We are Always Searching Happy Goal 作:Redemptor
SIDE - C | カリムが最終目的地をエ・ランテルに定めた後。
「……正気か?」
この世に、これほど愚かでありながら、同時にまったく予測のつかない存在が他にいるだろうか。
アインズは、その男がエ・ランテルを最終目的地に定めたのを見て、呆れを隠すことができなかった。
普通なら、自ら虎の口へ飛び込むような真似はしない。
しかし、この男は、その狂気の沙汰を本気でやろうとしている。
一体なぜだ?
「理解できんな」
何の目的があるというのか。
まさか、あのエルフを自分と同等の領域にまで鍛え上げ、そのままナザリックと魔導国に牙を剥くつもりなのか。
自分の頭では、到底理解できなかった。
もしデミウルゴスなら。
アルベドなら。
果たして彼らなら、現在の状況を見て何を考え、どのような対策を打ち出すだろうか。
「油断を誘っているのか?」
だが、これまで監視してきた限りでは、そこまで戦略的に動くタイプには見えなかった。
だとすれば、一体なぜ。
何の目的で。
まさか、ただの思いつきで?
「いや、まさか……バハルス帝国や竜王国、そして例のアガネイアと接触し、評議国と何らかの取引でもしたのか?」
実際、この男はこの世界全体を旅するかのような勢いで、あちらこちらを引っかき回していた。
常識的な視点では、まったく理解できない歩みだった。
誰が見ても、あまりにも非効率的な行動にしか見えなかったからだ。
「もちろん、エ・ランテルに入ってくれば監視はしやすくなるだろうが……」
大きな違いがあるわけではない。
しかし、彼らがエ・ランテルに入ってくれば、監視はより容易になる。
それは確実だった。
その一点だけを見れば、損はまったくない。
むしろ、計り知れない利益だと言っていい。
特にデミウルゴスがこの事実を知れば、歓喜のあまり声を上げるかもしれない。
「……少し騒ぎすぎか」
慎重になるのは悪いことではない。
だが、だからといって過剰に警戒しすぎるのも良くない。
そうだ。
もしかすると、この男を通じて何かを得られるかもしれない。
実際、この男があのエルフにかけた言葉や行動をシャルティアやアルベドに試してみたところ、効果はそれなりにあった。
だとすれば、同じ『リアル』出身であるあの男を、今後は最大限利用してやるべきだろう。
「またとない好機だ。逃す手はないな」
今後、この男がどのような奇行を見せてくれるのか。
そして、どのようなロマンチックな姿を見せ、参考になる場面を提供してくれるのか。
そんな期待を抱きながら、アインズは以前にも増して厳かに、そして非常に興味深そうに、その男の監視を続けた。
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