はい、第8話です
今回はブルアカが誇る巨大悪徳企業を成敗します!
「……いいかい、あんたたち。文句があるならさっさと残りの滞納分を完済しな。そうすりゃ、あたしだって鬼じゃないんだ、あんたたちのパチンコ資金にケチなんかつけやしないよ」
昨夜、ダンジョン攻略の10倍報酬を秒速で「家賃滞納分の徴収」としてお登勢にほぼ全額没収された万事屋一行。今朝は居間の畳の上で、お登勢の残していったごもっともすぎる正論の残り香に咽び泣きながら、緊急の「高額仕事探し」に没頭していた。
「完済しろって言われてもねぇ、ババア!! こちとら20年間、ジャンプの歴史の中で家賃を完済した月なんて片手で数えるほどしかねーんだよ!! 完済した瞬間に『銀魂・最終回』のロゴが上から降ってくる呪いにかかってんだよこっちは!!」
坂田銀時が、空っぽの財布を頭に被りながらソファでのたうち回る。
「銀さん、メタな呪いのせいにして現実逃避しないでください! ほら、この街の求人掲示板、時給300円の『ガンダムのトマトの箱詰め』とか、日給500円の『坂本商店の品出し(命の保証なし)』しか残ってないですよ! 借金地獄から抜け出すための高額案件なんて——」
志村新八が絶望の表情でスマホ(複合都市仕様)をスクロールしていた、その時。
ガラララララララララッ!!!と、万事屋の引き戸が、壊れんばかりの勢いで同時に左右へと開け放たれた。
「ちょっと! 万事屋の旦那ァァァ!!! 朗報よ、特大のビッグビジネスの話を持ってきてあげたわ!!」
右側から飛び込んできたのは、ピンクのツインテールに、相変わらず空っぽの財布を握りしめた『邪兎屋』のニコ・デマラ。
「フッ……お隣の哀れな一般市民たち。キヴォトス、そしてこの複合都市の闇を統べる、我が『便利屋68』の最高のハードボイルドな提案を聞くが良いわ!」
左側からコートをなびかせて(背後でハルカがショットガンをガシャガシャ言わせながら)現れたのは、自称・悪の経営者の陸八魔アル。
「げぇっ!? 両隣の慢性経営破綻グループのツートップゥゥゥ!!! お前らが揃って万事屋に来るなんて、ロクな予感がしねーよ!!」
銀時がソファの後ろに素早く身を隠す。
「ちょっと失礼ね! 今回はね、うちの『邪兎屋』と、そっちの『便利屋68』が、初めて大人の協力体制(共同戦線)を組んだ、超・高額の裏仕事なのよ!」
ニコが不敵に笑うと、横からアルが「そうよ! 私たちの組織の、今月の事務所維持費(※ただのプレハブ)と、あなたたちの家賃を同時に完済できる、完璧なアウトローの計画よ!」と、1枚のホログラムマップを机の上にドンと広げた。
そこに映し出されたのは、複合都市の経済エリアにそびえ立つ、冷徹な巨大複合企業の自社ビル——『ブルーアーカイブ』の世界からこちらの都市へ進出してきた、あの悪名高き悪徳企業【カイザーコーポレーション】の総合本社ビルだった。
「カ、カイザーコーポレーショォォォン!!!? 『ブルアカ』の、あのキヴォトスの数々の学校を借金漬けにして乗っ取ろうとした、ガチの悪徳PMC(民間軍事会社)じゃねーかァァァ!!! アルさん、ニコさん、仕事ってまさか……っ!」
新八の眼鏡が恐怖でガタガタと震え始める。
「その『まさか』よ!」ニコがマップの最上階を指差した。「あいつら、この複合都市の地下で違法な『エーテル資源の密輸』と『裏金ルート』を構築してやがるの。その【スキャンダルの絶対的証拠データ】を、今夜、カイザーの本社ビルに潜入して盗み出す。それが今回の任務よ!」
「正義のハッキング、あるいは泥棒行為ね!」アルがハードボイルドな表情を浮かべる(※内心はバクバクである)。「成功報酬は、現地の裏ギルドから提示された、驚愕の数百万ギル! これさえあれば、私たちの口座の氷河期は一瞬で終わるわ!」
「お前らそれ、ただの泥棒じゃねーかァァァオオオ!!!」
