どうも
やっと長めの休みが入ったので大量に溜まっている書き置き分を放出していきます
今回は裏山の千年城がメインの話です。
「あ〜、これこれ。やっぱり公安からぶんどった大金で、暖房をガンガンに効かせた部屋で食べる高級ハーゲンダッツは最高アルな」
秋の少し肌寒い季節。万事屋の2階では、神楽がソファにふんぞり返り、昨日貰ったばかりの高額報酬を原資にした高級アイスを、定春と一緒に優雅に貪り食っていた。
「神楽ちゃん、ダッツのバニラとグリーンティーを同時に贅沢食いするんじゃない! ……まぁでも、銀さんがパチンコ行く前に家賃もお登勢さんに完済できたし、今月は本当に安泰ですね。僕のメガネのフレームも、金コーティングの新型に買い替えようかなぁ」
「フフン、新八、金のメガネに変えたところで、お前の本体(メガネ)の汚れは隠せねーよ。よし、銀さんはこれから連続の奇跡を信じて、パチンコ屋の最新の冬ソナの島を更地にしに行って――」
銀時がホクホク顔で財布を懐に収め、立ち上がった、まさにその瞬間。
バガァァァァァン!!!!!!
「万事屋ァァァ! 逃げろ! 今すぐ荷物をまとめてネオサイタマか新エリー都に高飛びしろォォォ!!」
「砂ァァァァァ!!(※入ってきた瞬間の衝撃波で一瞬で灰になる)」
玄関のドアをブチ破る勢いで転がり込んできたのは、右斜め向かいの『ロナウド吸血鬼退治事務所』のハンター、ロナウド。そして、彼の横で案の定ただの『灰の山』と化して床に散らばっている吸血鬼、ドラルクであった。
「おいイィィィィィ!!!」
新八が叫ぶ。
「何なんだよお前ら! 締め切り前のハンターが現実逃避にうちのドアを破壊しに来るんじゃねーよ! あとドラルク、お前はもうただの床のゴミ(灰)掃除の対象だわ!」
「違うんだ万事屋! 締め切りはもう終わった! そうじゃなくて……裏山だ! 真裏の山を見てみろ!!」
ロナウドが防砂ゴーグルをガタガタと震わせながら、万事屋の窓の外、例の違法建築された最高峰の最終防衛拠点『千年城』を指差した。
「裏山……? あァ? あのダブル真祖(御真祖様&アルクェイド)がまた何かやらかしたのか?」
銀時が鼻をほじりながら窓の外を覗き込む。
「あいつら……空想具現化の力で城を無駄に増築しすぎて、『部屋が3万個くらい余っちゃったから、全次元から僕たちの知り合いを呼んでシェアハウスしよう!』とか言い出しやがったんだよォォォ!!」
「「「「はあァァァァァ!!!?」」」」
万事屋一同が絶叫する。あのただでさえ戦闘力上限がバグっているダブル真祖の身内や知り合いが、シェアハウスのノリで『千年城』に大量に入居してくるのだ。ご近所の治安が完全に終わる。
「……あ。さっそく、入居の引っ越し用時空の歪みから、同居人第1号が降りてきたネ……」
神楽がアイスのスプーンをポロリと落とし、窓の外の一点を指差した。
千年城の立派な白亜の門前。紫色の不気味な奈落のオーラを全身からブチ撒け、漆黒の玉座ごと時空の裂け目から降臨してきたのは、一人の巨大な魔皇――――いや、魔皇というには、あまりにも神話級の威圧感。
デュエル・マスターズの世界から、同じ「始祖」としての引力によって呼び寄せられた邪眼一族の長――『煉獄大帝キング・ロマノフ』であった。
「……フハハハ。ここが複合都市の『千年城』か。同じ始祖の血を引く者が集うシェアハウス……悪くない。さっそく、我が邪眼の魔術で、このリビング(城)を煉獄の炎で快適な温度に模様替えしてやろう」
「待て待て待てェェェ!!!」
新八のメガネが衝撃のあまり裏返る。
「おかしいだろシェアハウスの初期メンバー!! なんで東方のレミリアやD×Dのリアスを置き去りにして、デュエマのガチのラスボスクラスの『邪眼一族の始祖』が、テラスハウスのノリで荷物持って入居してんだよォォォ!! リビングの模様替えで煉獄の炎使うな! 何が『快適な温度に模様替え』だァァ!! 煉獄の大帝がコタツの温度調整のノリで世界の終わりみたいな魔術発動してんじゃねーよ!! ロナウドさん! あなたの事務所の隣に、前話で引っ越してきた傭兵トリオ(ガンダム&死神)がいるだけでも過密なのに、今度は真裏の山がガチの魔界に改造されようとしてんだぞ!!」
