万事屋一行の『複合都市』生活   作:ex(イクス)

26 / 29


溜まった書き置き分放出を急がねば……!というわけで連続投稿!


今回も新たなカップルが複合都市に誕生します!

これは公式通りの組み合わせ……でいいよな?




第15話:乙女の悩みはだいたい国をいくつか傾ける

先日の商店街を焦土に変えた「爆破婚」から数日後。爆撃夫婦が真選組の屯所の前に引っ越してきたことで、毎朝ニトロの爆風とロシア製爆弾の破片が飛んでくるという「地獄の新婚生活(ご近所迷惑)」が始まっていたものの、万事屋の懐は相変わらずホクホクの状態をキープしていた。

「あ〜、涼しい秋の風が心地よいネ。今日も大金を持って街をぶらつく、これが本物のセレブリティの散歩ヨロシ」

神楽が高級ダッツ(※今回はちょっと大人なロイヤルミルクティー味)を舐めながら、複合都市の中央広場をのんびりと歩いていた。

「そうですね。今回は銀さんがパチンコ行く前に財布をガッチリ回収しましたから、当分は安泰です。お、あそこにいるのって……」

新八が指差した先。そこには、いつもの隊服を身に纏った真選組の土方十四郎、沖田総悟、そして局長の近藤勲(※珍しくちゃんと服を着ている)の3人がいた。

だが、彼らの様子が明らかにおかしい。

物陰にぎちぎちに身を隠し、揃いも揃って【完全に気配を消し、静かに息を殺して】前方のオープンカフェを凝視しているのだ。

 

「おい、多串くん。何やってんだお前ら。そんなところで顔を真っ赤にして、ついに武装警察をクビになってガチのストーカー家業に転職したのか?」

「シーーーッ!!! 声がデけぇんだよ万事屋ァァァ!!!(極小の声)」

 

土方が青筋を立てながら、銀時の口を全力で塞いできた。

「静かにしろィ、銀さん。今、あそこのカフェのテラス席ではな……全次元の歴史を揺るがす、『恋する乙女の恋愛相談』が行われてる真っ最中なんでさァ。近づいたら女の情念で、俺たちの存在ごと消し飛ぶぜィ」

沖田が死んだ目のまま、双眼鏡を覗き込んでガタガタと震えている。

銀時たちが釣られてその視線の先ーーカフェの華やかなテラス席へと目を向ければ、そこに座っていたのは、あまりにも異色かつ、ある意味で爆豪夫婦以上に「混ぜたら危険」な二人だった。

 

「あの……不二子お姉さん。私、その……同じクラスの、いつも頑張ってて、緑色で、デクくんって呼ばれてる男の子のことが、どうしても気になっちゃって……。これって、やっぱり恋、なんでしょうか……!?」

お茶の入ったカップを両手で包み、顔を真っ赤にして初々しく指先を合わせているのは、雄英高校A組の麗日お茶子。

「うふふ、可愛いわねお茶子ちゃん。それは間違いなく『恋』よ。男の子を転がすなんて簡単。まずはその男の子の一番大切なものを把握して、それを人質に取るか、あるいは身体のラインを強調したドレスで迫れば、イチコロよ?」

優雅に高級ワインのグラスを傾け、妖艶な微笑みを浮かべながら、ピュアな女子高生にとんでもない「ルパン三世仕込みの悪女テクニック」を吹き込んでいるのは、世紀の大怪盗ーー峰不二子であった!!

 

「待て待て待てェェェ!!!」

新八のメガネが、カフェから漂うあまりにも濃密な「お色気と純情のオーラ」で真っ赤に曇り、裏返った。

「おかしいだろその恋愛相談のカウンセラー!! なんでヒロアカの超純粋なゼログラビティ少女が、ジャンプの枠をブチ破って『男を裏切るのが趣味の国際的キャッツアイ』にガチの恋バナ相談してんだよォォォ!! 不二子ちゃんアドバイスの治安が最悪だよ! デクくんがハメ殺される未来しか見えないわ!!」

