『転生したら白虎だった件 〜三上を守るため最強になった俺は、白氷竜に見初められ世界の均衡を壊す〜』   作:Hiro

26 / 31
第26章 テンペスト国家化

――――――――――

 

# ■第26章 テンペスト国家化

 

――――――――――

 

原初との接触が終わったあと、テンペストは静かに“次の段階”へ移行していた。

 

それは戦いでも進化でもない。

 

もっと現実的で、そして不可逆な変化。

 

リムル=テンペストは執務室で書類の山を見つめていた。

 

「……これ、もう国家じゃね?」

 

エイルが淡々と応える。

 

『行政機能の必要性:上昇』

 

「だよなぁ!!」

 

ハクはその横で静かに座っている。

 

だがその存在がいるだけで、部屋の空気は妙に整っている。

 

ヴェルザードは窓際で外を見ながら言う。

 

「すでに“国”です」

 

リムルが即座に反応する。

 

「いや“国です”って軽く言うなよ」

 

エイルが追撃する。

 

『人口規模・軍事力・魔素密度:国家基準超過』

 

「やめろ数値で追い詰めるな!!」

 

リムルは頭を抱える。

 

もはやテンペストは“村”ではない。

 

“都市”でもない。

 

独立した魔物国家そのものだった。

 

そこにさらに問題がある。

 

ハクの存在だ。

 

外交的に説明不能。

 

戦略的に規格外。

 

そして、周囲の“魔王・原初”から観測され続けている。

 

リムルは机を叩く。

 

「もうさ、国として成立してるのはいいとしてさ」

 

「なんで全部の問題の中心にこいついるの?」

 

ハクは静かに言う。

 

「私は関与していない」

 

リムルは即答する。

 

「関与してるんだよ結果的に!!」

 

エイルが冷静に補足する。

 

『因果寄与率:極大』

 

「やめろってその言い方!!」

 

ヴェルザードが静かに歩み寄る。

 

「国家という概念は、個ではなく集合です」

 

リムルが振り返る。

 

「まぁそれはそうなんだけどな」

 

ヴェルザードは続ける。

 

「ですが、例外が一つあります」

 

リムルが嫌な予感を覚える。

 

「言うなよ、その続き」

 

ヴェルザードはハクを見る。

 

「“中心が個体で成立している国家”です」

 

沈黙。

 

リムルが机に突っ伏す。

 

「それもう国じゃねぇだろ……」

 

エイルが淡々と分析する。

 

『中心依存型統治構造』

 

「名前つけんな!!」

 

その時だった。

 

外が騒がしくなる。

 

門の方から、報告が入る。

 

「リムル様!! 外交使節が到着しています!!」

 

リムルは顔を上げる。

 

「……どこだ?」

 

「西方諸国評議会です!!」

 

リムルの表情が一気に変わる。

 

「来たか……」

 

エイルが静かに言う。

 

『国家認識試験開始』

 

「試験って言うな」

 

ハクは立ち上がる。

 

「行くのか」

 

リムルは息を吐く。

 

「行くしかねぇだろ」

 

ヴェルザードも静かに歩く。

 

「私も同行します」

 

リムルが振り返る。

 

「当然みたいに来るなよ氷竜」

 

ヴェルザードは微笑む。

 

「当然です」

 

エイルが追撃する。

 

『戦力評価:上昇』

 

「やめろその報告!!」

 

そして、三人は外へ向かう。

 

そこにはすでに“国”としてのテンペストが広がっている。

 

整備された街。

 

組織された魔物。

 

そして、その中心に立つ白。

 

リムルは小さく呟く。

 

「……ほんと、国になっちまったな」

 

ハクは答えない。

 

ただ、その存在が“国家の核”として自然に成立している。

 

その瞬間、エイルが静かに言う。

 

『テンペスト:国家認証段階へ移行』

 

世界はもう、テンペストを“村”とは呼ばない。

 

そしてその中心にいる白き魔王は、ただ静かにそこに在る。

 

――――――――――

 

## ■第26章 終幕

 

――――――――――

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。