新八のツッコミが居間に響き渡る。
「相手はガチの私設軍隊を持ってる巨大企業ですよ!? 潜入なんてバレた瞬間に、ハイテクなパワードスーツを着たカイザーのPMC兵たちに包囲されて、僕たちの木造建築ごとハチの巣にされて『違法ゴミ』として分別処理されますよ!?」
「いいじゃねーか新八、うちは元々『万事屋』だ、合法も不法も関係ねぇ」
銀時が死んだ魚の目をカチッと見開き、腰の木刀『洞爺湖』を握り直した。
「相手が悪徳企業なら、こっちの泥棒行為(正義の鉄槌)のコンプライアンスも相殺されてチャラになるだろ。何より、その数百万ギルがあれば……明日の朝一番で俺が再びパチンコ屋の『世界の歪み』に——」
「銀さん、完全に自分の欲望の軍資金のためだけに悪に手を染めようとしてるよね!?」
「フン、悪徳企業のデータなんてどうでもいいアル。社長室の冷蔵庫に、高級な『魔界の霜降りテール肉』とか『1万年熟成の酢昆布』が眠ってりゃ、神楽ちゃんがカイザーのビルごと素手で更地にしてやるネ!」
神楽が鼻の穴をほじりながら、戦闘態勢を整える。
右隣(ニコ・デマラ)、左隣(陸八魔アル)、そして真ん中にパチンコジャンキー(坂田銀時)。
東西南北、この街の「三大貧乏何でも屋」が、家賃完済と一発逆転を賭けて、ついに最強の悪徳企業『カイザーコーポレーション』の超ハイテク自社ビルへと、命がけの隠密潜入(という名のドタバタ劇)を仕掛けることになるのだった——!
「だからね、新八。これはただのコソ泥じゃねーのよ。これはいわば、国家……いや、この複合都市の『治安維持局の偉いお犬様(デカマスター)』とか『蒸着刑事(ギャバン)』あたりの警察上層部が、大人の事情で表立って動けないからって、裏ギルドに金を掴ませて俺たちに回してきた『ガチの国家機密隠密作戦』なわけ。だからコンプライアンス的にも100%セーフ、むしろ俺たちは令和のネズミ小僧ってわけよ」
「その超重要で衝撃的な設定を移動中のプレハブ車のなかでさらりと暴露するんじゃねェェェ!!! 警察が裏ギルド仲介させて悪徳企業に泥棒させてんじゃねーよ!! 完全にこの街の法治国家としての機能が破綻してんだろ!!」
夜の複合都市の経済エリア。カイザーコーポレーションの巨大な本社ビルへ向かう闇の中、志村新八のツッコミが夜風に消えていく。
今回の作戦は、それぞれの事務所の意地と残高を賭けた、まさかの「総力戦」だった。
万事屋の3人と定春。
右隣からは、ニコ、冷徹にハンバーガーを齧るアンビー、特撮ポーズを決める機械の男ビリー、そしてササッと路地を駆ける猫宮又奈(ねこみやまな)の『邪兎屋』フルメンバー。
左隣からは、アル、クスクスと爆弾を弄ぶムツキ、胃を押さえて「不法侵入……不法侵入……」と呟くカヨコ、そして「社長の邪魔をするカイザーのビルは私が分子レベルで爆破して更地に——!」と狂気に目を血走らせるハルカの『便利屋68』フルメンバー。
総勢11人と1匹という、画面の作画カロリーが限界突破しそうな大世帯がビルの裏路地に集結した、その時だった。
『——お〜う、そこの貧乏何でも屋の旦那方に、そっちの可愛いお嬢ちゃんたち。ずいぶんと物騒な夜遊びに出かけるじゃねえの』
暗闇から、あの昭和・平成・令和を軽々と飛び越える、あまりにも不敵で軽妙な声が響き渡った。
「げぇっ!? この声、まさか……っ!?」
銀時が目玉をひっくり返して見上げた先。
ビルの合間の狭い裏路地に、なぜか当たり前のように「違法駐車」されていたのは、全高10メートルのずんぐりむっくりした黄色い重戦闘用ロボット——『戦闘メカ ザブングル』のウォーカーギャリア(イエローカラー)だった。
そのコックピットハッチから身を乗り出し、赤ジャケットの襟を正して不敵な笑みを浮かべていたのは、数日前、イングラム(銭形警部)と世紀のロボットチェイスを繰り広げた天下の大泥棒、ルパン三世その人だった!