「ゲッ、あの泥棒猫、お茶子ちゃんに何を教えてるアルか!」

神楽がアイスを握りしめて憤慨する。

「男なんてなぁ、お腹が空いた時に焼き肉奢ってくれる奴が一番ネ! 人質とかドレスなんて手ぬるいヨロシ!」

「いやお前の恋愛観もだいぶ野生の塊だな神楽ちゃん!?」

銀時が突っ込みつつも、「しかし不二子ちゃん、今日も相変わらずのナイスバディで……」とデレデレし始めたその時。

 

「不二子ォ〜ん! 待ってくれよォ! 俺の愛の不時着(ランディング)を受け止めてくれぇぇ!!」

「待てルパンーーっ! 商店街での違法なロボットチェイスに続き、今度はカフェの営業妨害罪で現行犯逮捕だァァァ!!」

ファン、ファン、ファン、ファン……!

いつものようにイエローのウォーカーギャリアを駆るルパン三世と、その後ろからイングラムのサイレンを響かせて生身(ただしマッハ)で猛追する銭形警部。全次元最凶のチェイスコンビがカフェの横の通りを爆音と共に通り過ぎていく。

「ああ、ルパンの奴、また私の大事なお宝(※今回はただの最高級リップクリーム)を盗んでいったわ。お茶子ちゃん、アドバイスはここまでよ。男の子を転がす時は、焦らしが一番なんだから☆」

不二子は妖艶なウィンクをひとつ残すと、ミニスカートの裾を翻して赤いスポーツカーへと飛び乗り、ルパンたちの爆風の向こうへと消え去っていった。

 

「ーーハァ。助かった……。あのまま泥棒猫のアドバイスが続いてみろ、雄英高校のワン・フォー・オールの歴史がハニートラップで強制終了されるところだったぜ」

物陰から這い出した土方が、冷や汗を流しながらタバコに火をつける。

「……お茶子ちゃん、大丈夫ですかねィ。あんな国際的指名手配犯の恋愛観、女子高生には刺激が強すぎやせんかね」

沖田が双眼鏡を下ろしてカフェのテラス席を見つめる。

不二子が去った後、麗日お茶子は、しばらくの間カフェの椅子に座ったまま、ピクリとも動かなかった。不二子から授けられた、あまりにも強烈で、しかしどこか本質を突いた(?)悪女のテクニックの数々。それが彼女のピュアな電脳の中で、凄まじい化学反応を起こしているのは間違いなかった。

「……よし」

ぽつり、とお茶子が呟いた。

ゆっくりと立ち上がり、カフェのテラス席を離れていく彼女の横顔を、万事屋と真選組の男たちは息を呑んで見送った。

その顔は、誰が見てもはっきりわかるほどの、凄まじい【決意】に満ちていたのだから。

 

「おい新八……。俺、今すぐ緑のクソ髪(緑谷)のところに行ってさ、『おい、今すぐネオサイタマか新エリー都行きの夜行バスのチケット買え』って勧告してくるわ。あのお茶子ちゃんの顔、完全に第1章の最後のクラーケンをイカ焼きにする直前の最強たちの顔と同じだぞ」

「銀さん、僕も同感です……。不二子ちゃん直伝のテクニックと、お茶子ちゃんの『無重力(ゼログラビティ)』が組み合わさったら、デクくんの恋心どころか、彼の身体の質量ごと宇宙の彼方へ『お持ち帰り』される未来しか見えませんよォォォ!!」

「フッ、これぞ女の情念ネ」

神楽が高級ダッツのカップをゴミ箱にシュートする。

「男を転がす前に、まずは重力ごと引っくり返す。実に合理的アル。今夜は緑の少年のために、お通夜の準備をするヨロシ!」

「縁起でもないこと言うんじゃねぇぇぇぇ!!」

不二子の劇薬のようなアドバイスを胸に、一歩を踏み出した麗日お茶子。

その決意に満ちた背中を見送りながら、万事屋と真選組は、複合都市の恋愛インフレの恐ろしさに、ただただガタガタと震え上がるのだった。

 

