ヒカ碁の世界で緒方精次となったからには、打倒saiを掲げたい。 作:くま子
中学夏期囲碁大会の会場。
整然と並ぶ長机の上には、安価なプラスチックの碁盤、そして使い込まれた対局時計が置かれている。
パイプ椅子が床を擦る鋭い音が室内に響く中、運営の号令に合わせて少年少女たちの一礼が重なった。
直後、緊張に静まり返った空間へ、碁石が盤を打つ高い音が波のように広がっていく。
対局が一斉に始まったその瞬間、カン、と硬質な音が床に転がった。
塔矢アキラは、自らが落とした碁笥の蓋を拾い上げると、震える指先で机へと戻した。
動揺を隠し切れない指先とは裏腹に、その視線だけは一歩も引こうとしない。まるで縫い付けられたかのように、真っ直ぐヒカルだけを見据える、刺すような瞳。
そこには確かに恐れがあった。だが、それさえ呑み込むほどの闘志が燃えている。
真正面からぶつけられるその熱量に、ヒカルは小さく喉を鳴らした。
先番ヒカルの右上スミ小目から始まった布石の打ち合いは、序盤から激しく動いていた。
最初に牙を剥いて仕掛けたのは、アキラの側だ。
しかし、左上で始まった攻防は、黒の淀みない応手によって白の目論見を外される形となった。
結果として隅の利を奪われ、構想を崩されたのは、仕掛けた側であるアキラだった。
(くっ……)
不甲斐なさに、奥歯を噛み締める。
隅の白石が死に体へ追い込まれぬよう、上辺へ向かって石を飛ばす。
だが、その一手の間にも、黒は容赦なく動いた。
パチリと、プラスチックの盤に安っぽい音が響いた。
対岸の右辺へ、黒の一子がポツリと置かれた。
直接、アキラの右下へ迫る手ではない。
それでも、その一子が置かれた瞬間、右下の白はわずかに窮屈さを増していた。
まだ、盤上は広い。
にもかかわらず、アキラは少しずつ狭まっていく空間の感覚に、生理的な恐れを感じずにはいられなかった。
必死に活路を求めて動こうとする白の足取りを、ひらり、ひらりとかわし、黒はさらに左下隅へと先手を打つ。
(受けるしかない……)
左下が補強されたことで、左辺の黒石全体に厚みが通った。
対して白は、むき出しになった薄みを放置できず、応急処置の手を選ばざるを得なかった。
「……少しは成長しただろうか、ボクは」
まだ盤面は広く、戦いは始まったばかりだというのに、まるで手足を縛られていくような息苦しい閉塞感。
決して、弱音を吐くつもりはなかった。だが、黒が長考に入り、静寂が満ちたその隙間に、アキラは尋ねずにはいられなかった。
「キミは変わった」
「えっ?」
「打ち方が、サマになってる」
(そりゃ、毎日部活で筒井さんと打って、家に帰れば佐為との2人分打ってるからな……)
そう思い返し、ヒカルは無意識に己の指先に目を向けていた。
すり減った、人差し指の爪。
アキラは、ちゃんと見ていたのだ。
なら、この爪がすり減った分だけ、自分は彼に近づけているのだろうか。
自分は今、彼と同じ地平に立てているのか。
その問いが、ヒカルの胸に小さな火を灯す。
小さく灯った火は、胸の奥で燻っていた情熱にあっという間に引火し、一気に燃え上がった。
──打ちたい!
胸を焦がす衝動に、ヒカルの指先が碁石を強く挟み込む。
(13の四……ヒカル?)
(佐為、ワリィ)
心の中で謝絶すると同時に、ヒカルは腕を伸ばしていた。
そして、
その唐突な一手に、アキラは一瞬、大きく目を見開いた。
(左辺へのオシでも、上辺へのツケでもない……?)
左辺を制したいのか、上辺を破りたいのか。どちらへ睨みを利かせたいのか断言できない、ひどく曖昧な位置。
盤上に、含みだけを落としたような一手だった。
正体不明の不気味さを覚えながらも、アキラは冷静に手を進めた。
上辺の白石が封じ込められぬよう飛ばし、さらに連動させて、左辺の白を力強く伸ばしていく。
それにより、当然のように防戦へと回るはずの黒だったが、先ほどまでの鋭利な美しさはかすみ、ひどく鈍くなっていた。
(11の八は面白い一手!その発想に続く腕が、今のヒカルにないのが惜しいけれど)
(これじゃあまりに……。それとも何かあるのか?)
