女体化して母親になったよ!天使な子供たちとファンタジー世界で幸せになります 作:きさまち
ストーカー畜生、ローリングベアを退治した後。
私たち家族は麓の町で歓待を受ける事になった。
「何はともあれ助かったぜ。小さな町だが、存分にくつろいでいってくれ」
ココボ車の御者は町の有力者である大地主の一人息子であったらしく、ご飯をご馳走してくれるだけでなく数日分の宿代までポンッ!と支払ってくれた。
そこまで強請る気はなかったので辞退しようとしたが、男は頑として譲らない。
「命の恩人なんだ、気にせず受け取ってくれよ」
「わかりました。お言葉に甘えさせていただきます」
「おう、そうしてくれ」
気前のいい男は何度もお礼を言ってから、家族の待つ家へと帰って行った。
「人助けをして報酬もゲット。みんなが幸せ、気分がいいね!」
「はい。素晴らしきWin-Winの関係です」
善行には善行が、悪行には悪行が返って来る。
世の中はそういう風にできているはずだ。
悪行三昧の汚物女には惨めな末路が予約済みだと思いたいね。
宿でチェックインを済ませ、町を散策することにした。
地上の町が初めての娘たちは、好奇心からか目がキラキラしている。
わかるわかる。初めて訪れた町は心がウキウキするよね。
これからの旅に向けて物資を買い足しておく必要がある。
観光しながら、いろいろな店も回ってみよう。
「我が子と手を繋ぎながらショッピングする、母の幸せ……ひゅふぅ」
「あ、ママが昇天しかけてる!?」
「母さんが天に召される時はご一緒します」
「いや、後追いする前に止めろよ」
幸せ過ぎて、油断すると口から魂が出そうになる。
娘たちが死ぬほど可愛いから仕方ないよね
本当に死んだら、天国の旦那様が『お前マジか?』と呆れてしまうので何とか耐えて復活しよう。
娘たちとの買い物はとても有意義だった。
ローリングベアの素材も高値で買い取ってもらえたし、必要な物が揃っている店も大体把握した。
急ぐ必要はないので、また明日にでも顔を出してみよう。
服屋にも行ってみたけど、期待したような子供服は販売されていなかった。
そもそもラインナップがなあ…
『布の服』『旅人の服』『踊り子の服』『あぶない水着』『まほうのビキニ』などなど…
なんかやらたらと薄着や水着が多い。
ここの店主は趣味が偏っていると思う。
「お客様には、こちらのあぶない水着がピッタリでございますよ」
「ここ雪国ですよね?なんで水着を売っているんですか?」
「雪国だからこそです。水着の美女が見たいという私の執念でございます」
「すごい迷惑」
万が一水着が売れても、あなたに見せるとは限らないでしょうが。
「お代は78000ゴールドになります」
「高っ…買いませんよ?」
「ここで装備していくかい?」
「買わねぇって言ってんだろ」
あぶないのは水着じゃなくて店主の頭だった。
この店はダメだと早々に見切りをつけ、別の店で下着や部屋着を揃えた。
防寒着は冒険者用の装備を扱う店で小さいサイズのを見繕った。
一応これで、当面の服装には困らないだろう。
まともな店の店員によると、帝都まで行けばデザインと機能美に優れた最新のファッションが手に入るそうな。
娘たちを本格的に着飾るのは、もう少し後になりそうだ。
「ママ、水着買わなくてよかったの?」
「寒中水泳する予定はないから、要らないよ」
「母さんは何を着ても似合います。あの紐としか言いようのない水着も着こなしてくれるでしょう」
「着ないからね」
女性用の衣服に慣れて15年、今ではもう男性用の服の方に違和感がある。
そう言えば、女になってから水着はまだ一度も着たことがなかったな。
娘たちの水着姿は見たいけど、自分の分は別に必要ない。
いざとなったら、素っ裸で泳ぐ!…かもしれない。
