ホモビにでただけで異象ハンターにされる男 作:ニコラス―NICORUTH―
「 来ねぇなぁ人よぉ。募集しだしてもう1週間だぞ!?
辞めたくなりますよぉ、求人募集。
・・・下のやつもやっぱうるせぇしよぉ。 」
「 うぅ、コ"コ"ち"ゃ"あ"あ"あ"あ"あ"ん"!! 」
「 コ↑コ↓ちゃんと別れたのかぁ、下の人?
まぁ、どうだっていいけどよ、近所のこと考えてくれよな、頼むよ〜。 」
翌朝。コールドシャワーを浴び終えた田所は、中々来ない応募者を待つが、連絡も来なければ、ピンポンとチャイムもならなかった。
やはり時代が移り変わっても、異象ハンターの仕事というものは彼の想像よりも狭き門だったのだろうか。
要因は分からず仕舞いだったが、少なくともポスター程度で宣伝は事足りるはずである。おそらく彼の嫌いな女が絡んでるだろうことは想像がついた。
一応、管理局は公務員、そしてヘテロシティはそんな管理局のお膝元なので、そちらのほうが社会的地位待遇は良いのだろう。
現にそちらをとって去った者もいるのだし。
「 なんでランキング一番下のエイボンがそれなりに数いて、うちはオレ一人だけなんですかねぇ!
腹に来ますねぇ!(那由多並感)軒並み管理局に人持ってかれるよなぁこれってYO!
そんなにアルフェードんとこの方が居心地いいのかよ。
なにが悪いんだ?臭いか。臭いなのかぁっ!? 」
と、少しキレてはみても、来ないものは来ない。現実は非常であった。
「 はぁ・・・このまま時間を無駄にするのも仕方がない。なにかするか。いつものように宅配なりTAXI走らせるかな。
正直嫌なんだよなぁ、来るたびに珍しい車ですねとかって言われるの。どんだけ浸透してないんだよDzillaよぉ。
もう少しヘテロシティでも商売して、どうぞって感じだよなぁ・・・ 」
人が来ないことには、ただ退屈なだけだ。
なので田所はスマホを取り出して、弄くり始める。
今の時代、ニュースを視るよりネットを覗いたほうが情報が入り、バラエティにも困らないのだ。
「 ん?ベーグルでなんか流行ってんのか? 」
ネットのある記事に関心が向き、それをタッチして詳しく覗いて視ることとした。
「 Aiタギド・・・はえ~こんなん流行ってんだ。
なんだよコイツ、ほとりんとこのラッコテレビじゃねぇか。
あいつタギタギ言ってて腹たってくんだよなぁ。
なに、あいつネットの玩具になってんのか? 」
画面をスライドしながら、記事を読んでみる。
曰く、ことの発端は、あるユーザーがベーグルにアップした動画である。
最新のノベル制作Aiを使って、骨董品屋エイボンの異骸、タギドを題材に作成したネット小説をVoiceAiで垂れ流すという内容のものだ。
最終的にタギドは酷い目に遭うというこの動画は人気を博し、次々とゴキブリでも湧くがごとく後続の動画が作られ始め、昨今は直接動画にするものまでではじめたのだという。
関連記事もエイボンへのディスりやタギド本人への批判が大半を占めている。
「 Aiを使って、タギドを遣隋使にする 」、
「 Aiを使って、タギドにタギの刻参りをさせる 」、
「 タギで狂った後 」、
「 Aiでタギドを栽培した 」、
「 Aiの力でタギド県に核攻撃を仕掛ける 」、
「 Aiを使って、タギド系映画を紹介してもらう 」、
「 Aiでタギドさんを昇天させた 」、
「 Aiでタギドさんを源平合戦に放り込む 」、
「 Aiを使ってタギドさんを指名手配犯にする 」、
「 Aiを使って、タギドを色んな漫画、アニメに登場させてみた 」・・・
といったタイトルのアクセスできるURLまで貼られていた。が、田所はなんだか見る気になれなかった。
実物を知っていると面白みより嫌悪感が増すからだ。
「 暇なヤツがいるもんだなぁ。あいつに必要なのは、極度のイジリじゃなくて、国外追放だろうに。
・・・はぁ、オレも暇だな。
まず街にでも繰り出すか。 」
田所は身なりを整えて、車に乗って外に繰り出した。