個性『天の聖杯』!!??   作:マガラナイ

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ゼノブレシリーズSwitch2エディション←!?
ブレイド操作モード←!?!?
レアブレイド追加←!?!?!?
ホムヒカ新衣装←!?!?!?!?!?!?!?!?!?


本当すいません! この話、昨日も投稿したんですが、変更点が多々できたので投稿し直しました……。
それと、長くなりすぎてたので、2話に分けました。



消えない炎

 

『それでは第2試合……START!!』

 

 オールマイトの声がスピーカーから響いたのを合図に、俺たち3人はB棟の建物内へと足を踏み入れた。

 だが、潜入して数歩も進まないうちに、急激に周囲の空気が冷え込み、床や壁がミシミシと凍りついていく不気味な音が響く。

 

「玲空! 前方から氷が迫ってきてます!」

 

「ああ!」

 

 通路の奥から津波のように押し寄せてくる氷結を確認し、俺は即座に虚空から聖杯の剣を顕現させた。

 ホムラから流れ込むエーテルを刀身に纏わせ、両手でしっかりと柄を握りしめる。

 そのまま迫り来る氷に向かって一直線に踏み込み、渾身の力で大剣を叩きつけた。超高熱を宿した刃は、そのまま氷を溶かし尽くす。

 

「うおっ、すっげぇ! やっぱ、その剣の火力エグイな!!」

 

「ああ。……だけど、建物内はもうほとんど凍らされちまってる。流石にこの規模の氷を全部溶かしきるのは無理だ」

 

 俺とホムラの炎は、火力こそ圧倒的だが、轟の広範囲に及ぶ制圧力には、建物内の攻防戦において分が悪い。

 

「進むルートだけ溶かして、一気に突っ切るぞ!」

 

「おうっ!」

「はいっ!」

 

 俺の言葉に切島とホムラが力強く頷く。俺は再び剣を構え、溶けた氷の道を先頭に立って駆け抜けた。

 

 迫り来る氷の障害を破壊しながら階段を駆け上がり──やがて、俺たちは最上階の核が置かれた部屋の前へと辿り着いた。

 

 凍りついた扉の前で、切島が両腕を打ち合わせて個性を発動させる。

 

「西里、『硬化』した俺が先に入って盾になる! お前は俺に続け!」

 

「ありがとう、助かる!」

 

「──オラァッ!!」

 

 切島の渾身のショルダータックルが、凍りついた扉を粉砕する。

 部屋の奥へと飛び込んだ切島に続き、俺とホムラも大剣を構えながら一気に突入した。

 すると──。

 

「お待ちしておりましたわ、西里さん!」

 

 部屋の奥、核兵器のオブジェの前に立つ八百万さんが声を上げる。

 だが、その姿を直視した瞬間、俺と切島は思わず足の動きをピタッと止めてしまった。

 

「うおっ……!?」

「なっ……!?」

 

 目の前に立つ八百万さんのヒーロースーツは、胸元からお腹にかけて大きく開き、脚のラインも露わになった、とんでもなく過激なデザインだったのだ。

 

(目のやり場に困るってレベルじゃねえぞ!? ホムラで露出には慣れてたつもりだったけど、同級生であのプロポーションは刺激が強すぎる……!)

 

「ちょ、八百万さん!? そのコスチューム、いくらなんでも大胆すぎないか!? 男としてどこ見ていいか分かんないんだけど!!」

 

「? 私の個性は自身の脂質を消費して物質を『創造』するものですから、面積が大きければ大きいほど肌の露出が必要になりますの。とても合理的なデザインですわ」

 

 一切の羞恥心なく、堂々と胸を張る八百さん。その動きに合わせて豊満な胸元が揺れ、俺は思わずゴクリと唾を飲み込んだ。

 すると、背後からスッと冷たい気配が近づき、俺の脇腹が「つねっ」と無言で抓られた。

 

「痛っ!?」

 

「……玲空? 敵を前にして、どこを見ているんですか?」

 

