女体化して母親になったよ!天使な子供たちとファンタジー世界で幸せになります 作:きさまち
どうも、娘たちからアイーン禁止令を言い渡されたコルニクスです。
何回やっても笑ってくれるから調子に乗って、隙あらばアイーンを繰り出していたら怒られちゃった。ションボリ…
食事中に披露したとき、運悪く二人とも牛乳を口に含んでいたのがマズかったよね。ミカとルーがお互いの顔に牛乳を噴射し合う壮絶な光景だった。さすが双子、タイミングも勢いもピッタリだね。
あらヤダ大変!と、思いつつ二人の顔をタオルで拭きながら笑っちゃった。それでついに娘たちが激おこぷんぷん丸しちゃったのよ。
『母さん…そこに正座してください』
『ママのバカ!もうやめてって言ってるのに!』
『ごめんごめん、二人の反応が可愛いからつい、ね?』
『ね?じゃありません。これ以上アイーンを続ける気なら、こちらにも考えがありますよ』
『お母さんをお仕置きする気なのね。望むところよ、具体的にどんな罰が下るか楽しくなって来たわ!』
『ワクワクしないでください。次に不必要なアイーンをしたら…もうお風呂はご一緒できません』
『なん…ですと…!?』
『もうママと一緒に寝ない!今日から別々の布団だからね!』
『ちょ、ちょっと待って、それだけはゆるして!』
娘たちと一緒にお風呂に入って洗いっこ、そして二人に挟まれて最高に幸せな気分で就寝する。最早それは私にとって欠かせないルーティンとなっていた。ムスメニュウムという私にのみ作用する究極の栄養素を摂取する至福のひと時、それを断たれてしまったら、私はしなびた大根より酷い魔女のミイラになり果ててしまうだろう。
うわぁぁぁぁんん!!私が悪かったァァァ!
ごめんなさいごめんなさいごめんなさーい!
もう許可なくアイーンしないから許してぇぇぇ~。
嫌だぁ、娘たちとのイチャイチャスキンシップがなくなったら、
コルニクス生きていけないよおおおお。
『わァ…あ…』
『『泣いちゃった!!!』』
私は海よりも深く反省した。
泣いて謝る私を娘たちは『仕方ないなぁ』と言って許してくれた。
寛大なご配慮に感謝感激、優しい子たちでお母さん嬉しい。
お風呂と添い寝はこれからもずっと一緒だよね。
そんな訳で、アイーン禁止令が下りましたとさ。
完敗だ…ふふふ、さすが我が愛しき娘たち。
しかぁし!これで勝ったと思わないことね。
私の一発芸レパートリーはまだまだこんなもんじゃないぞ。
いつかまた笑わせてあげるから、覚悟するんよ!
・・・・・・・・・・・
アイーンの事は置いておいて、
この度、娘たちが冒険者としてデビューしました。
はい拍手~パチパチパチ~。
それでね、二人だけで仕事をするようになったのだけど…
やはり心配で、どうしても居ても立っても居られない!
信じて待つのも母親の務めだと、最初は応援だけするつもりだったけど我慢できぬぅ!
いいよね?邪魔しないようにコッソリ様子を見るぐらいならいいよね?
バレなきゃよかろうなのだァァァァッ!!
よっしゃー!そうと決まればレッツストーキング!
念入りに変装した上で隠蔽魔法を何重にもかけ、気配を完全に遮断しながら抜き足差し足で追跡をする。緊急時用の段ボール箱も用意したから完璧だな。
いける!これで鋭い娘たちにも容易に発見されないはず。
では、娘たちを見守り隊出動するであります!
「コルりん、また何か変な事してるの?」
マジかよ!もうバレた!?
ミスったな、やっぱり最初から段ボールを装着するべきだった。
ん?待てよ、この70オーバーの癖に妙に若々しい魔族っ子ボイスは聞き覚えがあるぞ。
「…なんだ先輩ですか。脅かさないでくださいよ」
「暇そうだね。ちょうどいい、私の仕事手伝ってよ。報酬は出すからさ」
「お断りします。今の私は見守り隊としての任務中ですので」
先輩の手伝いってアレでしょ?
