女体化して母親になったよ!天使な子供たちとファンタジー世界で幸せになります 作:きさまち
帝都東街区にある喫茶店。
落ち着いた雰囲気と店主こだわりのコーヒーが人気の店は客足が途絶えることはない。
窓際のテーブル席では二人の美女向かい合って座り会話に花をさかせている。
魔導士用のローブを着崩した長い銀髪の女と、栗色の髪を後ろで束ね軍服をキッチリ着こなしている女だ。
タイプは違えど二人とも若々しく生気に溢れ大変見目麗しい。
店内にいる他の客はもとより、店の前を歩く通行人が思わず足を止めて見惚れてしまうのも仕方がないというものだ。
彼女たちのおかげか、本日は客入りが普段よりも好調で店はそれなりに混雑している。
「だが、二人ともアラフォーおばさんなのであった」
「師匠、マジでうるさいです」
「フンだ!先輩なんてアラセブの癖に!」
小さく呟いたのに、弟子と同門の後輩魔女に言い返されてしまった。
影口だけには敏感な地獄耳だな。
そんな私はピチピチのアラウンドセブンティ(70代)である魔女。
人呼んで【氷絶の魔女・ラキエス】だ。
ただ今絶賛恋人募集中、汚いオッサン以外の男性でお願いします!
今日は弟子のセリスに頼まれて後輩魔女であるコルりん(コルニクス)を紹介したところだ。
コルりんを見て失神したときはどうなる事かと思ったが、今は緊張が解けたようで二人仲良く談笑を続けている。
意外だったのが、コルりんの方からセリスを呼び捨てにしたいと申し出たことだ。理由はわからないが、セリスのことを気に入ってくれたらしい。
コルりんはあれで結構ドライなところがあるから、余程の事がない限り丁寧で他人行儀な態度を崩さないはずなんだけど…やっぱり面と向かって応援されるとファンサービスをしたくなるのかな?
まあいいや、様子のおかしいセリスが嫌われなくて良かったと、今は喜ぶことにしよう。
良かったねセリス、コルりんも何だか嬉しそうだ。
まるで昔からの友人みたいに慣れ親しんでいる二人を見て、安堵すると共に私も心がホッコリして来た。
それで……
全然ホッコリしていない子たちは、母親と仲良さそうにしているセリスに鋭い眼光を向けている。
コルりんが産んだ双子の天使、ミカエリアスとルシフェルト。
母親にも勝るとも劣らない容姿を誇る娘たちは注意深くセリスを観察しているようだ。
セリスがコルりんに対し、少しでもおかしな真似をすれば容赦はしないと顔にしっかりと書いてある。
「二人ともそんなに警戒しなくても平気だよ。セリスはコルりんに危害を加えるほどバカじゃないからね」
「わかっています。ただ、セリスさんからは少々邪悪な気配を感じたもので」
「むぅ、ママにえっちいことをする気なら怒るよ」
あらら、二人ともセリスがコルりんに手を出さないか心配してるよ。
セリスにそこまでの根性はないと思うから、その辺は安心してほしいな。
「ママ、楽しそう」
「そうですね。母さんが幸せなら結構なことです」
コルりんと双子ちゃんたちは長い間離れ離れになっていて、つい最近やっと再会を果たしたと聞いている。
きっと、片時も離れることなく母親に甘えていたいのだろう。
今はそれを我慢して、母親とその友人となったセリスの交流を見守っている。
大好きな母親の邪魔はしたくないけど、本当はもっと自分たちに構ってほしい。
そういうもどかしさが、双子ちゃんたちから伝わって来る。
健気というか、いい子たちなんだなあ。
そういう気遣いのできる優しいところ、ママにそっくりじゃん。
コルりんもだけど、私はこの双子ちゃんたちのことも好きになっちゃったよ。
コルりんとセリスの二人だけで話をさせるため、私は双子ちゃんたちと一緒に隣のテーブルへと移っている。
せっかくなので私も双子ちゃんと仲良くしたいなあ。
「よーし、ここは私がおごってあげよう。二人とも何でも好きなもの頼んでいいよ」
「マジで!ひゅー!ラキぱいせん太っ腹だぁ。腹パンしていい?」
「腹パンはやめてね」
「よろしいのですか?私はともかく、ルーはアホなのでこういう時に遠慮はしませんよ?」
「ゴチになりやす!!」
おごりが嬉しいのか、ルーちゃんの機嫌がよくなった。
ミカちゃんはそんな妹の様子を見て呆れている。
これでも私は結構稼いでいるんだ。
遠慮なんかしないで、お好きに注文しちゃってよね。
メニュー表を見ながらウキウキしている二人が可愛い。
子供、本当に可愛いなぁ…やれやれ、コルりんのことがうらやましくなって来るよ。
「すごいの見つけちゃった。コレ頼もうよ」
「ほう、なかなか挑戦的なメニューですね」
ルーちゃんが目を輝かせながら何かを見つけた。
ミカちゃんと一緒にメニュー表を指差して私に『コレがいい』と訴えてくる。
こ、これはまさか…
皇后であるメガ様が考案したデカ盛りメニュー!?
