万事屋一行の『複合都市』生活   作:ex(イクス)

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どうも!

今回は自分がやっているスマホゲーム『機動戦隊アイアンサーガ』のキャラクターと機体が登場します!

オリジナル機体も出ますよ!



第6話:スイカ割りはだいたい割る側が割られる側になる

『Glacier & Stargazer』と『星野アイ』の合同ドームライブ、奇跡のコラボ決定ーー!

 

「おいおいおい、大人の事情も版権の壁も全部大爆発してんじゃねーか。あの機械骸骨、この前まで世界を氷河期にしようとしてた癖に今やサイリウムの海で『アンコール!』とか言われてんぞ」

真夏の熱気が戻った万事屋の2階。銀時は、キンキンに冷えた麦茶をすすりながら、スポーツ新聞の芸能面をまじまじと見つめていた。

「いやぁ、でも本当に良かったですよ。一時はどうなるかと思いましたけど、アーニャちゃんの歌声がこの街に新しい平和と、最高にエモいロックバンドを運んできてくれたんですから」

新八がしみじみと語る中、神楽はちゃぶ台の上で「暑いネ、暑くて酢昆布が指に張り付くアル」と完全に溶けていた。

万事屋も真選組も、前2話分の依頼で懐はホクホク。今日ものんびりとしたニート生活を満喫しようとしていた、まさにその時。

 

ガラララッ!と、いつになく勢いよく玄関のドアが開いた。

「ーーハロー! そこが噂のなんでも屋、万事屋ね!? ちょうどいいところに頼もしそうな男手と、なんか野生の塊みたいな女の子が揃ってるじゃない!」

入ってきたのは、一瞬で銀時と新八の目を点にさせる、あまりにも情報量の多すぎる美少女だった。

艶やかな黒髪をツインテールに結び、頭にはなぜか猫耳カチューシャ。そして何より、眩しい水着を着用しているにもかかわらず、その上から長袖の白衣を羽織るという、色んな意味で完全に「攻めた格好」をしている。

 

「ゲッ、なんか属性のデパートみたいな女が来たアル!!」

神楽が片目をあけて叫ぶ。

「お、お前……いや、あなた様は…………」

銀時が鼻の穴を広げながら新聞を置く。

「『機動戦隊アイアンサーガ』の日ノ丸出身の天才科学者にして、超ド級のメカニック、七瀬汐月ちゃんじゃねーか!! なんでそんな、ビーチでコミケでもやってんのか分からん格好でうちに来たんだよ!!」

「フフン、さすがは万事屋、私の高名な頭脳を知っているのね!」

汐月は白衣の裾をバサリと翻し、自信満々に胸を張った。

「実はね、この複合都市の独自のエネルギー(エーテルと魔力の混合物)を利用して、私がかねてより研究していた最新の『オーガニックマシン(有機機械)』のプロトタイプが完成したのよ! 今日は、その性能テストと実験のサポートを、あなたたちにお願いしたくてね!」

「オーガニックマシン……?」

新八が首を傾げる。

「有機機械って、要するに植物とか生物の細胞を使ったロボットってことですか? なんか響きがすごく不穏なんですけど……」

「大丈夫、大丈夫! ちょっと夏らしくて、瑞々しくて、叩き割ると中から赤い汁がブシャッと出る、とっても美味しい最新鋭のマシンだから!」

「……おい新八。俺、嫌な予感しかしないわ」

銀時が冷や汗を流す。

「夏らしくて、瑞々しくて、叩き割ると赤い汁が出るオーガニックマシンって……あいつ、この8月のクソ暑い時期に、一体何をベースにロボットを開発しやがったんだ……!?」

天才科学者・七瀬汐月の持ち込んだ不穏すぎる最新技術により、複合都市の夏を揺るがす「大スイカパニック」の幕が、静かに、しかし最高にカオスに上がろうとしていた――!

