やっと……やっとUSJ終了まで書けました……。
執筆遅くてすんません。設定色々練り直してました。正直矛盾点が無いとは言い切れませんが……。
問題がなければ、連日投稿できる……はず……。
それと、今話から強調したい言葉を、“”『』この両方の括弧使ってみてます。これが自分なりに読みやすいと感じたら、過去話もこの形に変更します。
雄英高校への入学から少し経ち、新生活のペースも掴み始めていた週末。俺とホムラは、日用品の買い出しついでに駅前の商店街をぶらついていた。
「玲空、あそこの屋台……すごくいい匂いがします」
ホムラの圧倒的なプロポーションと美貌のせいで、すれ違う人々の視線をガンガンに集めているが、当の本人は全く気にする様子もない。彼女が指さした先には、炭火でこんがりと焼かれた、大きな魚の串焼きを売る屋台があった。
特訓明けで腹を空かせていた俺たちは、迷わずその串焼きを三本購入した。(一本はじっちゃんへの土産だ)
「美味しそうですね、玲空!」
「ああ。じゃあ、早速、いただきま──」
『ぎゅるるるるるるるるるぅぅぅ……ッ!!!』
俺とホムラが口を開けて熱々の魚を頬張ろうとした瞬間、突如、路地裏から轟音が鳴り響いた。
「……えっ? 今の、何の音ですか? どこかの工事現場……?」
「いや、腹の音だろあれ。どんだけ腹減ってんだ……?」
音の出処である薄暗い路地裏を覗き込むと、そこには異様な二人(?)組がいた。
一人は、路地の隅にうずくまっている少女。ダボッとした黄色のつなぎ風のオーバーコートに身を包み、くすんだ銀髪と少し日本人離れした白い肌。そして何より、頭にピンと立った“猫耳の様なもの”が目を引いた。
その隣に鎮座しているのは──どう見ても全長2メートルは優に超える、巨大な“白い虎”だった。
「お嬢様……。お腹が減っているのは分かりますが、もう少し気品というものを……」
「う、うるさいビャッコ! アタシだって我慢してんだよ! でも、昨日から水しか飲んでないんだから、しょうがないだろ……!」
巨大な虎──ビャッコと呼ばれた獣が流暢な人間の言葉でたしなめ、銀髪の少女がポカポカと虎の鼻面を叩いている。
異形型の『個性』を持つ人間は珍しくないこの社会でも、路地裏にうずくまるボロボロの外国人のような少女と巨大な獣の組み合わせは異質で、行き交う人々は皆、見て見ぬふりをして足早に通り過ぎていた。
「虎が、喋った……?」
俺が思わず呟くと、少女がビクッと肩を揺らし、獲物を威嚇する野良猫のようにこちらを睨みつけてきた。
「な、なんだよ……! 警察でも呼ぶ気か!?」
「いや、通報とかしないって……! それより、良かったらこれ、食べるか?」
「……は?」
俺は、買ったばかりの魚の串焼きを一本、少女の目の前にスッと差し出した。
炭火で焼かれた魚の香ばしい匂いと立ち上る湯気が、少女の鼻腔を直撃する。
「なっ……! 別にアタシは、そんなもん──」
少女は必死に強がろうとしたが、ピンと立ったケモ耳が魚の匂いにピクピクと反応し、視線は完全に串焼きに釘付けになっていた。
「遠慮しないでください。私たちは、残りの一本を半分こにして食べるので」
ホムラも隣に並び、自分の分の串焼きを差し出しながら聖母のような微笑みを向ける。
「そういうこと。遠慮すんなって。ほら、冷める前に食べろよ」
「……ッ、なんだアンタら。同情のつもりか!? アタシは別に、恵んでくれなんて頼んでない!」
「お嬢様……。しかし、お嬢様のお腹は限界かと……」
「う、うるさい! アタシは平気──『ぎゅるるるるるぅぅ』」