こんなところで販売していたのか!
「ウルトラデラックスジャンボパフェ〖腹壊し〗制限時間内に完食すれば賞金が出るそうです」
「ちょちょ、ちょっと待って!これはやめておいた方がいいんじゃないかなあ。キミたちの小さなお腹だと破裂しかねない危険な量だよ」
「そうだね~。私もミカもこれは食べきれないや」
「あ、ちゃんとわかってくれるんだ」
「ですが、ラキエス様なら問題ないでしょう」
「はぃ??」
なんか今、妙なことを言わなかったか?
私なら問題ないってどういう…
「ラキぱいせんなら余裕だって、だって氷絶の魔女だもん」
「母さんの先輩魔女なら当然です。この程度のパフェ、3分以内に食べきってくれますよ」
「いや無理だから!魔女とか関係なく無理だから!私の体よく見て?こんな『うすほそ』がバカみたいな量のジャンボパフェ食べきれるわけないよ!」
「それでもラキエス様なら…ラキエス様ならきっと何とかしてくれます!」
「信じるからね、ラキぱいせん!」
やめてー!
絶体絶命の状況で満を持して登場した助っ人みたいな扱いするのホントやめて!
「店員さん、オーダーをお願いします。ウルトラデラックスジャンボパフェ〖腹壊し〗をこちらのうすほそ様にひとつ、私には本日のおすすめブレンドを、ルーは何にしますか?」
「キャラメルマキアート、大きいサイズでよろしゅうたのんます!」
待って!勝手に注文するなぁ!
店員もいい笑顔で『かしこまり!』してんじゃないよ。
ていうか、キミたち飲み物だけにしたんだ…
この子たちコーヒー片手に私の腹が壊れる様を観察する気だよ。
いい子たちだと思ったのに、人が苦しんでる様子で愉悦したいとか、発想が悪ガキなんてレベルじゃねーぞ。
悪魔だよ、天使の皮を被った悪魔の双子だよ。
純粋な魔族の私をビビらせるのやめてよ。
まったく、コルりんの外道なところまでしっかり受け継いでいるじゃんか!
そういえば、パパは魔王の称号持ちだったよね…
ヤダー!凶悪な夫婦から超凶悪な二世が誕生してるぅー。
皇帝陛下たちは簡単に許していたけど、帝国領北西部の巨大クレーター事件、犯人はこの双子ちゃんたちだったんだよね?
ねえ、ヤバくない?
これ真面目に世界の危機じゃないの?
双子の悪魔を製造して世に解き放ったコルりんって…
やめよう、考え出したら頭がおかしくなる。
私しーらね!子供が悪さをしたら母親のコルりんが何とかするよ、というかしろよ!絶対だからね!
心の中で私が叫んでいると、程なくして店員が注文の品を運んで来た。
双子の前に置かれるコーヒーカップ、私の前にドンッッ!と置かれたバケツサイズの特大パフェ。
「おー、すっげぇ!」
「これは、名に恥じぬ大迫力ですね」
何だよコレ、バカかよ?バカだろ?
メニュー写真よりでかいんだけど?
