます。ところでヘラ様はアイツに会いに来たんですよね。友達なんですか?」
「友達・・・・・・とは違いますね。母親のようなものです。」
「母親?」
「はい。小さな頃から育てているので。」
「へぇ。」
「あいつ絶対友達なんて一人もいなかったでしょ」
「そうですね。あの子は自分の持つ毒のせいで他者と関わることはありませんでしたから。」
「すみません」
「いいのです。でも、そんなあの子にも一人だけ友達がいたのですよ。」
「へぇ〜。それって誰なんですか?」
「それは・・・・・・・・・・・・自分で聞いてください。私から言っていい事ではありませんから。」
「それもそうですね。話を聞かせてくれてありがとうございます。あっ最後に俺について教えてくれませんか?どれだけ侵入しようとしてもヒュドラが邪魔して入れないんですよ」
「ふむ。・・・・・・カルキノス、私から貴方に試練を与えましょう。あなたには私から道具の他に加護を与えています。それにより今までよりも堅くなっています。なので、あの子から攻撃されてもその程度で済んでいます。そして身体のサイズを変えられる腕輪を使えば侵入は可能です。これから私は日が落ちるまで沼の奥であの子と話しをしてきます。あの子自身は私と話す間その場に留めておきましょう。そしてその間にこの奥に侵入し、あの子と私がいる場所に辿り着いてみなさい。それが出来ないのなら、ここであったことは全て忘れてただのカニとして生きていきなさい。」
「さあ、選びなさい」
「えっいきなりなんですか。どうゆう・・・・・・・・・・・・・・・・・・いや、俺に覚悟を決めろと、そう言っているんですね。・・・・・・分かりました。やります。」
「いい返事です。少しでも迷ったら記憶を消して海に帰していたところです。では私は先に行きます。私たちのいる場所を探し当ててみなさい。」
そういうと、ヘラは突然いなくなる。
「よしっ、それじゃあ頑張って探し出すか。まず大きくなって周り見渡してみるかー」
まずデカくなって周り見渡した方が目星もつけやすいしな。けどあんまり大きくなると疲れるんだよな。動きも遅いし。小さくなると力は弱いけど、素早くなる上、疲れにくさは変わらないのになんでなんだろ。まあ、その代わり力が強くなってるしいいか。ら
「よしっ『
「『
そう言ってカルキノスが沼に一歩踏み出した時。
突如ヒュドラの首と同じくらいの蛇がカルキノスに襲いかかる。
「やばっ!急いで逃げないと!」
また、逃げるのか
逃げ続けて、それで辿り着いて俺は納得出来るのか
あの時も逃げなかったから今の俺がいるんだろ!
「そうだよな!俺!」
シャアアアアア!!!
「うぉぉぉぉおおおお!!!!!」
カルキノスは蛇に噛まれる。だが、蛇の牙はカルキノスの甲羅を貫くことが出来ない。その隙にカルキノスは自分の鋏をその蛇に叩きつける!一撃で倒れないので何度も何度も何度も何度も!!時に叩き、時に挟み、そしてその果てに鋏で蛇を真っ二つに捩じ切った!
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ」
「俺もやればできるじゃん」
この調子であいつのところに向かって・・・・・・
シャアアアアア!! シャアアアアア!!
あれ?なんか声が増えてるような
「うわっ噛みついて・・・・・・っ!あれさっきより威力が落ちてる?・・・・・・・・・・・・なるほどそうゆうことか。それならさっさと進むとするか。たしか開けた場所はあっちだったはず。」
「日暮れまでまと一時間もないくらいだよな。急がないと!」
「「「「「「「「シャアアアアア!!!!!」」」」」」」」
「増えてるし、大きさ元に戻ってるし、予想と全然違ったんだけど。ってこんなことしてる場合じゃないな。逃げる!」
「「「「「「「「シャアアアアア!!!!!」」」」」」」」