万事屋一行の『複合都市』生活   作:ex(イクス)

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はい、というわけでニンジャ編後編です

今回は強敵が大量発生ですよ!

ではどうぞ!


第10話:忍びの里の常識はだいたい万事屋の非常識・後編

『みんなのトラウマ』であるキラーマジンガの大群をなんとか全滅させ、オイルと火花の煙が立ち込める広間を突破した銀時たちニンジャ軍団。

オーガニック万札(大金)の眠る暗黒メガコーポの最深部、その巨大な自動扉の前まで辿り着いた一行だったが、そこで彼らの目に飛び込んできたのは、あまりにも凄惨な光景だった。

 

「……う、嘘……飛鳥さん、みんな……っ!!」

弟子の久田イズナが息を呑み、思わず口元を押さえてへたり込む。

別ルートから悪忍の捜索に向かったはずの国立半蔵学院の5人ーー飛鳥、斑鳩、葛城、柳生、雲雀が、衣服をズタズタに引き裂かれ、武器を砕かれ、文字通りピクリとも動けずに床へボロボロになって倒れ伏していたのだ。あの最強の善忍たちが、中枢に辿り着く前に「完敗」している。

 

「……銀時サン。前方に強烈な、殺意のカラテを感知」

ニンジャスレイヤーの赤黒いメンポの奥から、冷徹な、しかし確実に怒りを孕んだジツのオーラが立ち上る。

半蔵学院の少女たちを踏み越えるようにして、扉の前の闇からゆっくりと歩み出てきたのは、三つの異様な影――『赤』『青』『黒』の、まるで地獄の鬼のような凄まじいプレッシャーを放つ、最強の傭兵たちであった。

 

「――チッ。キラーマジンガの軍団を全滅させてここまで来ただと? 案外骨のある奴らが残ってたじゃねえか。おい、そこの銀髪」

最初に傲岸不遜な声をあげたのは、真紅の装甲を纏い、まるで金剛羅漢のような武骨な巨体を誇る『赤き鬼』。この複合都市の独自の引力で知能機械人として現出し、その電脳にガンダムビルドダイバーズの最強の漢――オーガの人格を宿した【ガンダムGP-羅刹】であった。

 

「……ソウカイヤとカイザーの残党が、なけなしの資金を叩いて俺たちを雇った理由がようやく分かった。お前たちが本拠地を荒らしているネズミ共か」

その隣で、身の丈ほどもある巨大なタクティカルアームズを静かに背中から引き抜いたのは、冷徹な『青き鬼』。こちらも人間サイズの機械人でありながら、あらゆる戦場を生き抜いた『サーペントテール』のリーダー――叢雲劾の完璧な人格を搭載した【アストレイブルーフレームセカンドL】。

 

「フフフ……。死の宣告を受ける準備はできたか? 貴様らの魂、この闇の刃で一瞬に切り刻んでくれる」

そして、二機のガンダム機械人の中心で、不気味に輝く漆黒の魔導アーマーを纏い、その隙間から真っ赤な目を妖しく光らせる『黒き鬼』――。ドラクエモンスターズ界を代表する最凶の闇の剣豪、【死神スライダーク】が、愛剣スライダークブレードの剣先を銀時たちに向けて静かに突き付けた。

 

「待て待て待てェェェ!!!」

新八のメガネが、恐怖と緊迫感で割れんばかりの絶叫を響かせる。

「おかしいだろソウカイ・カイザーの雇用資金力!! なんで他世界のガチの最強傭兵(劾)と戦闘狂(オーガ)、そこにスライダークまで混ざって3バック組んでんだよ!! 半蔵学院のみんなが勝てるわけねーだろこんなチート鬼トリオォォォ!!」

「……ほぅ。あの二体の鋼のカラクリ人形、そしてそこの黒い剣士……。なるほど、なかなかのチャクラ……いや、ガッツのある面構えだ。ハハハハ!」

背後で千手柱間が笑いながらも、その鋭い目は完全に「戦神」のそれへと切り替わっていた。

「……ドーモ、ガンダムGP-羅刹サン、アストレイサン、死神スライダークサン。ニンジャスレイヤーです」

死神が静かにアイサツを繰り出す。

「お前ら……30円しかねー我が家の近所で……よくも可愛い女子高生忍者をここまでボコボコにしてくれたなァ……」

銀時が『洞爺湖』の木刀の柄をギチギチと鳴らし、死んだ魚の目にガチの「白夜叉」の殺気を宿した。

ソウカイ・カイザー暗黒メガコーポの最深部。

最強のニンジャ&万事屋連合軍VS全次元最凶の『鬼の傭兵トリオ』による、時空の限界を突破した最終決戦が今、幕を開けた!!

