万事屋一行の『複合都市』生活   作:ex(イクス)

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第10話です。
これで第1章は完結となります!

まだ現実世界的にはちょっと早いけど海回になります!!

それではどうぞ!



第10話:海に行くなら水着のカロリーと版権の壁を覚悟しろ

「……いいかい、新八、神楽。俺ァ今、かつてないほどの『勝ち組の匂い』に包まれている。見てみろよ、この眩いばかりの純金インゴット(鬼ごっこの賞金)の山を。もうババアにツケを引かれようが、俺たちの明日のパチンコ屋の『世界の歪み』への全ツッパ資金は永久に枯渇しねーんだよォォォ!!」

ダブル真祖との地形崩壊級お鬼ごっこを奇跡の連携で制し、見事「純金100キロ」を毟り取った万事屋一行 。

昨夜、真裏の山に『千年城』が違法建築されるという世界観のバグを目撃したものの、札束……ではなく金の塊を前にした坂田銀時のテンションは最高潮に達していた。

 

「銀さん! 千年城が裏山に建った恐怖をゴールドの輝きで誤魔化さないでください!! でも……まぁ、確かに今回ばかりは両隣(ニコさんやアルさん)も含めて、商店街全員がホクホク顔ですからね」

志村新八が、いつになく穏やかな顔で(爆風で焦げていない新品の)アロハシャツに袖を通す。

「フフン、夏も本番ネ新八! 毎日鏖魔の肉を網で焼くのも飽きてきたから、ここいらで一発、この街の『海岸エリア』ってやつに繰り出して、海のキモい魔物を片っ端から大鍋で煮込んで『最高級の海鮮ダンジョン飯』にしてやるアル!」

神楽がシュノーケルと浮き輪を定春の頭にセットする。

そう、今回は鬼ごっこを共に戦い抜いた商店街のオールスター連合、および1階のスナックの常連一同、さらには彼らの「それぞれの知り合い」まで巻き込んだ、前代未聞の【複合都市大・合同海水浴ツアー】が開催されることになったのだ!

 

「お〜う、万事屋の旦那ぁ! 待たせたな! 俺たちルパン一味も、自慢のサマーバケーション仕様で参戦だぜ〜!」

複合都市の超巨大な海岸エリアに到着した瞬間、万事屋一行を迎えたのは、水着の上からアロハシャツを羽織ったルパン三世と、パラソルの下で静かにバーボンを傾ける次元大介、そして相変わらず水着の面積がコンプライアンス限界突破している峰不二子の一味だった。その後ろには、なぜか当たり前のように砂浜にジャッキアップされて「海の家」の代わりにされている黄色いウォーカーギャリアが鎮座している。

「ルパン一味、相変わらずビーチでもロボット私物化してんじゃねーよォォォ!!! 砂浜の接地圧でギャリアがズブズブ沈んでいくだろ!!」

新八のツッコミが、心地よい波の音に混ざって響き渡る。

「ちょっと! ルパン! 私たちの特等席の前にそんなデカいブリキのオモチャ置かないでよ!」

隣のエリアに陣取っていたのは、最新のブランド水着に身を包み、日焼け止めをアンビーに塗らせている『邪兎屋』のニコ・デマラ(と、特撮ヒーロー物のビーチボールを膨らませているビリー、砂浜でカニと格闘している猫宮又奈)。

「フッ……海の家を支配する者こそ、真のアウトローよ。ムツキ、ハルカ、今すぐあの『便利屋68』の看板を海の家の中心にぶち立てなさい!」

内心バクバクのまま、お洒落な水着の上から意地でもコートを羽織って熱中症寸前の陸八魔アル(と、笑顔で特大の水中爆弾を波打ち際に仕掛けているムツキ、胃を押さえながら「不法占拠……」と呟くカヨコ、砂浜を更地(埋め立て)にしようとスコップを持ったハルカ)。

さらに、お向かいの『坂本商店』の坂本店長は、エプロン姿のまま砂浜で完璧な「イカ焼き」を無言で大量生産しており、シンとルーがそれを海の家の2倍の安さで売り捌いていた。

「あ、あの……ミオさん、この水着、ちょっとスースーして恥ずかしいです……」

「何を言ってるのスレッタ! 最新のトレンドよ! ほら、エアリアルのビームサーベルの熱で、こっちの特製トマトを湯むきして冷やしトマトの露店を開くわよ!」

左斜め向かいのモダンなお屋敷からは、可愛い水着姿のスレッタとミオリネ、そして背後で海パン(?)の代わりに全身に浮き輪をハメた1分の1ガンダム・エアリアルが、お台場の実物大ロボばりの存在感で波打ち際に佇んでいた。

