どうも!
今回はブルアカの顔(個人の意見)が登場しますよ!
それではどうぞ!
うららかな秋の風が吹き抜ける、複合都市の商店街。
あの夏の魔皇大寒波や巨大フルーツロボの襲来が嘘のように、過ごしやすい季節がやってきた。
だが、万事屋の2階の空気だけは、今日も今日とてどんよりと澱んでいた。
「……おい新八。もう一度だけ、確認させてくれ。俺たちの現在の全財産、これ何円よ」
「……300円です。前々回のヴィクトリア家政の報酬、家賃3ヶ月分お登勢さんに叩きつけて、残りを前回の食べ歩き(※主にドラゴンの丸焼き10頭分)で綺麗に使い切りました」
「うわあああ! 確実に第1章よりはマシだけど、やってることが完全に自転車操業ォォォ!! 300円じゃうまい棒が30本しか買えないよ!!」
新八が涙目でちゃぶ台を叩く中、神楽は「秋はご飯が美味しいから、300円じゃお米一合も買えないネ」と定春のフサフサの背中でいじけていた。
そんな絶望に包まれる万事屋に、バァン!と勢いよく駆け込んできたのは、左隣の『便利屋68』のポンコツ社長、陸八魔アルであった。
「ちょっと万事屋!! 貧乏でコタツの準備もできないなら、これを見なさいよ! 私たち悪党のネットワーク(※ただのチラシ配り)で、とんでもない一攫千金の情報を手に入れたわ!」
アルがちゃぶ台にビシィィィン!と叩きつけたのは、砂の汚れがついた一枚の手書きのチラシだった。
【お宝取り放題、アビドス砂祭り!これで一攫千金だ!ご参加待ってます!! ※但し安全確保は確実に! 委員長:梔子ユメ】
「アビドス砂祭りィィィ!?」
新八がチラシを二度見する。
「これ、ブルーアーカイブのアビドス砂漠じゃないですか! しかも主催が梔子ユメって、あの本編ではすでに過去の存在のはずの、伝説の生徒会長が生きてお祭り開催してんじゃねーよ!!」
「いいじゃねーかメタ知識なんて! お宝取り放題だぞ!? 砂漠に埋まってるカイザーコーポレーションの裏金とか、古代の戦車のパーツとか、掘れば掘るだけ金になるってことだろ!」
銀時が目の色を¥マークに変えて立ち上がる。
「そうネ! 砂漠ってことは、巨大なスナホリネズミとか焼いたら美味しそうなトカゲもたくさんいそうアル! 300円を3億にするために、今すぐ出発ヨロシ!」
この一攫千金の匂いを嗅ぎつけたのは、万事屋と便利屋68だけではなかった。
お向かいの『坂本商店』の坂本太郎、右隣の『邪兎屋』のニコル、さらには「お宝の密輸ルートの取り締まり(※ただのお祭り参加)」という名目で、隣の真選組(土方・沖田)や、すっかり彼らを気に入っている対ホロウ第六課の面々(雅・青角・ギュメイ・ゴレオンなど)までが商店街の通りに大集合していた。
「よしお前らァァァ!! 砂漠だろうが地獄だろうが、金目のもんがあるなら全部真選組の予算に組み込むぞォォォ!!」
土方が刀を抜いて叫ぶ。
「ガハハハ! 砂漠か! 俺の鉄球で砂ごとひっくり返してやるわ!」
ゴレオン将軍が鼻息を荒くする。
こうして、万事屋と便利屋68、さらには真選組&第六課、坂本商店までをも巻き込んだ「商店街オールスターズ」は、お宝が眠る灼熱と混沌のアビドス砂漠へと向けて、一斉に旅立つのだったーー!