 振り返ると、ホムラが完璧な笑顔のまま、しかし目は全く笑っていない表情で俺を見つめていた。

 

「ひっ!? い、いや、何も見てない! 核兵器のオブジェの造形が素晴らしいなって!」

 

「そうですか。なら良いですけど……」

 

 ホムラがジト目で俺を睨む中、そんな俺たちのやり取りを全く気にしていない様子の八百万さんは、自身の右腕からシュルシュルと何かを『創造』し始めた。

 

「西里さんとホムラさんによる炎は、個性把握テストの時から警戒していましたわ。ですので、対策は事前に練らせていただきました!」

 

 八百万さんが部屋の天井に設置されていたスプリンクラーを一斉に作動させる。さらに彼女が創造した無数の追加散水機からも、猛烈な勢いで大量の水が噴き出した。

 部屋全体が、まるで土砂降りの雨のような水幕に包まれる。

 

「火炎系の個性にとって、水と酸素の遮断は絶対の弱点……! この空間では、あなたの炎は十分に力を発揮できませんわ!」

 

「なっ……水責めかよ!?」

 

 俺は思わず大剣を構えたまま舌打ちをした。

 この土砂降りの中じゃ、いくらホムラの炎でも威力が激減してしまうだろう。轟の氷すら溶かせるか怪しい。

 それを想定済みだったのか、柱の裏で待機していた轟が、右足を踏み込み、氷の波を生み出す。

 

「くそっ、どうする……!」

 

 俺が焦って後ずさった、その時。

 

「大丈夫です、玲空」

 

 背後に寄り添うホムラが、俺の背中にそっと手を添えて、迷いのない声で言った。

 

「え……?」

 

「私の力は、このくらいの水では絶対に消えません。私を信じて……思い切り、剣を振るってください!」

 

「……! 分かった!」

 

 ホムラがそう言うなら、間違いはない。

 

「うおおおおおっ!!」

 

 大剣を上段に構え、横薙ぎに全力で振り抜く。

 ホムラが言った通り、刀身の炎は、スプリンクラーの水を浴びても一ミリも衰えておらず、轟の氷を真正面から溶かし尽くした。

 

「な……ッ!? これだけの水を浴びせているのに、炎が全く弱まっていませんわ!? いえ、そもそもそれは、ただの燃焼現象では……!?」

 

「すっげえ……こんな水ん中でも、そんな火力出せんのかよ!」

 

 隣で切島が息を呑んでいるが、実は剣を振るった俺自身も内心で(マジかよ!?)と驚愕していた。ホムラの炎が、まさか水を無視して燃え続けるなんて知らなかったからだ。

 

「……おい」

 

 濛々と立ち込める水蒸気の中。

 核兵器の隣で静かに構えていた轟が、目を細めて俺たちを睨みつける。

 

「(……あいつの炎、水を完全に『無視』して燃え続けてやがる……。そんなの、クソ親父の炎でもあり得ねえ……)」

 

 そのオッドアイに、明確な戦慄と警戒の色が走る。

 轟は静かに息を吐き出すと、八百万の前に立ち塞がるように一歩前に出た。

 

「……なら、力業で押し潰すまでだ」

 

 轟が右足を踏み出した瞬間、部屋の気温がさらに急激に低下した。

 先ほどの通路を凍らせたのとは次元が違う。部屋の壁、床、天井、そして八百万さんが降らせていた水滴すらも一瞬で凍結させながら、巨大な氷の津波が俺たちに向かって押し寄せてきた。

 

「うおァ!? まだこんなに出力出せんのかよ!!」

 

 切島が両腕を硬化させ、そのまま迫り来る氷の壁に向かって勢いよく拳を叩き込む。

 

「オラァッ!!」

 

 ガキンッ! という鈍い音と共に、硬化された拳が分厚い氷を粉砕する。俺も咄嗟に大剣を振るい、炎で迫り来る氷山を真っ向から斬り裂いた。

 氷が融解し、溶けてなくなる。だが──。

 

「くそっ、次から次へと……!」

 

 斬っても、溶かしても、轟の氷はまるで生き物のように再生し、四方八方から俺たちを飲み込もうと迫り来る。剣の振りよりも、氷の増殖スピードの方が圧倒的に早い。

 

(駄目だ……これ以上、炎の出力を上げるわけにはいかない!)