「ご近所オールスターの水着のカロリーが高すぎて、海の青さが1ミリも目に優しくねぇぇぇオオオ!!! ガンダムに浮き輪ハメたって海に浮くわけねーだろ!! 1機で数万トンあるんだから底に沈んで新種の海底遺跡になるわ!!」

新八が喉を枯らして絶叫していると、さらに砂浜の奥から、1階のスナックの常連である『ORDER』の大佛が巨大な丸鋸をスイカ割りの棒代わりに構えて歩いてきたり、夜桜凶一郎が「六美の水着姿を直視する男は全員この不可視の鋼糸で海底の藻屑にしてやる……!」と殺気を放ち始め、ビーチ全体の治安が1秒で崩壊し始めていた。

右隣、左隣、お向かい、斜め向かい、そして1階の修羅たち。

学校に行けば魔王、ダンジョンに行けばスパロボ、裏山には千年城。

そして第1章の最終回を飾る舞台は、各作品のメインヒロインとバケモノたちが一堂に会した、最高に狂っていて、最高に華やかな【全次元合同・大海水浴場】。

「銀さん……僕、もう分かりました。この海水浴、誰かが『スイカ割り』とか『ビーチバレー』を始めた瞬間に、ソルの火炎か大佛さんの丸鋸が炸裂して、この海岸エリアごと津波で消滅しますよ……!」

波打ち際でムツキの水中用爆弾が「ドパァァァン!」と涼しげな水柱を上げ、ガンダムが静かに海底へと沈み始め、ルパン一味が大笑いする中、万事屋一行と複合都市のオールスターたちによる、最高に熱くて物騒な「大海水浴ツアー」が、これ以上ない大爆発の予感と共に幕を開けるのだった——!

 

 

「アハハハ! 銀時さん、見て見て! 私、空想具現化で砂浜を全部『最高級の冷え冷えウォーターベッド』に変えてみたよ〜☆」

「フォフォフォ、お嬢さん、ワシは新横浜のキャバクラのノリで、ギャリソン(レイバー)の肩の上からシャンパンタワーを具現化してみたぞい」

砂浜のど真ん中でダブル真祖が世界観を書き換えながらバカ騒ぎし、その横のパラソルの下では「ヒィィィ!!! ロナウド君、新横浜より日差しが強いのだ! 我輩のデリケートな皮膚が、日焼け止めを塗る前に『直射日光の紫外線』だけで3秒に10回のペースで砂に強制変換されているのだァァァ!!」とドラルクがサラサラの砂鉄のようになって頽れていた。

「おいおい新八、見ろよ。あっちの格闘ゲーム界の核弾頭(ソル)は、海に入った瞬間に自分の炎のオーラで周囲の海水が一瞬で沸騰して『ガチの熱湯コラム』になってるぞ。あの男、歩く環境破壊だろ」

坂田銀時が、新品の海パンの紐をグッと結び直しながら、死んだ魚の目をのんきに泳がせる。

「銀さん、そっちのインフレはもう諦めました。それより……泳ぎ疲れてお腹がペコペコなんですけど、商店街の『海の家』って、どこにあるんですか?」

志村新八が、潮風で曇った眼鏡を拭きながら周囲を見渡す。

「フフン、あっちにめちゃくちゃお洒落で、かつ『大人の事情の艤装』の匂いがする海の家があるネ! 神楽ちゃんが、あの厨房からラーメン100杯を力ずくで毟り取って、今日のディナーにするアル!」

神楽が指差した先。

砂浜の最も一等地に建てられていたのは、どこかノスタルジックで美しい、木造の立派な海の家だった。

万事屋の3人が暖簾をくぐり、「ちーっす、焼きそば3つとラムネ」と注文を入れようとした、その瞬間。彼らの脳細胞は、第1章の最終回にふさわしい、あまりにも異次元な「スタッフ陣」の顔ぶれによって完全にメルトダウンを起こした。

 

「は〜い、いらっしゃいませ! 万事屋の皆さんですね。サリバン理事長やオルガマリー所長から聞いていますよ。今、特製の『間宮羊羹』と焼きそばを焼きますからね!」

厨房の奥から、割烹着(の水着仕様)姿で最高の聖母スマイルを浮かべて現れたのは、全提督の胃袋と精神を支える給糧艦——『艦隊これくしょん -艦これ-』の間宮さんだった。