 

 

「おい、ちょっと待て。なんで科学者のラボってのは、どいつもこいつもジメジメした地下室か、こういう怪しい機械がゴチャゴチャした場所って決まってんだよ」

七瀬汐月の案内で、彼女が複合都市の地下に構えた最新鋭のプライベート・ラボへと連れてこられた万事屋一行。

汐月は「ちょっと奥でマシンの最終調整をしてくるから、そこで待ってて!」と言い残し、黒髪のツインテールを揺らしながら白衣のポケットに手を突っ込んで、ガラスの向こうの巨大格納庫へと引っ込んでいった。

 

「……ねえ銀さん。本当に大丈夫なんですかね、あの博士。水着の上に白衣着てる時点で、僕のツッコミセンサーが『この女、絶対やらかすぞ』って大音量でアラート鳴らしてるんですけど」

新八が不穏な空気を感じて周囲を見回す。定春も何かの気配を察知したのか、ウゥゥと低く唸り始めた。

「嫌ネ新八、天才とバカは紙一重アル。きっと中から、最高に美味しい冷え冷えのスイカを自動で種無しにしてくれる親切なロボットが出てくるネ。私は塩を振って食べる準備万端アル」

神楽がマイ塩コショウの瓶を握りしめて待機しているとーー

 

ドゴォォォォォン!!!!!

「っきゃああああああああーーーっ!?」

 

格納庫の奥から、耳をツん裂くような凄まじい爆発音と、謎の『瑞々しい果汁の臭い』が混ざった煙が吹き出してきた。

そして、ガラス扉を突き破って、頭からスイカの種をパラパラと被った七瀬汐月が、床をゴロゴロと転がりながら部屋に飛び込んできた。

「げぇっ!? ほら見ろやっぱり爆発したァァ!!」

新八が叫ぶ。

「あ、あいたた……。ご、ごめん万事屋! 複合都市のエーテル燃料をちょっと色気出して混ぜすぎちゃったら、マシンの人工知能が『美味しいスイカを人類に届ける』じゃなくて、『人類をスイカの肥やしにする』って方向にバグっちゃったみたい!!」

「どんなバグり方だソレェェェ!!」

銀時が叫んだその時、立ち込める赤い煙の向こうから、ドシン、ドシン、と重量感のある地鳴りが響いてきた。

 

煙を割って現れたのは、全高約10メートル。

全身に、緑と黒のあの見覚えがありすぎる「スイカの皮の縞模様」の頑強な装甲を纏った巨大な人型ロボット。その右手には、マグロ解体用かと思うほどの「巨大なスイカ切り包丁」が握られている。

それこそが七瀬汐月が開発し、そして完全に制御を失って暴走したオーガニックマシンーー『スイカリーパー』であった!

 

『スイカ……人類……割ル……抹殺スル……』

スイカリーパーのカメラアイが不気味に赤く発光した瞬間、胸のハッチがガシャコン!と開いた。そこからラグビーボール大の、これまた瑞々しいスイカが勢いよく射出される。

「あ、スイカ飛んできたアル! ナイスキャッチーー」

神楽が手を伸ばした瞬間。

 

チュドォォォォォン!!!!!

 

「ぎゃあああああああ! 爆発したァァァ!!」

神楽の目の前でスイカが文字通り手榴弾のように大爆発し、万事屋の3人は顔面を真っ黒に染めて吹っ飛ばされた。

「おいォォォィ!!! 何だあのロボット!!」

銀時が煙を吐きながら木刀『洞爺湖』を抜いて叫ぶ。

「アイアンサーガって硬派なリアルロボットゲームじゃねーのかよ!! なんで夏休みの出落ちみたいな機体がガチの暗殺者(リーパー)みたいな包丁持って暴れてんだよ!! 投げてくるスイカの火力が完全にダイナマイトだろォォォ!!」

『スイカ、割ル!!』

暴走する10メートルのスイカリーパーが、巨大な包丁を振り上げて銀時たちに襲いかかる!

万事屋の手に入れたばかりの大金が、今度はスイカの爆風で吹き飛びかねない、最凶のスイカ割りデスマッチが始まってしまった!

 

チュドォォォォォン!!!!!

