We are Always Searching Happy Goal 作:Redemptor
SIDE – D | カリムがエ・ランテルに定住した後。
「……つまり、あの男が自らエ・ランテルへ足を踏み入れた、ということね?」
「その通りです」
「間違いなく、そう確認しているでありんす」
「……あの男は、狂っているのかしら?」
あまりにもあり得ない。
既存の常識からあまりにも逸脱した報告を受けたアルベドは、呆れたような表情を浮かべた。
間違いなく、あの男は自分たちと約束したはずだ。
それを覚えているなら、自らエ・ランテルまでやって来るなどという狂気の沙汰に及ぶはずがない。
それなのに、あの男は自分の足でエ・ランテルへ入ってきたのだ。
「理解に苦しむ奇行を繰り返しているのは確かです。ですが、そうであっても、すべてはアインズ様の掌の上にあると言えるでしょう」
「それはそうだけれど」
どれほど強大な存在であろうと。
どれほど高い能力を持つ者であろうと。
結局は、アインズ様の掌の上にいる。
デミウルゴスの言葉は正論だった。
だが、それとは別に、アルベドはあの男の真意が気になっていた。
「それでも、監視は強めた方がいいのではなくて? 万が一に備えて」
そして、アルベドの言葉もまた正論だった。
敗北など考えてはいない。
そのような確率もない。
実際、これまでもそうだったのだから。
しかし、アルベドはあの男から、見慣れぬ感覚を強く受けていた。
守護者三人の攻撃。
それも、自分とコキュートス、そして守護者最強と謳われるシャルティアの攻撃を、あの男はたった一本の剣で軽く防ぎきった。
──その瞬間からだった。
あの男もまた、アインズ様と同類なのだ。
アインズ様のように、底知れぬ、無限とも思える存在。
そう感じてしまったのは。
用心して損はないだろう。
「不安は理解できます。ですが、やり過ぎるのも良くないでしょう」
「……単なる杞憂ならいいのだけれど」
妙な不安を抱いているアルベドに向かって、デミウルゴスは落ち着いた声で言った。
そして、そのまま興味深い話題を口にする。
「実は、私とシャルティアで直接確認してきました。心配する必要はありません」
「直接?」
「そうでありんす。少なくとも、今すぐ敵対するような気配は感じなかったでありんす」
シャルティアの言葉を聞き、アルベドはわずかに目を細めた。
それでも、完全に納得したわけではない。
「それに何より、今後はあの男とあのエルフがどのように生きていくのか。そこに重点を置いて観察していくべきでしょう」
「……どういう意味?」
「アウラとマーレ。あの姉弟にとって、非常に良い教科書になるでしょうから」
「教科書?」
「教科書、とは何のことでありんすか?」
あの男とあのエルフ女の生活。
それが、アウラとマーレにとって良い教科書になる。
一体、そこにどんな関係があるというのか。
疑問を抱いたアルベドとシャルティアは、デミウルゴスの言葉に首を傾げた。
互いに顔を見合わせて考えてみても、これといった答えは思い浮かばない。
「まあ、それは追々見守っていきましょう」
疑問を抱く彼女たちを前に、デミウルゴスは静かに笑みを浮かべた。
「彼らの生活を。そして、やがてもたらされる奇跡を、ね」
その言葉と共に。
デミウルゴスは歓喜に満ちた表情を浮かべ、邪悪な笑みをこぼした。
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