女体化して母親になったよ!天使な子供たちとファンタジー世界で幸せになります 作:きさまち
ゆっくりと意識が覚醒していく。
なんだか妙に温かいなあ。
目を開けて最初に飛び込んで来たのは真っ白な色だった。
何だこの白いのは?
私の体は謎の白い物体に包まれている。
フワフワして柔らかくとても肌触りが良い。
毛布?こんなのうちにあったかな?
まるで羽のよう…はね…だと??
「これは…愛娘の羽毛布団!」
通りで温かいはずだ。
白いフワフワの正体は娘たちの背中から出現した純白の翼だった。
それが私を優しく包み込んでくれていたのだ。
一晩ぐっすり眠ったことで、翼を出せるぐらい魔力が回復したんだね。
私の両サイドには双子の娘たちがピッタリとくっ付いて寝息を立てている。
ウヒョー!寝顔超カワイイよぉ!
ホンマにうちの子たちは天使やで!
「ん…ぁ…母さん…おはようございます」
「う…みゅう……ママ…もう起きるの?」
あらら、私が身動ぎしたせいで子供たちが目を覚ましてしまったぞ。
「ごめんね。起こしちゃった?」
「構いません。母さんが起床するなら私もそれに倣います」
「まだ眠い…」
普段ならもう起きる時間だけど、今は子供たちともう一眠りしたい気分だ。
「もう少しだけ寝ちゃおうかな。二人とも付き合ってくれる?」
「承知しました。母さんと二度寝をします」
「ママ、ぎゅってして…」
娘二人が体をすり寄せて甘えて来た。
はいはい。ぎゅ~っと抱きしめてあげますよ。
ああ、幸せだなぁ。
このぬくもりを二度と手放すことのないよう守って行こう。
親子三人でする二度寝はとても心地よかった。
・・・・・・・・・
いつもより遅い起床、でも幸せ気分は満タンだ。
これも愛娘たち一緒に眠ったおかげである。
朝食は全粒粉のパンと野菜と豆のスープにした。
パンにはあぶってトロトロに溶かしたチーズを乗っけて食べる。
糸を引くほど伸びるチーズが大変美味なのだ。
「とろけたチーズが最高です。母さんも最高です」
「わぁ、すっごい伸びるよ。うまーい!」
昨夜のカレーに引き続き、朝食も子供たちは絶賛してくれた。
野菜スープもしっかり完食してくれたので、作った私も満足だ。
「今後も食事はなるべく家族一緒に取りたいのだけど、いいかな?」
「うん賛成。ママとご飯するの嬉しいもん」
「全て母さんの御心のままに」
家族と団欒しながら食卓を囲む幸せ。
私の夢がまたひとつ現実となり、胸がいっぱいになった。
●
これから娘たちと暮らしていくにあたり、避けて通れない道がある。
昨日、言いそびれた事を二人に伝えなければ…
「ミカエリアス、ルシフェルト、あなたたちに大事な話があるの」
食事を終え、ひと息ついた頃合を見計らい、娘たちに向けて話を切り出した。
覚悟を決めたつもりだけど緊張する。
「大事な話ですか?…拝聴させていただきます」
「ママの話ならどんな事でもしっかり聞くよ」
緊張した私の様子を察して、娘たちも居住まいを正してくれた。
いい子たちだなあ。
「今から話すことは非常にショッキングかつセンシティブな内容で…」
「私のことを気持ち悪く感じて…嫌われても仕方ない、そういう話なの」
今から、私という存在が抱えた爆弾を娘たちに告白する。
せっかく会えた娘たちに嫌われてしまうのが本当に怖い…
でも、この秘密を隠したまま二人と真剣に向き合うことは出来ないと思うのだ。
愛する家族だからこそ、私がどういう存在なのか知ってほしい。
黙って私の言葉を待っている娘たちは少し不安そうな顔をしている。
告白することで、この子たちを苦しめることになるかもしれない。
それでも、私の真実を伝えないという選択肢はない。
本音を言うと、早く秘密を暴露して楽になりたいという気持ちもある。
自分本位な私は酷い母親だ、嫌われるどころか罵られて絶縁されても仕方ない…
そうなったら、もう八大迷宮の奥にでも引きこもって余生を過ごそうと思う
ええい!こうしていても仕方がない。
言うぞ、言ってしまうぞ。
『何を悩む必要がある?さっさと言ってしまえ!ふはははは!』
高笑いしながら親指を立てる旦那様が容易に想像できた。
きっと彼も天国から私を応援してくれているはずだ。
……よし、行くぞ。
「私……男だったの!」
言った!ついに言ってしまった!
