万事屋一行の『複合都市』生活   作:ex(イクス)

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どうも
2章2話です


今回は神楽がマーキュリー邸にお泊まりしに行くようです。




第2話:女子が集まると部屋の壁と世界線がだいたい崩壊する

真選組の屯所が建ち、複合都市の警察オールスターズにガチボコにされた翌日。

万事屋の右斜め向かいでは、ロナウドが「原稿がァァァ!」と叫びながら灰になったドラルクを掃除し、真選組の面々は全員、前日のダメージで使い物にならず屯所でダウンしていた。

そんな混沌の翌朝、万事屋に一通のかわいらしい手紙が届いた。

 

「えーっと、『神楽ちゃんへ。今夜、うちでこの前街で仲良くなった友達と一緒に、お泊り女子会をやりませんか? スレッタ・マーキュリーより』……だって」

 

手紙を読み上げた新八は、隣でいつも通りソファに寝転びながらジャンプを読んでいる銀時に視線を向けた。

「ねえ銀さん。神楽ちゃん、いつの間に左斜め向かいの『水星の魔女お屋敷』のたぬき娘(スレッタ)とそんな仲良くなってたんですか?」

「あぁ? 知らねーよ。まーたあの駄神楽、そこらへんで買い食いでもしてた時に餌付けでもされたんじゃねーの? なんせあいつ、酢昆布さえくれりゃモビルスーツの1機や2機、生身でハイジャックしてくるからな」

「私はそんなに安くないアル!」

奥の部屋から、すでにリュックサックを背負い、お泊り用のパジャマ(いつものチャイナ服の柄)をパンパンに詰めた神楽が鼻息荒く飛び出してきた。

「スレッタは良い奴ネ! この前、街の買い出しで重い荷物(※100キロ純金鬼ごっこの残骸)を一緒に運んであげたら、お礼に美味しいお芋をくれたアル! 友達の友達はみんな友達ネ! というわけで、私は今夜あっちのマーキュリー邸にお泊りしてくるアル! 晩ご飯は適当にそこら辺の30円でうまい棒でも買って分け合うヨロシ!」

「分け合えるかァァァ! 30円じゃ3本しか買えないから1人1本で終わりだわ!」

新八がいつも通りのツッコミを入れつつも、神楽を送り出す。

「まあ、女の子同士のお泊り会なら安心か。お向かいの坂本商店の坂本さんも見ててくれるだろうし、あそこなら治安も良い方……ですよね、銀さん?」

「んー……まあ、あの芋たぬきなら、せいぜい夜中に『逃げたら一つ、進めば二つです!』とか言いながら恋バナして枕投げするくらいだろ。可愛いもんだよ。男所帯の万事屋にいるより、よっぽど健全な女子高生らしい夜が過ごせるんじゃねーの?」

銀時は鼻をほじりながら、ポケットの30円をいじって「よし、神楽の飯代が浮いたからパチンコに……」などと不届きなことを考えていた。

ーーしかし。

この時、銀時も新八も、まだ気づいていなかった。

あの純粋無垢なスレッタ・マーキュリーと、野生の塊である神楽が、このあらゆる次元が混ざり合った『複合都市』で、いつの間にか築き上げていた「女友達ネットワーク」の真の破壊力を。

 

その夜。、薄暗くなった複合都市。

万事屋の2階では、銀時と新八が30円(10円玉3枚)をちゃぶ台に並べ、「今夜の飯をどうするか」という不毛な議論を交わしていた。

 

「……おい新八。なんか外、やけに静かじゃね? いつもなら隣のウサギ共(邪兎屋)の叫び声とか、お向かいの坂本商店のシャッターが閉まる音とか聞こえるはずなのに」

「そうですね……。真選組の皆さんも昨日の今日で死んでますし、今日は平和な夜になりそうーー」

新八が窓の外に目を向けた、その瞬間。

斜め向かいのマーキュリー邸の門前に、異様な一団が吸い込まれていくのが見えた。

「ぎ、銀さん!! あれ!! 神楽ちゃんのお泊り会のメンバー、なんかとんでもないJKと……とんでもない『ペット』が混ざってますよ!?」

「あァ? 何言ってんだ、せいぜいトカゲかカメだろ……」

銀時が気だるげに窓の外を覗き込み、次の瞬間、持っていたジャンプを床に落とした。

同じ頃、お隣の真選組屯所の窓からも、包帯ぐるぐる巻きの土方と沖田が白目を剥いて外を凝視していた。

「……おい土方さん。俺の目がパトランプの光の浴びすぎでイカれたんですかねィ。あそこの女子高生、小脇に『世界の終わり』みたいなトカゲとカメ抱えて歩いてやすぜ」

「総悟……気にするな。あれはきっと、特撮の着ぐるみか何かっ……いや本物だァァァァ!!!」

スレッタが「わぁ、みなさん、よく来てくれました……!」と嬉しそうに迎え入れたそのメンバーは、あまりにも規格外だった。

 