 

「ま、間宮さんだァァァオオオ!!! 艦これの、あの全人類のオアシスが海の家の店長やってんじゃねーよ!!」

新八が秒速でメタ絶叫を上げるが、驚きはそれだけではなかった。

 

「チッ、おい間宮! 焼きそばのキャベツが足りねえぞ! あと外のクソガキども(ムツキたち)、うちの店の前に水中爆弾をインテリア代わりに並べるんじゃねえ! 資材として回収して燃やすぞコラァ!!」

間宮さんの横で、不機嫌そうにコテを叩きつけていたのは、メガネをかけ、大量のドラム缶を背負った深海棲艦——集積地棲姫だった。

 

「深海棲艦がバイトに就いてんじゃねーよォォォ!!! 本来敵同士だったのに、ただのガテン系のちょっと口の悪い看板娘になってんじゃねーか!! 艤装を厨房のゴミ箱代わりに使うな!!」

新八のツッコミが炸裂する中、さらにカウンターの特等席。

お洒落なカクテルグラスを傾けながら、長い脚を組んで、信じられないほどのカリスマオーラ(あるいは絶対王者の威圧感)を放つ、謎の薄水色のウェーブのかかった長髪の女性が座っていた。

「……フフッ、素晴らしい海の家ね。この複合都市の波のメロディ、私の『水上第九院』の旋律としても悪くないわ。……おや、そこの白髪の侍、私の美しさに言葉を失ったかしら?」

女性がフッと微笑むと、その背後に、一瞬だけ『デュエル・マスターズ』の巨大な水文明の最凶クリーチャー——【水上第九院 シャコガイル】の巨大な幻影が「キィィィン!」と発光した。

「デュ、デュエプレの人間態(スキン仕様)になってんじゃねーよォォォオオオ!!! シャコガイルって、『自分の山札をゼロにして特殊勝利する』っていう、一番対戦相手にリアルな台パンを誘発させるタイプのトラウマカードじゃねーか!! なんでお洒落にカクテル飲んで海の家の常連になってんだよ!!」

新八の喉がついに完全に大破した。

「おいおいおいおい、待て待て待て」

銀時は冷や汗を流しながら、お土産の純金バーを後ろ手に隠した。

「始まったよ、C2機関(艦これ)とタカラトミー(デュエマ)の、第1章の最終回のエンディングのクレジット表記を一番豪華にするための『最終回サバト』だ。見ろよ、お向かいの坂本店長が、あのシャコガイルの『特殊勝利オーラ』に気づいて、イカ焼きの串を一瞬で『暗殺クナイ』に変えながら、レジの奥へ匍匐前進で避難してるぞ。あの最強おじさんが2回も避難するレベルの地獄の海の家だろこれ!!」

「フフン、いいじゃないネ銀ちゃん。料理の神様(間宮)と、メガネのツンデレ(集積地)と、貝のねーちゃん(シャコガイル)が揃ってるなら、今すぐあのカウンターの上で、お土産の鏖魔の肉と、ドラクエのミミックの残骸を全部大鍋にブチ込んで、最高に贅沢な『第1章完結記念・全次元合同水着ダンジョン飯』の大宴会を始めるアル!」

神楽が満足そうに鼻をほじりながら、間宮さんの作った特製焼きそばを10杯一気に口に放り込んだ。

「ハハハ、間宮さんのイカ焼き最高じゃねえの! 次元、お前も美味い酒ばかり飲んでねえでこれ食ってみな!」

「……フッ、焦げ目が完璧だな。シャコガイルさんよ、あんたの水文明の力で、この生ビールをもう少しキンキンに冷やしてくれないか?」

「お安い御用よ。我が九院の旋律で、グラスの分子構造ごと絶対零度にしてあげるわ」

『海の家・間宮』のカウンターでは、ルパン一味とデュエマの絶対王者(シャコガイル人間態)がすっかり意気投合し、間宮さんの作る最高級の海の家飯(と集積地世紀の「ほらよ!」と投げ出すドラム缶ビール)を堪能していた。

万事屋一行も、30円の残高を全て使い果たして手に入れた「間宮特製ラーメン」を貪り食い、第1章の過酷なサバイバルの疲れを癒していた。

——しかし、ここは全次元の混沌が闇鍋のように凝縮された【複合都市】。

第1章のグランドフィナーレが、ただののどかなサマーバケーションで終わるはずがなかった。

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……!!!

