「逃げ切れちゃった。大きくなって迎撃したり、小さくなって逃げたり、通常状態で逃げながら戦ったりしたけど、まさか本当に逃げ切れるなんて。」
俺なんか前より早くなってるよな。何でだろ。ヘラ様の加護は堅くなるだけらしいのに。まあいいか。そろそろあの開けたところに出るはずだけど
「確かこのへんだったかな。よっと」
うわまぶし!まずいな日暮れまで30分もないよな。この開けたところにいなかったらもう見つかんないかもな
あれここって廃墟、だよな。・・・・・・多分元々村があったとかいうやつの。でも、なんでここまでボロボロになってるんだ。
ズキンッ
『お母さん!今日も森の方に遊びにいってくるね!』
『待ちなさい!森は危ないっていつもいってるでしょ!』
『大丈夫だよ!そんなに遠くまで行かないから!じゃあ行ってきます!』
『こらっ!待ちなさいカルキノス!・・・・・・ったく暗くなる前に帰ってきなさいねー!もう、お父さんからも言ってください。』
『ははは!俺も子供の頃はこっそり村を出て遊んだものさ。あの子はちゃんと伝えてるだけ俺よりも真面目だな』
頭が痛む。なんで初めてきたはずのここに既視感を感じるんだ。それに今のはいったい。
調べないと。
『おはようカルキノス!今日はどこに行くんだ?』
『おはようお兄さん!森まで行ってくる!』
『気をつけるんだぞー!』
『はーい!』
『おはようカルキノス!今から一緒に遊ばない?』
『おはよう!けどごめん!ちょっと今日は森に遊びに行くんだ!』
『そっか。じゃあ明日遊ぼうね!』
『うん!明日遊ぼう!』
『おはようカルキノス。また村からでて遊びに行くのか?』
『おはよう門番さん!うん、いいよね?』
『いつも言ってるが森は危ないんだからな。俺との約束覚えてるか?』
『うん。一時間に一回戻ってくること、村からあまり離れないこと、危険になったらすぐに助けを呼ぶこと、それとーえっとー・・・・・・」
『危ないものには近づかない、だ』
『そうそれ!その4つだよね』
『そうだ。守れるか?』
『うん!守れるよ!』
『よし、いいだろう。ちゃんと気をつけるんだぞ』
『はーい。行ってきます。』
そうだ、俺は元々この村で育ったんだ。村に住む人間の子供だった。それでこの日もいつものように森に遊びに行ったんだ。それで森で何かを、誰かに、会いに行ったんだ。
「行ってみよう」
小さなカルキノスは森を走る。
子供の足とは思えないほどの速さで森を走り抜ける。その果てに木の枝や葉っぱで作られた子供が入れそうな場所に辿り着く。
「ここは・・・・・・なんだっけ、ズキンッ 頭が痛い」
『おはよー!おーい、きたよー!ヒュドラー!いるー!』
「はっ?」
するとその枝や葉っぱを集めて出来た、・・・・・・いや、俺が作った秘密基地から1匹の小さな蛇がでてきた。
『合言葉を答えなさい。答えなければ追い出しますよー。』
『えー。もう目の前にいるのに合言葉いう意味あるの?』
『あるの!早く答えて!』
『はいはい、『
『ふふん、よしっ!おはようカルキノス。今日も来てくれて嬉しいな。今日は何して遊ぶ?』
『お前も合言葉答えろよ。まあいいけどさ。今日はもちろん昨日の続きにきまってるじゃん!今日こそあれ完成させるからね!』
『了解。昨日カルキノスが帰ってから近くの残骸集めておいたんだよ。』
『さすが俺の親友!準備は完璧だな!じゃあ今日もカニ型ロボ『オピス』完成に向けて頑張るぞー!』
『おー!』
それから数日後
『よし、後はこのロボットの核のこれを入れたら完成だ。ヒュドラ!一緒に入れようぜ!』
『うん!えへへ、やっと完成だね。』
『あぁ、長かったなあ、どれくらい作ってたんだっけ?』
『確か私と会って一週間後くらいからだから、・・・・・・半年くらいじゃないかな。』
『もう、ヒュドラと出会ってそんなになるのか。初めて会った時は本当にびっくりしたなぁ』
『もう、あんまり昔の話はしないで!恥ずかしいじゃん。ほら早く『オピス』完成させよ?」
『あははごめん。よし、じゃあせーので入れようね。』
『『せーの!!!』』
そうだった。少しずつ思い出してきた。ヒュドラとヘラ様が今いる場所もきっと、俺たちが昔ずっと遊んでいた、あの場所しかありえない。