「初めまして。宝多六花です。これ、つまらないものだけど……(※お土産の炭酸水)」

いつものカーディガン姿で、少し気怠げながらも常識人オーラを放つ宝多六花。

「スレッタちゃん、呼んでくれてありがとー! あ、これ私のペットね。可愛いでしょう?」

満面の笑みでそう言ったのは、新条アカネ。

そして、彼女の両脇に「きゅ〜」「きゅい〜」と、可愛らしい鳴き声を上げながらマスコットサイズ(チワワ大)に縮んで抱えられているのは、紛れもない特撮界の2大破壊神、ゴジラとガメラであった。

 

「よろしくネ! 私は神楽アル! スレッタ、このトカゲ美味そうアルな! あっちのカメはスープにしたら出汁が出そうネ!」

「ダメだよ神楽ちゃん!? 食べちゃダメ! アカネさんの大事な家族なんだから!」

「あはは、神楽ちゃん面白い。でもゴジラをいじめると、お口から熱線(放射熱線)吐いちゃうぞ?」

「きゅ〜(※口元が青く光る)」

マーキュリー邸の玄関前で繰り広げられる、あまりにもサラリとした世界滅亡の一歩手前の会話。

「おいォォォィ!!! 何だあのペット!!」

万事屋の窓から銀時が身を乗り出して叫ぶ。

「おかしいだろ! ミニサイズにデフォルメすれば許されると思ってんじゃねーぞバンダイと東宝と大映!! 版権と映画会社の壁を女子会(お泊り会)のノリでブチ破ってんじゃねえぇぇ!!」

「銀さん落ち着いて! あそこ、さらに庭には1分の1のガンダムもいるんですよ!? ガンダムとゴジラとガメラが同じ敷地内にいるって、これもう実質『スーパーロボット大戦』か『ゴジラ・フェス』の最終局面ですよ!!」

新八のメガネが衝撃のあまり曇る。

「……土方さん。あのトカゲ、マヨネーズかけたら美味いですかねィ」

「食おうとするな総悟! あいつらが一瞬でも巨大化してみろ、昨日の警察オールスターズどころか、この複合都市が丸ごとクレーターになるわ!!」

隣の屯所では土方が青ざめ、慌てて「おい! 全隊士に通達! マーキュリー邸の方向には絶対にバズーカを撃つな! 刺激したら地球が終わる!!」と厳戒態勢を敷いていた。

そんな大人の驚愕とパニックを完全に置き去りにして、マーキュリー邸のドアはパタンと閉まった。

世界最強の女子高生(夜兎)、水星の魔女、グリッドマン同盟、そして2大怪獣。

今、人類の常識を遥かに超越した「お泊り女子会」の夜が、静かに、しかし爆発的な予感を秘めてスタートしたのだった。

 

「おい新八、もう現実を見るのはやめよう。10円玉3枚を綺麗に並べて、これが世界の真理(30円)だと思い込もう。あそこにいるのはただの女子高生だ。トカゲとカメだ」

「銀さん、現実から逃避して目を瞑っても、マーキュリー邸の玄関が放つ『存在の質量』が重すぎて、我が家の木造建築がギチギチ鳴ってるんですよォォォ!!」

銀時と新八が窓辺でガタガタ震えていると、夜の道路の向こうから、さらに信じられないメンツが続々とマーキュリー邸に吸い込まれていくのが見えた。

 

「ねぇ、そこ退いて。今日非番だから寝たいんだけど。……あ、スレッタ、これお土産のキャンディ。余ってたから持って来た」

私服姿でサメの尻尾を気だるげに揺らしながらやって来たエレン・ジョー。

「スレッタ、お邪魔するデース! 今夜は朝まで恋バナの歌を紡ぐのデース!」

「切ちゃん、はしゃぎすぎ。……スレッタ、よろしく(お辞儀)」

その両脇で対魔獣戦の絶唱を響かせる暁切歌と月読調のシンフォギアコンビが、笑顔でエレンの尻尾をふにふに触りながら入っていく。

 

「ゲェェェ! 2組目にしてもう世界が3回くらい救える火力が集まってるアル!!」

隣の窓から土方が叫ぶが、絶望はこれだけで終わらない。

 