 

「イズナ、あやめ! 動けない半蔵学院の女の子たちを急いで安全な後ろに下げるネ! ここから先は、1階のババアに家賃を引かれても余るくらいの大金をかけた、ガチの命の削り合いアル!!」

神楽が夜兎の本能を剥き出しにして叫び、傷ついた飛鳥たちを後方へと避難させる。その間に、銀時、ニンジャスレイヤー、千手柱間、加藤段蔵の4人が、立ちはだかる三人の最強傭兵の前に文字通り「壁」となって並び立った。

「イヤーッ!!」

ニンジャスレイヤーの赤黒いカラテが、オーガの人格を宿した『ガンダムGP-羅刹』の分厚い鋼鉄の拳と正面から激突し、地下基地全体を震わせる凄まじい衝撃波を撒き散らす!

「ハハハ! いい拳だ、だが俺の出力にどこまで耐えられるかなァ!!」

オーガが超高熱のヒートサーベルを振り下ろせば、すかさず千手柱間が「木遁・木排の術!」で巨大な木製の盾を現出させてそれを受け止め、ガハハと豪快に笑う。

一方で、最強の傭兵・叢雲劾の完璧な戦術AIを搭載した『アストレイブルーフレームセカンドL』は、背中の巨大なタクティカルアームズをガシャガシャと『ソードフォーム』に変形させ、加藤段蔵の目にも留まらぬ絡繰刃をすべて完璧に先読みして弾き返していた。

「……すべての軌道が予測されている!? さすがは戦場を支配する青き鬼……!」

段蔵が冷や汗を流す。さらにその影から、漆黒の剣士・死神スライダークが愛刀を構えて銀時の首筋へと肉薄する。

「フフフ、死の宣告だ。消え失せろ、銀髪!」

「死の宣告ならなぁ、毎月のお登勢の家賃の督促状だけでお腹いっぱいなんだよォォォ!!」

銀時は『洞爺湖』の木刀でスライダークの闇の斬撃をギリギリで受け止め、火花を散らしながら互角のタイマンへと持ち込んでいた。

前章からの数々の修羅場、そして直前のキラーマジンガ戦を経て、極限まで連携が研ぎ澄まされた万事屋&ニンジャ連合軍。相手が全次元最凶の傭兵トリオであろうとも、一歩も引かずに地獄の泥仕合を繰り広げていく。

 

――しかし、そんな強者たちの命がけの死闘を、地下基地のモニター越しに冷たく見下ろしている存在がいた。

この暗黒メガコーポ(ソウカイ・カイザー)の上層部である。奴らは、最初からこの最強の傭兵たちに「オーガニック万札」や報酬をまともに支払う気など、サラサラ無かったのだ。

『――傭兵データ、戦闘ログの収集を完了。……用済みの駒、および侵入者を一括排除する』

「……あァ?」

突如として、作戦中の中枢大広間のすべての自動隔壁がガシャコン!と完全にロックされ、不気味な赤い非常警報が鳴り響いた。これには冷徹な叢雲劾も「……上層部のバイタルデータが途絶えた? 裏切られたか」と瞬時に刀を引いた。

 

ズゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!!

 

中枢広間の奥の超巨大格納庫の壁が内側から爆破され、現れたのは、これまでの兵器のスケールを遥かに超越した、全高120メートルを超える【鋼鉄の究極破壊神】。

ソウカイ・カイザーの残党が、他世界から引き揚げた最悪の怪獣データを元に、暗黒メガコーポの総力を挙げて建造したサイバー超巨兵器ーーモンスターバース版の『メカゴジラ』であった!!

赤く禍々しく光る電子の眼、全身からブチ撒けられる超重重火器の照準。それは万事屋一行だけでなく、雇われていたはずのオーガや叢雲劾、スライダークたちをも完全に「抹殺対象」としてロックオンしていた。

 

「おォォォいィ!!!」

銀時のツッコミが、メカゴジラの凄まじい駆動音にかき消されそうになる。

「おかしいだろ暗黒メガコーポのコンプライアンス!! 報酬踏み倒すためだけに、なんでハリウッド版の、あのゴジラをボコボコにした最凶のサイボーグ怪獣を身内の防衛設備として起動させてんだよォォォ!! 規模が会社の倒産手続きじゃなくて地球防衛軍の最終回なんだよォォォ!!」

「フフフ……。どうやら雇い主を間違えたようだな。お前たち、一時休戦だ」

死神スライダークが不敵に笑い、刃をメカゴジラへと向け直す。

「上等だ! 報酬を踏み倒す卑劣な奴は、ニンジャでなかろうと、たとえ怪獣でも……殺す!!」

ニンジャスレイヤーの赤黒い殺意が、ついに巨大メカゴジラへと向けられた!