観光しながら買い物をして、美味しい郷土料理で腹を満たし、遊び疲れたら宿でゆっくり羽を伸ばす。
雪国の町で私たち家族は贅沢で幸福なひと時を過ごすのだった。
●
ムール帝国、皇帝陛下のお膝元である帝都。
「ただいま……って、誰もいるわけないか」
女は一週間ぶりに自宅へと帰宅した。
肩から荷物を降ろし、堅苦しい上着をソファへと放り投げ、冷蔵庫の扉を乱暴に開ける。
「ビールと、いつ買ったのか不明な酒のつまみだけ……泣けてくるわ」
仕事柄、自宅でのんびりできることが少ないため、食材の類は保存されていない。
例え食材があったとしても、激務で疲れ切った体で今から料理はしたくない。
かと言って、これから外食へと出かけるのも億劫だ。
仕方なくビールとおつまみで腹を満たすことにした。
ビール瓶の蓋を素手で外した女はそのままラッパ飲みをする。
行儀が悪い?自宅だからほっとけや。
おそらくジャーキーであろう肉を時々咀嚼しながらビールで流し込む。
んあー、どっちも美味しくない。
「都合のいい時だけ現れて世話してくれる、メイドさんがほしい」
メイドをほしいと独り言ちる女は帝国ではちょっとした有名人だった。
帝国軍所属、魔導兵団第七小隊の隊長〖セリス〗
明晰な頭脳と類まれなる魔法の才で、数々の武勲を立てた彼女はいつしか【氷の女帝】という二つ名で呼ばれるようになった。
その力は魔女にも匹敵するとされ、凛々しく端麗な容姿もあいまって、軍内部はもとより国内での人気も非常に高い。
そんな彼女がビール瓶を片手にウダウダしている姿はファンからすれば噴飯モノだろう。
「あのさぁ……そんなんだから婚期を逃すんだよ」
「うるせー!行き遅れで悪かったわね!……誰っ!?!?」
いきなり聞こえて来た声と人の気配に、ほろ酔いだったセリスは一気に覚醒する。
一瞬で魔法を発動、氷の槍を複数同時展開、予期せぬ不法侵入者へとその矛先を向けた。
「そういうのいいから」
面倒そうな一言と共に侵入者は無造作に手を振る。
それだけで、氷の槍は全て霧散してしまった。
こんな芸当ができる人物に心当たりは……残念ながらある。
「師匠。玄関に呼び鈴があるの知ってます?」
「何回も鳴らしたよ。でも出てこないからさ、ぶっ倒れているのかと思って入ったら、独身女の悲惨な現状を目撃した」
「やかましいわ!そういう師匠も独身でしょ」
「フッ…私は自分を安売りしない主義なのさ」
「安くしても売れないの間違いでは?」
「うっせぇ!お互い傷つくだけだし、この話はやめない?」
「先に振って来たの師匠なのに…」
侵入者はセリスに魔導士としての修行をつけてくれた師であった。
自分より一回り以上も低い背丈、十代前半の少女のような外見をしているが、これでも齢70を超えていたはず。
体内の魔力操作に優れた者は全身の細胞が活性化して、老化が停止するどころか、ある程度若返ることもできる。
従って、この世界では40代~60代の人間が20代の外見をしていることもザラだったりする。
膨大な魔力を有する者にいたっては、生涯全盛期の姿を保つことすら可能なのだ。
アンチエイジングのため、魔力を鍛えることを各国の医療団体も推奨している。
この細胞活性化現象は魔導士だけに限らず、魔力を普段からよく使う職業全般の人物に当てはまる。
魔女ならばその特性は更に強く表れ、自身の外見年齢を自由に変えることもできるという。
目の前にいる師匠も、その類の人間だ。
清流のように澄んだ青い長髪に、薄手のローブを着こなした女。
彼女こそ帝国が誇る魔導の最高峰にして最先端の実力者と名高い魔女。
【氷絶の魔女】その名を〖ラキエス〗という。
「とりあえず、シャワーでも浴びて来なよ。その間にご飯作っておくからさ」
「私の母ちゃん気取りですかあんたは?」
