We are Always Searching Happy Goal 作:Redemptor
絶望。
望みを失うこと。
あるいは、希望そのものが消え失せた状態。
この絶望というものは、思っているよりもずっと簡単に訪れる。
特に、まったく予想もしていなかった場所から、この絶望というものは、とても明るい笑みを浮かべてやって来る。
そしてそのたびに、終わりのない地獄を贈り物のように置いていく。
信じていた信仰の揺らぎ。
国家最高戦力の離脱。
圧倒的な戦力差を持つ国家による侵略。
──それが現在のスレイン法国の状況だった。
不倶戴天の敵であるエルフどもを一日でも早く叩き潰すため、長期戦から短期戦へ切り替えた。
それ自体は悪くなかった。
実際、エルフの国を陥落寸前まで追い込んだのだから。
しかしその直後、絶望的な知らせがすべての感情を覆い尽くした。
国家最高戦力であり、人類の守護者である『絶死絶命』が行方不明になってしまったこと。
そして、本当に偶然にも、絶死絶命が行方不明になった後、魔導国がスレイン法国へ宣戦布告したこと。
やがて魔導国は、神話の中でしか見られないような軍勢を率いて攻め込んできた。
法国は、自分たちこそが最強の軍事力を持っていると思っていた。
だが、魔導国の軍勢はそれこそ圧倒的だった。
漆黒聖典の第一席次ほどの例外を除けば、法国側は辛うじて防ぐのが精一杯だった。
兵たちは秋風に舞う落ち葉のように吹き飛ばされるばかりだった。
漆黒聖典の大部分が集まって、ようやく魔導国の平凡なデス・ナイトの分隊を防ぎきれる。
その程度には、格差は圧倒的だった。
だからといって、第一席次の状況が良かったわけでもない。
自身と同等、あるいはそれ以上と推測される魔物たちを相手にしながら、危険に陥った仲間たちを守りつつ戦わなければならなかった。
火力戦。
ゲリラ戦。
あらゆる面で押し込まれた。
できることは、まぐれで敵が倒れることを祈りながら、防御しつつ後退することだけだった。
敗戦の報告が百回上がってきて、ようやく勝利の報告が一回上がるかどうか。
法国はそのような奇跡の交換比の末、一ヶ月も経たないうちに、全領土の四割を少し超える領土を魔導国に奪われた。
このままでは、法国そのものが魔導国に飲み込まれ、地図から消え去る危機であった。
しかし、驚くべきことに。
それ以降、魔導国はそれ以上前進しなかった。
占領地の安定化作業を行うか、あるいは交戦においても消極的に防衛戦を行うだけだった。
兵力の大部分も撤退した。
もう少し時間が経つと、法国は奪われた領土の一部を取り戻すことさえできた。
もちろん、だからといって戦況が明るくなったわけではない。
あくまで魔導国が占領地の安定化作業を優先し、消極的に動き、兵力を撤退させただけだ。
法国の軍勢を恐れて消極的になったわけではなかった。
いつでも再び侵略してくる可能性がある。
法国は息を潜め、最大限に低い姿勢で魔導国を警戒した。
同時に、行方不明になった絶死絶命の捜索にも全力を尽くした。
誰が何と言おうと、彼女は法国最強の戦力であり、最高の切り札だったのだから。
「番外席次、絶死絶命が戻ってくれば、少なくともこれ以上悪くなることはないはずだ」
もし再び戻ってきてくれさえすれば。
最悪、生存の可否だけでも確認できれば。
少なくとも、以前のように大きく押し込まれることはないだろう。
そのような強固な信念を持ち、彼らは数ヶ月という時間を耐え抜いた。
しかし、哀れなことに。
どこを探しても、絶死絶命を見つけることはできなかった。
捜索範囲を徐々に広げ、竜王国や評議国まで手を伸ばした。
それでも、痕跡すら見つけることはできなかった。
「それなら、魔導国に捕まったのではないか」
数ヶ月にわたる捜索でも痕跡一つ見つからない。
そのため、内部からは非常に不吉な声が少しずつ上がり始めていた。
行方不明になった理由は、すでに魔導国に捕虜として捕らえられているからではないか、と。
「狂った戯言を!」
当然、そのような声が出るたびに、誰もが火のように怒り、激しい否定の声を上げた。
だがそれは、途方もないことを言う者を叱責するためだけではなかった。
心の奥底に根づいた、人間種の絶滅に対する恐怖。
