初投稿です。ヒロアカ一周してるだけのにわかなので、設定ミスとかあればご指摘お願いします。
超常が日常となったこの世界で、人は生まれながらに『個性』という超能力を持つ。
人口の約八割が何らかの特異体質を持つ社会において、俺──
そんな、個性という運に恵まれなかった俺だが、ヒーローになるという夢がある。
「玲空よ! ヒーローになりたいなら、個性に頼らぬ不屈の肉体を築け! まずは基本の腕立て伏せ、あと五百回じゃ!」
「じ、じっちゃん……そこまでやったら先に腕の筋肉がぶっ壊れるって……!」
俺を育ててくれた祖父、
幼い頃からじっちゃんに徹底的に叩き込まれた武術と、腕力や体幹をいじめ抜く容赦ない筋トレのおかげで、俺の身体能力は同年代を遥かに凌駕していた。
だけど、どれだけ肉体を鍛えても、俺の背中に『無個性』の烙印が消えることはなかった。
そんな俺の、中学三年の春。
運命の日は、あまりにも突然やってきた。
「ねえ西里くん、今日も帰ったらあのスパルタおじいちゃんの特訓?」
放課後の帰り道。隣を歩きながら声をかけてきたのは、同級生の葉隠透だ。
姿は見えない。ブレザーとスカートがふんわりと宙に浮いているようにしか見えない、完全な透明人間だ。だけど、明るくて気立ての良い彼女は、無個性の俺にも偏見なく接してくれる数少ない大切な友人だった。
「ああ。最近は特に腕の筋肉を中心に追い込まれてるよ。無個性がヴィランと戦うには、まずは殴り飛ばせるだけの腕力が必要だってさ」
「あはは! 西里くんのおじいちゃん、本当にぶっ飛んでるよねー。でも……」
宙に浮いた袖口が、きゅっと握りこぶしを作るように動いた。
「西里くん、本当に雄英のヒーロー科、受けるんだよね?」
「……無個性じゃ、無謀だと思うか?」
「ううん! 全然思わない!」
葉隠ちゃんは、見えない顔で満面の笑みを浮かべているのが分かるくらい、明るい声で即答した。
「だって西里くん、いっつも真剣だもん。毎日ボロボロになるまで努力してるの、知ってるよ。……私だってさ、この『透明』だけで戦えるのか不安になることはあるけど、絶対に雄英に行ってヒーローになるって決めてるから! だから、お互い頑張ろうね!」
「葉隠ちゃん……。ああ、そうだな。一緒に雄英に行こう」
照れくさくて頭を掻いた、その時。
「ヒャーッハハハ! 金目のモン全部出せやァ!!」
ズドォォン! と、横の路地のブロック塀が粉砕された。
その土煙の中から現れたのは、両腕が岩のように巨大化し、ゴツゴツとした鋼鉄の表皮に覆われた巨漢のヴィランだった。
「きゃっ!?」
「葉隠ちゃん、下がれ!」
ヴィランが、透明な葉隠ちゃんの制服めがけて巨大な岩の腕を振り下ろそうとした。
じっちゃん直伝のステップで、俺は瞬時に葉隠ちゃんの前へと飛び出した。じっちゃんのクソ重い丸太のような拳を避ける特訓に比べれば、大振りの軌道を読むのは難しくない。
俺は踏み込み、ヴィランのガラ空きになった腹部めがけて、鍛え抜いた腕から渾身のストレートを叩き込んだ。
「──おらぁッ!」
ガキィィィィッ!!
鈍い金属音。俺の拳は、ヴィランの腹を覆う鋼鉄の皮膚に弾かれた。
「嘘だろ……硬っ!?」
「痛ェじゃねェか、痛ェじゃねェかガキがァァッ!!」
ヴィランはニヤリと嗤い、俺の予想を超える速度で巨大な岩の腕を横凪ぎに振り抜いた。
無個性の限界。空中にいた俺に、避ける隙すらなかった。
バキバキ、と鈍い音がして、俺の身体はコンクリートの壁に叩きつけられた。
肋骨が折れ、内臓が潰れるような衝撃。口から大量の血が溢れ出る。
「西里くん!!」
遠くで葉隠ちゃんの悲痛な叫びが聞こえる。
「葉隠ちゃん……にげ、ろ……」
あ、クソ……。身体が動かない。視界が急速に狭くなっていく。じっちゃんにせっかく鍛えてもらったのに、俺、ここで死ぬのか……?
何がヒーローだ。俺は、何も守れない、ただの、無個性──。
『──諦めないでください』
その時、冷たくなっていく脳内に、信じられないほど透き通った、優しい鈴のような声が響いた。
暗闇の中、俺の目の前に、淡く輝く緑色の光が現れる。
『私の命を半分あげます。だから……一緒に戦いましょう、玲空』
「……だ、誰だ……? でも、頼む……力を、貸してくれ……!」
心が、その声と完全にシンクロした気がした。
瞬間、胸の奥から、経験したことのないような圧倒的な熱が爆発した。
ドクン!!!