「母ちゃんみたいなもんでしょ。いいから、サッサと行って来い」
師匠はうちの冷蔵庫に何も無い事を察して、わざわざ食材を買って来てくれたらしい。
やはりオカンか…
「献立はビーフシチューでお願いしますね」
「残念、今日はクリームシチューだ」
実はこの師弟、遠縁の親戚同士である。
王国にいたセリスの才能に目を付け、帝国に呼び寄せたのもラキエスだ。
魔法を教える傍ら、彼女の生活全般にも口出ししていたため、ラキエスにとってセリスは子供のような存在だった。
本当は自分の後継者、魔女になってほしかったのだが、現皇帝陛下にその実力を買われてセリスは帝国軍に入隊してしまった。
それは嬉しい誤算であり、結果的にセリスは魔導兵団の隊長として、その才能を遺憾なく発揮しているようなので良しとする。
自分も魔女でありながら帝国軍から仕事を任せられている身だ。
セリスが魔女になるのは軍を引退してからでも遅くないかなと、ラキエスは考えていた。
シャワーを浴びて部屋に戻ると夕餉の支度が整っていた。
ビーフではないが師匠特製のシチューは美味いに決まっているので、早く食べたい。
髪を適当に乾かしてからセリスは食卓に着き、食材と師匠と、あとなんか神様とかに感謝しながら『いただきます』をする。
スプーンを持ち、シチューを口に運ぶと優しくてホッとするような旨味が口内に広がった。
相変わらず美味しいなあ。
「師匠、うちでメイドやりませんか?」
「いつ帰って来るかわからない、独身女に仕えたくないなあ」
「だったら、仕事中もずっと世話してくださいよ。タイミングよくお茶を淹れたり、マッサージしたり、愚痴も聞いてくださいよ」
「あはははは、絶対にNO!」
ちぇ!断られちゃった。
魔導兵団の任務中にも師匠がいてくれたら随分と楽ができると思ったのだが。
とりあえず、大量発生したモンスターの群れに突っ込ませてみたい。
師匠なら一人で魔導兵100人分以上の働きをしてくれるはずだ。
「んで?今やってるのはどんな任務?」
「軍の機密は話せませんよ」
「ほう、帝国軍魔導部門の最高顧問である私に隠し事かい?調べたらすぐバレるんだから教えてよ~、私と『せっちゃん』の仲じゃんか」
「せっちゃん言うな。はぁ……仕方ないですね」
飯の最中に仕事の話はしたくないけど、最高顧問様のお願いとあらば致し方ない。
「帝国領北西部の調査です。数日前に起きた局所的大規模魔力爆発…その現場へ行ってきました」
「ああ!アレね。凄かったよね~。最新の魔導感知器が計測不能の数値を叩き出してぶっ壊れたんだっけ。それも数十機が一度に全部」
帝国領北西部、荒涼とした大地と渓谷が広がる不毛の地で、原因不明の魔力反応あり、その直後に膨れ上がった魔力が暴走でもしたのか、想像を絶する規模の大爆発を起こしたらしい。
そもそも現場となった場所の環境が人類の居住に適しておらず。強力なモンスターも徘徊しているため、長年に渡り開発がまるで進んでいなかった。
そのため、帝国も持て余し気味の土地には人員の配置していなかったのである。
遠く離れた場所の爆発に気付いたのは感知器をモニターしていた研究所職員と、妙に勘が鋭い皇后陛下だけだったという。
「爆心地は広範囲が円形に抉れていました。あれはクレーターと言うのですかね?空から落ちて来る星の仕業と言われても、不思議ではないと思います」
「隕石か…その線も無いとは言い切れないけど」
「詳しく調査した結果、機械部品のような残骸を発見しました。専門家によると、ゴーレム兵の機関部に使われる物に酷似しているとの話です」
「あんな場所にゴーレムの部品だって?何だかキナ臭くなってきた」
「私の部隊が到着する前に、何者かが使い魔を飛ばした形跡もありました」
謎の大爆発、ゴーレムの部品、調査隊より先に現場に訪れた何者か。