娘たちの反応は如何に?
「「……???」」
おおう…二人揃って『頭大丈夫?』みたいな顔してるー!!
至極当然の反応だね。
私だって実の母親から同じ事を言われたら、そんな顔するわ。
「驚いたわよね?でも今のはドッキリでも冗談でもなく、事実なの」
「全てはそう、リリアナという激臭女に騙されたのが始まりで…」
社会人になるまで男として生きて来たこと。
悪い女の罠に嵌り、怪しい施設に監禁されたこと。
そこの連中に聖遺物という謎の物体を飲まされ苦しんだこと。
そして何故か女になってしまったことを洗いざらい説明した。
自分で話していても荒唐無稽な話だが、これが紛れもない事実。
一気にバーッと話してしまったが、ついて来れたかな?
娘たちからすれば、情報量が多過ぎて混乱したことだろう
「いろいろ言ったけど、これだけは信じてほしい」
「あなたたちは、私と旦那様がちゃんと愛し合って生まれた子なのよ」
そうだ。
これをしっかり伝えたかったのだ。
娘たちは私と旦那様の愛の結晶、望まれて生まれた命なのだと。
私と旦那様を特殊性癖の変態夫婦とか失礼なことを抜かしたババア(師匠)もいたが、そんなことはない…はずだ……たぶん。
仮に変態だったとしても!私と旦那様は超両想いだったから!
元男とかどうでもよくなるぐらい真剣《マジ》で恋して愛したからね!
その結果、できちゃったのがあなたたちって訳よ。
……引いた?
娘たちドン引きしてる?
私ダメでしたか?お母さん失格ですか?
「……何か質問はある?」
恐る恐る聞いてみた。
『キメェんだよ!』とか、言われたら立ち直れそうにない。
迷宮に籠る準備した方がいいかな?
「知っていました」
「うん。知ってた」
「そっかぁ、お母さんちょっと100年ほど迷宮に潜るから、二人は叔父さんたちと仲良く暮らし……ええぇぇぇぇぇ!?知ってた?知ってたの!?」
あっけらかんと言ってのける娘たち。
さっきの表情は『今更何言ってんだコイツ』の顔だったのだ。
「いつから…私が元男だと、気付いていた?」
「卵から孵化して一週間後ぐらいですか。叔父さんが教えてくれましたよ」
「それとね、ママたちが暮らしていた家にパパの日記があって、そこに全部丸っと書かれてたよ」
ガブリゼルさんめ、包み隠さず私のトップシークレットを教えていたとは…
いくら身内でも個人情報の流失は感心できませんな!
それより旦那様の日記!?
そんなのあったの知らなかったよ!
超見たいんだけどぉ!言い値で買うから譲ってほしい。
「私のこと、気持ち悪くない?」
「?…母さんが気持ち悪いなら、この世の全ては超不快物質まみれになりますよ」
「ママを気持ち悪いなんて言う奴は、存在するだけで罪だね」
「嫌いになったりしない?」
「天地がひっくり返ってもあり得ません」
「ないない。もし私がママを嫌いになったら、それはもう私じゃないから処分していいよ」
えっと、つまり…
元男で謎の物質を飲まされ女体化した挙句、イケメン旦那と子作りに励んだ私を母親だと認めてくれるの?