研究所で新魔法の開発とか、新型魔道具のテストとか…
耐久性が段違いだからといって私を実験台にする気でしょ!
先輩ってば結構人使いが荒いから、下手に手伝いを了承したらヘトヘトになるまで酷使されちゃう。
今は娘たちのことが心配なので、手伝いはまたの機会にしてください。
「ありがとう。じゃあさっそく魔導研究所へ行くよ~」
「断ったのに無視された。え?何コレ最初から拒否権ないパターン?待って先輩、うあ~引きずらないでくださいよ、本当に待って、このうそほそ意外と力強いよぉー!!」
ラキエス先輩により見守り隊の初出動が妨害されてしまった。
チクショーメ!it’s判断力足らんかった!
だが、私は諦めない。
娘たちへの愛ある限り、見守り隊は何度でも復活するのだから。
●
みなさんこんにちは、
この世で最も尊い存在から生まれた天使ミカエリアスです。
先日、母さんに勧められて冒険者になりました。
これからは私も仕事をして賃金をもらうことができるようになったのです。一足早く大人の仲間入りをしたみたいで誇らしくありますね。
私も妹も今まで何不自由なく暮らして来ました。
なので労働とはまるで縁がなく働いたことは一度もありません。
今回、冒険者として自力でお金を稼ぐ行為は初めての体験になります。
母さんは収益を得ることは二の次であり、労働を通じて私たちがより高みへと成長することを望んでいるようです。
母さんの期待に応えるためにも私は成果を上げなければなりません。
まあ、私ひとりであれば何も問題がないでしょう。
問題があるとすれば、やはり妹、ルシフェルトの存在が気掛かりです。
厄介なことに、私と妹は二人セットで仕事をするように命じられてしまいました。
気分野で傍若無人な妹は、いつ暴発するかわからない爆弾みたいな奴なので、その扱いは非常に面倒臭く、いつも私を悩ませているのです。
そんな奴と一緒に仕事をするなど不安でしかないのですが、妹を制御することも母さんに課せられた使命だと割り切ることにします。そうでも思わないとやっていられませんので。
精々、私の足を引っ張る事がないよう願いたいものですね。
それから私と妹はいろんな仕事を経験しました。
失せ物探し、飲食店での臨時バイト、倉庫の整理整頓、子供服のモデル、チラシ配りに呼び込み、フードデリバリーや各種配達、帝都近辺の森や草原での薬草やキノコの採取、安全な鉱山での魔石採掘、農作業の手伝い等々……
別に冒険者に頼まなくてもいいのでは?と、思うような雑用がほとんどでしたが、D級冒険者が受けられる依頼はこれが普通なのだそうです。
ギルド職員曰く、これも街のインフラを支える重要な仕事なのだそうです。新人冒険者の顔を帝都住民たちに覚えてもらう意味合いもあるのだと仰っていました。
そうやって仕事に取り組んでいく中で、意外な事実が判明しました。
問題児であったはずの妹が、私の予想に反して大活躍したのです。
元々物怖じせず人懐っこい妹は初対面の人に対しても臆することなく話しかけ、持ち前の愛嬌を振りまくことで円滑なコミュニケーションを図っていました。
依頼人や仕事先のウケも大変良く、特に接客業ではかなり重宝されていたと思います。
逆に私は少々人見知りするタチなので緊張からか、いつも以上に無愛想になってしまい、大人には『表情が硬い』とか『機嫌が悪いのかな?』と心配され、同年代や年下からは怖がられたりもしました。
認めたくありませんでしたが、どうやら私は思った以上に内気で対人関係に苦手意識を持っていたようです。
妹が言うには『コミュ障』と呼ばれる性質で、私と同じような悩みを抱えている人はそれなりにいるらしいです。
落ち込みました、そして悩みました。
正直、格下に思っていた妹に敗けたことも悔しいですが、会話ひとつに満足にこなせない自分が情けない。
母さんや妹相手だと何も問題ないのですが、本当にままならないものです。
そんな私を母さんは優しく抱きしめ励ましてくれました。
『元気出して、私はミカのいいところをいっぱい知ってるよ』