「ル、ルパン三世ェェェ!!! なんであの大泥棒が、フルメンバーの邪兎屋と便利屋の前にまたあの80年代のリアルロボットで現れてんだよォォォ!!! とっつぁん(銭形)にまだ捕まってなかったんかい!!」
新八が秒速でメタ絶叫を上げる。
「よぉ、侍の旦那。実はさ、俺たちルパン一味も、そのカイザーコーポレーションの金庫室にある『超古代文明のダイヤ』を狙っててねぇ。だけど、あそこの防衛システムがちっとばかりハイテクすぎて、俺の愛車(フィアット)じゃなくてこのギャリアでも手こずりそうなんだわ。そこでどうだい? お互いの目的のために、ここは一肌脱いで『助太刀』ってやつを申し出ようと思ってね」
ルパンが不敵にウィンクすると、ウォーカーギャリアの背後から、タバコをくわえた次元大介と、斬鉄剣を静かに構えた石川五ェ門、そしてセクシーなライダースーツを着た峰不二子が泥臭いロボットの肩の上に並んだ。
「ルパン一味までフルメンバーで参戦してんじゃねーよォォォオオオ!!! 邪兎屋に便利屋にルパン一味って、もうこれ泥棒とアウトローの『全次元合同・拡大コミケサバト』じゃねーか!! 誰がこの超重量級の隠密作戦(大騒ぎ確定)を許可したんだよ!!」
「いいじゃねーか新八! ルパンの旦那がウォーカーギャリアで正面の門をドカンと踏み潰してくれりゃ、その隙に俺たちは裏口からスルスルと侵入して、社長室の金庫から10円玉をですね——」
銀時がパチンコへの軍資金の欲望をギラギラさせる。
「そうよ! 大泥棒のルパン三世が味方なら、私のこの完璧なアウトローの計画(ただの不法侵入)も、歴史に名る伝説の犯罪劇に早変わりね!」
アルが内心バクバクのまま、必死にハードボイルドなポーズを維持しようとする。
「ちょっと! ルパン! お宝は山分けよ! うちの借金をチャラにする分は、キッチリ残しておきなさいよ!」
ニコが空っぽの財布を掲げて叫ぶ。
「銀さん……僕、もう分かりました。この潜入作戦、絶対に『隠密』なんて1秒も機能しません。開始3分でカイザーのビルが、ウォーカーギャリアの銃撃とハルカさんの爆弾で、木っ端微塵の更地になりますよ……!」
「新八、泣くな……。これが……これが集英社とYostarとHoYoverseとモンキー・パンチ先生の大人たちが、裏でどんな不条理な利権のサバトを開いたか分からねー【複合都市の深夜のリアル】だ……。よし、みんな! ルパンの旦那のロボットの足元に全力で隠れながら、悪徳企業のオフィスへ……パンツァー・フォーォォォ!!」
「別の作品の戦車道の号令をここで使うんじゃねェェェェエエエ!!!」
ウォーカーギャリアの巨大なディーゼルエンジン音が裏路地に響き渡り、全次元最強のアウトロー連合軍による、前代未聞の「カイザーコーポレーション超ハイテク本社ビル襲撃(潜入)作戦」が、これ以上ない大爆発の予感と共に幕を開けるのだった——!
『ヒャッハーーー! カイザーの諸君! 天下の大泥棒ルパン三世様が、正面玄関からご挨拶に伺ったぜーーー!!』
ドガァァァァァン!!!