「砂ァァァァァ!!(※ロマノフの魔力にビビって復活した瞬間にまた砂になるドラルク)」
万事屋の3人とロナウドが窓辺でガタガタと震えながら、完全に現実逃避の目をしていると、千年城の白亜の門前に広がる時空の裂け目から、さらに信じられない2組目の「入居者」たちが、お泊り用のお布団やキャリーケースを抱えて優雅に降り立ってきた。
「わあぁ! 凄いお城だね! 部屋がいっぱいあるなら、私とカシエルたちもここで一緒にお勉強したり、みんなとシェアハウスの生活を楽しんじゃおうかな!」
眩い天界の光を纏い、笑顔で巨大な聖なる羅針盤を浮かべながら現れたのは、モンスターストライクの世界から、数々の奇跡を司る叡智の魔術王――ソロモンであった。彼女の背後には、守護獣のカシエルやフォルネウスが「入居手続きはこちらですか?」とばかりに、ちゃっかり引っ越し用の段ボール箱をホールドして控えている。
「ゲッ、モンストのガチの限定チートキャラが来たアル!!」
神楽が高級ダッツ(バニラ味)を口からポロリと落とす。
「あの女、神の光みたいなやつで、うちの30円を30兆円の価値がある偽札に錬金してくれないアルか!?」
「神聖な魔術を詐欺の道具に使うな神楽ちゃん!?」
新八がツッコミを入れたその瞬間、複合都市の全域の引力、重力、そしてエーテル濃度が、これまでのどんなボス(ミードやメカゴジラ)の襲来時をも遥かに凌駕するレベルで、一瞬にして『無』へと還るほどの圧倒的なプレッシャーに包まれた。
『――ふむ。たまの有給休暇だ、この複合都市のシェアハウスとやらで、のんびりと羽を伸ばさせてもらうとしようかね』
時空の歪みの奥から、ゆっくりと、しかし宇宙の真理そのもののような神々しい光を放ちながら歩いてきたのは、全高数十メートル……から、この城のサイズ(というか部屋の企画)に合わせて人間サイズに縮小した、伝説の超人。
ウルトラマンの世界において、宇宙の神、あるいは絶対の守護神として君臨する大長老――ウルトラマンキングが、なんとマイ枕とパジャマの入ったトートバッグを片手に、完全な「プライベートの休暇モード」で歩いてきたのだ!!
「待て待て待てェェェ!!!」
銀時が持っていた木刀『洞爺湖』を床に落とし、両手で頭を抱えて絶絶叫した。
「おかしいだろテラスハウスのキャスティング!! なんで邪眼の始祖(ロマノフ)と、モンストの叡智(ソロモン)の横に、M78星雲のガチの神様が『ちょっと今週有給取れたからシェアハウスに泊まりにきたわ』みたいなノリで並んでんだよォォォ!! ウルトラマンキングだぞ!? あの人、本気で怒ったらこの複合都市どころか、次章以降の全ジャンプ・全サンデー・全スクエニの版権ごと宇宙を丸ごとリセットしちまうレベルの天災だろォォォ!!」
「土方さん!! 大変ですぜィ! 裏山のシェアハウスに、宇宙の神様が『有給休暇』って書かれた申請書持って入居しやがりましたぜィ! 職務質問しに行きますかい!?」
隣の屯所の窓から、沖田総悟が死んだ目のままバズーカを構えかける。
「行くわけねぇだろアホォォォ!!」
土方が青筋を立てて沖田の脳天をドツく。
「誰があんな全知全能の神様に『不法入居の疑いがあります』って手錠持っていくんだよ!! 昨日の警察オールスターズや第六課がフルメンバーで突撃しても、あの髭のワンポチで俺たちの存在が歴史から消去されるわ!!」
「おい新八、もう現実を見るのはよそう。我が万事屋の潤沢な財布をギュッと握り締めて、これが世界のすべてだと思い込もう。あそこにいるのはただの髭の長いおじいちゃんと、綺麗な魔法使いのお姉さんだ。ただのコスプレだ」
「銀さん、現実から目を逸らしてコタツに引きこもっても、裏山の千年城から漏れ出ている『全知全能のチャージ音』が凄まじすぎて、向かいの敷地の1分の1ガンダムのシステムが強制シャットダウンを繰り返してるんですよォォォ!!」
