「な、何だ貴様ら!?」「ここをどこだと思ってやがる!?」「オザワ様の事務所だぞ!!」「てめえら、こんな事してタダですむと思ってるのか!?」
「うるせぇ!! 雑魚共は引っ込んでろ!!」
「邪魔! 痛い目に合いたくなければ退いて!!」
私設警察の大群をマシンガンの威嚇射撃で黙らせながら、オザワの事務所を突き進んでいく力也とミカ。その後ろをついて行く中道と法二だが、中道こそ表情が変わっていないが、法二の顔が引きつっている。流石にやり過ぎでは…と言った感じの表情だ。
そうして、一番奥の扉を蹴破る力也。そこには白髪をオールバックにし、スーツを着こなした初老の男が立っていた。
「―――驚いた。報告を受けた時は何かの間違いかと思ったが、確かに貴様…あの時のアクマがどうだとかほざいてやがったガキにそっくりだな」
「見つけたぞ…オザワ…っ!! 三十年経って老け込んでも、そのムカつくしたり顔は相変わらずだな…っ!!」
そのスーツの男…オザワは目を見開いて力也を見ている。言葉通りに驚いてはいる様だが、取り乱したりするほどには至っていない様だ。
一方、遂に宿敵を見つけた力也は、多大な怒りの感情を露にしながらも、その表情には笑みが見えている。遂に因縁に決着がつけられるという歓喜からくる笑みだろう。
「ふむ…。まあ、無駄だとは思うが一応聞いておこう。私はこの町を管理している。この管理のおかげでこの街に居る限りは外の無益な争いから逃れられるのだ。その私を、倒そうというのか?」
「管理だぁ? その割には、この雑魚共を引き連れて、町で好き勝手暴れまわってるらしいなぁ? こういうのは管理じゃなくて支配って言うんだぜ! 言葉も満足に喋れねえとは、耄碌しやがったなぁ。ええ、オザワさんよ!」
「支配とは心外な…。管理してやっているのだから多少その対価を貰っても文句を言われる筋合いは無い」
「その要求する対価が、多少という言葉で許される量ではないと言っているんだ。逆らう者には暴行、処罰、女性は手籠めに、更に酷いものだと洗脳までしてしまっているそうだな。これを多少などと、僕なら口が裂けても言えそうにない」
自身の正当性を語るオザワだが、これらは力也と法二が論破する。その横で「そうだそうだ!」と合いの手を入れながら銃を構えるミカと、険しい顔で右手に銃を、更に左手で右腕の機械を操作する中道。すると、中道の隣に、きわどい服装の綺麗な女性が現れる。
「おお、これが悪魔召喚プログラムって言うやつ? えっと…女神 アメノウズメ…? 女神様なのに悪魔なの? なんか変なの…」
中道が召喚した悪魔をデビルアナライズで確認した後、困惑気に首を傾げるミカ。
「ほう、女神か。小僧、年の割にはなかなかの使い手だな。だが、それでも私の敵ではない! タケミナカタ様! この目障りなガキどもを始末してください!!」
一方、ニヤリと不敵な笑みを浮かべた後、叫びながら右手を掲げるオザワ。その直後、地響きと共に大きな剣を持った、二メートルはあるであろう大男が現れたではないか!
「なっ…!?」「こ、これは…っ!?」
「うわでっか! えっと…鬼神 タケミナカタ? つ、強そう…」
その大男…タケミナカタの放つ威圧感に気圧される力也と法二。口こそ開かねど、中道も怯んでいる様子。そして、ミカも気圧されてこそいないものの、ちょっとマズいかも…? といった雰囲気だ。
不意に、タケミナカタが強く握りしめた剣を構え、横薙ぎに振るう。そのひと振りは衝撃波となって、ミカ達に襲い掛かった!
「っ…! やったなぁ! 次はこっちの番だよ!」
「な、何…! 貴様何者だ? ただの天使ではないのか?」
その一撃を腕でガードして受け止め、銃を構えるミカ。そのほぼダメージを受けていない様子に、オザワは初めて動揺を見せた。
「私は聖園ミカ! こう見えて少し前まで首長をやってたからね。他の子達とは一味違うよ! さあ、覚悟してね!」
「―――覚悟は構わんが…。後ろの小僧共はほっといて良いのか? どいつも死にかけているが…」
勇んで自己紹介と共に身を乗り出すミカだが、続くオザワの台詞にハッと振り返る。確かに、中道、力也、法二、アメノウズメの四人は倒れ、苦悶の声を上げているではないか!
「あれ!? みんなどうしたの!? さっきの一撃そんなに痛かった!?」
慌てて四人達に駆け寄るミカ。しかし、そんなミカに目立った返事をする者はいない。それ程までに深手を負っている様だ。
「では、まずその小僧共から引導を渡してやるとしよう」
更にマズい事に、このオザワの言葉と共に再びタケミナカタが剣を強く握り構える。もう一度先ほどの衝撃波をこの四人が喰らえば、間違いなく死んでしまう。
どうすれば…と悩むミカだが、ここである閃き。咄嗟に銃の弾倉を変え、今にもトドメの一撃を振りぬこうとしているタケミナカタの眉間めがけて発砲する。
その一撃を受け、態勢を崩すタケミナカタ。
「…このお方に銃撃を通すとは、重ね重ねただの天使ではない様だ。しかし、そこまでだ。次の一撃で後ろの小僧共にトドメを…………?」
銃でタケミナカタにダメージを与えた事にやはり目を見開くオザワ。とはいえ、勝ち誇った様子に変わりはなかったのだが、少ししてタケミナカタの様子がおかしい事に気づく。
「た、タケミナカタ様…? 一体…………ね、眠っているのか!? これは…神経弾か!?」
「やったっ! 考え通り!! さあ、今のうちに退却するよ!」
驚愕の声を上げるオザワ。一方、目論見通りに事が運んだミカは、快哉を上げながら中道たちを連れ、急いで場を離れる。
「…っ! おいてめえらっ! 何をしている!! さっさとあの小僧共を追わねえかっ!!」
四人もの人間を担いでいる割には機敏に逃走するミカに場の誰もが呆気に取られていたが、オザワの一喝を受け、慌てて追撃を始めるオザワの手下たち。
そうして一人になったオザワは、未だ動かずに眠っているタケミナカタを眺めながら腕を組んで考え込む。
「神経弾は基本的に射手より格下でなければ通じにくい筈…。だが、あの天使は一発でタケミナカタを昏睡させることに成功した…。つまり、あの天使の方が格上………首長…? ……天使共の…首長…!? みその…ミカ……ミカ……!! 馬鹿な…まさか……ありえん、奴はまだ降臨していない筈だ! いや、よしんば既に降臨していたとしても、何故こんな所にいる!? そうだ、何かの間違いだ…そうに決まっている………」
ブツブツと呟きながら、ドンドンと顔を青ざめさせていくオザワ。ついには、幻想を振り切るように思い切り顔を左右に振るが、その顔色が元に戻ることはなかった。
因みに、真・女神転生のボス共はどいつも銃のダメージの通りが悪いです。例外も居なくはないですが、通常を100%とすると、良くて50%(半減)。悪けりゃ25%(四分の一)か0%(無効)です。
ついでに、ミカの防御相性のイメージも前作 FC版女神転生2に出てくる”光の神”とかいうチート相性を参考にしています(持ってるのは仲間時のルシファーとかのやばい面々のみ)
一番通りの良い相性が37.5%で呪殺も破魔も神経も無効。こんなバカ相性持ち出されたら、そりゃ終盤はタルカジャ(攻撃力アップ)ごり押しゲーになるよなぁ…。