ブクブクブクブクブクッ!!!

 

突如として、穏やかだった沖合の海面が、まるで沸騰したかのように激しく泡立ち始めた。

その直後、津波のような高波と共に、海中から太陽の光を遮るほどの「巨大な暗黒の触手」が何十本も天を衝くように突き出してきた。

『ーーーグルゥゥゥゥアアアアア!!!』

海底の底から響くような地鳴りの咆哮と共に姿を現したのは、神話の世界からそのまま飛び出してきたような、全長数百メートルを超える伝説の超巨大海洋魔獣ーー【クラーケン】だった!!

 

「ぎゃあああああ!!! 始まったよ! 第1章の最終回の定番、作画の予算を使い果たすタイプの実物大・超巨大レイドボスがポップしたァァァ!!!」

志村新八が、ラーメンの汁を眼鏡にブチ撒けながら、砂浜にひっくり返ってメタ絶叫を上げる。

クラーケンは怒り狂ったように巨大な触手を振り下ろし、海水浴場全体の空間を破壊せんと暴れ狂う。その風圧だけで、砂浜で灰になって寝ていたドラルクの灰が、新横浜の彼方まで一瞬で吹き飛ばされた。

「おいおいおいおい、待て待て待て、カプコン……じゃなくてエニックス……でもなくて、どこの神話のバケモノだよアレ!!」

坂田銀時が死んだ魚の目を限界まで引きつらせ、木刀『洞爺湖』を構える。

「Eテレ(魔入間)の鏖魔ディアブロスを倒したばっかりだぞ!? なんで最終回のエンディング映像が流れる直前に、あんな映画のレーティングがR-15指定になるタイプの触手モンスターが攻めてくるんだよ!! コンプラどうなってんだ!!」

しかし、このビーチに集まっていた面々は、全次元の裏社会、特務、そして神の領域に達したバケモノたちのオールスターである。

「あらあら、せっかくの美味しいラーメン(間宮特性)の時間が台無しだねぇ。たきな、あのタコ、私たちのリコリスの技術で、一瞬で『晩御飯の材料』にしてあげましょう」

錦木千束が、ドリンクを持ったまま水着姿でサムズアップする。

「……了解。千束、射線を開けてください。ーー特車二課、および治安維持局特務、一斉射撃を開始します!」

井ノ上たきなの精密射撃と、イングラムの肩の上から銭形警部がぶっ放すリボルバーカノン、さらには朱鳶の二丁拳銃の連続アーツが、クラーケンの触手をハチの巣にしていく。

「フン! 私の夜桜式柔術にかかれば、タコの足が何本あろうが、全てまとめて十文字に結んで雑巾絞りにしてやるわ!!」

夜桜二刃がちっちゃな体から凄まじいオーラを放ち、大佛が巨大な丸鋸を『シャリ……シャリ……』と鳴らしながら、クラーケンの触手をスイカ割りの要領で一瞬で輪切りに解体していく。

「ーーーチッ、面倒な生ゴミが湧きやがったな。まとめて消し炭になりな!!ヴォルカニックヴァイパァァァァァァ!!!!!!」

ソル・バッドガイが砂浜から放った極大の火炎爆発により、クラーケンの右半身と周囲の海水が数万トン規模で一瞬で一気蒸発し、ビーチ全体に真っ白な巨大な湯気が立ち込めた。

「身内の火力のインフレが一番の天災だよォォォオオオ!!! クラーケンが可哀想になるレベルで、全次元の最強たちが水着姿でタコ殴りにしてんじゃねーか!! 完全にただの『海鮮食材のスピード剥ぎ取り会場』になってるわ!!」

「フフン、いいじゃないネ新八! 神楽ちゃんが、あのソルの炎で綺麗にボイルされたクローケンの足を、間宮さんの海の家の厨房に放り込んで、最高にジューシーな『第1章完結記念・特大タコ焼きパーティー』のメインディッシュにしてやるアル!」

神楽が満足そうな様子でちぎり取られた巨大な触手を引きずって海の家へとダッシュする。

その背後では突如現れた神話の魔獣(クラーケン)を、水着姿のオールスターたちが「ただのおつまみの材料」として一瞬で分別処理するという、最高に狂っていて、最高に賑やかな光景が繰り広げられていた。

 

 

「――って、タコじゃなくて『超特大イカ焼き』になっちゃったよォォォオオオ!!! クラーケンって一応タコかイカのどっちか曖昧な神話の怪物だけど、完全に坂本店長の個人的なメニューの都合(イカ焼きの鉄板)によって『イカ』の方に強制変換(調理)されてんじゃねーか!!」