その日の夜、複合都市のトレンディなウォーターフロントエリア。

ライトアップされた川沿いの高級レストランの屋外テラス席で、麗日お茶子と緑谷出久は、小さなキャンドルの炎を挟んで向かい合っていた。

昼間、峰不二子から授けられた劇薬のアドバイス。そして「自分の気持ちに嘘をついちゃダメよ」という、怪盗なりの真摯な応援。それらに背中を押されたお茶子は、ついにその小さくて丸い手に極限の覚悟を宿し、出久へと告白することを決意していた。

 

「あ、あのね……デクくん。私、デクくんに……ずっと言いたかったことがあって……っ」

「え……? うん、何だい麗日さん。僕、どんなことでも聞くよ!」

お茶子が顔を真っ赤にして指先を合わせ、出久がいつものノートを鞄に仕舞って真っ直ぐに彼女を見つめる。あまりにもピュアで、あまりにも甘酸っぱい、青春の1ページ。

ーーしかし、彼らは1ミリも知らなかった。

この二人の周囲数万メートルが、現在、【全次元最凶の合法的暴力の雨嵐】と化していることを。

 

「ーーおいそこ退けコラァァァ!! 異世界の一般市民の初々しい告白の邪魔をする奴は、強盗だろうがエーテリアスだろうが、まとめて俺の『洞爺湖』のサビにしてやるって言ってんだろォォォ!!」

レストランのすぐ裏の暗い路地裏。銀時が木刀を容赦なく振り回し、テラス席を狙って現れた悪徳企業の強盗団を次々と昏倒させていた。

「神楽ちゃん、右から理性の薄い下級悪魔が30匹迫ってきてるぞ! 確実にレストランの半径100メートル以内に近づけるな!」

「任せるヨロシ新八! あの緑のツンツン少年の恋路を邪魔する奴は、私の夜兎のカラテで分子レベルのミンチにして、今夜のすき焼きの具材にするアル!!」

神楽が下級悪魔の首をまとめて掴んで壁に叩きつけ、定春がその頭をガブガブと噛み砕く。

万事屋だけではない。近所の真選組、さらに対ホロウ第六課、そして昨日引っ越してきたばかりの『爆撃夫婦』までが、【『ご近所連合軍・お邪魔虫排除戦線』】として、物陰で完璧に息を殺しながら、超大火力の間引きを行っていた。

 

「死ねェェ! クソ雑魚エーテリアスどもがァァ!! 幼馴染のクラスメイトが命がけで告白しようとしてんだぞ、空気読めコラァァ!!」

爆豪勝己がニトロの爆風を極限まで消音して、迫り来る特級ボスの触手を一瞬で焼きちぎる。

「うふふ、かっちゃん格好いい。……ねぇ、あっちから這い出てくる悪魔は、私のソ連製爆弾で跡形もなく更地にしちゃっていい?」

レゼが笑顔でピンを引き抜き、新婚のコンビネーションで夜の闇を無音で大爆破していく。

 

「……土方さん。あの緑の少年、麗日さんの『不二子直伝・ハニートラップ』に耐えられますかねィ。これ、告白が成功した衝撃で無重力が暴発したら、俺たちの作戦エリアごと大気圏突入ですぜィ」

「知るかァァァ! とにかくあいつらの周囲30メートルは死守しろ! 粗相があれば裏山のダブル真祖やウルトラマンキングが起きてきてこの街がビッグバンだァァァ!!」

土方が血眼になって刀を振り回し、星見雅が次元の居合で下級悪魔の増援を1秒で一掃し、ゴレオン将軍が鉄球で強盗の装甲車をペッちゃんこにする。

 

そんな、総勢数十人のジャンプ・サンデー・スクエニ・アプリゲームの最強たちが「一丸となって血の海を作っている」とは夢にも思わず、レストランのテラス席のお茶子は、潤んだ星の瞳で出久の手をそっと握りしめた。

 

「私ね……デクくんのことが、大好きなの……っ!!」

「――――麗日さん……っ!!」

二人ががっちりと手を握り合い、周囲に奇跡のようなピンク色のオーラが広がっていく。

その瞬間、彼らの背後の闇では、最後の悪あがきで突撃してきた超大型エーテリアスが、ニンジャスレイヤーのカラテと大佛のACヴェンジェンスのグラインドブレードによって、【音が外に漏れない速度で完全に解体・消滅】させられていた。一瞬、夜風と共に『サヨナラ!』という謎の電子音声と、鉄の削れる音が聞こえた気がした二人だったが、お互いの恋心の熱量の前には、そんなカオスは1ミリも気付くことはなかった。