全てが関連しているとするならば、ある程度の推理が可能となる。
「不可解だね。セリスはどう考える?」
「持ち帰った証拠品から、闇の組織が帝国襲撃のため秘密裏に戦力を揃えていた。それが、突発的な事故で全部ドカンと吹き飛んだ。こんなところですか」
「組織というのはあの殉教団だね」
「こんな大それたことをする組織は奴ら以外考えられません」
殉教団は帝国軍も手を焼いている犯罪組織だ。
セリスの部隊も何度か交戦したことがあるので、奴らの悪辣さはよく理解していた。
「うん。私も概ねその通りだと思う。思うんだけどなあ…」
「まだ、何か気になることが?」
「魔導感知器が一番最初に反応したのは別の場所だったんだよね。地図で示すと海の上かな?アレは結局何だったのかなって思ってさ」
「さあ、私に聞かれてもわかりませんよ」
「現場の写真とかないの?」
「記録用の動画を撮って来ましたけど…あっ!ちょっとカメラは乱暴に扱ったらダメ!」
「すぐ見せて、端末使わせてもらうよ」
セリスは現場の状況を魔導カメラで撮影していた。
後で別の発見があるかもしれないからと、動画も撮っておいたのだ。
でかした!と、弟子の功績を称えつつ、ラキエスは魔導カメラをセリス所有の端末へと繋ぐ。
魔法文明と機械文明が融合する黎明期に差し掛かったこの世界では、情報端末(PC)すらも存在する。
技術大国でもある帝国では、軍属の将校は端末の操作も修得済みで、セリスのように個人で所有している者も少なくない。
カメラで撮影した動画を端末に表示する。
ラキエスは食い入るように動画を見て、一時停止したり、巻き戻したりを何度か繰り返した。
独り言を呟きながら動画を凝視する師匠を放置して、セリスはデザートのアイスを食べることに集中する。
冷たくてあま~い。
やがて満足したのか、ラキエスは端末から目を離しセリスに顔を向けた。
「二体いたね。いや……二人かな?」
「急に何を言ってるんですか?分かるように説明してください」
「クレーター及び、その周辺の地形の破壊痕……何かが争った形跡が見られる。まるで、尋常じゃない力を持った二人が大暴れしたみたいに」
師匠の推理はあまりに突拍子がなかった。
クレーターを生み出し、周囲の地形を変えるほど暴れる存在が二人?
そいつが今回の大爆発を引き起こしたと?
「それはありませんよ。仮にもそんな奴らがいたとして、伝説の魔王や、過去の大戦に現れたという厄神が復活したとでも?」
「……天使、だったりしてね」
「いやいやいや、天使がそんな破壊活動をするわけないじゃないですかぁ。もう師匠ったらおバカさん」
「帝国人は天使を美化し過ぎるきらいがあるね。魔王の称号を持つ天使だっているのにさ」
「私、王国出身なんですけど…」
帝国、特に帝都に生きる者は天使に返し切れない恩があるのだ。
少しぐらい天使贔屓になっても仕方がないとセリスは思う。
「種族が違えど、天使だって私たちと同じ人類さ。家族を大切に思う心がありながら、仲間同士で傷つけ合うこともあるだろう。もしかしたら、あの大爆発は兄弟喧嘩がヒートアップした結果起こったものだったりしてね」
「兄弟喧嘩でクレーター作る人たちが、同じ人類というのは甚だ疑問です」
「私も自分で言って『ないわー』と思った」
ラキエスの推理が正解に近かったことに、二人が気付くのはもう少し先になる。
●
仕事の話を切り上げ、食事を終えた師弟はソファに座って酒盛りをしていた。
程よく酔いが回ったところで、ラキエスが懐から魔道具を取り出す。
一般家庭にはまだ普及していない、通信用の魔道具だ。
小さな板上の魔道具から表示枠が浮かび上がり、そこに文字列が映し出された。
「お!マジか!?『コルりん』近くに来てるんだ」
こるりん?
