最近ゼンゼロの熱が再燃したのでまた妄想が膨らんだ次第です。
『ホロウ』それはある日突然この星に出現しあらゆるものを呑み込む空間、内部には『エーテル』と呼ばれる未知のエネルギーが充満しており、人や動物、果ては無機物に至るまで、それにとりこまれ浸食が進むと『エーテリアス』という怪物に成り果ててしまうなんとも恐ろしい存在である。
────とある共生ホロウ内にて
そんな危険なホロウの中を駆ける影があった。その内追われている一人はピンクの髪を纏め、こんな場所にも関わらず薄着な格好で瓦礫の上を飛び越え悪路を走り続けている女性
もう一方はそんな彼女に罵詈雑言を浴びせながら集団でかたまりつつも着々と距離を詰め、ついに袋小路に追い込んだ
「はあっ…!はあっ…!もう逃げられねえぞお!『邪兎屋のニコ』!今日のこそ俺からの借金を返してもらうからな!」
ざっと十人以上はいるであろう集団のリーダーらしき男は『ニコ』と呼ぶ彼女に詰め寄る。がニコはそれに対して高らかに笑う
「おっほほほ~♪随分必死ね~!『孤狼組』の若頭である貴方があたしなんかに構ってていいのかしら?他にもあんたから借りてる人は沢山いるでしょ?」
そう言いながらニコは腕を組み、身体を前屈みにするとムニュッと大きな二つの山が揺れ、他の集団が「おお…」と声を漏らす…だがリーダーは全く動じない様子だった
「バカ言え!そいつらはお前ら邪兎屋と違って月々ちゃんと真面目に返済してるわ!お前らが異常なんだよ!」
「その『返済』のやり口は非合法だけれどね」
「けっ!やり方はどうあれきっちり払ってくれりゃいいんだよ!お前にはその無駄にでけえブツがあるし顔もまあ悪くはないから客はとれるだろうよ…お前ら!引っ捕らえろ!」
「ちょっと!超絶可愛い美少女に『悪くない』ってどういうことよ!」
どう考えても突っ込むのはそこじゃない気がするが…と他の全員はそう思いながらもニコの両腕を掴む
「離しなさいよ!怪我でもしたら訴えてやるんだから!」
「そうなったらお前が確実に敗訴するわ!」
「全く…いくら彼女に非があろうと、女の子に寄って集って辱しめようとするのはいただけないな?」
「誰だ…!?」
コントのようなやり取りをしている二人の背後から声をかけられ孤狼組の若頭が振り向くとそこには大剣を担ぎ、マントを着けた男と一匹の犬…そして一体の『ボンプ』がいた、それを見てニコは顔を耀かせる
「『シド』!もう!遅かったじゃないの!」
「相変わらずだな、ニコは…」
「なにぃっ!?まさかコイツがあの『不死鳥のシド』か!?」
『不死鳥のシド』インターノットで話題の『ホロウレイダー』。ホロウに無断で侵入しエーテルから物質を取り出して販売したり、時には盗賊紛いのことを行い一般人に危害を与えるようなやつらだが彼は他のホロウレイダーとは違い、迷いこんだ人を積極的に助け、精鋭のエーテリアスを狩っている人間だと噂されていた
「そういうわけだ。悪いが彼女を離してもらおうか」
『シド』は背中の剣を孤狼組の男に向けるが男は一歩も引く様子はない
「残念だがこいつには貸しがあるんだ!書類にも履歴が残ってる!れっきとした手続きを踏んでるんだ!」
「……なら俺が立て替えれば離してくれるんだな?」
「…は?そ、そりゃああんたが払ってくれるってんならこっちも何も言わねえが…あんた金を持ってるのか?」
スッ…
チャリッ…
男がそう言うとシドは無言で胸に付けてる紋章のような物を彼らに見せると男は眼を丸くする
「な…!それは『ロズフィールド家』の紋章!?あんたあのロズフィールド家の跡取りか!」
「…これで信用してくれるな?」
シドの言葉に男は黙るが暫くしてニヤリと笑う
「へへっ…こいつはいい…正に棚からぼた餅ってやつだな!あんたを人質にロズフィールド家を脅せば大儲けだ!おい!ついでにこいつも引っ捕らえちまえ!」
若頭がそう言うと残った組員達が武器を手にとる
「はあ……欲を出しすぎたな…仕方ない…『アルテマ』、敵の戦力と装備はどれくらいだ?」
そうシドが『アルテマ』と呼ぶと彼の傍らにいた愛らしいボンプが話し出す…
《数は長を含めて10程だ、銃器が3…それと刃物が2…残りは徒手だ...汝の相手にはならぬだろう》
「助かる。『ジョシュア』、邪兎屋のメンバーに連絡を入れてくれ。ニコを見つけたと」
シドが耳に付けた通信機に手を当てる
「了解だよ兄さん。早いところ片付けて合流しようか」
『ジョシュア』はシドに言われた通り『ノックノック』と呼ばれる会話用のアプリの連絡先に先ほどのことを送るとすぐに返事が帰ってくる
『わかったわ、ニコが無事でよかった。それとこの後シド先生に時間があれば一緒にハンバーガーを食べたいの…弟の貴方からそう言ってくれない?』
『親分は変わらないなあ…そうだ!今度シドの兄貴を誘って一緒にゲームセンター行こうって伝えといてくれよ!次は負けねえぞ!』
「やれやれ…相変わらず兄さんはモテるなあ……君としては由々しきことじゃないかい?『ジル』」
ジョシュアはそう笑いながら雪のように白い髪を伸ばした女性に目を向ける
「心配しなくても大丈夫よジョシュア…彼の人間性は私達がよく知っているし…それに彼の愛情は私にしか向けられてないもの(`・∀・´)」
「はは…君も変わらないね」
「ふっ…!」 『フェニックスシフト』
シュンッ…!