『ミカが一生懸命なのはきっと皆にも伝わってる。そんなに悩まなくても大丈夫だからね』
『知らない人と話すのは確かに怖いよね。でも、ちょっとだけ勇気を出して頑張ってみよう。どうしても無理だと思ったらルーや周りのみんなに頼ればいい、私も絶対にミカを助けてあげる』
母さんの激励で胸の中がスッと軽くなるのを感じました。
母さんはいつも私に温かな言葉をくださいます。
嬉しくて涙が出そうになる。
この人が母親で本当に良かったと心からそう思います。
それからの私はより一層仕事に励みました。
母さんの教えを胸に、私はちょっとだけ勇気を出します。
なるべく人の目を見て話すように心掛け、ハッキリとした口調で受け答えをするようにして、少しずつですが行動を改善して行きました。
笑顔はまだ妹に及びませんでしたが、それも今後の課題として頑張ります。中には『クール系無表情ロリ…いい!』と言ってくださる変わった方もいましたので、そこそこ需要はあると思います。
丁寧な仕事ぶりを褒められることが増えました。
事務仕事や整理整頓は得意でしたので、そういう方面の仕事では私の有用性を発揮できたのが功を奏しましたね。
妹は結構な確率でミスを起こすので、そのフォローも完璧にこなせるよう努力しましたよ。あいつ、皿を何枚割ったら気が済むんだ…
いい仕事ができると自尊心が高まります。
そして依頼人やお客さんからもらえる『ありがとう』の一言…
その言葉を聞くと、胸の中がポカポカします。
理解しました。
母さんは、このポカポカする気持ちを私に教えたかったのだと。
一生懸命働いて、誰かの役に立ち、人に喜ばれ感謝される。
自分の頑張りを自分で認められるようになる。
そういう幸せもあるのですね。
母さんのおかげで私の世界は広がりました。
これからも私はいろんな経験をして大きく成長していきたいです。
そしていつか母さんに、精一杯の感謝を伝えましょう。
稼いだお金はお小遣いにしていいと言われましたが、その使い道を思い付きました。お金を貯めて母さんにプレゼントをするのです。
母さんが喜ぶプレゼント…何がいいでしょう?
母さんの偉業を称える記念館、もしくは神殿を建ててみるのはどうでしょうか?
それともいっそ、この世界そのものを……
どちらにしろ、今のままでは資金が全然足りませんね。
とりあえず、しばらくは冒険者ランクを上げることに注力しましょう。
ランクアップして報酬の高い依頼をコンスタンスにこなせるようになる。まずはそれを目標に定めます。
待っててください、母さん。
私は必ずあなたが誇れるような自慢の娘に…
最高の天使になってみせます。
私の全ては母さんのために…
●
はろはろ~!みんな元気かな?それとも死にかけてる?
あはははは、興味ないからどっちでもいいや。
世界最高のママから生まれた、最高天使ルシフェルトだよ。
なんかね、冒険者とかいうのになって働くことになったよ。
モンスターぶっ殺すだけの簡単なお仕事だと思っていたら、最初は戦っちゃダメなんだってさ、テンション下がるよね~。
正直、この時点でかなり『かったるいなー』と思っていたんだけど…
ママがやってみろと言うから、やることにした。
ママはいつも私を大事にしてくれるの。
だから、ママが冒険者をおススメしたのは何か意味のある事だって私はちゃんと理解しているのだ。
妙に張り切っているお姉ちゃんに敗けるのも癪だし、いっちょやってみようと思う。
よし、やるからにはアゲアゲでいっくよ~。
目指せ!ママと同じ『とくえす』級冒険者!
早くランクを上げて、いっぱい殺せる仕事がしたいな。
お姉ちゃんと一緒にお仕事スタート。
よくわかんないときは、とりあえず笑っていればいいかな?
まあ何とかかなるでしょ。
ギルドで依頼を受けていっぱい仕事をした。
思ったよりうまくいったかな、うん、さすが私だね。
褒められて悪い気はしないし、タイプの違ういろんな人間を観察できて意外と面白かった。
失敗することも多々あったけど、得意の笑顔で乗り切った!