 

「ゲホッ、ゴホッ! 辛い! 目が、目がスイカの果汁と爆風のケムリで酸味を帯びてるアル!!」

「神楽ちゃんそれ酸味じゃなくて硝煙の臭いだわ! あと飛び散った果肉がラボのハイテク機器にべっとり張り付いてショートし始めてますよォォォ!!」

新八が叫ぶ中、暴走した全高10メートルのスイカリーパーは、容赦なく巨大なスイカ切り包丁をブンブンと振り回し、胸のハッチからダイナマイト級の爆発スイカを連射してくる。

「おい水着白衣!!」

銀時が『洞爺湖』で飛んできたスイカ爆弾を野球のノックのように叩き落としながら、近くの制御盤の陰に隠れていた七瀬汐月に怒鳴り散らした。

「お前が作ったんだろコレ!! 早くそのツインテール引きちぎってでもリモコンで止めろよォォォ!!」

汐月は猫耳カチューシャを押さえながら、必死の顔で銀時に叫び返した。

「無理無理! リモコンの受信回路、最初の爆発でスイカの種が詰まって完全にイカれちゃったの!」

 

「でも、暴走を止める方法ならあるわ! 私が直接あの『スイカリーパー』のコックピットに乗り込んで、メインシステムに強制停止のアクセスプログラムを流し込めばいいのよ!!」

「だったら早く乗れよォォォ!!」

新八が突っ込むが、スイカリーパーの周囲は、凄まじい速度で回転する巨大包丁と、絶え間なく撒き散らされる爆弾スイカの弾幕で、完全なスイカ地獄と化していた。生身の人間が近づけば、一瞬で爆発に巻き込まれて吹き飛ぶかスイカのようにかち割られてしまう。

「あそこまで生身の博士を近づけるなんて、自殺行為ネ! ……よし、銀ちゃん、新八! ここは『万事屋ひな祭り大作戦』でいくヨロシ!」

「何だよその可愛い作戦名!!」

「銀ちゃんが盾になって包丁を受け止め、新八が踏み台になって博士をジャンプさせ、その隙に私が落ちてるスイカを全部食べて道を切り開くアル!!」

「最後のやつただのお前の食い意地だろォォォ!!」

『スイカ……人類……細切レ……!!』

スイカリーパーがモノアイをさらに禍々しく光らせ、汐月のいる制御盤に向けて巨大な包丁を大きく振りかざした。

 

「チッ、こうなったらヤケクソだァァ!!」

銀時が地を蹴り、木刀を構えてスイカの皮の装甲へと突撃する。

「おいメガネ! 駄神楽! あの攻めすぎた水着の博士をガッチリホールドしろ! 10円玉3枚分、いや3話で稼いだ大金分の働きを見せて、あのデカブツのコックピットまで一気に博士をぶち込むぞォォォ!!とおおおりゃあああああ!!」

銀時が木刀『洞爺湖』を両手で握り締め、スイカリーパーが振り下ろした巨大なスイカ切り包丁の刃を正面からガッチリと受け止めた。凄まじい衝撃でラボの床にバリバリと亀裂が走る。

「今アル、新八!! 博士をシューーーーートっ!!」

「うおおおおお! 博士、僕の肩を踏み台にしてくださいィィィ!!」

新八が四つん這いになって作った踏み台を、水着白衣の七瀬汐月が容赦なく生足で力強く踏みつける。

その背後から、神楽が夜兎の怪力で汐月の腰を「フンッ!!」と超大遠投した。

「っきゃあああああーーーっ!? 投げ方がガチの砲弾なんですけどぉぉぉ!!」

風を切って空中を飛んだ汐月は、そのまま暴走するスイカリーパーの頭部ハッチーー開いたコックピットの隙間へと、まるで奇跡のホールインワンのように頭からスッポリと飛び込んだ。

 

「間に合えぇぇぇ!! 『システム・シャットダウン』ーーアクセス!!」

 

汐月がコックピットの緊急レバーを引き、強制停止プログラムの入った端末をメインシステムに叩き込んだ、まさにそのコンマ数秒後。

『スイカ……抹殺……シャット……ダ……ン……』

スイカリーパーの禍々しい赤色のカメラアイが、プスン、と音を立てて消灯した。

高く振り上げられていた巨大な包丁が力なく床に落ち、ハッチからの爆弾スイカの連射もピタリと停止する。

「ハァ……ハァ……終わった……。マジでただの夏休みのスイカ割りで命落とすところだったわ……」

銀時がその場にへたり込み、全身スイカの果汁と爆風のケムリでベトベトになった万事屋一行は、泥のように床に突っ伏したのだった。

 