聞き慣れない名前にセリスは首を傾げる。
嬉々としている師匠の様子からして、仲のいい相手からの通信だろう。
ラキエスは表示枠を高速でタップして返信している。
何度かメッセージをやり取りしてから、彼女は魔道具をしまった。
「誰からです?」
「コルりんだよ。私の同門で妹弟子なんだ。久しぶりに会えるから楽しみ~」
師匠の同門ということは…
魔女の中の魔女であり、世界の真理に到達したとされる【永劫の魔女】の修行を耐え抜いた怪物だ。
コルりんというのは師匠が勝手に付けたあだ名。
コル…コル…コ……まさか、あの人のことか!?!?
「師匠!まさか、今の【夢幻の魔女】コルニクス様ですか!!」
「そうだよ。あれれ?せっちゃん、コルりんと面識あったの?」
「あるわけないでしょう!私のようなゴミクズ魔導士が、簡単に会えるわけないし!」
「ゴミクズって……じゃあ、何でそんなに興奮しているのさ?」
「ただのファンです!」
「はい?」
「私はコルニクス様の大大大ファンなんですよぉ!!」
「初耳なんだけど」
【夢幻の魔女】コルニクス
数年前、彗星の如く現れた美しき魔女。
世界各地、様々な場所に訪れては往く先々で人助けを行い、大した見返りも求めずクールに立ち去っていく謎の女。
その存在は噂や口コミで徐々に広まっていき、彼女を幸運の運び手や、真の英雄だと褒め称える声も上がっている。
彼女はとても可憐な容姿をしており、絶世の美少女と言っても差し支えないらしい。
その美しさには目だけでなく心も奪われてしまうと、もっぱらの噂だ。
なおかつ、それでいて非常に優れた戦闘能力を持っており、魔物の大群をたった一人で全滅させたという目撃情報もある。
そんな魔女を密かに応援し、憧れを抱いている者は国内外を問わず大勢いる。
セリスもそのひとりだったようだ。
「〖特S級冒険者〗〖ダンジョンマスター〗〖銀髪の死神〗〖最凶の母〗まだまだコルニクス様の二つ名は山ほどありますよ!くぅぅぅ、マジ半端ねぇ!!」
「そ、そうなんだ」
若干早口になっている弟子がなんかキモいなと、ラキエスは思った。
こいつ、コルりんに会わせない方がいいかも。
「師匠、お願いがあるんですけど?」
「断る」
「まだ何も言ってない!」
「コルりんに会わせろとか言う気でしょ。厄介ファンの思考なんてお見通しさ」
「誰が厄介ファンか!私はコルニクス様の不利益になるようなことはしません」
「…コルりん、過度に持ち上げられるの嫌がりそうなんだけど、どうするかなあ」
「頼みますよ師匠~。一生のお願いですから」
「あーもう、わかった。コルりんに聞いてみるよ」
一応、可愛い弟子の頼みだ。可能な限り叶えてやりたい。
自分も甘いなと思いつつ、コルりんに『弟子を紹介したいけどいい?』とメッセージを送ってみる。
すぐに『おk』と短い返信があった。
これオッケーという事でいいんだよね?
「会ってもいいってさ。くれぐれも失礼のないように、私の顔に泥を塗らないでよ?」
「よっしゃぁー!師匠の弟子になってマジで良かったぁ―!」
アラフォーらしからぬテンションで喜ぶ弟子を前に、ラキエスはやれやれと肩をすくめた。
「ああ、コルニクス様。どんな方なのかしら、きっとスタイル抜群でバイバインの巨乳美女に違いないわ!おっぱいで挟まれてぇー!」
「コルりんはどちらかというとスレンダー体型だよ」
「絶壁の魔女は黙ってろよ!!」
「おいコラ、今禁句を言ったな?私は『絶壁』じゃなくて『氷絶』だっつーの!!」
掴みかかって来る絶壁師匠をあしらいながら、セリスは憧れの人物と会える喜びに心を躍らせていた。
コルニクスの正体が何者なのか知らぬまま…
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