「失礼するぞスレッタ!この黒神めだか、一般女子高生としてのお泊り会を完全に掌握しにきた!」

「めだかちゃん、主旨が変わってるから!……あ、スレッタちゃんこれ、カルデアのキッチンで作った特製クッキーね」

「先輩、私もお泊り用のシールドを持参しました!」

箱庭学園の完全無欠生徒会長・黒神めだか、数々の特異点を修復してきた人類最後のマスター・藤丸立香(女)、と、その後輩のマシュ・キリエライトという、「世界観の概念ごと殴り倒すチーム」が3組目として優雅に一礼してドアをくぐる。

 

「……おい総悟。あの紫色の髪の女の子、持ってるリュックサックがどう見ても『英霊の宝具も防御するガチの盾』の形をしてるんだが」

「土方さん、あれはあれですぜ、コスプレっていう大人の言い訳ですぜ。……あ、でもその横のめだかって女、存在そのものがチートすぎて近寄っただけで俺のバズーカがゴミに変わりやした」

真選組が冷や汗を流す中、極め付けの『4組目』が街灯の光を浴びて現れた。

 

「スレッタちゃーん! ヤッホー! ライブ終わりに遊びに来ちゃった!」

まばゆい星の瞳を輝かせる伝説のアイドル、星野アイ。

「アイちゃん、お邪魔しまーす! 愛と平和のエネルギーで、みんなで最高の夜にしよ!」

愛の聖霊を従える愛乃はぁとが元気に手を振る。

そして、その2人の後ろから、ふわふわと浮遊しながら不穏な重低音を響かせ、全次元のデュエリストを恐怖に陥れる【禁断】がついてきた。

フワ……フワ……フワ……

「……キ……キサマ等ノ……愛ヲ……禁断ス……」

星野アイの背後に浮かぶ、禍々しい赤いオーラを放つ小さな「魂状態」の伝説の禁断 ドキンダムX。実体化はしていないものの、その魂が放つ威圧感は間違いなくデュエル・マスターズ界の最終兵器そのものである。しかし、アイのお泊り用リュックサックを小さな霊体(魂)の手で一生懸命持って浮かんでいる姿は、どこか健気でもあった。

 

「きゅ〜(※ゴジラがドキンダムに挨拶する)」

「キサマ………良イ破壊衝動ヲ……持ッテイルナ……」

「いやペットの次元がおかしいだろォォォォォ!!!(2回目)」

銀時と土方のツッコミが完全にシンクロして夜空に木霊した。

「おいふざけんな!! なんでアイドルのペットが世界を滅ぼす禁断のカードなんだよ!! 魂状態だからセーフとかそういう問題じゃねーぞ!! 浮いてるだけで周囲のエーテル濃度がバグって我が家の10円玉が錆びそうなんだよ!!」

新八はメガネを外して目をゴシゴシ洗うが、やはりそこにはレッドゾーンをブチ抜いた戦闘力上限の塊しかいない。

「……土方さん。これ、万が一あいつらが枕投げで『禁断解放』とか『宝具展開』とか『絶唱』し始めたら、明日この街ありますかねィ」

沖田が初めて「ガチの引き攣った笑い」を浮かべる。

「あるわけねぇだろ……! 江戸どころか、全ジャンプ作品、いや全次元の歴史がここで更地になるわ!!」

土方が震える手で『サカモトデイズ』の坂本商店に向かって、「坂本さぁぁん! 助けてくれ、頼むからあそこの女子会に割って入ってくれぇぇ!」と叫ぶが、お向かいの坂本は静かにシャッターを下ろし、「本日閉店(命大事に)」の看板を掲げていた。

全次元最凶・最強・最恐の女子たちが一つ屋根の下に集結し、いよいよマーキュリー邸の電気がパッと消え、恐怖の「お泊り女子会」が本格的に開幕しようとしていたーー。

 

「ーーかんぱーい!!」

 

マーキュリー邸のリビングで、色とりどりの炭酸水やジュースの缶が小気味よい音を立ててぶつかり合う。

スレッタ、神楽、六花、アカネ、エレン、切歌、調、めだか、立香、マシュ、アイ、はぁと。

全次元の「混ぜたらアカン」女子たちが一堂に会したお泊り会は、大人の心配をよそに、至って平和に、そして最高に楽しくスタートしていた。

「わぁ、立香さんのクッキー、すごく美味しいです……!」

「でしょ? カルデアの特製なんだから。エレンちゃんも尻尾ばっかり気にしてないで食べなよ」

「ん……ありがと。あ、このポテチ、うちのニコルが好きそうな味」

女の子たちが恋バナやお菓子の味で盛り上がる中、部屋の隅では、マスコットサイズのゴジラとガメラ、そしてふわふわと浮遊する魂状態のドキンダムXが、神楽の持ってきた酢昆布を仲良く分け合ってモグモグと食べていた。

「きゅ〜」

「キサマ……コノ酸味……クセニナル……」

そんな、誰もが微笑むような「健全な女子会の空気」が流れていた、まさにその時だった。

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴ……!!!!