威勢よく見栄を張った直後、少女のお腹が悲しいほど正直な音を奏でた。
「ほら、意地張ってないで食えって。美味そうだろ?」
「……っ!」
俺が串焼きを一つ押し付けるように渡すと、少女はゴクリと喉を鳴らし、ついに誘惑に負けてかぶりついた。
「はふっ、はむっ……!? んんんんまっ!! 何これ、めちゃくちゃあったかい……!」
野生動物のような勢いで串焼きを平らげていく少女。
ホムラはクスクスと笑いながら、ビャッコの方にもう一本の串焼きを差し出した。
「はいっ。あなたもどうぞ、ビャッコさん」
「……見ず知らずの我々に、かたじけない」
ビャッコは深々と頭を下げると、器用に前足を使って串焼きを受け取り、お嬢様とは対照的に上品に食べ始めた。
「それにしても、虎が喋るなんてな。あんた、もしかして『個性』を持った動物なのか? 確か、雄英の校長先生もそうだって話を聞いた事あるけど」
俺が純粋な興味で尋ねると、ビャッコは静かに頷いた。
「左様でございます。私は、かの有名な根津校長と同様、動物の身でありながら『個性』を授かった稀有な例。ご推察の通り、この知能も言葉も個性の恩恵によるものです」
「へえ、やっぱりそうだったのか。でも、そんなすごい個性を持ってるのに、なんでまたこんな路地裏で……あっ、悪い。立ち入ったこと聞くつもりは──」
「いえ。個性が発現して特異な存在となった私を、見世物としてではなく家族として迎え入れてくださったのが、お嬢様の生家だったのです。ですから……少々事情があってお家が没落してしまった今でも、こうして恩義に報い、お供をさせていただいている次第で──」
「ビャッコ! 余計なことまで喋んな!」
口の周りに魚の身をつけたまま、少女が鋭く制止する。
(お嬢様、か……)
ビャッコのその呼び方と、没落という言葉。だが、目の前にいる少女のボロボロの衣服と、周囲を極端に警戒する野良猫のような態度は、ただの没落したお嬢様というだけでは片付かない不自然さがある。
「なるほどな。それで、そのお嬢様の方は……その耳を見るに『猫』の個性か何かか?」
「……まあ、『猫』みたいなもんだよ。俊敏に動けたり、耳や鼻が良いだけの、どこにでもある個性さ」
少女は視線を泳がせ、どこか投げやりなトーンでそう答えた。
あからさまな嘘、あるいは何かを隠している態度。だが、俺もホムラもそれを追求することはしなかった。
「素敵な個性ですね。それに、とてもよくお似合いです」
ホムラが心からそう言うと、少女は「……っ、ヘンな奴」と顔を背けたものの、ぴくぴくと揺れる耳が少し嬉しそうに見えた。
少女は魚を食べ終わり、口元の汚れを手の甲で拭うと、改めて俺たちの顔をマジマジと見つめてきた。
「……アンタら、一体なんなんだよ。見ず知らずの他人に、ここまでお節介焼くなんてさ」
「俺、ヒーローを目指しててさ。困ってるやつは放っておけないんだ」
「っ!? ヒーロー……!」
俺がそう答えた瞬間、ニアの表情が一変した。驚きと、どこか羨望混じりの眩しそうな目。そして同時に、自らの破滅的な境遇を自覚したかのような、哀しげな影がその瞳に走った。
「……ふん。だからって、こんな怪しい奴にホイホイ食べ物恵んだりして、いつか痛い目見るよ」
「忠告サンキュー。でも、目の前で腹鳴らして困ってるヤツを見過ごす方が、痛い目見るより寝覚めが悪いんでな」
「それに、美味しいものを食べれば、みんな笑顔になれますからね」
俺とホムラが笑って返すと、少女は一瞬だけ呆気に取られたような顔をした後、深い深いため息をついた。
