『転生したら白虎だった件 〜三上を守るため最強になった俺は、白氷竜に見初められ世界の均衡を壊す〜』 作:Hiro
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# ■第12章 学園潜入
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イングラシア王国の中心部。
そこにあるのは、ただの学び舎ではなかった。
“人類の知と権力の縮図”。
リムル=テンペストはその門前で足を止める。
「ここが学園か……」
その隣で、ハクは静かに見上げている。
白い校舎。
整った庭。
そして、整いすぎた“秩序”。
エイルが淡々と告げる。
『教育機関:イングラシア王立学園』
リムルはため息をつく。
「まぁ、平和そうに見えるけどな」
「裏はドロドロしてるタイプだ、絶対」
ハクは首を傾ける。
「学ぶ場所か」
「そうだな……まぁ、形式上は」
リムルは少しだけ笑う。
「お前も一応“潜入”だ」
「潜入」
「そう、目立つなよ」
その言葉に、ハクは少し沈黙する。
エイルが即座に補足する。
『不可能です』
「言うな!!」
門をくぐる。
その瞬間だった。
空気が変わる。
人が多い。
若い魔術師候補たち。
貴族の子弟。
そして、監視する教師陣。
リムルが小声で言う。
「……やっぱり、ここは“選別”の場所だな」
ハクは静かに歩く。
その時――
視線が集まる。
ざわり、と空気が揺れる。
「……あれ、誰?」
「あんな生徒いたか?」
「いや、あの白髪……」
リムルは即座にため息。
「ほら来た」
エイルが静かに告げる。
『注目度上昇』
「上げるな」
ハクは気にしていない。
ただ歩いているだけ。
だがその“だけ”が問題だった。
周囲が自然に避ける。
恐怖ではない。
“理解不能な美と圧”。
リムルが横で呟く。
「お前さ、やっぱり学園向きじゃねぇだろ」
「そうか」
「そうかじゃねぇ」
その時。
一人の少女が近づいてくる。
金髪。
強い魔力。
明確な意志。
リムルが気づく。
「……アリス・ロンドか」
その少女はハクを見て、固まる。
数秒。
そして――
「……なに、この人」
その声は、完全に“興味”だった。
恐怖ではない。
むしろ“好奇心”。
ハクは彼女を見る。
「なんだ」
アリスは一歩近づく。
「あなた、魔法使えるの?」
「使える」
「へぇ……」
さらに一歩。
「名前は?」
少し間。
ハクは答える。
「ハク」
その瞬間。
アリスの目が輝く。
「面白い!」
リムルが遠くで頭を抱える。
「終わった……また変なのに懐かれた……」
エイルが静かに言う。
『新規関係性形成:友好的接触』
「なんで解析すんだよそれ!!」
アリスは完全に距離を詰めている。
「ねぇハク、あなた絶対ただの人じゃないでしょ?」
「普通だ」
「絶対嘘」
即答。
ハクは少し考える。
「普通とはなんだ」
「それ聞くの流行ってんの!?」
そのやり取りを見ながら、リムルは悟る。
(あ、これダメだ)
完全に“巻き込まれるやつ”だ。
その時だった。
校内放送の鐘が鳴る。
「新入生・転入生は講堂へ」
リムルが肩を回す。
「よし、行くぞ」
ハクは歩き出す。
だがその背後には、すでにアリスがついてきている。
「ねぇねぇ、後で魔法見せてよ」
「後とはいつだ」
「今でもいいけど」
リムルが叫ぶ。
「今じゃねぇ!!」
エイルが静かに記録する。
『学園環境:不安定化予兆』
「予兆じゃねぇよもう始まってんだよ!!」
そして三人は講堂へ向かう。
そこは、“人間社会の縮図”が最も濃く現れる場所。
だが誰もまだ気づいていない。
この白い存在が、学園という小さな世界にどれほどの影響を与えるかを。