「ちょっとニコ! 運転が荒すぎるアル! 砂漠の段差で私の三半規管がマッハ5で逆流しそうネ!」
「文句言うんじゃないわよ! こちとら赤字経営のトラブルシューターなの! 1秒でも早く現着してお宝を掘り当てないと今月のガソリン代が虚空に消えるのよォォォ!!」
邪兎屋の社長・ニコが狂ったようにハンドルを握る装甲車の後部座席で、銀時、新八、神楽は激しい砂埃とGに耐えていた。万事屋の隣を走るのは、便利屋68のアルが乗るポンコツ車、お向かいの坂本商店の軽トラ、そして「公務(※お宝の確保)」として並走する真選組と対ホロウ第六課の車両。商店街オールスターズを引き連れた大船団は、ついに灼熱のアビドス砂漠へと突入した。
車が急ブレーキで砂煙を上げて止まった先。そこには、ヘイローを浮かべたアビドス高等学校の少女たちが、それぞれの武器を片手にお祭り用のテントの前で待っていた。
「みんな〜! 遠くから来てくれてありがと〜!」
大きなクジラのぬいぐるみをぎゅっと抱きしめ、ほわほわとした癒やし系オーラを全開にして手を振るのは、生徒会長の梔子ユメ。
「うへ〜、本当にこんなカオスなメンツが集まるなんてねぇ……。ま、よろしくね、お客さん」
オッドアイの瞳を眠そうに細めながらも、背中に不穏なショットガンを背負っている小鳥遊ホシノ。さらにその後ろには、高級ゴールドカードを手にした十六夜ノノミ、すでに発掘用のスコップとアサルトライフルを装備している砂狼シロコ、ツンとした態度で「お金になるなら何でも掘るわよ!」と意気込む黒見セリカ、そして通信端末の画面を見ながら頭を抱えている奥空アヤネがズラリと揃っていた。
「ようこそ、アビドス砂祭りへ! 今回のルールは簡単、制限時間内にこの砂漠を掘って、一番お宝を見つけたチームの勝ちだよ!」
ユメが満面の笑みで説明を始める。
「あの、ユメさん……ちょっと確認なんですけど」
新八が冷や汗を流しながら周囲の砂漠を見渡す。
「アビドス砂漠って、ただの広大な砂地ですよね? お宝取り放題って言っても、せいぜい古いコインとか、カイザーコーポレーションの不発弾くらいしか埋まってないんじゃーー」
「ん? 何言ってるの。ここの砂漠、複合都市の引力のせいで『掘れば何でも出てくるチートの山』になってるよ」
シロコが淡々とした口調で、とんでもないメタ知識をぶち込んできた。
「……は?」
銀時が鼻をほじりながら耳を疑う。
「本当ですよぉ!」
アヤネが端末のレーダー画面を万事屋に見せる。
「現在の地下構造データによると、ここの砂層にはなぜか『モンスターハンター』の世界のマラカイト鉱石やその他鉱石の鉱脈がギチギチに詰まってますし、さらに深くを掘ると、なぜか『鉄血のオルフェンズ』のガンダム・フレームがまるごと装甲・武装までセットで埋まってます」
「埋まってる物のスケールがおかしいだろォォォォォ!!!」
新八のメガネが砂漠の熱気で爆発せんばかりにツッコミを炸裂させた。
「何だよガンダムフレームって!! 砂祭りの規模じゃないだろ! 潮干狩りみたいなノリでモビルスーツの発掘を一般市民に推奨してんじゃねーよ!!」
「フッ……上等じゃねーか」
銀時が木刀『洞爺湖』をスコップ代わりに肩に担ぎ、瞳にドス黒い金の欲望を宿してニヤリと笑った。
「マラカイト鉱石を売り捌けば今月のパチンコ代は安泰、もしガンダムフレームなんて掘り当てて裏社会の武器商人に横流ししてみろ、俺たちの第2章はここで『億万長者編』として早期終了だァァ!!」
「私も負けないアル! ガンダムフレームに噛み付いて、どっちが硬いか勝負ネ!!」
「食べようとすんな神楽ちゃん!?」
「ガハハハ! 砂掘りなら俺の鉄球に任せろ!」
ゴレオン将軍が鉄球を振り回し、便利屋のアルが「悪党の採掘テクニックを見せてあげるわ!」と爆弾の導火線に火をつける。
アビドス対策委員会の面々が見守る中、全次元の欲望が渦巻く「アビドス砂祭り・大発掘デスレース」の火蓋が、今、完全に切って落とされた!!