「とんだ変わり者もいるもんだね。……さて、アタシらはもう行くよ」
少女が立ち上がり、パンパンと服の埃を払う。
「おう。気をつけてな」
「……アタシはニア。そんで、こっちのデカイのがビャッコ。そっちは?」
路地裏の闇に溶け込む直前、少女──ニアがぽつりと名乗った。
「俺は
「玲空に、ホムラ……。覚えといてやるよ。食べ物の借りは、いつか返す。アタシは借りを作ったままにするのは嫌いなんだ。……行くよ、ビャッコ!」
「はっ。それでは、玲空様、ホムラ様。またどこかで縁がございましたら」
ニアは背中を向けて歩き出し、ビャッコもそれに続く。
数歩歩いたところで、ニアは一度だけ振り返り、少しだけ柔らかな笑みを覗かせた。
「……ごちそうさま。魚、美味かったよ」
そう言い残し、一人と一匹は路地裏の影へと消えていった。
「ちょっと素直じゃないけど、いい子でしたね」
「ああ。またどこかで会えるといいな。……さて、じっちゃんには悪いが、別の土産を買って帰るとして、これは俺たちで食うか」
俺は手元に残った最後の串焼きを見つめた。
「そういやホムラ、串焼きで半分こってどうするんだ? 肉まんみたいに手で綺麗に割れないぞ」
「ふふっ、こうするんです。はい、玲空。あーん」
ホムラは俺の手からスッと串焼きを受け取ると、俺の口元へと差し出してきた。
「えっ、ちょ……このまま食うのか?」
「はい。玲空が上半分で、私が下半分を食べれば、半分こできますよね?」
有無を言わさぬ笑顔で押し切られ、俺は仕方なく串の上のほうの身をパクリと咥えた。炭火の香ばしさが口いっぱいに広がる。
俺が食べ終わるのを見計らうと、今度はホムラが同じ串の残った下半分の身にパクッと噛み付いた。
「ん〜っ、美味しいです!」
「いやお前……それ、間接キス……」
「? いつも感覚を共有しているのに、今更何を照れているんですか?」
ケロッとしているホムラに対し、俺は無駄に顔を熱くして視線を逸らすことしかできなかった。
「……っ、いや、そういう問題じゃなくてだな! 視覚的な破壊力っていうか、男の純情っていうか……!」
「ふふっ。玲空は本当に照れ屋さんですね」
「笑い事じゃないっての……」
魚を頬張るホムラを横目に、少しだけ落ち着きを取り戻した頭で、俺は先ほど路地裏に消えていった一人と一匹の背中を思い返していた。
(……訳ありなのは間違いないよな。あいつら、今夜はちゃんと暖かい場所で寝られるといいけど)
「どうしました、玲空?」
「いや、なんでもない。 ……っと、食い終わったか? なら、じっちゃんの機嫌が悪くなる前に、晩飯の買い出し済ませて帰ろうぜ」
「はい! 玲空、今日のお夕飯は何がいいですか?」
「んー、そうだな──」
俺たちは空になった串をゴミ箱に捨て、夕暮れの街へと歩き出した。
平和な夕暮れの日常。
明日になれば、また雄英での厳しい訓練が待っている。俺はそんな充実した日々が、明日も明後日も、このまま当たり前に続いていくのだと疑っていなかった。
ゼノブレ2最初からやり直してるんですが、やっぱこのゲームおもろすぎる。けど、ムービー中にヒカリやらパンチラするんやめてくれ! 集中出来ねぇ! やっぱSwitchじゃだめだってこのゲーム!(訳:最高ですモノリスソフト)
本作品でホムヒカ以外のゼノブレ2のキャラを出すかどうか、ずっと迷ってました。でも、ゼノブレ2やり直してたら出したくなったんで出しました。後悔はない。今後、他にも数人出る予定です。
書くのが難しくなりそうですが、ヒロアカ側のキャラが薄くならないように頑張ります。