逆メニュー詐欺、今はうれしくねーんだよ。
明らかに、人類が一度に摂取していいパフェの量じゃない。
助けを求めるように視線を動かすと、隣りのテーブルからこっちを伺うセリスとコルりんがいた。
セリスは『バカじゃないの?』と口パクで嘲笑っており、コルりんは私と目が合うと親指を立てて『頑張れ♡』とエールを送って来た。
あのさぁ、誰の子供たちのせいで、私がこんな目に遭っていると…
クソッ!コルりんの奴、娘が愉悦するためならば先輩の腹が壊れてもいいと思っていやがる。
母娘揃って悪魔かよ!!
本当の悪魔は、天使のように綺麗な顔をしているって本当だったんだね…
「制限時間は15分となります。準備はいいですか?」
よくないよ!
店員が一番ワクワクしているの何なんだよ。
あと、周りのお客さんたちも固唾を飲んで見守らないでくれる?
えぇー、これもう私がこのバカみたいな量のパフェを食べないと収拾がつかいない感じになってない?
「大丈夫だよ、ぱいせん。ピンチのときは腹パンで元気づけてあげるからね!」
「僭越ながら、ここは私が的確なボディブローを披露致します。内蔵が反転するぐらいの威力で殴りますので、ご期待ください」
「全然大丈夫じゃないよね?元気づけるどころか、えげつない追い打ちでトドメ刺そうとしてるよね?」
ルーちゃんは善意たっぷりの笑顔で特濃の悪意をぶつけて来るし、ミカちゃんは腹パンの素振りを始めちゃったよ。
もうやだ、この双子本当に怖いよー。
「それではウルトラデラックスジャンボパフェ〖腹壊し〗の大食いチャレンジを開始します」
「え、ちょ、まっ!?」
「よーい!スタァッットゥゥゥゥッッーー!」
スタートの言い方、ウッザっ!
妙なテンションになった店員とギャラリーにはやし立てられ、私は仕方なくスプーンを握りしめた。
ええーい!こうなったら仕方ない!
やったらぁ!【氷絶の魔女】なめんなよ!
コルりん、双子ちゃんにセリス、ついでに周りで騒いでいるギャラリーどもめ、全員見てろよ!
水魔法を極めた魔女の力に振るえるがいい!!
●
「ぎ、ギブアップ…」
15分を待たずにラキエス先輩がテーブルに突っ伏して動かなくなった。
まだ3分の1しか減っていないのに完食を諦めてしまったみたい。
応援していた娘たちとギャラリーから『あちゃ~』と残念そうな声が上がる。
「ごめん、ちょっとお手洗いに…」
「ラキエス様、腹パンは?腹パンはいかがですか?」
「それはもう、いいから…うぇっぷ…」
先輩は口とお腹を押さえながらトイレに駆け込んで行く。
腹パンを準備していたミカがちょっぴり不服そうだった。
「師匠、みっともない真似を…」
「うちの子たちも悪ノリが過ぎる。ちゃんと叱っておかないと」
コラ!ラキエス先輩をおもちゃにしてはいけません!
二人とも、めっ!だからね。
私に『めっ!』された娘たちは素直に謝罪してくれた。
うんうん、ちゃんと謝れて偉いぞ。
トイレの住人になった先輩にも後で謝ろうね。
残ったパフェを廃棄するの勿体ないので、娘たちと私とセリスで食べきることにした。
バカみたいなのは量だけで味は割と良かったな。
甘味が好きな娘たちがとても美味しそうに食べて、それに触発された他のお客さんたちが普通サイズのパフェを頼む事態になった。
結果的にお店の売り上げに貢献できたようで何よりだ。
パフェの大食いに失敗したので正規料金の5000ゴールドを請求される。
元はと言えば、娘たちのせいなので料金は私が支払っておいた。
5000ゴールドで娘たちのおもちゃを買ったと思えば安いものだ。
「おもちゃじゃないっての!」
「先輩、お早い回復ですね」
「コルりんにもらった薬が効いたみたい。あー、ホントに酷い目にあった」
調子が悪そうだった先輩は、私が調合して作った常備薬を飲んだことで、お腹の不調を解消していた。
お忘れかもしれないが、私は元々薬売りをしていたのだ。
胃腸薬ぐらいパパッと作れちゃうんだぜ。
「あらゆるお腹のトラブルにカラスのマークの泥露丸!発売中です」
「買った!おいくらですか?」
「セリスには特別に友達価格で譲ってあげるよ」
「あ、ありがとうございます」
「でね、この薬をセリスの知り合い宣伝して売ってほしいんだ。そうして買ってくれた人にもまたこの薬を売ってもらって…次々にメンバーを増やしていく仕組みを作ろうと思うんだ。少しでも多くの人にこの薬の素晴らしさを伝えたいの。あ、もちろん紹介料は払うし、みんなで成功者になるチャンスだと思わない?」
セリスと目を合わせ、私の熱を伝える。
この私の熱き商魂、セリスならわかってくれるはずだ。
「素晴らしい!素晴らしいですよコルニクスさん!是非私も協力させてください」
いやっほう!うまくいった!