 

全高120メートルを超える鋼鉄の破壊神、メカゴジラが咆哮を上げる。その赤く禍々しい電子の眼が輝き、胸部から放たれた超高出力の「プロトン砲」が中枢広間を横一文字に焼き払う!

「ぎゃあああああああ! ハリウッド版の火力が地下空間の許容量を完全にブチ抜いてるゥゥゥ!!」

「銀さん、避けて! 全身のハッチから熱線追尾ミサイルが雨あられと降ってきてますよォォォ!!」

新八がバッグを盾にして叫び、銀時は『洞爺湖』の木刀を構えながら、オーガのGP-羅刹や叢雲劾のブルーフレームと共にメカゴジラの凄まじい爆風を必死に回避していた。

「チッ、あのデカブツ……装甲が硬すぎて、私のカラテでも有効打にならん!」

ニンジャスレイヤーの赤黒い拳がメカゴジラの脚部を激しく打つが、強固なチタン合金に弾かれる。加藤段蔵のクナイも、イズナとあやめの忍法も、120メートルの巨体の前には蚊に刺されたほどの影響しかなかった。

 

「フフフ……。雇い主を踏み倒された上に、この私が力負けするなどあってはならない。……おい、お前たち! これより、我が『最終兵器』を見せてやる!」

漆黒の剣士・死神スライダークが不敵に笑い、懐から不気味に輝く【マホイミの結晶】を掲げた。

「ガハハハハ! そうか、相手がそれほどまでに巨大なら、こちらも全力の『忍術』で迎え撃つまでよ!!」

背後で千手柱間が力強く不敵に笑い、両手をパシィィィン!と凄まじいチャクラの風圧と共に合わせ、一気に印を結んだ。

 

「ーー木遁・木人の術!!!」

ズゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!!

地下基地のコンクリートを内側から完全に粉砕し、メカゴジラとほぼ同等ーー全高100メートルを超える【巨大な木製の魔神(木人)】が、大樹の根をのたうち回らせながら現出した! 木人はその太い腕に巨大な木龍を巻き付け、メカゴジラのプロトン大砲を正面からガッチリと受け止める!

「な、何ィィィ!? 忍者の概念がやっぱりおかしいだろォォォ!!」

新八が叫ぶ中、スライダークの掲げた結晶が凄まじい闇の魔力を放出した。

 

「出でよ! スライダークロボ!!!」

ズガァァァァァン!!!

スライダークの背後の空間が歪み、現れたのは『ドラゴンクエストモンスターズ』の世界で最強の戦闘力を誇る、漆黒と紫の巨大スーパーロボット、スライダークロボ! 死神スライダークがそのコクピットへと光となって吸い込まれ、巨大なスライダークブレードが夜光塗料のように妖しく発光する。

 

「おいおいマジかよ……なんで地下で『巨大ロボット大戦』が始まってんだよォォォォ!?」

銀時の悲鳴じみたツッコミが響く中、さらに天井のコンクリートが、「シュシュッと参上!!」というこれまた聞き覚えがありすぎる熱い特撮BGMと共にブチ破られた。

 

「――待たせたな、ニンジャスレイヤー! 手裏剣戦隊ニンニンジャー、シュリケンジン! 忍びなれども忍ばない、助太刀するぜ!!」

ガギィィィン!!!

天井の穴から降臨したのは、オトモ忍が合体したカラフルで超ド派手な巨大ロボット、シュリケンジン! コクピットではアカニンジャーたちが「よーし、ハリウッドのメカトカゲを成敗だ!」とノリノリで操縦桿を握っている。

 

「いや何でスーパー戦隊まで乱入してきてんだよォォォ!!!」

銀時の魂のツッコミが響く中、全高100メートル級の巨大ロボット3機が、120メートルのメカゴジラを取り囲むという、意味不明な「巨大ニンジャロボット大戦」がここに完成した。

「いくぞお前ら! 敵の弱点は胸のコアだ! 叢雲の旦那の戦術指示に従って、あのデカブツのパーツを全部『お掃除』してやるよォォォ!!」

銀時の号令一閃、千手柱間の『木人』がメカゴジラの尾を掴んでブン回し、死神スライダークの操る『スライダークロボ』が闇の一閃でメカゴジラのミサイルポートを次々と一刀両断! 仕上げに『シュリケンジン』が巨大なアッパレシュリケン刀を炎の魔力と共に振り下ろす!