志村新八の、第1章の最後を飾るにふさわしい、喉が完全に大破するレベルのメタツッコミが、夕暮れの砂浜に響き渡った。

神話の超巨大海洋魔獣クラーケン。

その、天を衝くほどの触手の群れも、このビーチに集った『全次元の真の怪物たち』の前には、ただの「ちょっと新鮮なシーフードの食材」に過ぎなかった。間宮さんの神がかった包丁さばきによってミリ単位で解体され、お向かいの坂本店長の『スリムモード』による音速のコテさばきによって、巨大な鉄板の上で「ジュゥゥゥゥ~~~ッ!!!」と香ばしい醤油の焦げる匂いと共に、完璧な焼き加減の『超特大イカ焼き(クラーケン焼き)』へと姿を変えてしまったのだった。

「モグモグ……うん、見た目はキモかったけど、これ身がプリプリしててめちゃくちゃ美味いネ! 油がジューシーで、間宮さんの特製ソースが脳の細胞に染み渡るアル!」

神楽が、自分の体よりデカいイカ焼きの肉片を、丸太のように両手で抱えながらバクバクと貪り食う。その横では、いつの間にか型月世界の最強真祖(アルクェイド)に懐かれて「ヌー……」と優しく撫で回されているアルマジロのジョンが、のんきにイカの吸盤を齧っていた。

「はぁ……はぁ……まぁ、終わりよければ全てよし、ですかね。まさか神話の天災を全員で美味しく完食して、第1章を締めくくることになるなんてね……」

新八が、すっかり潮風と醤油の煙でベトベトになった眼鏡をきゅっと拭き直し、ようやく一本のラムネの栓を抜いた。

「へっ、しゃーねーな……」

坂田銀時は、手元に残った『なけなしの30円』をポケットの中で転がしながら、夕陽に照らされたイカ焼き(クラーケン焼き)を豪快にガブリと一口齧った。

彼らの視線の先。

水平線の彼方へ、ゆっくりと、しかし圧倒的な美しさで沈み始めていく、燃えるような朱色の夕陽。

その夕光に照らされながら、砂浜では、ルパン一味がギャリアの肩の上でビールジョッキを掲げ、便利屋68のアルが「フッ、これぞ悪の組織の最高のバカンスよ!」と熱中症寸前でコートをなびかせ、邪兎屋のニコが空っぽの財布を夕陽にかざして涙ぐみ、スレッタとミオリネがエアリアルの巨大な手のひらの上で仲良くイカ焼きを分け合っている。

右隣、左隣、お向かい、斜め向かい、そして我が家の1階。

学校に行けば魔王、ダンジョンに行けばスパロボ、裏山には千年城、そして海に来れば神話の怪物のディナー。

家賃の滞納分は完済したけれど、財布の中身は相変わらず30円。

世界がどれだけ混ざり合おうが、どれだけヤバい奴らが集まろうが、この『万事屋銀ちゃん』の看板がある限り、彼らの混沌とした、そして最高に愛すべき不条理な日常は、どこまでも、どこまでも続いていく。

「よし! イカ焼きも食ったし、第1章の作画予算も綺麗に使い果たしたことだし、そろそろ我が家に帰るぞ、お前ら! 明日の朝一番の『第2章』の開幕に向けて……俺たちのパチンコ液晶の輝き(全ツッパ資金)を毟り取る新たなる戦いへ、パンツァー・フォーォォォ!!」

「だから最後の最後まで別の作品の戦車道の号令で締めるんじゃねェェェェエエエ!!!」

新八の最後のツッコミが、オレンジ色に染まる複合都市の夜空へと、賑やかに、そして最高に物凄く響き渡るのだった。

波の音が優しく砂浜を洗い、遠くでマゼラ・トップの自爆花火がパッと咲く中、万事屋一行の「複合都市サバイバル・第1章」は、最高のイカ焼きの味と共に、これ以上ない大団円の幕を閉じるのだった――。

 





第1章 万事屋in複合都市編・全10話 完全完結!!


と、いうわけで万事屋一行の『複合都市』生活 第1章!完結です!!

次回からは第2章へと突入します!!


書置きも無くなってまた書くところからなので本格的に不定期に更新になりますが、でき次第どんどん上げていくので楽しみにしておいてください!

それでは第2章でお会いしましょう!!
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