 

「――麗日さん、僕、僕も……麗日さんのことが大好きだ!!」

出久が顔を真っ赤にしながらも、涙を流して力強くOKの返事を出した。

お茶子の一世一代の告白は、ライトアップされたウォーターフロントの海風に包まれ、見事に大成功で幕を閉じた。二人の間には、これ以上ないほど甘酸っぱくピュアな、青春の奇跡が完成していた。

 

―――しかし、その感動の瞬間を、レストランの半径30.1メートル地点で見守っていた、あの『ご近所連合軍』が黙っているはずがなかった。

 

「おっしゃァァァァァ!!! 告白成功キタァァァァァ!!! よく言った緑のクソ髪ィィ!! おじさん感動しちゃったよォォォ!!」

「やったネお茶子ちゃん! 今夜は新婚祝いに、お前の『無重力』で高級すき焼きの肉を宙に浮かせてみんなで食べるヨロシ!!」

「ちょっと万事屋、あんたたち悪党のくせに泣きすぎよ! でも本当におめでとうお茶子ちゃん!」

 

「「え……?」」

 

出久とお茶子が呆然と振り返ったその瞬間、レストランの生垣やゴミ箱の影から、木刀を掲げた銀時、ダッツのカップを持った神楽、涙を流す新八、さらには手錠を持った真選組の土方や沖田、便利屋68のアル、対ホロウ第六課の面々、そして万事屋一行の近所にお引越ししてきたばかりの爆豪&レゼまでが、祝福の言葉とクラッカーを鳴らしながら一斉に姿を現した。

「か、かっちゃん!? なんでレゼさんと一緒にゼクシィ持ってそこに立ってんのォォォォ!!?」

出久が泡を吹いてひっくり返る。

そして、当のお茶子はというと――。

自分が人生で一番恥ずかしく、一番ピュアであるべき一世一代の告白を、【総勢数十人のご近所の物騒な大人たちに特等席で完全に覗き見されていた】という、最悪の現実に直面していた。

 

「あ……。み、みんな……いつから……そこに……?」

 

お茶子の顔が、茹でたタコを通り越して、14話の臨界点を迎えたレゼの爆炎並みに真っ赤に沸騰していく。次の瞬間、彼女の脳内の羞恥心と乙女のプライドが完全に限界突破し、その『個性』が狂気的なバグを引き起こした。

 

「――――な、何見てるんよォォォォォォォォォォォォォ!!!!!(大暴走)」

ビキィィィィィィィン!!!!!

「「「「ぎゃあああああああ!!!」」」」

 

お茶子が恥ずかしさのあまり両手を振り回して叫んだ瞬間、半径100メートル以内の重力概念が完全に崩壊した。

触れられてもいないのに、銀時、新八、神楽、定春、さらには土方や沖田、爆豪やレゼ、そして大佛が乗っていた全高7メートルのACヴェンジェンスにいたるまで、その場にいた【全員がまとめて風船のように、ふわふわと夜空の彼方へ急上昇を始めた】。

「待て待て待てェェェ!!! 重力仕事しろォォォ!! お茶子ちゃん解除して! 新型メガネフレームが気圧の低下で爆発しそうなんだよォォォ!!」

新八が空中を泳ぎながら叫ぶ。

「うふふ、かっちゃん。空の上でのデートも、なかなかロマンチックね」

「ロマンチックなワケあるかクソがァァ! おい丸顔!! 今すぐ降ろさねえとニトロでそのテラス席ごとブチ壊すぞコラァァ!!」

爆豪が空中できりもみ回転しながらキレ散らかし、土方は「宇宙警察! 誰か上空の交通違反を取り締まってくれぇぇ!」と涙目で叫んでいた。

 

