アンケート回答ありがとうございます!
やっぱディオンさん軍人気質だからかオボルスが多かったですね~
アンケートの結果は反映する…自分の好きな展開も詰め込む…両方やらなくっちゃあならないってのが書き手の辛い所だな…
てことでブリンガー戦始まります
───────《デッドエンドホロウ内部》
「リン達は上手くやっているだろうか…」
シドとジョシュア、そして合流したアルテマとトルガルは大きな橋の中央の横転したコンテナの上で座り流からの連絡を待っていた
「上手くいけば僕達の出番はないさ、今はとにかく待つしかないよ兄さん」
《うむ、『フェニックス』の言う通りである。下手に動くのは下策だ。それに…何かあればあの娘の中には『あやつ』もいるからな…》
「どうしたアルテマ?」
《いや…む?シドよ、汝のスマホが鳴っているぞ》
ピピッ!
シドのスマホに『ノックノック』の通知音が届き、未だ覚束ない手つきでシドはスマホを手に取りアプリを起動すると流からのメッセージが届いていた
『雅の救助には成功した。だがブリンガーはその混乱に乗じてホロウ内部に逃げたようだ。今は柳、悠真、蒼角が三人でお前達の方へ誘導してる。頼めるか?』
『わかった。任せてくれ』
シドはそのメッセージに返事を送り、ため息混じりにスマホを閉じ、それを後ろから眺めていたジョシュアとアルテマも愚痴をこぼす
「……やっぱりこうなるか」
「世の中甘くないみたいだね兄さん…」
《むう…まだ『ストロベリーフラペチーノ味の簡易バッテリー』を充電しきっておらぬのだが…》
「お前は何呑気に小腹を満たしてるんだ……」
そんな茶番をしながらも三人(と一匹)は立ち上がり、武器のチェックをしつつ待機をしていると向こうから四人の人影が見え始め、一人の男は治安局の制服を着ており後ろの三人から逃げている様子だった。
「はあ…!はあ…!」
「……来たみたいだな。皆行くぞ!」
「「了解だ兄さん(バウッ!)《うむ》」」
スタッ!
一向は男の前に降り立ち、武器を構える。
「なっ!?くそ…!誘導されていたか!」
「上手くかかってくれましたね~、正に袋の鼠ってやつだねこれ」
「浅羽隊員、今はおふざけを止めて下さい。投降して下さい『ブリンガー副総監』…いえ、今は『容疑者』…でしたね」
男はシド達を見ると足をとめ悪態をつき、後ろから追い付いた三人のうち悠真が軽口で彼を煽ると柳が制止し《骸薙ぎ》と呼ばれる薙刀を構える
「はっ!流石は『対ホロウ六課』!足が速いな…!それにこの短時間で第三者を使い私を誘導するとは、その手腕は誉めよう!だが此方としてもこの方が好都合だ!」
追い詰められたはずのブリンガーはシド達を見ながら不敵に嗤うと懐に手を入れ始める…
「妖刀の力は既に手に入った…!見せてやろう!!!ホロウの時代を駆け抜ける究極の姿っっっ!!!!」
「っ!不味い…!」
ドスッ…!
ブリンガーが妖しく光る液体の入った注射器のような物を取り出し、シドはそれを止めようと近づくも間に合わずに液体は彼の右腕へと残らず打ち込まれる…
カラン…
バチ…バチッ…!
ブリンガーの手から注射器が落ちると彼の身体から徐々に光が漏れ始め、やがて全身を包み辺りに魔方陣のような模様が浮かびあがる
「『始まりの主』よ…!『再創』を!!!!」
ブリンガーのその一言と共に膝をつき、動かなくなる
ズドオオオオオオオンッッッ!!!!!
やがてその全身をエーテルが覆い尽くしたかと思うと凄まじい衝撃波を発生しながら巨大な白い腕が生える…
「あの腕…!?」
「そ、そんな…!」
自らのボンプ『イアス』の視界越しにその腕を見たパエトーンの二人は思わず立ち上がり食い入るように画面を見つめる…
ズズズズズズ……
「っ!危ないっ!避けてっっっ…!」
ブオオオオンッ!!!
白い腕は静かにその巨腕を掲げ、目の前の三人を潰そうと振り下ろす…
シュンッ…!
《フェニックスシフト》
「…!シドさん…!?」
突然三人の前にシドが『フェニックス』の力で瞬時に移動し、迫りくる巨腕を見据える
バチバチ…
「『ラムウ』!!!!」
《パイルドライブ》
バリバリバリバリッ……!!!
