『転生したら白虎だった件 〜三上を守るため最強になった俺は、白氷竜に見初められ世界の均衡を壊す〜』 作:Hiro
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# ■第27章 呼称の変化
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テンペストが国家として認識され始めてから、外部からの“言葉”が変わった。
それは制度よりも早く、法律よりも先に訪れる変化だった。
リムル=テンペストはその報告書を見ながら眉をひそめる。
「……呼び方、増えてねぇか?」
エイルが即座に応える。
『外部呼称変化:確認』
「やっぱりか」
そこに書かれていたのは、単なる名前の変化ではなかった。
“魔王リムル”はそのまま。
だが問題はそこではない。
『白虎』
『白き魔王』
『境界存在』
そして――
『観測対象』
リムルは机に突っ伏す。
「最後のやつなんだよ!! 怖いんだけど!!」
エイルが淡々と補足する。
『魔王間および原初級による統一呼称』
「統一すんなそんなもん!!」
その隣でハクは静かに座っている。
何も変わっていないようで、周囲の“呼び方”だけが急速に彼へ収束している。
ヴェルザードは窓の外を見ながら言う。
「呼称は“距離”です」
リムルが振り返る。
「急に哲学やめろ」
ヴェルザードは続ける。
「呼び方が変わるということは、認識が変わるということです」
エイルが即座に補足する。
『認識再構築:進行中』
「だから説明の圧が強いんだってそれ!!」
リムルは頭を抱える。
だが問題は外部だけではなかった。
テンペスト内部でも変化が起きている。
ゴブタが言う。
「なんかハクさんのこと、みんな“白様”って呼び始めてるっす」
リムルが固まる。
「誰だそんなこと言い出したの!!」
シオンが即答する。
「自然発生です」
「自然発生ってなんだよ!!」
エイルが冷静に分析する。
『呼称の自律進化』
リムルは机を叩く。
「言語まで勝手に進化すんな!!」
その時だった。
ハクが静かに言う。
「呼び方は重要か」
その問いに場が一瞬止まる。
リムルは少し考えてから答える。
「まぁ……重要っちゃ重要だな」
ヴェルザードが静かに言う。
「距離の定義ですから」
ハクは小さく頷く。
「なら問題はない」
リムルは即座に突っ込む。
「あるだろ!! 問題しかねぇよ今の流れ!!」
エイルが静かに補足する。
『呼称安定化:開始』
「安定させるな!!」
だがその混乱の中で、一つだけ明確な変化があった。
リムルはハクを見て言う。
「……お前さ」
「三上って呼ぶの、もうやめたな」
一瞬の静寂。
ハクは少しだけ間を置く。
そして答える。
「リムル」
その一言に、空気が少しだけ変わる。
ヴェルザードが小さく目を細める。
エイルが静かに記録する。
『呼称変化:確定』
リムルは苦笑する。
「やっとかよ」
ハクは続ける。
「今は、それが正しい」
リムルはため息をつく。
「正しいってなんだよもう……」
だが、その“呼び方の変化”は単なる言葉の問題ではなかった。
それは関係の距離が変わった証拠だった。
エイルが静かに告げる。
『認識構造:更新完了』
世界は少しずつ、ハクという存在を“どう呼ぶか”を決め始めている。
そしてその中心には、変わらない白がいる。