この調子で私の薬を売りまくってボロ儲けしちゃうぞ。
「待ってセリス!それマルチ商法だから!コルりんのアホー!なんてものを進めているんだい」
「マルチだなんて人聞きの悪い。これはネズミ講という革新的な商売方法であってですね」
「一緒だよ!とにかく!コルりんも、セリスも、バカな商売したらゆるさないからね!」
「「ブーブー!」」
「いい歳したアラフォーがブーブー言うんじゃありません!」
ちぇ!ラキエス先輩が感づいたちゃった。
やっぱり詐欺まがいの商売はダメかぁ。
どこかにお店を構えて地道に販売するのが一番だよなあ。
娘たちとも再会したことだし、そろそろ薬屋として再出発しようかなと、考えているところだ。
うーん、開店するとしたら場所にもこだわりたいし、どこがいいかな?
旅をしながらの移動販売ってのもアリだと思うし、いっそのこと薬以外も取り扱って雑貨屋みたいにしてもいいかもね。
本気で始めるなら娘たちとも相談してから決めようっと。
先輩のお腹も大丈夫そうなので、私たちは喫茶店を後にした。
今日一日で帝都をいろいろ回ったなあ。
皇帝夫妻に会ってゼルフィード様の親書を届けたことで、最重要目的は既にクリアしている。
あとは帝都をもう少し観光しつつ、これからのことを考えよう。
とりあえず今日は、どこかで宿を取って休める場所を確保したい。
「コルりん、しばらくは帝都にいるんだよね?宿の当てはあるの?」
「ちょうど今から探そうと思っていたところです」
娘たちとのんびり羽を伸ばせる、お手頃価格の宿があればいいのだが。
「こんなこともあろうかと。皇帝陛下がコルりんのために自由に使っていい物件を用意してくれているんだよね」
「マジっスかぁ!それが本当なら、お言葉に甘えまくりたいです」
「決まりだね。よし、みんな私について来な!」
「「「ついてく、ついてく~」」」
「あ、わ、私も!」
元気に先導する、うすほそ魔族に続けー!
私たち母娘と遅れてセリスも先輩の後を追って足を速める。
普段から鍛えている私と娘たち、そして軍属である先輩とセリスも当然の如く足が速かったりするんだぞ。
軽いランニングでたどり着いたのはお洒落な外観の家が立ち並ぶ住宅街だった。
タウンハウスのひとつを指差して先輩は胸を張る。
「ここだよ。中にある家具と魔道具は全部使用可能にしてあるから、ゆっくりしていってね!」
「「「おおー!」」」
先輩に紹介されたのは中々の良物件だった。
雨風しのげるだけでも十分とか思っていたら、ちゃんとした立派な家に住んでいいと言われた。
これはテンションが上がるってものですよ。
「あの、コルニクスさんたちは今日からこちらに住むのですか?」
「うん。そのつもりだけど」
「いや、隣りが…」
「あ、そうだね。期限付きとは言えお隣ぐらいには一言挨拶しておかないと」
こういう挨拶のとき菓子折りのひとつぐらい持っていくべきか?