どうにもならないときはお姉ちゃんが助けてくれたし、周りの人も手伝ってくれた。おー、みんな優しいね。ここは素直にお礼を言っておこうかな?『大きなお世話になりました』で、よかったっけ?
みんなが優しくしてくれるのは私が特別可愛いからだよね。
可愛く創ってくれたママに感謝っ…!圧倒的感謝っ…!
はぁ…細かい作業や事務仕事はどうも苦手だ。
埃っぽい書庫で大量の本と書類の仕分けをしたときは、マジでめっちゃダルかった。
お姉ちゃんはこういう地味な仕事が好きみたいで黙々と作業を続けていたけど、私には無理~。
根暗でボンクラなお姉ちゃんに全部丸投げしてサボりたかったけど、私だけ逃げ出すわけにはいかないよね。ママにガッカリされたくないし、何よりお姉ちゃんに敗けたくないもん。
ああ~、面倒なことをしていると何で時間の進みを遅く感じるの?
ママにじゃれているときは一瞬で過ぎ去るのに不思議だな~。
私はママがいてくれたら、それでよかった。
他には何も要らないとさえ思っていた。
でも最近は他にも欲が出て来ちゃった。
ママがいるのは当然として、お姉ちゃんがいて、ガブ叔父がいて、ハト爺にオカマ先生にヤンキー先生、ラキぱいせんとセリス姉に、バイオレンス皇帝夫妻や、これまで私によくしてくれたみんな……みんなにもいてほしいな。
だってひとりより二人、二人より三人、三人よりもっとずっとたくさんいたら、すごくすっっごーく楽しいもんね。
それに、ママがピンチになったときに利用できる肉壁やデコイはひとつでも多い方がいい。あはっ!うっかり肉壁だなんて言っちゃったけど、みんなのことを気に入っているのは嘘じゃないよ。お姉ちゃんは私のことをサイコパス呼ばわりするけど、親愛の情だってちゃん標準装備してる……たぶんね。
最優先対象がママなのはどうあっても揺るがない事実なので、いざという時はママ以外は切り捨てる覚悟はある。
何を隠そう生まれる前から覚悟完了しちゃってるのが、この私なのだ。
もしその『いざ』が来ちゃったら、ごめんね☆
私とお姉ちゃんを冒険者にしたのも、情操教育ってヤツの一環だったんだろうね。ママ以外の人と関わる時間を増やして、初対面の人への対応や働くこと、お金を稼ぐことの大切さを学ばせる。
お姉ちゃんのコミュ障も少しはマシになったみたいだし、冒険者になった意味はちゃんとあったんだね。
全部ママの目論見通り、ママはやっぱりすごい。
私の本質は変わらなかったけど、それなりに楽しめたよ。
でも、そろそろ戦うお仕事もやりたいな。
最近、翼もしまったままだから欲求不満ってヤツだよ。
うわーん!何でもいいから思いっ切りぶっ壊したいよ~。
ママに内緒でその辺のモンスター、ひと狩りして来ようかな?
前にコッソリ単独行動したら怒られちゃったから、勝手に動くのはマズいよね。あまり心配させるとママ泣いちゃうからなあ…
そうだ!お姉ちゃん、一発だけでいいから殴らせてよ。
ダメ?ダメかぁ…ビンタならどう?譲歩したのにこれもダメか!
ケーチ!ブース!私の残りカス!!
『カスはお前だろうが!』と、キレて殴りかかって来たお姉ちゃんが怖かった!でも、その勢いで組手をしたから楽しかった。お姉ちゃんで遊ぶのは本当に楽しいなぁ。
暴力に飢えていた私は無意識に『血、血、血、血が見たい~』と歌ってたらしい、お姉ちゃんが『禁断症状か?これでも飲んでろカス』と作り立ての赤いスムージーを寄越して来た。何コレ?まさか本物の血?違う?へぇ、トマトなんだ。
最近、ママは新しく買った魔導ミキサーでスムージーを作るのにハマっている。トマトはこの間、畑仕事を手伝った農家さんから分けてもらったヤツだから新鮮だね。
甘いよお姉ちゃん、こんなもんで私の破壊衝動が収まるとで思った?