ルパン一味のウォーカーギャリアが、巨大な鉄拳とミサイルランチャーでカイザー本社ビルの正面玄関を文字通り木っ端微塵に粉砕し、ビル全体にけたたましい非常警報(アラート)が鳴り響いた。
「よし!! ルパンの旦那が正面で大洗の戦車道(※ガンダム仕様)ばりに大暴れしてくれてるぞ! 俺たちはこの隙に、裏口のセキュリティをハッキングして——」
坂田銀時が洞爺湖の木刀を片手に指示を出そうとした、その瞬間。
すでに裏口の超ハイテクな電子ロックは、アンビーの仕込み刀の電撃と、ムツキが「えい☆」と投げた小型爆弾の物理ハッキングによってベシャァァァン!と綺麗に破壊されていた。
「旦那、ハッキングならもう終わったネ。さあ、今すぐ最上階の金庫室へ突撃して、カイザーの社長のポケットから10円玉を毟り取るアル!」
「お前ら本当に隠密の『お』の字も知らねーなァァァ!!! 完全にただの集団強盗のムーブだよこれ!!」
志村新八のツッコミが響き渡る中、総勢11人と1匹の「何でも屋・アウトロー連合軍」は、薄暗いカイザーのオフィス廊下をドカドカと進軍していた。
しかし、2階の特別応接室の角を曲がった、その時。
「——おや? こんな夜中に、ずいぶんと賑やかなネズミさんたちが迷い込んできたわねぇ」
暗闇から、妖艶で、かつ本能的な恐怖を呼び起こすような、甘く危険な声が響いた。
そこに立っていたのは、灰色の髪にネズミの耳、そしてレザージャケットの隙間から抜群のスタイルを覗かせる美女——『ゼンレスゾーンゼロ』の治安維持局・特務捜査班の犯罪心理学スペシャリスト、ジェーン・ドゥだった。
「じ、ジェーン・ドゥゥゥゥ!!! 『ゼンゼロ』の、あの変幻自在のステップでプレイヤーの脳をバグらせる、ガチのアンダーグラウンドの潜入エージェントじゃねーかァァァ!!! なんで警察の本物がここにいるんだよ!?」
新八が秒速でメタ絶叫を上げる。
「ちょっと! アンタ、なんでカイザーのビルにいるのよ! 営業妨害で違約金請求するわよ!」
ニコが武器を構えて威嚇するが、ジェーンはフッと余裕の笑みを浮かべ、手元のナイフを指先でクルクルと回してみせた。
「あら、邪兎屋のニコちゃんじゃない。……安心しなさい、私は今、警察の『別件の潜入捜査』でこのビルに潜り込んでるだけよ。あなたたちのバックにいる上層部の動きは、大体把握してるわ」
ジェーンは尻尾を気だるげに揺らしながら、銀時たち一行、そして便利屋68のアルたちを鋭い瞳で見定めた。
「事情は分かったわ。あなたたちは金庫室のスキャンダルデータが目的ね。……なら、一ついい取引を提案させてあげちゃう」
ジェーンはホログラムのビル構造マップを空中に投影し、地下最深部の『秘密格納庫』を指差した。
「私の本業の任務はね、このカイザーコーポレーションが裏で密造、あるいはどこからか手に入れたとされる【違法兵器】の調査と破壊なの。もし、あなたたちがデータ強奪のついでに、私のその『違法兵器の解体』を手伝ってくれるって言うなら……警察の特別裏予算から、今回の報酬をさらに【2倍に上乗せ】してあげてもいいわよ?」
「「「「2倍ィィィ!!!???」」」」
その瞬間、銀時、神楽、ニコ、そしてアルの4人の目が、完全に「CRミリオンゴッドのプレミアム全回転」の輝きを放った。
「……新八。俺、今さっき、この複合都市の『経済の歪み』を正さなきゃいけないっていう、ガチの正義のヒーローとしての魂(パチンコの軍資金)が脳内にバーストしたわ。悪徳企業の違法兵器……叩き潰す、それこそが我が坂田塾の建白の理念よ」
「だから塾なんて経営してねーだろ!! 完全に2倍の裏予算に魂をミリ単位まで売却してるよ!!」
「そうよ! 警察の公式の裏金なら、山分けしてもお釣りがくるわ! 乗ったわ、ネズミのお姉さん!」
ニコがガタガタと震える財布を握りしめる。
「フッ……いいでしょう。カイザーの違法兵器なんて、我が便利屋68の冷酷な悪のアーツ(ハルカの爆弾)にかかれば、朝飯前の更地よ!」
アルが内心バクバクのまま、見栄を張ってコートをなびかせた。
「銀さん……僕、もう分かりました。この潜入作戦、スキャンダルデータを盗むだけじゃなくて、最深部の『違法兵器の破壊』まで追加されましたよ……。カイザーのビルが、今夜中に物理的にこの複合都市のマップから消滅するカウントダウンが始まりましたよ……!」
「新八、泣くな……。これが……これが集英社とHoYoverseとYostarとモンキー・パンチ先生の大人たちが、裏でどんなえげつないライセンス契約を結んだか分からねー【深夜のオフィスのリアル】だ……。よし、みんな! ジェーンのお姉さんのセクシーなステップに全力で目を奪われながら、地下の秘密格納庫へ……パンツァー・フォーォォォ!!」
「だから別の作品の戦車道の号令をここでも使うんじゃねェェェェエエエ!!!」
ジェーン・ドゥという最強の身内(?)火力を仲間に加え、さらに目的が「悪徳企業の最終兵器破壊」へと跳ね上がった何でも屋連合軍。彼らの命(と警察の裏予算)を賭けたオフィス大進軍は、いよいよカイザーの誇るハイテク防衛システムが待つ、地獄の中層エリアへと突入するのだった——!