「イヤーッ!」

ニンジャスレイヤー、GP-羅刹、段蔵の泥臭い一撃が、巨大ロボたちの足元でメカゴジラの脚部装甲を粉砕していく。

 

「ぎゃあああああああ! 100メートル級の巨大ロボットが至近距離で殴り合ってるぅぅぅ!! 火花と衝撃波だけでこっちの鼓膜が粉砕されるゥゥゥ!!」

新八が叫び、万事屋一行は完全に『戦闘』という名の特撮・スパロボ大戦から置いてけぼりにされていた。

彼らにできることは、動けなくなった半蔵学院の5人(飛鳥、斑鳩、葛城、柳生、雲雀)を、夜兎の怪力を持つ神楽と定春がまとめておんぶし、銀時と新八が「巻き込まれてたまるかァァァ!」と必死の形相で瓦礫の嵐を掻い潜りながら、ただただ広間の隅っこを逃げ回ることだけだった。

 

その間にも、全次元最凶の巨大ニンジャロボット連合軍VS鋼鉄の究極破壊神の戦いは、壮絶なクライマックスへと突入していた。

「――行くぞ、スライダークロボ! その鉄拳で奴の装甲を撃ち砕け!」

コクピットの死神スライダークがマホイミの魔力を限界まで注ぎ込むと、漆黒のスーパーロボット『スライダークロボ』の右腕が高速回転を始める!

「ドリルパンチィィィ!!!」

ズガァァァァァン!!!

超高速回転するスライダークロボのドリル拳が、メカゴジラの右肩のジョイントを正確にブチ抜き、強固なチタン合金の右腕を根元から完全に吹き飛ばした!

 

『ギャ、ガ、ガ、ガ……!?』

エラー音を響かせるメカゴジラ。しかし、追撃はそれだけで終わらない。千手柱間の『木人』が、その太い腕に巻き付けた巨大な木龍を猛烈な勢いで解き放った!

「うおォォォ! 『木遁・木龍の術』!!」

ギチギチギチィィィ!!!

解き放たれた木龍がメカゴジラの左腕にガッチリと絡みつき、凄まじいチャクラの質量でギリギリと締め上げる。そのまま圧倒的な力技で、メカゴジラの残された左腕をも力任せにバキィィィン!!と引きちぎり、完全に両腕を喪失させた。

 

両腕を失い、プロトン大砲のチャージも間に合わず、完全に無防備となったメカゴジラ。その脳天に向けて、上空からシュリケンジンを駆るニンニンジャーたちが最大の必殺技を放った!

「――今だ! 忍ばずワッショイ! 一気に行くぞ!!」

アッパレシュリケン刀が真っ赤な炎の魔力を帯びて巨大に燃え上がる。シュリケンジンが上空から重力加速を伴って一気に急降下した!

「必殺! シュリケンジン・アッパレ斬り!!!」

スパァァァァァン!!!!!

炎の一閃が、メカゴジラの胸部ーーソウカイ・カイザーの残党が隠していた、すべての元凶であるメインコアを真っ二つに両断した。

 

『……暗、黒、メ、ガ……コ、ー、ポ……倒、産……サ、ヨ、ナ、ラ……!!』

最期の不気味な電子音声を残し、全高120メートルの究極破壊神は、内側から激しいエーテル電流の爆発を起こしながら、大音響と共に崩れ落ち、完全に大破・沈黙したのだった。

爆煙がゆっくりと引いていく、ソウカイ・カイザーの中枢広間。

かつてアビドス砂漠で猛威を振るった悪徳企業の残党と、ネオサイタマの闇に蠢いていたソウカイヤの生き残り。彼らが手を組み、この複合都市を裏から牛耳ろうと企てていた「新たな暗黒メガコーポ」は、表舞台の住人に一切知られることもなく、最強のニンジャ、巨大ロボ、そして万事屋の手によって、完全に、跡形もなく壊滅したのだった。

 

「……ハァ、ハァ……終わった、ね。銀さん……」

新八がへたり込み、メガネの奥の目を丸くする。

「あァ、終わった、終わった。……おい、それよりニンジャスレイヤーさんよ。暗黒メガコーポは倒産した。約束の『オーガニック万札(大金)』、きっちり山分けさせてもらうぜ……?」

銀時が泥泥の顔のまま、瞳を¥マークに染めてニンジャスレイヤーへと振り返った。

 