「よっしゃァァァ!! マラカイト鉱石ゲットォォォ!! これで今夜は酢昆布の代わりに高級すき焼きだァァァ!!」
「銀さん! こっちからはガンダムフレームの一部っぽい錆びた関節が発掘されましたよ! 早くも億万長者の足音が聞こえてきたァァァ!!」
アビドス砂漠の一角、銀時と新八が狂ったようにスコップを動かし、神楽が夜兎の怪力で砂地を素手でクレーターにする勢いで掘り返していた。
周囲でも、邪兎屋のニコが「これ売れば今月の電気代が!」とお宝を袋に詰め、真選組の土方は「これ全て真選組の特別予算として没収だ!」と隊士たちに命令を下し、対ホロウ第六課のゴレオン将軍が特大鉄球で地盤を砕くたびに、砂の底から様々な次元の財宝がザクザクと湧き出ていた。
「うへ〜、みんな凄い勢いだねぇ。おじさんびっくりしちゃうよ」
小鳥遊ホシノがクジラのぬいぐるみを小脇に抱えた梔子ユメの隣で、のんびりと防砂用のゴーグルを弄る。
「みんなが喜んでくれて良かった〜! でも、チラシに書いた『あの注意書き』、みんなちゃんと守ってくれてるかな?」
ユメがほわほわとした笑顔のまま、首を傾げた。
「あの注意書き……? あぁ、『※但し安全確保は確実に!』ってやつですか?」
新八がスコップの手を止め、ふと疑問を口にする。
「ユメさん、あれって要するに『熱中症に気をつけてね』とか『砂漠の砂族(ヘルメット団)の不意打ちに気をつけてね』って意味ですよね?」
「ん? 違うよ」
今度は砂狼シロコが、アサルトライフルに弾丸を装填しながら淡々と首を振った。
「ユメ先輩が言いたかったのは、『砂の下に眠るお宝の総量が一定を超えると、この砂漠の生態系の頂点がブチ切れて”山”ごと浮上してくるから、いつでも迎撃できるようにしておけ”』っていう意味」
「……は?」
銀時が鼻の穴を広げた、その瞬間だった。
ズウウウウウウウウウウウウゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!!
「ぎゃあああああああーーーっ!? 地震!? 砂漠なのに縦揺れの超大型地震が来たァァァ!!」
新八が叫ぶ。
アビドス砂漠の広大な砂の大地が、まるで津波のように大きく波打ち始めた。地表に並んでいた便利屋68の車やアビドス高校のテントが、猛烈な地鳴りと共に一瞬で砂の渦へと飲み込まれていく。
そして、万事屋一行の目の前で、砂の海を割って「それ」が姿を現した。
全幅数百メートル。全身が強固な岩盤のような甲殻で覆われ、その巨大な頭部には、すべてを貫くかのような超巨大な一本の『螺旋状の角』を戴く、文字通り【歩く巨大な岩山】。
モンスターハンターの世界から、複合都市の砂の引力によって呼び覚まされた豪山龍ーーダレン・モーランが、大気を震わせる咆哮を上げて出現したのだ!!
『グォォォォォォォォォォン!!!!!』
あまりの巨体と風圧に、ゴレオン将軍の鉄球が吹き飛ばされ、陸八魔アルが「聞いてないわよこんなサイズの化け物ォォ!!」と砂まみれになって転がる。
「おいォォォィ!!! 何だあの超弩級生物!!」
銀時が口の中の砂を吐き出しながら絶叫した。
「おかしいだろアビドス砂祭り!! 安全確保のスケールが完全に『撃龍船』持ってこいレベルじゃねーか!! 潮干狩り行って潮干狩り会場ごとクジラに呑まれるようなもんだぞコレ!! ユメ先輩ィィィ! あなたの言う『安全確保』はアサルトライフル数丁でどうにかなるレベルの安全じゃねえぇぇぇ!!」
「うへ〜、やっぱり起きちゃったか〜。先輩、いつもの『あれ』やっちゃう?」
ホシノが眠そうな目を一瞬で鋭く光らせ、ショットガンの安全装置を外す。
「うん! みんな、安全確保(狩猟)の時間だよ〜!」
ユメがほわほわ笑顔のまま、お出かけバッグから何故かガチの重火器を取り出した。
レア鉱石やガンダムフレームの発掘レースから、一瞬にして世界滅亡クラスの超巨大古龍迎撃戦へと変貌したアビドス砂祭り。
万事屋と商店街オールスターズ、そしてアビドス対策委員会による、命がけの「砂漠の大狩猟デスマッチ」が幕を開けた!!