「……おかしいわね。地下の秘密格納庫、もぬけの殻だったわ。ジェーンのお姉さんの情報だと、そこに国家壊滅級の違法兵器が隠されてるはずだったのに……」
邪兎屋のニコ・デマラが、空っぽの格納庫のマップを見ながら首を傾げる。ジェーン・ドゥも「フム……カイザーの上層部、まさか私たちが来るのを読んで、兵器を別の場所に移動させたのかしらねぇ」と、鋭い瞳を細めて顎に手を当てていた。
「いや、移動させたっていうか……。銀さん、僕たち今、最上階の【最高機密金庫室】の前に着いたんですけど……。兵器を移動させた先って、絶対にここですよね。」
志村新八の、魂が抜けかかった絶叫が、金庫室前の巨大なチタン合金製ゲートの前に響き渡った。
いよいよ目的のスキャンダルデータまであと一歩、そう確信した「何でも屋・アウトロー連合軍」の前に、ゲートのロック解除と同時にスモークと共に姿を現したのは、カイザーコーポレーションのPMC兵でもなければ、キヴォトスのハイテク防衛ロボでもなかった。
それは、全身を冷徹な未知の金属装甲で包み、4本の機械の腕にそれぞれ巨大な大剣とボウガンを構えた、ドラゴンクエストシリーズ屈指の超絶殺戮マシン——【スーパーキラーマシン】だった!!
「す、スーパーキラーマシンだァァァァァァ!!! カイザーの違法兵器、地下じゃなくて金庫室の『ガードマン』としてここに違法駐車されてんじゃねーかァァァ!!!」
新八のツッコミの暴風雨が響き渡る中、スーパーキラーマシンの赤いモノアイが「ピキーン!」と冷酷に発光した。その瞬間、部屋全体の気圧が跳ね上がり、マシンから放たれる「全生命体即死級」の殺気が全員の肌を刺す。
「おいおいおいおい、待て待て待て、ジェーンのお姉さん!!」
坂田銀時は、死んだ魚の目を限界まで点にしながら、木刀『洞爺湖』を両手で強く握り直した。
「違法兵器ってこれのこと!? スクエニの、あのプレイヤーが近づいた瞬間に『大防御』すら貫通する高火力の連続攻撃やらレーザーキャノンやらをぶっ放して、パーティを1ターンで微塵切りのミンチにするあのバケモノマシンのこと!?PMCの警備の次元を遥かに超えて完全に大魔王の最終決戦兵器だろこれ!!」
「キャハハハハ☆ 面白そうなデカいブリキのオモチャじゃん! 社長、私があれを爆弾で木っ端微塵の更地にして、今日から便利屋68の新しいシュレッダーにしてあげる!」
浅黄ムツキがクスクスと笑いながら爆弾の安全ピンを抜く。
「ひ、ひえぇぇぇ!!! ムツキさんやめなさい!! あのマシンに爆弾投げたら、投げる前に4本の腕の『マヒャド斬り』と『痛恨の一撃アロー』で、僕たちの肉体ごとこのオフィスビルが縦十文字にスライスされて、明日の朝には更地になるからね!?」
『——フッ、いいじゃねえか。悪徳企業の最高峰のテクノロジーがその程度なら、俺の特撮仕込みの『デモリッション・バースト』で、スクラップの鉄クズに変えてやるぜ、ハッハーーー!!』
ビリー・キッドが、2丁の愛銃を華麗にスピンさせながら不敵に笑う。その横では、アンビーが「ビリー、油断は禁物。あのマシンの装甲、私の電撃刀の電圧を全てアースして無効化する特殊合金製」と冷静にハンバーガーの包み紙を捨てていた。
「ハ、ハルカ……! こ、こいつは流石に悪の組織の私たちでも、ちょっと胃が痛くなるタイプのガチの兵器よ……! ハルカ、あなたから先に突撃して様子を——」
アルが内心バクバクで震える足をコートで隠しながら命令を下そうとした、その時。