シドは左手から杖状の武器を出現させ地面に突き刺した直後、彼の周囲に眩い電撃が迸り白い腕は全体をビクビクと痙攣させ動きを止めかと思うと空へと掌をかかげる…
ズズ…グチャ…!
先ほどまでその掌から不気味に全員を見つめていた目の中から比較的人の形を保った異形が不快な音を立てながら姿を表す。その肩や身体の至る部位は無数の目玉が生えており、それぞれがギョロリと独立した動きでこの場の全員を睨みつける
『これぞ主より賜った力…!しかとその目に焼き付けるが良い!!!』
ノイズが混じる音と共にエーテリアスと化したブリンガーが左手に剣のような武器を生成する
「エーテリアス化したのか…!?だが何故理性が残っている!?」
「詳しい話は後です!今は我々と協力して対処をお願いします!」
「あ~あ…面倒なことになっちゃったなあ~」
「悪者退治だあ~!!!!」
真剣な面持ちの柳に対して楽観的な悠真と楽しそうな表情の蒼角だが武器を握った途端、真面目になりブリンガーへと突撃する
『ぬうんっ!』
ブンッ…!
ブオオンッ!!!
ブリンガーが身体に対してアンバランスな右腕を振るとそれに呼応するかの如く背後から巨腕が出現し同時に二人へと襲いかかる…
「うわわっ…!ハルマサ危ないっ!」
蒼角は寸での所で躱すことに成功するも悠真は対応が間に合わず眼前にまで巨腕が迫る
「あ、やばっ…「『タイタン』…!」」
ガキンッ!ドゴオオオオオオオオオンッ!!!
「アぐあああああああっっっっ!…?」
だがそこにシドが割って入り、渾身の左ストレートを顔面に打ち込むとブリンガーは後方に吹き飛びコンテナに叩きつけられる…
『貴様のその力……ドミナントだな?何故『タイタン』と『フェニックス』二つの力を…?ドミナントは一つの召喚獣の力しか使えんはず…」
土煙を巻きながらブリンガーはシドに質問しようとするがふと思い当たることがあったのかハッとした表情になりワナワナと震えだす
「まさか貴様っ!『ミュトス』か!?』
「……この時代でその言葉を聞くことになるとはな…悪いが俺はその呼び方は気に入ってないんだ」
「こいつ…兄さんのことを知っているみたいだね」
《ふむ…ただの使い捨ての駒かと思っていたのだがな》
そんなブリンガーに対してシド、ジョシュア、アルテマの三人は冷静に状況を分析していた…
そんな会話を聞いた柳はシドの元へと駆け寄る
「『ミュトス』…かつてこの世界を救った『英雄 シド』の俗称でもあり最強の召喚獣『イフリート』を宿す者…シドさん。貴方は本当にあの『英雄 シド』の記憶を持っているのですね?」
「英雄か……俺はそんな大層な肩書きが似合う男じゃない…皆の支えがあったから勝つことができた。それだけさ…」
《謙虚過ぎるのも考え物であるぞ。汝の想いの強さがあったからこそかつての我を打ち破ることが出来たのだ》
「バウッ…(相変わらずご主人に負けてから色々拗らせてんな)」
彼女の言葉に何処か遠くを見つめるような顔つきで優しく微笑むシド…
そしてそれを『後方腕組み理解者面』で頷くアルテマと若干呆れ気味なトルガルという緊張感のない空気が流れていた
『敵を前にべらべらとよく喋るとは舐められたものだな……?』
ドオオオオオオオンッ!!!
先ほどの一撃で転がってきたのか、エーテル物質が含まれた荷物をブリンガーは吸収し変身時と同等の衝撃波を発生させる
一向は衝撃に対応出来ずに橋の上から真っ逆さまに落下していく
「このままではまずい!この高さでは浅羽隊員は…!」
柳は少しでも落下のダメージを免れようと着々の体勢を取ろうとするが地上までの高さは彼女の計算では約50m以上もある…鬼である蒼角やその血を輸血された自身はまだしも普通の人間である悠真は確実に生存不可能であり、彼自身も『持病』の兆候が見られ万全ではない…柳は万事休すかと身構える
「そうはさせない…!『バハムート』!」
シュウウウウウウン!