銀時と新八が窓辺でガタガタと震えていると、時空の裂け目がさらに大きく引き裂かれ、最後にして最大の破壊力を持つ『3組目』の入居者たちが、それぞれの荷物を抱えて優雅に、あるいは圧倒的な暴力の気配と共に降り立ってきた。
「ちょっと、なんで私がこんなカオスなシェアハウスなんかに呼ばれなきゃいけないのだわ!? 私は冥界の女主人なのよ!? でも……アルクェイドさんが『お部屋に可愛いドクロのインテリアがあるよ』って言うから、別に、ちょっとだけ覗きにきただけなんだからね!」
金髪のツインテールを揺らしながら、お泊り用の荷物を抱えてツンデレ全開で入っていくのは、FGOの世界からやってきた冥界の女神、エレシュキガル。
「ヒカリちゃん、すごいお城ですね。キッチンも広いですし、これなら今夜は皆さんに美味しい特製シチューが振る舞えそうです」
「そうね、ホムラ。でも変な男が近づいてきたら、私がいつでも『天の聖杯』の因果律予測で、その男の存在ごと宇宙の彼方へ消し飛ばしてあげるから安心して」
その隣で、お料理上手な聖杯の少女ホムラと、いつでも彼女と合体して世界を再構築できる最強の天の聖杯ヒカリ(ゼノブレイド2)が、お泊り用のエプロンを持参して優雅に一礼してドアをくぐる。
「おい、そこ退け。……ふむ、真祖の城か。世界最強の生物たるこの俺が、シェアハウスという名の『家庭的な空間』に身を置く……。これ以上の地上最強の贅沢はあるまい」
そして、極め付けの最後の男。
全身の筋肉を「鬼の形相」へと歪め、放つオーラだけでアビドス砂漠のダレン・モーランすら一瞬で平伏させそうな、地上最強の生物――バキの世界から参戦した、範馬勇次郎であった!! 彼はなぜか、マイ枕と「地上最強の歯ブラシ」が入ったトートバッグを片手に、完全にリラックスした入居者モードで歩いていた。
「……貴様、良い肉体を持っているな?」
城のテラスにいたキング・ロマノフが、勇次郎の背中の筋肉を見て不敵に笑う。
「……フン、貴様こそ、良い面構えの骨だな。……おい、皿洗いは俺が背筋の力で全て粉砕してやろう」
「いやペット感覚でロマノフと勇次郎が意気投合してんじゃねーよォォォォォ!!!」
銀時と土方のツッコミが完全にシンクロして夜空に木霊した。
「おいふざけんな!! なんでシェアハウスのメンバーに『天の聖杯』と『冥界の女神』と『地上最強の生物』が混ざってんだよ!! どんなルームシェアだよ!! 恋バナ中に勇次郎が『ふむ、夜這いか』とか言ってリビングの壁ブチ破って入ってきたら、その衝撃波だけで複合都市の経済が崩壊するわ!!」
新八はメガネを外して涙目で目をゴシゴシ洗うが、やはりそこには戦闘力の上限をさらにレッドゾーンへブチ抜いた天災しかいない。
「……土方さん。あの生え際のおじさん(キング)と範馬の旦那、これ万が一、深夜に『どっちが冷蔵庫のプリンを食べたか』で大喧嘩し始めたら、明日この街ありますかねィ」
沖田がガチの引き攣った笑いを浮かべる。
「あるわけねぇだろ……! 江戸どころか、全ジャンプ作品、いや全次元の歴史がここで更地になるわ!!」
土方が震える手で『サカモトデイズ』の坂本商店に向かって、「坂本さぁぁん! 助けてくれ、頼むからあそこのシェアハウスの管理人やってくれぇぇ!」と叫ぶが、お向かいの坂本は静かにガンダムのキーを隠し、「本日命大事に」の看板を掲げてシャッターを二重にロックしていた。
全次元最凶・最強・最恐の神々と始祖、そして地上最強の生物が一つ屋根の下に集結し、いよいよ千年城の電気がパッと消え、恐怖の「お泊りシェアハウス生活」が本格的に開幕しようとしていた――。
「もうダメだ……おしまいだぁ………」
「複合都市は……僕たちの第2章は、ここで神々の気まぐれによって、ページごと消滅するんだ……」
万事屋の2階で、銀時と新八、そして右斜め向かいから逃げてきたロナウド(と、また砂に戻ったドラルク)が、どこぞの惑星を破壊されたサイヤ人の王子のように膝をつき、絶望のあまり真っ白に燃え尽きていた。