『——フッ、お嬢ちゃんたち、下がりな。デカい機械の相手は、俺たちの正面の『黄色いお友達(ウォーカーギャリア)』だけで十分だと思ったが……あいつも中々、いいツラ構え(殺意)してやがるじゃねえの』
インカムから、正面玄関で大暴れしているはずのルパン三世の軽妙な声が響いた。ビルを突き破って、ギャリアの巨体が降りてくる。
「銀さん……僕、もう分かりました。この潜入作戦、スキャンダルデータを盗む前に、このスーパーキラーマシンの『矢の嵐』とか『スーパーレーザー』で、僕たちの本体(眼鏡)ごと分子レベルで蜂の巣の消し炭にされますよ……!」
「新八、泣くな……。これが……これが集英社とHoYoverseとYostarとスクエニの大人たちが、裏でどんなえげつない不条理なライセンスサバトを開いたか分からねー【最上階のリアル】だ……。よし、みんな! ジェーンのお姉さんの超高速ステップの背後に全力で隠れながら、あの違法改造マシンの解体作業へ……パンツァー・フォーォォォ!!」
「だから別の作品の戦車道の号令をここでも使うんじゃねェェェェエエエ!!!」
スーパーキラーマシンの4本の腕が、音速を超える駆動音を響かせて一斉に大剣とボウガンを構える絶望のカウントダウン。万事屋一行とアウトロー連合軍の、命(と2倍の裏予算報酬)を賭けた「カイザー最上階・最終兵器解体決戦」が、これ以上ない大爆発の予感と共に幕を開けた——!
「——ここは俺たちに任せて、旦那方はさっさと奥の金庫室へ突っ込みな!」
ルパン三世の叫びとともにウォーカーギャリアの巨大なマニピュレーターがスーパーキラーマシンの大剣を受け止めた!
間髪入れず、ジェーン・ドゥが風のような超高速ステップでマシンの死角へと回り込み、鋭いナイフのラッシュで火花を散らす。
「す、すげぇ! レジェンド大泥棒と特務エージェントがガチのヘイト買ってくれてるぞ! お前ら、今だ! 今のうちにあの違法金庫のチタン合金ドアを物理ハッキング(爆破)して突入するぞォォォ!!」
坂田銀時の号令一発、便利屋68のムツキが「はーい、特大のやつ、いっくよ〜☆」と信じられない量の爆弾をドアに設置。ハルカが「社長の行く手を阻むドアなんか、更地にして、分子レベルで、爆破しますぅぅぅ!!」とショットガンをぶっ放し、ドアを跡形もなく吹き飛ばした。
「よ、よし! 目的のスキャンダルデータ、確かに回収したアル!」
神楽が金庫の奥から、カイザーコーポレーションの裏金ルートが全暗号化された最高機密ドライブ(おまけに社長室の高級金塊)を鷲掴みにする。ニコ・デマラも「やったわ! これで今月の邪兎屋の口座の氷河期は終わりよ!」と、空っぽの財布にデータを詰め込んだ。
「目的達成だァァァ!!! あとはあの、ルパンさんたちと戦ってるドラクエの殺戮マシンを破壊して、ジェーンさんからの『警察裏予算2倍報酬』を確定させるだけ——」
志村新八がそう叫んで廊下に振り返った、その瞬間だった。
『——待てェェェェい!!! ルパン、そしてカイザーの悪党ども!! 今日こそ全員まとめて年貢の納め時だァァァ!!!』
ビルの外壁を「ドガシャァァァン!!!」と豪快に突き破り、オフィスフロアの真ん中に劇的なスモークと共に出現したのは、白と黒のパトカーカラーに身を包んだ、あのスタイリッシュな警察用ロボット——『機機動警察パトレイバー』のAV-98 イングラムだった!!
そして、そのイングラムの操縦席から拡声器を握りしめて身を乗り出しているのは、トレンチコートをなびかせた銭形警部である!