 

 いくら氷の物量が凄まじくても、ホムラのエーテルを全開にして焼き尽くすことは可能だ。だが、大量の水と氷で密閉されたこの空間でそんな高火力を放てば、急激な温度変化で建物全体が倒壊してしまうだろう。

 このままでは、3人とも氷に飲まれてしまう。

 

(間に合わない……!)

 

 俺が歯を食いしばった、その時だった。

 

「玲空!」

 

 背後からホムラが駆け出してきた。

 彼女は俺と切島の前に立つと、迫り来る氷に向かって、スッと両手を突き出した。

 ──その瞬間。

 ホムラの目前に、薄黄色の『光の防壁』が出現する。

 それは、ホムラのコアから引き出したエーテルを、空間に超高密度で圧縮・固定化することで生み出される物理的な盾だ。

 

「な……バリア!?」

 

 轟が驚愕に見開いた目の前で、氷結が光の盾に激突する。

 氷は光の盾を押し込むことができず、接触した端から粉々に砕け散っていく。

 

 だが、この防壁は決して無敵の絶対防御というわけではない。

 エーテルを防御に全振りしているため、ホムラが展開している間、俺は炎や身体強化を一切使うことのできない、完全な防御特化状態だ。

 さらに、守れる質量や威力には明確な上限がある。敵の攻撃の威力が大きければ大きいほど、防壁を維持するためのエーテルの消費は跳ね上がり、防壁そのものにも限界が近づいていく。

 

「っ……!」

 

 防壁がミシミシと悲鳴を上げ、薄黄色の光の表面にピキッ、と亀裂が走り始める。

 

(まずい……! いくらホムラの防壁でも、このままじゃ押し切られて割れる……!)

 

 ──そう覚悟した時。

 ピタリ、と。

 防壁が限界を迎えるほんの数秒手前で、俺たちを飲み込もうとしていた氷の波が、嘘のように完全に動きを止めたのだ。

 

「……ッ!」

 

 不思議に思い、氷の隙間から轟の方を見てみると、彼は右腕を押さえたまま、身体を微かに震わせていた。

 恐らく、あれだけの大規模な氷結を連続で放ち続けた代償で、轟自身の身体が冷気に耐えきれず、凍傷状態に陥ってしまったのだ。

 

「切島!」

 

「おうッ!」

 

 その隙を俺たちは見逃さなかった。ホムラが防壁を解くと同時に、俺たちは一気に踏み込む。

 標的は、動きの止まった轟。だが、先ほどまでの高出力のまま大剣で斬りつければ、致命傷を与えてしまう。

 

(抑えろ……! エーテルを絞って、物理的な衝撃だけに留めるんだ!)

 

 俺は聖杯の剣の熱量と切れ味を極限まで抑え込んだ。そして、大剣の刃のない腹の部分で、物理的な衝撃のみを与える。

 

「がっ……!」

 

 轟がくぐもった声をあげ、体勢を大きく崩して膝をつく。

 その隙をついて、切島は、一直線に核兵器へと走っていく。

 

「行かせませんわ……ッ!」

 

 驚愕からいち早く思考を立て直した八百万さんが、核兵器の前に立ち塞がった。彼女の腕から瞬時に分厚い鋼鉄の盾が創造され、突っ込んでくる切島を迎え撃とうとする。

 だが、切島はスピードを緩めない。

 

「わりぃ八百万! こちとら突撃隊長の盾役なんでなァ!!」

 

「きゃっ!!」

 

 ガキンッ!! と鈍い音が響く。

 全身を極限まで硬化させた切島は、八百万さんの構えた盾ごと強引なタックルで弾き飛ばし、そのまま核兵器のオブジェへと飛びついた。

 