裏山の『千年城』に集結したのは、邪眼の始祖(キング・ロマノフ)、天界の叡智(ソロモン)、休暇中の宇宙の神(ウルトラマンキング)、冥界の女神(エレシュキガル)、天の聖杯(ホムラ&ヒカリ)、そして地上最強の生物(範馬勇次郎)。
もはやラスボスをラストダンジョンごと、あるいはこの複合都市の版権ごと物理的に粉砕できそうな天災オールのシェアハウスである。
神々の放つ「家族会議(※ただの雑談)」のチャージ音が空間をギチギチと歪ませ、街の終わりを確信したまさにその時。
『――おい、そこ退きな。店の前でコソコソと、何往生際悪く震えてんだい』
「え……?」
銀時が涙目で窓の外を見下ろすと、そこには、数多の修羅場をくぐり抜けてきた、この街の「真の最恐・治安維持権力」が立ちはだかっていた。1階の大家、お登勢である。
彼女の後ろには、これまでの食べ歩きやスイカ騒動で万事屋が絆を深めてきた、【複合都市飲食店組】が、それぞれの自慢の調理器具と大盛り皿を引っ提げてズラリと布陣していた。
「ヘイお待ちィ! 宇宙の神様だろうが地上最強だろうが、腹が減ってはルームシェアもできねぇだろォォォ!!」と中華鍋を叩くチョップ大将。
「天の道を往き、すべてをおもてなしする。……俺の料理を食べろ」と究極の和食を掲げる天道総司。
「ガハハハ! 歓迎の麻婆豆腐だ! 辛さで世界を再構築してみせろ!」と火炎放射器並みの炎を操る潘引壺。
さらに、宇佐美いちか&砂藤力道の特大ケーキ、ベルナ村のおかみさんの怪獣チーズ鍋、五十嵐響子のドラゴンの丸焼き、そしてペッピーノ&ペッピーナの爆走絶品ピザが、湯気を立てながら千年城の門を強引にブチ破って中に運び込まれていく!
そう、万事屋一行は忘れていた。
どれだけインフレした神々が集まろうとも、いつだって【食は世界を救う】ということを!!
「……ほう。この『ピザ』とやら、なかなか濃厚な味だ。我が邪眼の魔術の糧にふさわしい」
キング・ロマノフがピザを片手に目を輝かせる。
「うむ! この『ドラゴンの丸焼き』、筋肉の組織に一分の隙もない! これほどの上質な肉、地上最強のバカンスにふさわしい美味さだ!」
範馬勇次郎が骨ごと肉を貪り食い、その背中の鬼の形相が、あまりの美味さに一瞬で「笑顔」へと変わった。
「ふむ……。有給休暇の初日に、これほど素晴らしい天界以外の美味に出会えるとは。このおばあさんの淹れたお茶(※お登勢のお茶)、宇宙のスープより心が安らぐねぇ」
ウルトラマンキングがお登勢の横で縁側に腰掛け、ズズズ……と茶をすすりのんびりと微笑んでいた。ソロモンもエレシュキガルも、ホムラの手料理と複合都市グルメの圧倒的な「美味」の前に、戦うことすら忘れてすっかりただの「美味しいものを食べる可愛い女の子」に戻って談笑している。
「ハァ……ハァ……。たす……助かった……」
銀時たちがコタツの陰から這い出し、命を繋ぎ止めた安堵の涙を流した。
「すごいネ! 料理人たちの火力だけで、あの神々の戦闘力オーラが全部『飯の湯気』にかき消されていくアル!!」
神楽がどさくさに紛れて、勇次郎の横からドラゴンの肉をつまみ食いする。
「お前らァァァ!! 命拾いしたからって安心するんじゃないよ!!」
お登勢が千年城のテラスから、万事屋の2階に向けてドスの利いた声を張り上げた。
「この神々をおもてなしするための『追加の出前代』と『お茶代』、きっちりあんたたちの昨日の報酬から全額差し引かせてもらうからね!! 残った分は、今月の家賃の更新料だよ!!」
「「「「ぎゃあああああああ!!!」」」」
お登勢さんの無慈悲な経済制裁により、万事屋の財布から公安の報酬が爆速でデリートされ、ちゃぶ台の上には見事にいつもの【10円玉3枚】が虚しくチャリンと並び直すのだった。
世界最強のシェアハウス。それは、複合都市の絶品グルメによって最高にアットホームに手懐けられ、万事屋にとってはやっぱりいつも通りの「貧乏だけど平和な夜」として、賑やかに更けていくのだった。
(第2章・第12話「シェアハウス編」 完)
はい、というわけでシェアハウス千年城爆誕編でした。
章を2つぐらい跨ぐほど書き置きが溜まってるから、早く投稿しないと………