「き、消えた!?」
シドが瞬時に消えたことに呆気にとられる構成員…
ピキィィィィィンッ…!
だがその隙にシドは足元に氷塊を走らせ、打ち上げる
「今だ『トルガル』!」
「バウッ!」 『ヴァナルガンド』
ズドンッ!
「「「ぐほぁっ…!?」」」
シドが声をかけると『トルガル』は一気に飛びかかり、三人程巻き込む
「ちっ…!何をやってんだ!相手はたかが一人と犬一匹!それにボンプだけだろうが!弱そうなボンプから片付けろ!」
若頭の鶴の一声で残った組員達は『アルテマボンプ』へ掴みかかろうとするが…
《愚かな…神に逆らうことが如何なる大罪かその身を以て知るがいい……!ぬああああああっっ!!!》
『ボイスオブゴッド』
ゴオオオオオオオオオッ…!
「「「「「「「ぎゃああああああああ!?」」」」」」」
アルテマボンプの周囲に巨大な光の柱が発生し、とてつもない衝撃で残りの全員は無残に吹き飛ばされ、壁や廃墟のビルに叩きつけられる…部下を全て失った若頭は慌てて膝をつき土下座する
「ままま、待ってくれ!お、俺が悪かった!こいつの借金は帳消しにするし!今後一切関わったりしない…!だから頼む!見逃してくれえ!」
《不利と見るや命乞いとは見下げたやつよ…汝の選択に任せようミュトス…いや、シドよ》
「……ならさっさと立ち去れ…もしまた俺の友人に手を出そうとすれば今度は容赦しないぞ」
「は、はいいいいいいっっ!!!」
シドの言葉を聞き届けると男はすぐに部下を置いて逃げていった…
《相も変わらず慈悲深いのだな汝は…しかし手下を捨て置くとは……こやつらはどうする?》
「『治安局』にでも送りつければいいさ……さて、ニコ?」
シドはどさくさ紛れに退散しようとするニコの方を睨み付けるとニコはビクッと身体を強張らせる
「うっ…こほんっ…今回も助かったわ!さっすがは『不死鳥のシド』!それじゃあ、あたしはこれd「ニコ?」」
ニコがどうにか逃れようとするのをシドは見逃さずドスの効いた声を利かせる
「前に言わなかったか?今度どこかで借金をしようものなら『邪兎屋全員で我が家の専属世話人として1ヶ月過ごす』とな…?」
「うぅ……こ、今回はちょっと前の仕事で立て替えてもらってただけよ!ただ…少し返済が遅れただけで…」
《……それを借金と言うのでは…?》
「お黙り!」
「落ち着いて、でも約束は約束だよニコ?もう既にシフトは組んであるから明日から宜しくね?『母上』の教育は厳しいよ?」
三人が会話しているとジョシュアが間に入ってきた。それを聞いたニコはゴクリと生唾を飲み込む
《そうだな…かつて我もあやつの子となっていた時、かなり叩きこまれた……》
「母上……昔からそういう教養はしっかりしていたからな…俺は嫌われていたから特に容赦なかった…」
シドはしみじみした顔で上を向く…対してニコの顔色は青からだんだん土気色になっていった…
「お願いいい…!もう借金しないからあああ!それだけは勘弁してええええええええ!!!」
ホロウの空に彼女の慟哭が虚しくこだまする…
ゼンゼロは今までデイリーとかしかやってないから急に要警戒とか行くと難易度の差にビックリする…危局もそこまでやり込めてないしまだまだひよっこプロキシです…
今のところは原神の方の作品メインで行きますのでこちらはちょくちょくになると思います~