盤上では、左辺の白も上辺の白も何ひとつ咎められることなく悠々と勢力を広げ、中央の黒は、一手進むごとに形を崩していく。
アキラ自身が戸惑うほど、構想は簡単に形になっていった。
そしてついには、黒の大石の喉元に刃を突きつけるに至った。
にもかかわらず黒石は、まるでその刃に気づいていないかのように、自ら破滅へ向かう一手を盤上に置いた。
「……ふ、ふざけるなっ‼︎」
激しい怒りに唇を震わせながら、アキラは衝動的にパイプ椅子を鳴らし、腰を上げていた。
静まり返っていた会場の視線が、一斉に集まる。
対面に座るヒカルは、何が起きたのか分からないといった唖然とした顔で、アキラを見上げていた。
「ふ…ふざけてなんか、いねーよ」
戸惑いつつも、真っ直ぐに返された言葉が、かえってアキラの逆鱗に触れた。
(ふざけてないと言うなら、これが本気だとでも言うのか⁉︎)
ふざけていると言われた方が、どれだけ救われたか分からない。
そんな爆発しそうな激情を込めて拳を握りしめるアキラの肩に、そっと大人の手が置かれる。
「言ったろう。打ってみればわかると」
「……」
アキラは乱暴に座り直すと、行き場をなくした感情をぶつけるように、バチッと激しい音を立てて碁盤に白石を打ち下ろした。
だが、それに返される黒は、あまりにも単純で、脆い。
(スランプじゃない。迷いや、何かの実験でもない……!)
もはや、碁が崩れているなどという次元ではなかった。そこにあるのは、圧倒的な『実力不足』という名の現実だ。
(序盤のあの打ち回しは一体なんだったんだ⁉︎ あの息苦しさが、じわじわと狭まっていく盤面の感覚が、すべて偶然の産物だとでもいうのか? そんなこと…そんなこと、あり得るはずが……)
黒石が置かれた直後、読む必要すらなく、狙いが手に取るように見えてしまう。こちらが少し揺さぶりをかければ、面白いほど簡単に誘導され、局所的な形に囚われていく。
盤上に散らばる黒石からは、先ほどまで確かに感じていた、あの深淵のような奥行きが完全に消え失せていた。
(……ボクが求めた進藤ヒカルなんて、最初から存在しなかった?)
どう見積もっても、目の前の相手は、アマチュア上級の域を出ない。
勝手に買い被っていただけかと落胆しかけ、それはあり得ないと否定する。
なぜなら、他ならぬその相手に、アキラは過去二度も敗北を喫しているからだ。
(囲碁に、偶然の好手はあっても、奇跡の一局なんて絶対にあり得ない)
ならば、この矛盾した現実は何なのか。
困惑するアキラの脳裏に、ふいに兄弟子の言葉が蘇った。
ハッとしたように、アキラは乱暴に石を運んでいた手を止めた。
緒方は言っていた。
ヒカルと、この十九路の盤上で語り合えと。
深く息を吸い込み、ゆっくりと吐き出す。
胸を焦がしていた怒りも失望も、盤外に追いやるように。
ただの純粋な棋士として、目の前の盤面と向き合うために。
(キミは、何者だ?)
問いかけるように、白を置く。
そして──…
「……ま……負けました……」
「ありがとうございました」
圧倒的な大差を前に、ヒカルは言葉を詰まらせながら、絞り出すように負けを認めた。
対してアキラの返礼は、ひどく淡々としたものだった。
実力差に打ちのめされ、俯くヒカルを、アキラは静かに見つめた。
今日この日までに、アキラは
(違う……)
あれを打ったのは、目の前の進藤ヒカルではない。一手の選択も、大局の捉え方も、考え方そのものが別人だった。
ならばどうやって、
(わからない。でも、きっとそれが……緒方さんが、そして父さんが、進藤ヒカルを守ろうとする理由なんだ)
誰にも話さないと誓えば、
だが、その可能性を思いついてもなお、アキラの胸が躍ることはなかった。それはもう、色褪せた望みでしかなかったからだ。
──なぜ進藤は石を持ち慣れていない?
──だってあの子、今まで一度も対局したことがないって言ったのよ!
あの深淵のような打ち回しと、進藤ヒカルという存在が切り離された時、アキラは気がついてしまった。
進藤ヒカルは自分と初めて対局したあの日、本当に初心者だったのだ。
自分が焦がれ、同じ地平で競い合えると信じた
追い続けた美しい幻影は、夜空を焼いた花火の残光のように静かに薄れていった。
【幽玄超え】ワールド囲碁ネット総合スレ Part42
1 :検討中の名無しさん
ワールド囲碁ネット(WGN)について語る総合スレです。
■公式
http://www.※※※※※
■前スレ
【神の一手】ワールド囲碁ネット総合スレ Part41 http://※ch.net/※※※※※※※/
■関連スレ
>>2
■注意事項
・プロ認定荒らし禁止
・「saiキター」は禁止されてません
・むしろ報告しろ
あと昨夜のsai vs. HanRiver戦、 保存してる奴いたら棋譜うp頼む。ログ飛んだ。
3 :検討中の名無しさん
スレ立て乙
韓国の高段者相手に150手行かず中押し勝ち
強すぎワロタ
5 :検討中の名無しさん
これで日中韓のプロ総なめだろ?