「ぎゃああああああ! 近づくだけで質量兵器ィィィ! 撃龍船! 誰かここに1分の1スケールの撃龍船デリバリーしてぇぇぇ!!」
アビドス砂漠を文字通り「津波」のように波立たせ、狂ったように暴れ回る豪山龍ダレン・モーラン。
その全幅数百メートルの巨体がのたうち回るたび、砂漠に巨大なクレーターが次々と穿たれていく。
「みんな、下がって! 突進が来るよ!」
小鳥遊ホシノがトレードマークの盾を砂地に突き立て、砂狼シロコと黒見セリカがアサルトライフルの弾幕をダレン・モーランの頑強な甲殻へと叩き込むが、古龍の圧倒的な防御力の前には火力が足りない。
「ガハハハハ! 巨体なら俺も負けんわァァ!」
対ホロウ第六課のゴレオン将軍が特大鉄球を投げつけるが、ダレン・モーランの強固な岩盤のような皮膚に弾き返される。
「おいォォォィ! 待て新八、神楽! あの化け物の背中のあたりを見ろ!!」
木刀『洞爺湖』を構えて砂煙に耐えていた銀時が、ダレン・モーランの巨体がのたうち回る衝撃で、その皮膚からポロポロと剥がれ落ちていく「青く輝く物質」を目ざとく見つけた。
「あ、あれは……モンハンの最高級レア鉱石、大地の結晶に霊鶴石(エルライト鉱石)、それに大塊の鉱石アル!!」
「銀さん! どさくさに紛れてあの背中からこぼれ落ちる希少鉱石を回収すれば、ダレン・モーランを倒さなくても大金持ちですよォォォ!!」
「よっしゃお前らァァァ! 命がけの鉱石拾いスタートだァァァ!!」
銀時の号令一閃、万事屋の3人と定春、さらには邪兎屋のニコルや便利屋68の面々までが、ダレン・モーランが撒き散らす死の砂飛沫のなかに突撃! 踏み潰される一歩手前で「1セット数万クレジット!!」と叫びながら、落ちてくる希少鉱石を必死の顔でカバンや服のポケットへ詰め込みまくっていた。
『グォォォォォォォォォォン!!!!!』
自らの背中をただの「鉱山」のように扱われ、さらにブチ切れたダレン・モーランが、すべてを貫く超巨大な一本の『螺旋状の角』を激しく振り上げ、万事屋一同を文字通り一塊にして串刺しにせんと猛烈な砂塵突進を仕掛けてきた。
「ひぃぃぃ! 終わった! 今度こそ串刺しステーキにされるぅぅぅ!!」
新八がガタガタと震え、アビドス対策委員会の面々も「くっ、障壁を展開してーー」と身構えた、そのまさに刹那。
――カツン。
吹き荒れる砂嵐のなか、なぜか1階の「スナックお登勢」のエプロンを着たまま、買い物袋を下げた一人の老人が、さらっと砂漠のど真ん中に立っていた。
『サカモトデイズ』の世界からスナックお登勢の常連として複合都市に馴染みすぎている、最強の暗殺者――篁老人。
「あ……」
銀時が声を漏らす間すらなかった。
老人が、腰の刀の柄にそっと手をかけた。
次の瞬間、音も、光も、砂嵐の咆哮すらも置き去りにするような、ただの『一閃』が空間を奔った。
ザンッ……!!!!!
「「「「え?」」」」
全員の目の前で、ダレン・モーランの街をも一撃で崩壊させるはずだったあの超巨大な一本角が、大根でも切るかのように美しく、滑らかに、斜めにスパァァァン!!と斬り飛ばされた。
『ギャ、グォォォォォォン!?!?』
あまりにも次元の違う「人間の刃」の破壊力に、ダレン・モーランの古龍としての本能がガチの恐怖を感知した。一本角を失った巨体は、凄まじい悲鳴を上げながら、一目散に砂の海へと潜り込み、そのまま砂漠の底深くへと逃げ帰っていくのだった。
静寂が戻ったアビドス砂漠。
篁老人はフゥーと小さく息を吐くと、斬り飛ばされて砂地に突き刺さった『ダレン・モーランの超巨大な一本角(※これだけで国家予算レベルの価値)』を見つめ、何事もなかったかのようにボソリと呟いた。
「……これ……今日の……大根の……代わり……」
「大根の代わりに古龍の角を斬り落とすんじゃねえぇぇぇぇぇ!!!」
新八のメガネが砂漠の真ん中で完全に弾け飛ぶほどの、本日一番のツッコミが響き渡るのだった。
篁老人の理不尽極まりない一閃によってダレン・モーランは逃げ去り、アビドス砂祭りはこれ以上ないほど平和に(?)幕を閉じた。
砂嵐が完全に収まったアビドス砂漠のテント前。