ゴクゴクゴクゴク……おいちい!もう一杯!
●
「おめでとうございます。本日付で御二人とも『C』級冒険者に昇格致しました」
ギルドの受付にて、職員が満面の笑みで娘たちの昇格を告げた。
ギルドカードも新しく加工され『薄緑』から『赤銅色』に変化している。『D』級から『C』級へとランクアップしたのだ。
娘たちが冒険者となって三週間後、二人は異例の速さでランクアップを成し遂げた。私のときはC級に上がるまで1ヶ月ぐらいかかったので、娘たちは私よりも優秀だと思う。その調子でお母さんの記録をどんどん塗り替えて行ってほしいな。
「やった!ランクアップ来たー!ついに私の時代到来、これは勝ったな」
「まだC級に上がっただけですよ。ですが、嬉しいですね」
その場に居合わせた先輩冒険者や職員たちも『よく頑張った』『えらい!』『カワイイ』と次々に称賛の言葉を送ってくれる。
娘たちも満更ではない様子で、照れながらも喜んでいた。
はしゃぐ娘たちを見ていると、私も嬉しくなる。
うんうん、二人とも毎日すごく頑張ってたからね。
依頼人からの評判もかなり良かったし、ギルドも娘たちの成果を認めざるを得なかったわけだ。
私も時間の許す限り二人をストーキングして一部始終を見ていたから、あなたたちの頑張りを誰よりも知ってるよ。何度もハラハラしてつい助け舟を出しそうになったけど、グッと我慢して耐え抜いた私もかなり頑張ったと思う。
そういえば喫茶店での仕事中、ミカに理不尽なクレームをつけたカスハラ野郎と、ルーに気安くお触りしようとしたロリコン野郎がいたのだが、何故か奴らは尻に大根が刺さった状態で病院に担ぎ込まれたらしい。
誰の仕業か知らなけど、きっと天罰が下ったんだね!
おお怖い怖い。
ランクアップしたことで仕事の幅も広がるし、これから益々活躍できるようになった娘たち。このまま冒険者として生きて行くか、はたまた別の夢や目標を見つけるのか、進路は彼女たち次第だ。
あなたたちは何にだってなれるし、どこにだって行ける。
なりたい自分になれるよう、しっかり着実に成長していってね。
そのための手助けなら私がいくらでもしてあげるから。
お母さんはいつまでも二人を応援しているよ。
「そうだ、ランクアップのお祝いをしようか。二人とも何か欲しい物や、私にしてほしいことがある?」
私は師匠と違い、頑張った子にはご褒美をあげちゃう魔女なのだ。
修行時代は師匠におねだりしても『知るかボケ』と、一蹴されていたからすごく悲しかった。私はスライム風呂とかデスソース飯とか、他にもいっぱいプレゼントしてやったのに、本当に薄情なババアである。
さあ願いを言え、どんな願いも一つだけ叶えてやろう…という風に言えたらいいが、さすがに無理があるので私ができる範囲のご褒美を選んでね。
「私たちのお願いは最初から決まっています」
「ママ、お出かけしよう」
お出かけか、いいね!
お弁当を持って景色のいい場所までピクニックとか素敵やん。
それで、二人はどこに行きたいのかな?
・・・・・・・・・・
娘たちがご褒美に選んだのは家族揃ってのお出かけだった。
目的地は暗くてジメジメして人を襲うモンスターの蔓延る危険な洞窟。
そう、ここはいわゆる…
「ダンジョンですよねー」
お弁当、一応持って来たけどさあ。
もっと景色のいい場所がよかったなあ。
「せっかくC級に上がったのです。ダンジョンに行かねば無作法というもの!ですよね?」
「これぞ冒険者って感じだね。楽しみだなあ」
花より団子、団子よりダンジョンなお年頃なのかね?
少年漫画の主人公のように目をキラキラさせている娘たちは、これから始まるダンジョン攻略という冒険を前に大層ご機嫌だ。
頭の悪い方の幼馴染みたいに『冒険王に俺はなる!』とか、言い出さないといいけど。
お気に入り登録数1000突破しました。
今後ともよろしくお願いいたします。