6 :検討中の名無しさん
スレ乙
HanRiver誰なん?
7 :検討中の名無しさん
イ・ソンハ八段
ブログにHN載せてるから間違いない
9:検討中の名無しさん
タイトル持ち誰か突撃せんかな
日本だけ四段とか格が足りん
11 :検討中の名無しさん
saiが模様大事にしてるのはわかるんだけど 何で今の時代にそれで無敗なのかがわからない
12 :検討中の名無しさん
HanRiver、終局後かなり長く残ってたよな
13 :検討中の名無しさん
ネ⚪︎バーお通夜になってるの笑う
いや笑えんけど
15 :検討中の名無しさん
>>12
アマに負けて茫然としとったんやろ
16 :検討中の名無しさん
saiもプロの可能性あるやん
19 :検討中の名無しさん
>>16
何スレ前に結論出たと思ってんだ
saiはアマ
20 :検討中の名無しさん
俺もsaiの棋譜並べてるんだけどさ コスミ多すぎない?
21 :検討中の名無しさん
そこケイマでよくね?ってなる局面結構ある
23 :検討中の名無しさん
今時コスミなんてw
24 :検討中の名無しさん
なおsai
25 :検討中の名無しさん
あいつコスんで働かせるから困る
27 :検討中の名無しさん
俺らがコスミを使いこなせてなかっただけとかマ?
28 :検討中の名無しさん
今の流行にゃ噛み合わないけどsaiの棋風なら有効ってだけだろ
30 :検討中の名無しさん
結局俺らが使いこなせてないだけじゃねーか
34:検討中の名無しさん
saiって、そこ今どき打つ?死ぬんじゃね?
みたいな手けっこうあるのに死んでるとこ見たことない
36 :検討中の名無しさん
昔の棋士「コスミは味が良い」
俺ら「味って何?」
101 :検討中の名無しさん
saiキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
104 :検討中の名無しさん
マジじゃねーか!!
106 :検討中の名無しさん
観戦所へ急げwwwww
129 :検討中の名無しさん
相手RX-7じゃん
132 :検討中の名無しさん
はい解散
135 :検討中の名無しさん
観戦切ってるwwwwww
138 :検討中の名無しさん
知ってた
142 :検討中の名無しさん
RX-7とやる時だけ絶対閉じるの何なんだよ
146 :検討中の名無しさん
RX-7と打つと そのまま消える率高いんだよな
148 :検討中の名無しさん
見せろォ!!!!!
この対局を見せろォ!!!!!!
151 :検討中の名無しさん
ペッ 閉鎖空間でイチャイチャしやがって
153 :検討中の名無しさん
うらやまけしからん
155 :検討中の名無しさん
どうせ深いところで組んず解れつやってんだろ
158 :検討中の名無しさん
囲碁の話だよな?
161 :検討中の名無しさん
読みの深さ的な意味です
165 :検討中の名無しさん
RX-7って名前からして絶対おっさんだろうな
車HN使う奴に若者はいない
169 :検討中の名無しさん
スポーツカー乗り回してるナルシスト中年説
170 :検討中の名無しさん
つまり緒方九段
171 :検討中の名無しさん
緒方九段「今日は勝たせてもらうぞsai」
172 :検討中の名無しさん
フ……とか言ってモニター見てそう
173 :検討中の名無しさん
>>170
まだ20代だぞ
174 :検討中の名無しさん
ほっほっほ、今日も緒方殿は元気だのう
175 :検討中の名無しさん
実際赤いRX-7で棋院来るんだろ?
177 :検討中の名無しさん
白スーツに赤いスポーツカーwwwwww
180 :検討中の名無しさん
>>174
なんでsai老人設定なんだよ
そこは文学系美少女だろうが
181 :検討中の名無しさん
どう考えてもジジイの打ち筋だわ
229 :検討中の名無しさん
やっぱsai消えた(´・ω・`)
231 :検討中の名無しさん
緒方九段「今日も楽しめたぜsai」
232 :検討中の名無しさん
履歴見る限り全敗なのに偉そうwwwww
238 :検討中の名無しさん
見せろォ!!!!!
その棋譜を見せろォ!!!!!!
241 :検討中の名無しさん
定期的に緒方九段の幻影がちらつくのやめろ
250 :検討中の名無しさん
そろそろRX-7特定スレが必要か?
時代的に草は生えず、藁とかモレとか書いてるくらいの時期だと思うんですが、様式美なので……。