インフィニット・ストラトス×家庭教師REBORN!―雪零の守護者―』 作:suzuki00
■ ボンゴレ本部:衛星モニター室の驚愕
イタリア・ボンゴレ本部の大型戦術モニターに、一度はゼロになった白崎零士のバイタルサインが、計測不可能なほどの異常数値(エラー)を叩き出しながら急上昇する光景が映し出された。
「な、なんだこのエネルギー波形は……!? 氷結エネルギーと、死ぬ気の炎が完全に限界を超えて共鳴し合っている……!」
獄寺隼人が、モニターの警告音をかき消すように声を荒らげる。
「はは、心配して損しちまったな。やっぱり零士の旦那は、タフなんてレベルじゃねえや」
山本武は冷や汗を拭いながらも、その圧倒的な波動に頼もしそうに笑う。
「クフフ……マフィアを裏から操っていた羽虫どもを掃除し終えて戻ってみれば、とんだ見世物ですね。これほど禍々しい炎を放つとは」
霧の幻術から実体化した六道骸が、オッドアイの瞳を細めて画面を凝視する。
「うわあああん! 零士が死んじゃうかと思ったんだもんねー! 飴玉ちょうだい!」
大泣きしていたランボを、笹川了平がガシッと抱きとめた。
「安心しろランボ! 零士の奴は極限に魂を燃やしている! あれを見ろ、男の覚醒だ!」
「……ふん。群れる鉄屑をまとめて噛み殺す、本物の捕食者の姿だね」
雲雀恭弥が、不敵な笑みを浮かべてその姿を認める。
「みんな、静かに」
沢田綱吉(ツナ)が超直感に導かれるように、瞳に宿る死ぬ気の炎を静かに燃え上がらせた。
「零士のバイタルから、迷いが消えた……。これは、あいつの本当の、全てを賭けた闘いだ」
彼らの中心で、リボーンが静かに帽子の庇を上げる。
「そうだ。ISの限界値を引き出し、世界の理すら書き換える……これこそが、白崎零士の専用機【VIS】の秘められた真の姿、『Final Shift(ファイナル・シフト)』だ」
■ アリーナ管制室:千冬と山田の戦慄
「う、嘘……ISのデータバンクに、こんな形態の移行記録はありません……!」
山田先生は、メインスクリーンに表示された白崎の機体ステータスが、システム上存在しないはずの神域へと到達したのを見て、息を呑んだ。
「機体VIS……『Final Shift』だと……?」
織斑千冬は、モニターに映し出されたその禍々しくも圧倒的な威容に、言葉を失っていた。
それは、親友である束が作ったどのISとも違う、生と死、そして絶対的な断罪の意志を孕んだ「終焉の騎士」の姿だった。
■ 洋上空域:絶望から、神域の戦場へ
ゴスペルに猛攻を仕掛けていた一夏、箒、セシリア、シャルロット、ラウラ、鈴の6人は、海面から突如として噴き上がった「絶対的な死」の気配に、攻撃の手を止めて戦慄した。
「な、何ですの……この寒気は……!? 体が、動かない……!」
全ビットを暴走させていたセシリアが、機体のスラスターすら凍りつくようなプレッシャーに息を呑む。
「あそこを見ろ……海が、凍っていく……!」
一夏が指差す先、シルバー・ゴスペルの足元の海原が一瞬で結晶化し、完璧な幾何学模様の『絶対零度結界・極』が展開された。領域内の時間、熱、エネルギーの運動が、完全に停止していく。
ザバァッ!!!
激しい氷の飛沫を上げ、海の底からゆっくりと浮上してきたのは、ファイル 白崎零士のVIS.FinalShift_2.png に描かれた通りの、究極の姿へと変貌を遂げた白崎零士だった。
白銀と漆黒の死神の翼を纏い、全身の氷結エネルギーが最大出力で開放されている。かつての「氷晶翼」と「氷刃翼」の左右非対称な姿は消え去り、両翼すべてが深淵なる「漆黒の死神翼」へと変質を遂げていた。
「白崎、先生……?」
箒が暮桜のコックピットの中で、その姿を見上げる。そのチャームから伝わる温かさとは対照的な、けれど圧倒的に持ち主を守り抜くという冷徹な「調和」の極致が、そこにはあった。
「……一夏、箒。そして候補生のガキども。よく持ち堪えた、あとは俺が裁く」
零士の低く冷徹な声が、全機の通信回線に直接響き渡る。
彼の纏う死ぬ気の炎は最大出力で解放され、すべての攻撃が次元の壁を越えて干渉する神域へと至っていた。
零士が右手をかざすと、絶対零度の粒子によって生成された巨大な『大鎌(上部展開)』が、空間を切り裂いて出現した。
「セカンド・シフトだか何だか知らないが……我が主(ボンゴレ)の領域を乱した罪、その鉄屑ごと、魂まで凍結・断罪してやる」
漆黒の死神の翼が大きくはためき、空間そのものを凍結させながら、零士はシルバー・ゴスペルへと音速を超えて肉薄する。一夏たちが見守る中、世界を滅ぼす暴走兵器を完全に圧倒する、終焉の処刑が今始まった。