心臓が跳ね起きる。
俺の胸の真ん中に、エメラルドグリーンに輝く、十字型の結晶が突き刺さるように発現した。
「な……んだ、これ……!?」
痛熱い感覚と共に、俺の手の中に、一本の巨大な剣が握られていた。大剣の刀身から、激しい炎が噴き出す。傷ついたはずの身体が、嘘のように軽い。それどころか、無限のパワーが全身に満ち溢れていく。
「な、何だその光はァァッ!?」
怯むヴィランに向けて、俺は本能のままに炎の剣を振り抜いた。
「おおおおおッ!!」
ボオォォォッ!!!
放たれたのは、周囲一帯を照らす程の炎の斬撃。
ヴィランの鋼鉄の皮膚は飴細工のように溶け裂け、奴は叫ぶ暇すらなく爆炎に呑み込まれ、一撃で白目を剥いて地面に崩れ落ちた。
「はぁ……はぁ……す、げえ……」
自分の放った一撃の威力に呆然とする。
しかし、急激に規格外のエネルギーを消費したせいか、凄まじい脱力感が俺を襲った。
「あ、やべ……視界が……」
立っていられなくなり、俺はその場にドサリと倒れ込み、意識を失った。
***
どれくらいの時間が経っただろうか。
おひさまのような、なんだかとても温かくて良い匂いが鼻をくすぐる。
それに、なんだか柔らかい感触が、俺の頭の後ろにあるような……。
「……ん……」
ゆっくりと、重い瞼を開ける。
最初に視界に飛び込んできたのは、青い空──ではなく、見慣れた木目の天井。どうやら俺は、自分の部屋のベッドに寝かされているようだった。
──そして、ふと少し左側に目を向けると、なんと2つの大きな双丘が。
「良かった……。目を覚ましてくれたんですね、玲空」
上から、鈴を転がすような優しい声が降ってきた。
「ん?? は……????」
俺は、自分の目を疑った。
視界を占領していたのは、息を呑むような超絶美少女の顔だった。
短めの赤髪に、吸い込まれそうな琥珀色の瞳。どこか儚げで、だけど聖母のような包容力のある笑みを浮かべている。
いや、それだけじゃない。
彼女は俺の頭を、自分の太ももの上に乗せていた。いわゆる、膝枕というやつだ。
そして、その位置から見上げる彼女の姿は、健全な男子中学生にとってあまりにも刺激が強すぎた。
重力に逆らえずにこぼれ落ちそうなほどの破壊的なボリュームの胸。おまけに、体にぴったりとフィットした赤い衣装が、その胸を更に強調している。
「あ、あの……玲空? 顔がすごく赤いですよ? どこか、まだ痛みますか……?」
心配そうに身を乗り出してくる美少女。
その拍子に、彼女の規格外の胸元が、さらに俺の顔のすぐ近くまで迫ってくる。フローラルな甘い匂いが脳の処理能力を完全にバグらせる。
「ぶっ、ふぇえええええええええッ!?」
俺は情けない悲鳴を上げながら、スプリングが壊れるレベルの勢いでベッドから飛び退いた。
壁に背中を打ち付けながら、股間を隠すようにして叫ぶ。
「だ、誰!? 誰ですかアンタ!? なんで俺の部屋にそんなエロゲから飛び出してきたみたいなエッチな格好の美少女がいるの!?」
「えっ、エッチ……!?」
美少女は自分の衣装を見下ろし、少し頬を赤く染めて恥ずかしそうに身を縮めた。
「そ、その……驚かせてしまってごめんなさい。でも、私は怪しい者じゃありません。私はホムラ。玲空の個性──『天の聖杯』によって顕現した、あなたのブレイドです」
「こ、個性……? ブレイド……?」
パニックになる俺の頭に、先ほどのヴィラン戦の記憶が蘇る。
胸に現れた結晶、炎の剣、そして脳内に響いた声。
「……じゃあ、あの時の声は……」
「はい。私たちが同調した証拠に……ほら、玲空の胸にも、『コアクリスタル』が」
ホムラが優しく微笑みながら、自分の豊かな胸の真ん中にある、緑色の十字型の結晶を指差した。
慌てて自分のシャツをめくると、俺の胸の真ん中にも、彼女と全く同じ『コアクリスタル』が、皮膚に埋め込まれるようにして鈍く輝いていた。
「う、嘘だろ……。無個性だった俺に、こんな……」
「嘘ではありませんよ。私はこれから、ずっとあなたと一緒です。あなたの力になり、あなたを支えます、ドライバー」
おしとやかに微笑むホムラ。
女神のような美しさに、俺の心臓は色んな意味でバックバクだった。
──個性発現したら、なんか生命維持に支障をきたすレベルでエッチな美少女がついてきた。
俺の波乱万丈な雄英高校への道は、この最高の、そして色んな意味で危険な出会いから始まったのだった。
ホムラとヒカリは、絶対にswitchソフトで出していいキャラじゃないだろ…。どうなってんだ任天堂(怒)
因みに、当時中坊ワイはしっかりと性癖破壊されました。