ホモビにでただけで異象ハンターにされる男 作:ニコラス―NICORUTH―
「 なにこれ? 」
愛用のレガリア社整新世代バイク、DRACOに乗って現地に到着した真紅であったが、そこに広がっていたのは、彼女の想像を遥かに超えた混乱であった。
逃げ惑う人々。これは分かる。ヘテロシティはその性質上、最大限の注意を払っているとはいえ、異象災害に民間人が晒されるリスクを孕んでいる。
これは管理局のお膝元という性質上仕方がない。
異象が怖くない人間なんて、それこそ異象ハンターくらいなものなのだし。
問題は、そんな一般の連中を追い立てている異象が、どれも異常だったということだ。
いや、異象とはそういうものなのだが、それらどれもが真紅には見覚えがある、というより、既視感を禁じ得ないものだった。
まず目についたのは、
『
巨大な女性のような赤い怪獣のようななにかと、
『 お前もう生きて帰れないっすね!コリンスレーザー! 』
などとパイロットらしき女の子の声とともに、レーザーをだしているドラム缶テレビと戦闘機が合体したような、ウンコ色のタギドのようななにかであった。
そのレーザーでもって怪獣諸共ビルや道路を撃ちまくり、かなりの被害をだしている。
すぐに分かった。あれは前に聴いたミーム異象というやつの一種だ。
確かAiタギドに映像作品のAi、CORA3を使用して、一昔前の特撮ドラマがさも存在したかのようににでっち上げたものがあるらしいがそれだろうか。
ミーム異象とはなんぞというホモとノンケの諸兄のために説明しておくと、ネットの流行を起源に持つ異象である。
異象とは往々にして不明瞭な存在であり、多種多様な概念であるが故に、ネットミームなどから発生したものがあるのだ。
それがこのミーム異象である。
直近でいえば、トマトデビルというE.T.Dの誰かさんから生まれたものがそうだ。
その成り立ちがゆえに未だに明確な対処法が分かってはいない。ブームが過ぎ去るのを待つしかない、まるで台風のような異象だと真紅は翳から聞かされていた。
そして、
「 レクイエム、夢をみている。タギドルフィンと母ンナが目の前で戦ってる。コリンスレーザーバリバリに撃ちまくってる。イロヒ、レクイエムになにかした。 」
「 してませんよ。こんな夢、みせたくもないですし見たくもありません。それよりもほら、来ましたよ! 」
聞き覚えのある声に向かって、タギドルフィンというのとは別のタギド異象が、飛来する。
真紅の想像を超えた混沌が、そこにあった。
「 おぉ!ケツの穴!見てないでこっち来て。 」
「 オレらもやってんだからさ。 」
「 当たり前だよなぁ? 」
「 というよりMURはん、この子前に少しだけ会ったことありますあります!あん時はなにも言わずにどっかいっちゃったけどよ。 」
「 おっそうか。だとさケツの穴。お前しっかり挨拶シルルォ! 」
「 しんのすけ、お前も女性相手にそんな口を利くんじゃない。 」
「 どうなってんの・・・ 」
その場には既に、ETDの先輩二人とあの臭い(確信)先輩がいた。
そして街はまるで映画のような大パニックである。
真紅はただ頭が痛くなるばかりで、しかもまたムラムラしてきていた。
そして・・・
「 う、うぅっ・・・ 」
「 ん? 」
足元になにかの視線を感じて見てみると、今にも泣き出しそうなウルウルとした目で見る、ポテモンがいた。
「 ポ、ポテト・・・いる? 」
「 いや御免。今微妙なとこ。 」
ポテモン可愛い・・・可愛くない?