「本当にごめんね万事屋! でもあなたたちのチームワーク、最高に『エクセレント』だったわ!」

その後、暴走が止まったラボで、七瀬汐月博士から「今回の危険手当(お詫び)」を色付けしてもらったズッシリと重い報酬袋と、スイカリーパーの装甲から収穫された(?)糖度マックスの【絶品・最高級スイカ】を数玉受け取り、万事屋一行はホクホク顔で地上へと帰還した。

その夜、万事屋の2階では、お向かいの坂本商店の坂本や、隣の真選組の土方たち(※第六課のゴレオン将軍にまた勝手に肉を焼かれている)も集まり、みんなで塩を振って絶品スイカを貪り食う、最高に平和な夏の夜を過ごしたのだった。

「美味いネ銀ちゃん! やっぱり夏はこれアルな!」

「あぁ、現金もがっぽり手に入ったし、これぞ正しい夏休みの過ごし方よ」

――しかし、彼らは知らなかった。

天才科学者・七瀬汐月の『探究心』と『商魂』が、これで収まるはずがないということを。

 

翌朝。

 

「……ねえ銀さん。ちょっと、窓の外見てください」

新八が、昨日とは明らかに違う「乾いた諦めの声」で銀時を呼んだ。

「あァ? 何だよ新八、せっかく大金手に入って今からパチンコロードを爆走しようとしてる時に――」

銀時が窓の外を覗き込み、持っていた財布を床に落とした。

 

商店街の通り。なんと、昨日万事屋が命がけで止めたあの全高10メートルのスイカリーパー(※ばっちり制御済み)が、背中に『本日のおすすめ・産地直送』という巨大な看板を背負い、お利口さんに直立不動で「品出し」の手伝いをしていた。

問題は、その横に並ぶ、明らかに昨日よりカラーバリエーションの増えた『新型オーガニックマシン軍団』だった。

「ハロー万事屋! 昨日のデータを元に、新しいフレーバー……じゃなくて、新機種を量産して商店街で果物屋を始めてみたの! 手伝ってよ!」

水着白衣の汐月が元気に手を振るその後ろ。

漆黒の禍々しい装甲を纏い、なぜか周囲に甘い葡萄の香りを漂わせるアイサガ原作仕様の『ダークリーパー(ブドウ)』。

網目模様の高級感溢れる装甲を纏い、巨大なメロン切り包丁を持ったオリジナル機『メロンリーパー』。

そして、全身オレンジ色で、果汁(※可燃性爆発液体)を充填したガトリングを構えるオリジナル機『オレンジリーパー』。

『ブドウ……人類……収穫スル……』

『メロン……贈答用……以外……抹殺……』

合計4体の10メートル級フルーツロボットたちが、ズラリと商店街のど真ん中に並び立ち、不気味にカメラアイを発光させている。

 

「おいォォォィ!!!」

銀時の魂の叫びが、真夏の空に響き渡った。

「何色気出してフルーツポンチ並みに種類増やしてんだよあの水着白衣ィィ!! スイカだけでお腹いっぱいなんだよ!! なんだよブドウ味って! ロボットに味付けしてんじゃねーよ!! 完全に果物屋の規模が地球防衛軍レベルになってんじゃねーかァァァ!!」

「土方さん!! 新手のテロ集団が、今度は高級メロンとオレンジ引っ提げて屯所の前に布陣してやすぜィ! ブチ抜いていいですかい!?」

「待て総悟! あれは果物だ! いやロボットだ! もう何を取り締まればいいのか分かんねぇぇぇ!!」

隣の屯所からは土方の精神崩壊した絶叫が聞こえ、万事屋の周辺は、昨日以上の「大フルーツパニック」へと突入していくのだった。

 





(第2章・第6話「スイカ騒動編」 完)


はい、というわけで今回のゲストはアイアンサーガの幼女博士『七瀬汐月』ちゃんとその作品『スイカリーパー』でした。

オリジナル機のメロンリーパーとオレンジリーパーは完全にスイカリーパーの色をそれっぽく変えただけのものと思ってくれれば。

では、また次回に!
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