「「当たり前です(だよ)!」」
二人のシンクロした声が胸に響く。
当たり前なのか…
私が元男だろうが、そんなこと関係なく母親だと、そう言ってくれるのか。
娘たちは旦那様と同じように、今の私を肯定してくれたのだ。
ああ、嬉しいなあ。ずっと悩んでいたのがバカみたい。
勇気だして真実を伝えて良かった。
「ありがとう、ありがとうね…うぅ…」
「私はいつだって、母さんの味方ですよ」
「私も、ママの敵はみーんなやっつけるからね」
「ありがどおぉ~~」
娘たちに抱き着いてちょっと泣いた。
涙ぐむ私の頭を、二人は小さな手で撫でてくれる。
うはっ!娘たちによしよしされちゃった!
実の娘たちに慰められる、この上ない至福!
やっぱりうちの子たちは最高だぜ。
●
私が元男だという秘密はアッサリ受け入れられていた。
取り越し苦労に終わってホッとしたような、なんだか拍子抜けしたような。
ともかく、寛容な娘たちに感謝の念が絶えない。
「ママはさ、私たちのこと男の子だと思っていたんだよね?」
「うん、まあそうだね」
旦那様もガブリゼルさんも、男だろうと常々言っていたからね。
私もそういうものかと思っていたよ。
「……ガッカリしてない?」
「何が?」
「女の子じゃなくて、男の子の方が良かったのかなって…」
「そんなことない!」
性別がどうだろうと二人を愛していたと自信を持って言える。
「ガッカリなんてするわけないじゃない。むしろ女の子で良かったわ。娘サイコー!って叫びしたいぐらい嬉しいのよ」
愛する子供たちがとびきり可愛い女の子だった。
母親冥利に尽きるというものだ。
「…よかったぁ。すごく心配だったんだよ」
「ええ、母さんに『男じゃないと無理』と言われたら、切腹も辞さない覚悟でした」
お願いだから切腹はやめてね。
それにしても、娘たちも性別絡みで悩んでいたとは…
私たち似た者親子なんだなと、しみじみ思った。
「叔父さん曰く、私は母さん似だそうですよ。あ、ルーは父さん似でしたね……ププッ」
「おい、今私を笑ったな?顔面にエグい魔法ぶつけられたいの?」
睨み合う二人の間に割って入る。
コラコラ、ケンカしないで仲良くね。
「むぅ…私もママと同じ青い目が良かった。そうだミカ、目ん玉交換しよ?抉っていい?」
「いい訳ないだろ!」
「ルシフェルトの目、紫水晶みたいに綺麗で私は好きよ」
「本当?ママが気に入っているなら、このままでいいや」
「私は母さんとお揃いですけどね」
「さっきからマウント取って来てウゼェ!ママ、説教してやって!」
どっちの瞳も綺麗だから優劣はつけられないよ。
私似でも旦那様似でも、二人は最高に可愛い私の娘に違いない。
平等に愛してあげないとな。
・・・・・・・・・・
ミカエリアスとルシフェルト。
今更だが娘たちの名前、ちょっと仰々しくない?
女の子だと事前に知っていたら、もっと可愛い名前を考えたのだけど…
「私は今の名前がいいです。母さんが一生懸命考えてくれたのですから」
「だよね。私も今の名前が気に入ってるよ」
娘たちは今の名前に不満はないらしい。
そう言ってくれると名付けた甲斐があるというものだ。
「実は、お父さんも二人の名前を考えてくれていたのよ」
「それは、少し興味ありますね」
「パパのセンス、ちょっと不安だなあ」
何だったかな?