「とっつぁんがイングラムを自分で操縦して乱入してきたァァァ!!! 特車二課のレイバー、ついにICPOのガチのパイロット仕様になってんじゃねーよ!!! 操縦技術どうなってんだ!!」
新八の、本日最高風速のメタ絶叫が響き渡る。
「ル、ルパン、お前がこの悪徳企業のビルにコソ泥に入るのはお見通しだ! だがな……この複合都市の警察を舐めるなよ! カイザーが裏で密造していたその『スーパーキラーマシン』の存在も、すでに治安維持局の特別捜査令状が出ている!!」
銭形警部はそう叫ぶと、イングラムを華麗に操作し、右脚のハッチから巨大なリボルバーカノンをガシャリと引き抜いた。
「容疑者、および違法改造セキュリティマシン!! 抵抗するなら、複合都市交通法、および銃刀法違反の現行犯で、このイングラムの最大火力をもって【一斉検挙(物理的な蜂の巣)】にしてくれるわァァァ!!!」
「警察の援軍のガチ度が一番イカれてるわァァァアアア!!! 銭形のとっつぁん、ルパンを捕まえる前にリボルバーカノンの大口径弾でこのオフィスビルごとスーパーキラーマシンを跡形もなく爆破しようとしてるよ!!」
『——ヒャーーーハハハ! とっつぁん、相変わらず派手な登場じゃねえの! だけどな、手柄を全部警察に持っていかれちゃ、泥棒の名が廃るんだわ!! 次元、五ェ門、いくぜ!!』
ルパンがウォーカーギャリアのアクセルを全開に踏み込む。
銭形警部(イングラム仕様)という、絶対的な「法執行機関の最終兵器」が味方(?)として乱入し、金庫室前はルパンのギャリア、ジェーンのステップ、便利屋の爆弾、邪兎屋の銃撃、そしてドラクエのスーパーキラーマシンによる、全次元の火力を凝縮した【泥棒VS警察VS悪徳企業最終兵器】の超弩級大戦へと突入する——!
「——ルパン! 息を合わせろ! 複合都市の治安を乱すデカブツに、警察と大泥棒の合同大捕物(ツープラトン)を見せてやるわァァァ!!」
『ヘッ、とっつぁんと息を合わせる日が来るとはねぇ! 次元、五ェ門、合わせな!!』
銭形警部の操縦するイングラムが、スーパーキラーマシンの巨大な4本の腕を電磁警棒でガチィィィン!!と完璧にロック! その一瞬の隙を見逃さず、ルパンのウォーカーギャリアが近距離から30mm機関砲を全弾掃射! さらにジェーン・ドゥの神速の刃と、五ェ門の斬鉄剣の一閃がマシンの関節部をミリ単位で切り裂いた!
極めつけは便利屋68(ハルカの狂気の全弾爆破)と邪兎屋の集中砲火、そして坂田銀時の「これでも喰らいやがれェェェ!!」というやけくそ気味な木刀の突きだった。
ドゴォォォォォォン!!!
「ピキ……ピキピキ……ガガ…ガ……」
カイザーコーポレーションが誇る最高機密の違法兵器、スーパーキラーマシンは全身から火花を噴き散らし、完全にバラバラの鉄クズとなって床に崩れ落ちた。
「——よし! ルパン、今日こそ逮捕……って、げぇっ!? もういねええええ!!? あいつらいつの間に金庫の『超古代文明のダイヤ』を盗んで逃げてやがるんだァァァ!! 待てェェェ、ルパ〜〜〜ン!!!」
イングラムのハッチから身を乗り出した銭形警部が、空っぽになった金庫の台座を見て目玉を飛び出させ、そのまま壁の穴からワイヤーを射出して夜空へと飛び去っていった。天下の大泥棒ルパン三世一味、今回も見事な完全犯罪である。
「……ふぅ。何はともあれ、任務完了ね。はい、これが今回の公式の裏予算。約束通りの『2倍の上乗せ報酬』よ。お疲れ様、ネズミさんたち」
ジェーン・ドゥがクスクスと妖艶に笑いながら、万事屋、邪兎屋、便利屋68の3チームへ、ずっしりと重い換金済みのプレミアム裏予算の袋をそれぞれ手渡してくれた。
「う、うおおおおお!!! 完済!!! 完済だァァァ!!! これでうちの万事屋の建物に『最終回』のロゴが降ってこようが知るかァァァ!!! 借金も、今までの家賃の滞納分も、これで全額1ミリ残さずババアのレジに叩き込んでやったぞォォォ!!!」