「よっしゃあ! 核、回収完了!!」

 

『ヒーローチーム……WIN!!!』

 

 オールマイトの終了を告げる声が、スピーカーから高らかに鳴り響いた。

 

 

 ***

 

 

 その頃、モニター室。

 クラスメイトたちは、画面越しに繰り広げられた規格外の戦闘に言葉を失っていた。

 

「す、すげえ! 水で威力落ちない炎って何だよ!?」

 

「ホムラさん、バリアも出せんの!?」

 

 瀬呂と耳郎が驚愕に声をあげ。

 

「良かった! ホムラちゃんは怪我してないみたいだ!」

 

「ああ! オイラたちの女神は、今日も美しかったぜ……!」

 

 上鳴と峰田はなぜか肩を抱き合い、涙ぐみながら画面を拝んでいる。

 

「……ッチ!!」

 

 そんな中、爆豪だけは、ギリッと血が出るほど強く歯を食いしばり、モニターを睨みつけていた。

 

(あの半分野郎の氷を、完全に防ぎきりやがった……!)

 

 あのホムラとかいうのは、水を無視する炎を操るだけでなく、物理的な攻撃を遮断する防壁まで展開してみせた。しかもただ命令に従っているんじゃない。彼女自身の頭でその場の戦況を判断し、自発的に行動している。

 ──まるで、独立した一人の人間の様に。

 爆豪の手のひらで、怒りと焦燥から無意識に小さな爆発がパチパチとはぜる。

 

(ふざけんなや、あのモブが……! てめェの力じゃねえモンに寄りかかって、あんな上に立ってんじゃねェ!!)

 

 緑谷に対する怒りとはまた違う。

 その怒りの理由は、爆豪自身もまた無意識にホムラを『西里の個性』ではなく、『一人の人間』として認識してしまっていたからだ。

 爆豪の中にある「自分自身の力だけで、誰にも頼らずに勝つ」という絶対的な信念。それとはあまりに対極にある、玲空とホムラの『二人で一人』の戦い方。

 自立した一人の人間を相棒にして、他人の力に頼って平然と勝利を掠め取っていく。

 その存在そのものに対する強烈な苛立ちが、爆豪の中で渦巻いていた。

 

 

 そして、もう一人。

 モニターの前で、見えない両手をギュッと握りしめている少女がいた。

 

「すごい……西里くんも、ホムラさんも、すっごくかっこよかった……」

 

 葉隠透は、誰にも見えない顔で、ポツリと呟いた。

 西里とホムラ。二人で一つという言葉の通り、彼らの連携は非の打ち所がなく、その姿は本物のプロヒーローのように輝いて見えた。

 

「……でも」

 

 西里を守り、彼に寄り添って笑い合うホムラ。

 その完璧な『相棒』としての姿を見せつけられて、葉隠の胸の奥が、チクリと痛む。

 

(私じゃ……あんな風に、西里くんの隣で戦うことなんて、できない……)

 

 『透明化』という、戦闘においては圧倒的に不利な個性。

 自分がどれだけ頑張っても、ホムラのように西里を正面から守ってあげることはできないのだと、痛感させられてしまった。

 

「……ううん、負けないもん」

 

 葉隠はパチンと見えない両手で自分の頬を叩き、首を振った。

 

「戦闘じゃ敵わないかもしれないけど……私だって、雄英のヒーロー科なんだから! 別のところで、絶対に西里くんの力になってみせるんだから……!」

 

 誰も気づかないモニター室の片隅で。

 見えない少女は、誰よりも熱い決意を胸に秘め、画面の中でハイタッチを交わす二人を真っ直ぐに見つめていた。

 

 

 





再投稿すいませんでした。
書いた後に設定の変更や、セリフの追加などをしたくなることが度々あるので、これからは数話書いてから投稿することにします。
やりたい展開は決まってるのに、キャラ同士の会話を考えたり、その展開までどうやって話を進めるのか、とか考えるの難しすぎる…。シナリオライターってすげぇな…。

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