えーっと確か…
「第一希望がトンヌラで第二希望がゲレゲレだったはず」
「「どっちも酷いな!?」」
うん、私もそう思ったよ。
却下しておいて正解だった。
「せっかくパパが考えてくれたんだし改名したら?トンヌラお姉ちゃん」
「父さんに下劣な品性を見抜かれてるじゃないですか、ゲレゲレ」
「ゲレゲレって言うなぁー!」
「私だってトンヌラではありません!」
ちょっとちょっと、隙あらばケンカするのやめなさい。
「トンちゃんもゲレちゃんも落ち着きなさい。めっ!」
「母さんまでやめてください。本気で泣きますよ?」
「ゲレちゃんはないわー」
旦那様のネーミング、やはり娘たちに不評だった。
「二人のこと、私も愛称で呼んでいいかな?」
娘たちがお互いを『ミカ』『ルー』と愛称で呼んでいることには気付いていた。
私も親しみを込めてそう呼びたいと思ったのだ。
「構いません。私のことはミカと気軽に呼んでください」
「ルーだよ。いつでも呼んで」
「わかった。ミカ、ルー、二人とも改めてよろしくね」
●
ミカとルー、二人の娘たちとたくさんの事を話した。
ずっと離れていた分、積もり積もった話したい事が山ほどある。
母娘三人で存分に語り合う時間のなんと素晴らしいことか。
ガールズトーク楽しいなあ。
私はもうガールという歳ではないけどね!
アラフォーですが何か?
「実はお母さん…魔女なんだぜ?」
「マジで!?ママ超かっけぇー!」
「人の身でここまで膨大な魔力量、納得です」
「ママの得意な魔法は何?」
「大根を急成長させる魔法、太くて硬いのがいっぱい収穫できる」
「ニッチすぎませんか?」
お茶とお菓子も用意して、母娘の語らいを楽しんでいると玄関扉を叩く音がした。
誰か来たみたいだ。
「無粋な来客ですね」
「居留守しちゃう?」
「そういうわけにもいかないわ。ちょっとごめんね」
私の膝を枕にして寛いでいた娘たちにどいてもらい、玄関へと向かう。
こんな辺鄙な所にある家を訪ねる人は遭難者か私の関係者に限定される。
ということは、ガブリゼルさんが来ちゃったかな?
「はいはーい。今出ますよ~」
扉を開けると翼のある神経質そうな男が姿を見せた。
誰?知らない顔だ。
格好と纏う雰囲気からして天界から来た天使だと思う。
彼の後ろにも似た格好の男女が数人控えている。
ガブリゼルさんの知り合いだろうか?
「ここにミカエリアス様とルシフェルト様が来ているな?」
「そうですけど、あなた方は?」
「すると、お前が……なるほど」
値踏みするような視線が絡みつく。
正直、不愉快だ。
なんか、この人の態度…私を見下している気がする。
まあいいや、何者なのか早く教えてほしいのだけど?
「我々と一緒に来てもらおう」
「は?いきなりなんですか、名乗りもしない相手に従う気はありません」
「残念だが、羽無しのお前に拒否権は無い」
はねなし?何言ってんの?
話が通じない系の人なら帰ってくれる?
「母さん!そいつから離れて!」
「そいつ、ガブおじの仲間じゃない。あっち行けぇ!」
「え?なっ?」
様子を見に来た娘たちが警戒を含んだ声を上げる。
同時にルーが魔法を発動、正体不明の天使たちへ向けて炎の大火球をぶん投げた。
慌てて飛び退いた直後、火球の直撃を受けた天使と玄関扉が爆発した。
ひぃぃ!家の中でそんな危ない魔法を!?
この家、火災保険とか入ってないのよ!
「ふふふ…元気なのは結構だが、少々おいたが過ぎる」
あ、生きてた。
玄関扉は無惨なガラクタになったのに、天使とその連れはピンピンしている。
火球が当たる直前に障壁を張ったか、なかなかやるじゃない。
「わかってますね、ルー。何としても母さんを死守します」
「言われなくても!」
「待って待って、何が始まるの?」
娘たちが臨戦態勢に!?
え?ここでドンパチ始めちゃうの?
せめて外で!戦うなら外でお願いします!
「ミカエリアス様、ルシフェルト様、どうか我々と来てくれませんか?お互い平和的に事を進めましょう」
「紳士ぶっても無駄です。母さんを羽無し呼ばわりした時点で、貴様は敵だ」
「うん。殺しちゃおう」
「やれやれ、天魔王の血を引く者とはいえ、所詮は子供か…」
おいコラ、今私の愛娘たちをバカにしたな?
尻に大根ブッ刺されたいのか?