変な人じゃないといいけど…
「えっと、隣…私の家です」
「マジで?」
なんと!隣接している隣の物件にセリスが住んでいると言う。
はっはーん。これは先輩が仕組んだサプライズというヤツらしいな。
「というわけで、今日からお隣さんだからよろしくね、コルりん」
「よろしくお願いしま……なんで先輩がそれを言うんですかねえ?」
「そりゃあ、私もセリスの家で暮らすからさ。部屋余ってるからいいよね、セリス?」
「え、嫌ですけど?」
「荷物は近日中に運び込むから、それと工房も作りたいから地下室も空けておいてね。私、綺麗好きだから掃除だけはしっかり頼むよ」
「嫌だって言ってるでしょ!口うるさい師匠との同居なんて真っ平ごめんだ!」
先輩はゴリ押しでセリスの家に住みつく気満々だった。
セリスには悪いが、先輩が近くにいてくれたら何かと便利で私としては大いに助かる。
娘たちにセクハラを働かない限りは、とても良き先輩魔女なのだ。
「抵抗しても無駄無駄無駄ッ!だよ。私がここで暮らすのは皇帝陛下の勅命なんだから」
「なん…だと…」
「コルりんたち母娘が帝都にいる間の生活をサポートしてやってほしいと頼まれているんだ。一応、双子ちゃんたちの監視役でもあるからね。ということで、セリスに拒否権はないの。理解した?」
「ぐぬぬぬ、権力に逆らえない我が身が恨めしい」
なるほど。
先輩は娘たちの護衛兼監視役を陛下から任されたのね。
天使ということが露見しないように立ち回り、最悪バレてしまっても先輩が不届き者から守ってくれる。
そして、娘たちが帝都で巨大クレーターを作らないように見張って、万が一の場合は力づくで止める役割も担っていると…
「いろいろ配慮してもらってすみません」
「気にしないで、こっちこそ監視だなんてごめんね。コルりんたちを信用していない訳じゃないけど、帝都を守る立場としては最悪の事態を想定しないといけないからさ」
「わかっています。陛下や上層部の方々にも、私が感謝していたとお伝えください」
「そう言ってくれると助かるよ」
神器を使って大規模破壊を起こした娘たちは要警戒対象ということだ。
あれほどの破壊を引き起こす姉妹喧嘩を帝都でやられては堪ったものではない。
本来なら軟禁、もしくは常に軍の精鋭部隊で24時間体制の監視網を敷いておきたい。
しかし、私たち母娘の不興を買うのも避けたいということで、ここは帝国魔導士の最高戦力であるラキエス先輩に白羽の矢が立ったということだ。
セリスはそれに巻き込まれた形になるが、一応彼女も有事の際の戦力として数えられているのだろう。
監視役が先輩とセリスだけのユルユル体制、私たちが自由に暮らせるよう、かなりの譲歩をしてもらっている。
陛下や国防を担う立場の人たちの信頼を損なわないようにしないといけないな。
娘たちがやんちゃしないよう、母親としてしっかり言い聞かせなければ!
でも、あんまり心配するのもよくないよね。
うちの子たちは身も心も清らかな天使なので何も問題がないと思う。
いきなり人をぶっ殺したり、気分次第で破壊活動を行ったり、履歴書の趣味欄に『殺戮』と記入するような子ではないはずだ。
私の可愛い天使たち、お母さんはあなたたち信じるからね。
「ラキぱいせん、お隣さんなの?やった!いっぱい遊んでもらえるね」
「〖腹壊し〗へのリベンジを果たさなければなりません。ラキエス様には胃腸を極限まで鍛えてもらわないと」
「ねえ、コルりん。この子たち、完全に私をおもちゃ認定しているんだけど?母親として何か注意することはないの?」
「二人とも、ラキエス先輩を甘く見てはいけないわ。先輩の尻尾を思いっきり握りしめると、いい声で鳴くんだからね!」
「なんで弱点教えたの!?バカなの?母娘そろって鬼畜なの?…あ、ちょ、やめ……ニャアアアァァァーー!!」
娘たちに追いかけ回され、尻尾を掴まれた先輩は悲痛な叫びを上げた。
あらあら、すっかり仲良くなっちゃって、先輩は子供に好かれるいい魔女なんですね~。
面倒見がよく母性本能も高い人なので娘たちも簡単に懐いちゃった。
お母さん、ちょっとジェラシー感じちゃう!
「セリス、お隣さんになりましたが改めてよろしく」
「こちらこそ。はぁ…師匠がいなければ、もっと素直に喜べるのに」
陛下のご厚意で素敵な住居が確保できた。
お隣は友人のセリスと先輩魔女のラキエス先輩。
ここならば、娘たちも楽しく暮らせることだろう。
人にも環境にも恵まれた帝都での生活が始まった。
読んでくれてありがとうございます。
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