翌朝、万事屋の居間。坂田銀時は、お登勢の目の前で「滞納分完済」の領収書を掲げ、涙を流して狂喜乱舞していた。
「へぇ、本当にキッチリ全額払いおったねぇ。まぁ、悪徳企業のデータを盗むなんて大層な仕事をしてきたんだ、これくらい当然かい。はい、これで借金は帳消しだよ」
お登勢がフッと紫煙をくゆらせながら、完済証明書に受領印をポンと押す。
「やったネ銀ちゃん! これで私たちは自由アル! 今日から毎日、酢昆布を100箱一気に大人買いして、定春の主食を高級フレンチのカリカリに変えるネ!」
神楽が窓を開けて隣のプレハブ(便利屋68)とガレージ(邪兎屋)を見た。
隣のオフィスでは、陸八魔アルが「フッ、これぞ悪の組織の資金力よ!」と数万ギル残った財布を掲げてムツキとハイタッチしており、右隣のニコ・デマラも「もー! やっと今月の邪兎屋の口座に春が来たわ!」と、残った数千ギルでアンビーに高級ハンバーガーを奢っていた。
そう、両隣の何でも屋は、今回の「2倍の報酬」によって、借金を全て完済した上でも、手元に【そこそこまとまった自由なお金】がキッチリと残っていたのだ。
「……あれ?」
志村新八が、自分の手元、そして銀時の空っぽの財布に目を落とした。
「ねぇ、銀さん。なんか……僕たちの手元、お登勢さんに滞納分を全部毟り取られた後……【1銭も残ってない】んですけど。10円玉すら、昨日の深夜の自動販売機のイチゴ牛乳で使い果たしてゼロなんですけど」
「……え?」
銀時の顔から、スーッと全ての血の気が引いていき、一瞬で『断頭台のアウラ』が自害を命じられた時と同じ白目の表情へと変貌した。
「なんでェェェオオオ!!! 両隣はあんなにホクホク顔で高級ハンバーガー食ったり悪の組織の備品(爆弾)買い足したりしてんのに、なんでうちだけジャストサイズで残高が『完全なる無(ゼロ)』になってんだよ!!! 警察の裏予算2倍だぞ!? 計算合わねーだろババア!!」
「あんたたちねぇ、自分の胸に手を当てて考えてみな」
お登勢が冷ややかな目で銀時を見下ろす。
「あんたたちが先週、悪魔学校で臨時教師をした時の備品損壊代(壊した教卓の修理費)、戦車道の審判の時に壊した演習場の土嚢の違法弁償金、そして何より……一昨日、1階のテラス席でORDERの大佛や夜桜一族と一緒になって、うちの店の『最高級魔界バーボン』を『これ、泥棒前の景気付けネ!』って言って20本も空けたろ? その【飲食代のツケ】がピッタリ差っ引かれたんだよ。文句あるかい?」
「……あ。俺たちの2倍の裏予算、潜入する前の『大人の飲み会』のツケによって、分子レベルで綺麗に相殺されてたわ」
「神様……。借金地獄からは抜け出せたけど、僕たちの明日からの生活費は、再びお向かいの坂本商店のコロッケの試食に頼るしかありません……!」
新八が畳に突っ伏して号泣する。
「フン、気にするなヨ新八! 1階のテラス席には、今日もORDERの神々廻さんが『玉ねぎの冷や奴』を頼んで座ってるネ! あのおじさんのポケットから10円玉をスリ取る仕事(第2章)を今から始めるアル!」
「それ神々廻さんにバレたら大佛さんの丸鋸で一瞬でトマトみたいにスライスされるから絶対にやめろォォォオオオ!!!」
右隣(ニコ)、左隣(ある)、お向かい(坂本)、斜め向かい。
そして1階のテラス席には、世界の最強暗殺者・スパイたちの憩いの場。
借金は完済できたけれど、財布の中身は常に30円を通り越して「完全なるゼロ」。万事屋一行の、あらゆる世界のルールを無視した混沌の隠密潜入劇は、これ以上ないいつもの「すっからかんオチ」を迎えて、最高に賑やかに幕を閉じるのだった——!
第1章・第8話「カイザー潜入編」 完
祝!銀さんたち借金完済!!
でも結局一文無しになってしまった……
これからどうする!?
待て、次回!!