「――はい、約束のオーガニック万札だ。あなた方のカラテ、実に見事だった」

崩壊した暗黒メガコーポの最深部、ひっくり返った巨大金庫の前。ニンジャスレイヤーは約束通り、ソウカイヤが溜め込んでいた莫大な資金から、ずっしりと重い最高級の革財布を万事屋一行へと手渡した。

「よ、よっしゃァァァァァ!!! 30円からの完全大逆転だァァァ!! これで今度こそ本当に、お登勢のババアに家賃を『お釣りは取っときな』ってドヤ顔で叩きつけられるぞォォォ!!」

銀時が札束の詰まった財布を抱きしめて涙を流し、新八と神楽、そして定春も大金の輝きに狂喜乱舞した。

その後、ボロボロになった半蔵学院の5人も無事に救出され、ニンジャスレイヤーの弟子たちや忍の神・柱間、そしてシュリケンジンの面々に見送られながら、万事屋一行はホクホク顔で自分たちのホームである商店街へと帰還したのだった。

 

ーーしかし、その翌日。

「……ねえ銀さん。ちょっと、窓の外見てください」

新八が、新しく買い替えたばかりのメガネを指で押し上げながら、呆れた声で銀時を呼んだ。

「あァ? 何だよ新八、せっかく大金持ちになって今から『パチンコ・第2章の奇跡』を始めようとしてる時に――」

銀時が窓の外を覗き込み、持っていたパチンコ玉入りの袋を床に落とした。

 

右斜め向かい、慢性的な原稿トラブルを抱える『ロナウド吸血鬼退治事務所』。

なんと、そのすぐ隣の空き地に、昨日まで地下基地で命がけの死闘を繰り広げていたあの【3人の傭兵】が、これまた見覚えがありすぎる重厚なハイテクガレージを建設し、堂々と引っ越してきていたのだ。

「――おい、そこの銀髪。お前らのせいで雇い主がブチ壊れたからな。これからはこの街の『傭兵』として、お前らのシマを半分もらい受けるぞ」

人間サイズの真紅の鬼、ガンダムGP-羅刹がガレージの前で不敵に笑う。

「フフフ……。お前たちとの決着も、まだ着いていないからな。……あ、ロナウドさん、うるさくしてすまないね」

青き鬼、アストレイブルーフレームが隣のロナウド事務所に丁寧にお辞儀をし、漆黒の死神スライダークが愛刀を磨きながら「死の宣告(※お引越しの挨拶)」のオーラを放っていた。

 

「なんであいつら組織が壊滅したからってご近所さんになってんだよォォォ!!!」

銀時の叫びが響く中、商店街の日常の変化はそれだけで終わらなかった。

「銀時殿ーー! イズナ、今日も遊びに参りました! わくわく忍法帖、スタートです!」

キツネ耳をパタパタさせた久田イズナが元気に万事屋の階段を駆け上がってくれば、

「浜口あやめ、本日も推参! 銀時殿、一緒にカラテの特訓をいたしましょう!」

あやめが満面の笑みで飛び込んでくる。

さらに通りを見下ろせば、FGOの加藤段蔵が『スナックお登勢』の前で篁老人とお茶をすすり、半蔵学院の飛鳥たちが『便利屋68』のアル社長と楽しそうにお団子を分け合い、裏山からは千手柱間が「おーい! 真選組の諸君、今日も一献どうだ!?」と、対ホロウ第六課のメンバーを引き連れて屯所に突撃していく姿が見えた。

 

「……おい新八。俺たちの財布は潤ったけどさ」

銀時が鼻をほじりながら、窓の外の狂気の光景を眺めて呟いた。

「この街の『忍者』と『傭兵』の人口密度、完全に世界一を超えて宇宙一のレベルになってねーか? ロナウドの隣にガンダムと死神がいて、広場には忍の神がウロウロしてるって、これもう治安が良いのか悪いのか分かんねぇよ」

「いいじゃないですか銀さん! 賑やかで楽しいネ! イズナちゃん、私の高級すき焼き、一緒に食べるヨロシ!」

「はい、主殿の妹弟子殿! 喜んで!」

こうして、新たな暗黒メガコーポの脅威を裏から救った万事屋の周辺は、最凶の傭兵トリオと、個性的かつ可愛すぎる『忍者オールスターズ』が日常に溶け込んだことで、これまで以上の大爆発的なカオスと賑やかさを手に入れるのだった。

 

 





(第2章・第10話「忍者争乱編・後編」 完)

これにてニンジャ編完結です!

いや~それにしても書きたい展開や出したいキャラをどんどん詰め込んでたら1話に収まらなくなるとは……

いっそのこと将来は章1つ分使った話とか書いてもいいかも


また次回にお会いしましょう!
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