「非戦闘員を守りながらどこまでやれるか、見せてもらおうか?」
「なめないでください」
「たった数人で私たちを倒そうだなんて、甘くみられたものだね」
状況が理解できないまま、失礼な天使と娘たちの戦いが始まってしまった。
参ったね…とりあえず邪魔にならないよう部屋の隅にでも退避しておこう。
天使の指示を受け、武器を構えた敵が家の中へと押し入って来た。
いつの間にかミカの手には魔力で生成した二振りのナイフが握られ、ルーも迎撃用の魔法を展開している。
狭い室内での戦いは小柄な娘たちの方に分があった。
素早い身のこなしとナイフ捌きで、敵を翻弄するミカ。
ルーは私と家に被害を出さないよう、加減しながら的確に魔法を撃ち込んでいく。
おお、二人ともいい動きだ。
訓練を受けているであろう敵の大人たちを一方的に蹂躙しているぞ。
さすが!私と旦那様の子供だね。
「キャー!二人ともカッコイイ!写真撮るから目線こっちに頂戴~」
「母さん!?緊張感が無さ過ぎです」
「余裕のあるママも好き」
便利魔道具ヤタを起動して、子供たちの雄姿を撮影しまくった。
そうだ動画も撮っておこう。
気分は、お遊戯会を見に来た親の心境である。
それにしても、うちの子たちは強い。
苦悶の表情で室内に倒れ伏す大人たち。
娘たちはあっという間に勝利を収めていた。
「雑魚だったね」
「ええ、口ほどにもありませんでした」
残すは、あの失礼な天使だけだ。
圧倒的な実力差を見せた娘たちを前に、天使の男は怯む事無くいやらしい笑みを浮かべた。
男の目は濁っており娘たちを変な目で見ている。
「子供の身でこれほどの力、いずれは天魔王にすら届きうる。素晴らしい、それでこそ、それでこそだ!」
「力だ、その力があれば我々天使が世界の支配者となる日も夢ではない!」
こいつが何者なのか、なんとなく察したわ。
ガブリゼルさんを困らせていた連中、娘たちの力をバカげた野望に利用しようとする輩だろう。
二人が天界を脱走したのを、これ幸いと狙って来た訳か。
世界の支配者とか……しょーもな。
くだらんことに、娘たちを巻き込むなよ。
「辞世の句は終わりましたか?」
「ゴミは早く片付けよう」
わぁ、娘たち敵を殺す気満々だあ。
これは止めるべきか?
部屋を汚さないよう外でやれと言うべきか?
そんな風に考えていると、窓を突き破り新たな敵が家の中へ侵入して来た。
外の様子がよく見えるようにと思って、掃き出し窓にしていたのが仇となったか。
新たな敵は屈強な肉体を誇る虎っぽい獣人だった。
そいつは最初から私に狙いを定めていたらしい。
咄嗟のことで反応の遅れた私の首根っこを引っ掴み壁に叩きつけると、刃のようにするどい爪を見せつけるように私の顔に向け突き出した。
いつでも殺せるぞ?という脅しだろう。
「母さん!?」
「ママっ!!」
あちゃ~油断した。
娘たちがあまりに頼もしかったので、傍観者に徹し過ぎた。
ガラスの散乱した窓から更に数人の敵が現れ、私と娘たちを取り囲む。
天使は指揮官の男だけで後は他種族の混成部隊みたいだ。
最初から増援を用意していたとは、娘たちの戦力を甘く見ていた訳ではなかったのね。
「母さんから手を放せ!ぶっ殺すぞ!」
「お前ぇぇぇ!許さない絶対に殺してやるっ!」
娘たちが激怒している。
はわわ、凄い殺気…
私をナンパした男にマジキレした旦那様を思い出すなあ。
獣人は天使と目配せした後、娘たちを嘲笑しながら告げた。
「母親の命が惜しかったら、おとなしく投降する事だな」
「それとも母親の命を引き換えにしても我々にたてつくつもりか!?」
オイオイオイ、
どこかで聞いたような死亡フラグを立てるんじゃないよ。
読んでくれてありがとうございます。
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