シドの背中から龍を思わせる翼が生え、高速で飛びまわり柳と蒼角の二人を抱えると地上へ降り立つ
「僕達も行こう!はああっ!」
ゴオオ…!バサッ!
《あのボンプは我に任せよ…むうううんっ!》
バサァッッ…
シドに続きジョシュアとアルテマも自身の力を使い残った悠真とイアスを助けだす…
「うひゃああああっ!?ジョシュア君…!?もっとスピード落としてくれないかな!?只でさえ病弱なのに僕の寿命縮んじゃうよ!」
「悠真さん。舌噛むから喋らない方がいいよ?」
『ンナナ~~!!ワタンナアア!(わあああ!高いし風が気持ちいい~!ねえ!またやりたい!)』
《それは此度の戦いが終わってからにしよう。今はシド達と合流だ》
二人はシドの前へと残った悠真とイアスを降ろす。
「あら、どうやら必要なかったみたいね?それにしてもお二人とも随分逞しくなられましたわね…」
「カッコ良くなったナ!」
「カッコイイぜ!」
ふと全員の後ろから宙に浮かび銀髪のメイド服を着た妖艶な雰囲気漂う女性と小さなボンプ二匹が声をかける
「あんた達は…!」
「お久し振りで御座います。クライヴ様にジョシュア様。その節はエレンが貴方様に多大なるご迷惑をおかけして申し訳ございません。」
女性に続き、執事服を着た狼のシリオンの男性が礼儀正しい作法で全員を出迎え、その後ろではムスっとした表情でハサミを持ち飴を咥えるエレンをツインテールに纏めた緑髪の女の子があわあわした様子で彼女を宥めていた
「『ライカン』さん!それに『リナ』さんに『カリン』ちゃん達も…皆来てくれたんだね!」
ジョシュアは先の戦闘で全員が負った怪我を治療してから応援にきた二人の元へと駆け寄る
「プロキシ様からのご連絡と、貴方様の叔父上様から手を貸して欲しいとの依頼も受けましたので」《
「叔父さん……相変わらずな人だ。」
「パイロン様はいつも羽振りの良い常連様ですから。流石は敏腕の投資家にして『ロズフィールドコーポレーション』の社長様ですわね」
「ジョシュアさん!またお会いできて嬉しいです!カリン!皆様のために頑張りますね!」
「ありがとうカリンちゃん。ん?少し髪型変えたかい?君によく似合ってるね」
「ひゃっ…!////え、えへへ…そうでしょうか?はうう…///ジョシュア様…何時見ても格好いいですう////」
「カリンはホントにジョシュアのこと好きだよね……ところでクライヴ?誰そのデカチチ女…まさかまた浮気?」
「いや…浮気も何も俺達は付き合って…」
メキメキ…!ズブブブブブ!!!
全員が語り合う最中に地面から先ほどの腕が複数生え始め、ジリジリと近づき出す
「…どうやら積もる話は後の方が良さそうですね」
柳は眼鏡をかけ直しながら武器を構える…が、ライカンと呼ばれた狼のシリオンの男性は懐中時計で時間を確認した後、彼女の前へ立ち右手を後ろに差し出す
「皆様方は先へお進み下さい……ここは我々《ヴィクトリア家政》が引き受けます。」
「……わかりました。この場はお任せします…!」
柳は彼の言葉に一瞬戸惑うもそれが合理的だと判断し悠真と蒼角を呼び走りだす
「さあクライヴ様、ジョシュア様。お二人も早く」
「ああ、さあ行くぞトルガル!……トルガル?」
「バウッ…!」
シドは先に行ったジョシュアとアルテマを追うためトルガルに声をかけるが、トルガルはお座りの体勢のまま動こうとしない…
「ふむ…トルガル様は自分が行っても足手まといになるだろうからここで我々の援護をしたいそうです」
ライカンがトルガルの側に跪くとトルガルはクウゥ~ンと鳴きながら彼に意思を訴える
「トルガル……そうか、わかった…!ライカンさん!トルガルを頼む!」
「ご安心下さい。ヴィクトリア家政の名において必ずや御守り致します。さあ、参りましょうトルガル様」
「バウッ!」
トルガルとライカンは前線で戦う三人の元へと駆けつけ、シドはそれを見届けてから走りだす…
「必ず報いを受けさせるぞ…!ブリンガー!!!」
思ってたより長くなりそうだから上下に分けます…もしかしたら中までいくかも…?
自分が好きな展開やら詰め込もうとするのでどうしても長くなってしまいますなあ。