「あはは、デクくん……。……ごめん、手が……手が震えて解除ボタンが押せないよぉ……///」

地上に残されたお茶子が、出久の手を握ったまま恥ずかしそうにモジモジと身を縮める。

 

「おォォォいィ!!!」

「銀さん、僕もう気流に流されて新エリー都の方向に飛んでいってますよォォォ!!」

「嫌ネ新八、私はもうこのまま上空で雲を酢昆布の代わりに食べて生き延びるヨロシ!!」

 

夜空の彼方へふわふわと持ち上げられ、きりもみ回転しながら流されていく万事屋や真選組をはじめとした商店街の面々。そんな大暴走の狂騒曲を、ウォーターフロントの埠頭に停めたイエローのウォーカーギャリアの頭上から、静かに見下ろしている男たちがいた。

 

「いや〜〜、ナイスバディの不二子ちゃんにそそのかされたとはいえ、ピュアな女子高生の恋の執念ってなぁ、泥棒の七つ道具よりおっかねぇな」

赤いジャケットの襟を正しながら、双眼鏡を覗いてニヤリと笑うのはルパン三世。その隣で、いつもの黒い折れ帽子を深く被り直した次元大介が、煙草の煙をふぅーっと夜風に燻らせる。

「フン、あの緑の小僧も災難だな。あんな重力をひっくり返すお転婆娘に惚れられちまったら、これから先の人生、いつでも大気圏外へパシリにされるぞ。……だが、まぁ」

次元は愛用のマグナムを懐に収め、どこか悪党らしからぬ優しい不敵な笑みを浮かべた。

「あの泥棒猫の無茶なアドバイスに真正面から乗っかって、ガチで一世一代のヤマ(告白)を成功させたんだ。……悪党なりに、少しは花を持たせてやってもバチは当たらねぇだろ?」

「フッ、五右ェ門、用意はいいか?」

ルパンがギャリアの操縦席に飛び乗り、無線に声をかける。

「いつでも」

ウォーカーギャリアの背面に、斬鉄剣を静かに鞘に収めた石川五ェ門が佇んでいた。彼の足元には、ソウカイ・カイザーの残骸からルパンたちがドロンとくすねておいた、大量の違法な『高出力カラーエーテル花火弾』のコンテナが並んでいる。

「よし、それじゃあお茶子ちゃん! 出久くん! 泥棒一味からの、【細やかなお祝い】といこうじゃねえの!!」

ルパンがギャリアのフットペダルを思い切り踏み込んだ瞬間、五ェ門の一閃がコンテナの導火線をマッハ5で全て切り裂いた!

 

ズドドドドドドォォォォォン!!!!!

 

夜空の彼方へ浮かび上がっていた銀時たちのさらに上空、複合都市の夜の帳を完全に真っ白に染め上げるほどの、超弩級の【三尺玉・ハート型大エーテル花火】が爆発した。

それは、爆豪夫婦の共同作業をも遥かに凌駕する、美しくも、爆風の音圧だけで浮いていた銀時たちの三半規管を一瞬で粉砕するレベルの、最高に大迷惑で粋なお祝いであった。

 

「不二子ォ〜ん! 俺たちの愛の花火も夜空に炸裂したぜぇぇ! さぁ、銭形の旦那がイングラムで追いついてくる前に、サヨナラだァァァ!!」

イエローのウォーカーギャリアは、ド派手な花火のエフェクトを夜空に残したまま、エンジン音を響かせて秋の夜闇の向こうへと爆速で去っていくのだった。

「ルパンめェェェ!! お祝いのノリで他世界の違法花火を公道で無許可で打ち上げやがってェェェ!!」

地上からは銭形警部の拡声器の怒号が響き、上空からは「綺麗だけど鼓膜が死ぬぅぅぅ!!」という新八の悲鳴が木霊する。

泥棒一味の残していった粋な爆風に揉まれながら、複合都市の最高におめでたくて物騒な夜は賑やかに更けていくのだった。

 

 

 





(第2章・第15話「恋愛相談編」 完)


はい、というわけで複合都市でもデク×お茶子のカップルが正式に誕生です!

原作のあのシーン見てからずっとこの話書きたかったんだよな~

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。