「あっ時間はっ!?やばいもう日が沈んじゃう!急がないと!」
カニの身体でカルキノスは走る。
子供の頃よりも速くカルキノスはあの場所に走り続ける。
♢♢♢♢♢
「これで終わり。毎回言ってるけど扱いには気をつけてね。少しでも掠ったら死んじゃうからね。はい。どうぞ。」
「ありがとうヒュドラ。これで処分できる相手が増えました。ありがとう」
「大丈夫だよお母さん。けど、それの原因が私だって絶対にバレないようにしてね。私誰かを傷つけて退治される怪物にはなりたくないから。」
「えぇ、もちろん分かっています。やはり貴方はあの子と一緒に生きていきたいのですね。」
「そんなんじゃないよ。ただ「なので今あの子はここに向かってきています」えっ?」
「今分かれている首の見ている景色をを見てみなさい。」
「ちょ、うそうそ、待って本当に追ってる!?ちょ全機緊急停止!?緊急停止!」
「あら、止めてしまうのですね。まあ、最初に立ち向かって勝利した時点で合格ということにしておきましょう。次はここに辿り着けるかですね。」
「もうお母さん!?何してるの!?カルキノスをいじめたらお母さんでも殺すっていったよね!?」
「これはいじめているのではなく試練。そしてあの子と貴方にとってやらなければならないことです。」
「分かんない!どうゆうことなの!?」
「では簡潔に。現状は問題の先送りをしているだけで2人にとって良いことは一つもありません。そのため、荒療治でもこうするべきと考えます。」
「それでカルキノスに悪影響があったらどうするの!?私なりに少しずつやっていこうって考えてたのに」
「それで貴方は何をしていたのですか?」
「いやっ、その、時間が解決してくれるかなって。」
「まったく、それはあの子に向き合うことを恐れているだけです。・・・しかし、私はあの子に夕暮れまでと期限を決めています。あと、5分ほどですね。もしこれで来なかったら私は間違いを認めます。しかし、ここに辿り着いたのなら恐れずに向き合いなさい。」
「うー・・・・・・がー・・・・・・もー・・・・・・。はあ、分かった、分かりました。もし後5分で来たらちゃんと向き合うよ。でも、来なかったら・・・・・・
「おーい、ヒュドラーいるんだろー!」
「ここ以外考えられないからもうここだって思っていうからなー!」
すぅぅぅぅーーーーーーーーーっ
「『
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「やはり私の勝ちですね。さあちゃんと向き合いなさい。」
「あら聞こえてませんね。では邪魔者は消えるとしましょうか。」
そう言ってヘラは消える。
ヒュドラは走る。
あの頃と同じただの蛇の姿のまま入り口に向かって走る。
「カルキノス!!!」
「おい今回は合言葉、言えよ」
「うん。
『
秘密基地から飛び出してきたヒュドラは止まらず、勢いのままカルキノスにぶつかる
「いたっ!」「いでっ!」
「ったく。まだ頭いてぇのに頭にぶつかってくるんじゃねぇよ。」
「うん、ごめんね。っていうか思い出したの!?どこまで!?全部!?合言葉覚えててくれてありがとう!なんでここにいるって分かったの!?」
「待て待て待て。そんなに一気に捲し立てられても答えれねぇよ。けどとりあえず中に入れてくれ。話したいことは色々あるんだ」
「あっそうだね。私からも話さないといけないこといっぱいあるの。聞いてくれる?」
「はいはい、全部聞くし全部話す。けどとりあえず今日は疲れた。全部明日に回して今日はゆっくり休もうぜ」
「うん。じゃあこっちきて。」
「ここだよ!」
「おーなんか色々すごくなってんな。まあ、とりあえず今日は寝る。おやすみ。」
「うん。おやすみカルキノス。」
♢♢♢♢♢
「無事再会が出来たみたいですね。元々はあのヘラクレスとやらを殺すのにあの子を使おうと思って育てていましたが、あんな幸せそうにされたら頼みにくいですね。あの子も怪物にならないと言っていましたし、仕方ありません。あの子以外で殺す方法を考えなおしますか。おやすみなさい、ヒュドラ、カルキノス。良い夢を。」
ヘラの視線の先の奥では、小さな蛇と大きなカニが寄り添って眠っていた。