 

突如として、マーキュリー邸の裏庭の上空に、不穏な空間の歪みが発生した。

現れたのは、ホロウ災害によって発生する最悪の怪物、それも変異を遂げた【怪獣サイズのエーテリアス】が3体。

『グオォォォォォン!!!』

複合都市のエネルギーを喰らうべく咆哮を上げ、巨大な爪を振り上げる怪物たち。

その凄まじい風圧と地鳴りに、万事屋の窓から覗いていた銀時と新八、そして隣の屯所の土方が同時に絶叫した。

「ぎゃあああああ出たぁぁぁ! でっかいの出たァァァ!!」

「土方さん! 避難命令を! あいつらマーキュリー邸を上から踏み潰す気ですぜィ!」

「待て、あそこにはあの女の子たちが……! おい全隊士、突撃ィィィ!!」

土方たちが刀を抜いて飛び出そうとした、その瞬間。

マーキュリー邸の窓がガラッと開き、中から新条アカネがポテトチップスを片手に、ちょっと迷惑そうな顔で外を見上げた。

 

「……ねえ、うるさいんだけど。ゴジラ、ガメラ、やっちゃって」

「アイちゃんたちの夜更かしの邪魔をする奴は、禁断だよー☆」

 

アイの後ろで、魂状態のドキンダムXが「承知……!」とばかりに目を光らせる。

次の瞬間、万事屋と真選組の男たちは、「世界の終わり(秒速)」を目撃することになった。

「きゅ〜〜!!」

可愛らしく鳴いたチワワサイズのゴジラが、一瞬で本来の【怪獣王】の巨躯へと超巨大化。その口から、夜空を真っ青に染める規格外の『放射熱線』が超高速で放たれた!

『ギャ、ギャオ……!?』

1体目のエーテリアスが、咆哮を上げる暇すらなく分子レベルで消滅する。

同時に、ガメラが凄まじい勢いで回転飛行を始め、シェルカッターの嵐で2体目のエーテリアスを文字通り賽の目に切り刻んで消し去った。

そして、残る最後の1体。

逃げようとしたその怪物の背後に、ふわふわ浮いていたはずのドキンダムX(魂)が、ほんの一瞬だけ巨大な【禁断の影】を現出させる。

『――封印――』

バシィィィィィン!!!

赤い固有結界のオーラが走った瞬間、3体目のエーテリアスは、存在そのものを世界から抹消され、跡形もなく消え去った。

 

【エーテリアス3体:1分未満で完全消滅】

 

ドサリ、と元の可愛いチワワサイズに戻ったゴジラとガメラが、何事もなかったかのようにアカネの足元に戻り、ドキンダムの魂もフワフワとアイの肩に寄り添う。

「わぁ、みんな強いね! おかげで夜風が涼しくなったよ!」

スレッタが満面の笑みでパチパチと拍手をする。

「これでお菓子に灰が落ちる心配もなくなったネ! さあ、次は誰の恋バナにするアルか!」

部屋の電気が消え、女の子たちの楽しそうな笑い声が再び響き渡る。

 

一方、外の道路。

抜いた刀を構えたまま、完全に石化していた土方、沖田、そして銀時と新八。

「……おい新八。俺、明日からあの芋たぬき(スレッタ)とチャイナ娘(神楽)には敬語で話すわ。あと、星野アイのライブのチケット、30円だけど気合で最前列勝ち取るわ」

「銀さん、僕もそうします……。っていうか、あのペットたちがいれば、この街の治安維持、真選組も治安維持局もギャバンも、全員いらなくないですか……?」

「総悟……俺たち、江戸に帰ろうや……」

土方がシクシクと泣き出し、真選組の隊士たちが静かに屯所へ引き返していくのだった。

複合都市の女子会。それは、どんな天災よりも恐ろしく、そして最高に賑やかな夜だった。

 




(第2章・第2話「お泊り会編」 完)

はい、というわけで最強の女子たちが集う女子会(お泊り会)でした。


ちなみにアイ×ドキンダムの組み合わせはデュエプレやってて思いつきました
デュエプレ、また推しの子とコラボしてくれないかな……?

それではまた次回に!
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