インフィニット・ストラトス×家庭教師REBORN!―雪零の守護者―』 作:suzuki00
「――まぁ、後は、ツナ(十代目)に出会ったのが一番大きかったんだけどな」
零士は懐かしむように目を細め、胸元の雪のロザリオに指を触れた。
「あの大空の『調和』の炎に触れて、ボスの不器用な温かさに救われてからだ。俺の尖りきっていた雪・氷の能力も、徐々にコントロールが利くようになっていった。……まぁ、そこから先も平穏とは程遠い、とんでもない戦いの日々だったがな」
呆れたように笑う零士の言葉に、4人の少女たちは息を呑んで耳を傾ける。
「10年後の未来に飛ばされて、世界の命運を賭けた戦いに放り込まれたこともあれば……このロザリオや、ボンゴレのリングといった超常の兵器を巡る裏社会の抗争に巻き込まれて、文字通り死線を潜り抜けてきた。俺のこの力とステータスは、そうやって数々の地獄をツナたちファミリーと共に生き抜いて、洗練されていったものなんだよ」
その言葉の重み、そして「10年後の未来」というISの常識すら超越した壮大な過去に、箒もセシリアも憧憬と驚きを隠せない。
「未来の世界……リングを巡る戦い……。私たちの知らない、激しい戦いの中でお前は強くなったのだな。ますます惚れ直したぞ、零士!」
ラウラが誇らしげに胸を張り、さらに腕のホールドを強める。
「本当に、退屈する暇もなさそうな殿方ですこと。ですが、これからはその激動の歴史の続きに、私たちも加えていただきますわ!」
セシリアが嬉しそうに微笑み、シャルロットも「うん! どんな過去があっても、これからの零士の未来は私たちが一緒だよ」と優しく寄り添った。
箒は零士の横顔をまっすぐに見つめ、静かに、しかし熱く胸の内で誓う。
(未来、過去、裏社会の抗争……。お前が歩んできた果てしない修羅場の数々。その全てを埋めるほど、私はお前を支える強き女になってみせる)
「……全く。過去の修羅場の話をしても怖気づかないどころか、さらに火がつくとはな。お前たちは本当に、俺の想像を超える教え子(ファミリー)だよ」
零士は手元で静かに輝く雪のロザリオを見つめ、かつてイタリアで出会った、気弱だが誰より温かい大空のボスに心の中で感謝した。
『ツナ、あんたに出会えて良かったよ。……おかげで俺は、この冷たい炎のままでも、こんなに熱くて騒がしい居場所を見つけられた』
「さあ、夜風が冷たくなってきた。いい加減に寮に戻るぞ、お前たち」
「待て、零士! 今日は私の部屋で裏社会の戦術論について語り合う約束だろう!」
「ずるいですわラウラ! 殿方をお招きするなら、我がアルコット家の特製ティータイムが先ですわ!」
「あ、二人とも抜け駆けはダメ。ね、零士、私の部屋で一緒にハーブティーでも飲まない?」
「お、お前たち……! 節度というものをだな……! 零士、私の部屋なら、実家から送られてきた最高級の日本茶があるぞ!」
「箒、お前が一番目がマジになってるぞ……」
やれやれと首を振りながらも、零士の口元からは自然と笑みがこぼれていた。
激動の過去を経て、IS学園という交差点で結ばれた白銀の絆。裏社会の絶対強者である雪の守護者は、愛すべき4人のヒロインたちに囲まれ、賑やかなワルツを踊るように、確かな幸福の足取りで夜の学園へと歩みを進めるのだった。
(白崎零士・IS学園裏マフィア譚 ―― 大団円・完)