梔子ユメが「みんな〜、安全確保もお宝発掘もお疲れ様だよ〜!」とほわほわした笑顔で見守る中、商店街オールスターズによる厳正なる「お宝山分けタイム」がスタートした。
それぞれが命がけで砂を掘り、古龍の猛攻からむしり取った戦利品は、まさに複合都市の引力がもたらした超豪華なラインナップだった。
【アビドス砂祭り・山分け確定リスト】
* 万事屋:カバンがちぎれんばかりの『大量の希少鉱石(マラカイト・霊鶴石など)』。
* 邪兎屋:ニコルが泣いて喜ぶ『希少鉱石&売れば即座に今月の黒字が確定する古代のオーパーツ』。
* 便利屋68:アル社長が「これでミリタリー企業を立ち上げるわ!」と豪語する『鉱石(少量)&古代テクノロジーの技術書(※なお難しすぎて読めない)』。
* 真選組&第六課:土方と星見雅がガッチリとアタッシュケースに収めた『古代武具の設計図』。
* 坂本商店:店長の坂本太郎が「これ、お店の飾りにちょうどいいかも」と細められた目を輝かせる、超レア素材『大地の龍玉』。
さらに、篁老人の背後からひょっこり現れた『サカモトデイズ』の同僚たちも、砂漠の底からとんでもないブツを引き揚げていた。
* 神々廻:なぜか砂に埋まっていた鉄血のオルフェンズのモビルスーツ『ガンダム・ガミジン』の所有権。
* 大佛:モンハンの『スラッシュアックス』を拾い、そのメカニカルな変形ギミックを気に入ってガシャガシャと弄んでいる。
* 篁老人:斬撃の威力がさらに増しそうな名刀『竜骨刀』。
「よっしゃァァァ!! これだけ希少鉱石があれば、今度こそ30円の呪縛を完全に過去のものにできるぞォォォ!!」
銀時がホクホク顔で鉱石の詰まった袋を抱きしめる。
しかし、平和な山分けタイムは、砂漠の真ん中にドサリと突き刺さっている【ダレン・モーランの超巨大な一本角】の前に差し掛かった瞬間、一気に不穏な空気に包まれた。
「――おい、ちょっと待て。あの最大最高のお宝、あれの所有権はどうすんだよ」
土方が刀の柄に手をかけ、ニコも「うちが第一発見者よ!」と目を剥く。神々廻が「いや、うちの篁さんが斬り落としたんやからうちのもんやろ」と静かに凄み、便利屋のアルも「悪党として譲れないわ!」と銃を構える。商店街の面々が、国家予算レベルの価値を持つ一本角を巡って一触即発の睨み合いを始めた、その時だった。
「……あの、みなさん……」
奥空アヤネが通信端末で算出した重量データを指差しながら、引き攣った笑みで声をかけた。
「揉めるのは自由なんですけど……その角、【推定総重量・約450t】あります。皆さんの車や、坂本さんのガンダムの最大積載量を合わせても、重すぎて誰一人としてこの砂漠から持って帰れませんよ?」
「「「「あ」」」」
全員が動きを止めた。
全長数十メートル、450tの古龍の角。確かに、いくら戦闘力や怪力自慢が集まろうとも、徒歩や一般の車両で複合都市の商店街まで運搬するのは物理的に不可能な質量だった。
「うへ〜、おじさんたちの車じゃタイヤが砂に埋まって爆発しちゃうねぇ」
ホシノがのんびりと呟く中、主催者のユメが大きなクジラのぬいぐるみを抱え直して、ほわほわと手を挙げた。
「じゃあ、重くて誰も持って帰れないみたいだし、この角はアビドス高校の『アビドス砂祭り・記念モニュメント』として、学校の校庭に飾っちゃってもいいかな〜?」
結局、誰も運べないという身も蓋もない理由により、最大のお宝である一本角はアビドスが引き取ることで全員が渋々納得。こうして、欲望と混沌の砂祭りは、これまでにないお宝を全員が平等に手にするという、奇跡的な大団円で幕を閉じるのだった。
「ま、今回はガンダムフレームは運べなかったけどさ、この鉱石だけでパチンコ1ヶ月分の資金にはなるから良しとしようや」
帰りの邪兎屋の車内、銀時はポケットの鉱石をチャラチャラと鳴らしながら、秋の夕暮れの空を見上げて満足げに笑うのだった。
(第2章・第8話「アビドス砂祭り編」 完)
はい!というわけで砂祭りという名の古龍迎撃戦でした。
やっぱり篁さんは最強、はっきりわかんだね。
ではまた次回に