そして──戦争中に数ヶ月も見つけられなかったのなら、事実上、人類の守護者は巨悪の手に落ちたのかもしれない。
その可能性を、誰もが暗に認めていたからだった。
もちろん、確認されたものは何もなかった。
しかし、本当に。
ごく本当に。
絶死絶命が彼らに捕らえられ、殺されていたとしたら。
あるいは、最悪の形で、彼らの剣となり、法国に刃を向けることになれば。
事態は取り返しのつかない絶望へと沈むだろう。
「どうすれば良いというのだ」
暗鬱な未来ばかりを見つめ、処分を待つような日々を過ごしていた時。
非常に運良く、バハルス帝国で絶死絶命を見たという噂を耳にすることになった。
確報ではなく、あくまで噂であったため、検証は必要だった。
しかし、銀髪と黒髪が正確に半分に分かれているという外見的特徴は、この世界では非常に稀なものだ。
なぜバハルス帝国に彼女がいるのか。
そのような疑問が一瞬浮かんだ。
だが、状況を問うている場合ではなかった。
絶望の中で一筋の光を見たような感覚を覚えた彼らは、直ちにバハルス帝国へ急遽編成した捜索隊を送った。
残された方法は、それしかなかったのだから。
しかし、彼らが到着した時には、すでに彼女はそこを去ってしまっていた。
「もはや、人間種に未来はないのか」
魔導国の魔の手に落ちるという最悪の事態は免れた。
だが、だからといって状況が変わったわけではない。
最後の希望の火種を燃やす機会が、失われてしまったのだから。
認めたくはなかった。
それでも彼らは、非常に虚しい空気の中で、法国の滅亡と人間種の絶滅を待つしかなかった。
きっと、そうなるしかない。
そう思いながら、彼らは何の保証もない祈りを、自分たちの神へと捧げた。
この祈りが叶うことはないだろう。
それでも必ず叶ってほしい。
そんな気持ちで。
──すべてを放棄したからだろうか。
それとも、むしろあまりにも切実だったからだろうか。
「報告いたします! 行方不明となっていた番外席次、絶死絶命が復帰いたしました!」
絶望というものが思っているよりも簡単に訪れるように。
希望というものもまた、不思議なほど簡単に訪れることがある。
絶望とは違い、時には妙なものまで連れてくる。
それでも希望は、思いもよらない場所から現れ、人の心を弄ぶものだった。
「それは本当か!」
息せき切って走ってきた警備兵の報告に、神官長たちは絶望と希望が入り混じった声で問いただした。
その報告は嘘ではないのか。
本当に事実なのか、と。
真っ青になった顔。
希望を失いかけた瞳。
意味もなく上がった口角。
不自然に上ずった声。
非常に異質な彼らの姿に、警備兵は一瞬言葉を失った。
だがすぐに冷静さを取り戻し、自分たちがもたらした希望は嘘ではなく、真実であると繰り返し強調した。
「────そして、同行者と共に来られました」
「その同行者の名は、番外席次によれば、『カリム』とのことです」
「彼女から聞いたところでは、六大神と同じく、『ユグドラシル』から来た存在であると────」
警備兵は、番外席次から直接聞いた内容を追加で報告した。
その内容を聞いた神官長たちはもちろん、その場にいたすべての者たちが、一斉に言葉では表現できない表情を浮かべた。
無事に帰還しただけでも、とてつもない知らせだった。
それなのに、同行者を連れてきた。
しかもその同行者が、六大神と同じくユグドラシルから来た存在だという。
世の中に、そんな確率が一体どれほどあるというのか。
あり得ない確率。
そのあまりの出来事に、その場はたちまち大騒ぎになった。
本来ならその騒ぎを制止しなければならない神官長たちも、気づけばその大騒ぎに加わっていた。
それほどまでに、彼らは小さな希望に飢えていたのだ。
「これは六大神の再臨だ」
「人間種は、まだ見捨てられてはいない」
「即断するのは早いだろう。だが、絶死絶命と共に来たのであれば、魔神ではなく、善なる神である可能性が高い」
数多くの言葉が飛び交った。
だが、概ね考え自体は似ていた。
人間種は見捨てられていない。
これは後代の神の降臨である、と。
「────やめよ!」
全員が狂奔に近い状態で騒ぎ立てている中。
それでも正気を取り戻した闇の神官長、マクシミリアンが、大きな怒号を何度も飛ばし、その騒ぎを鎮めた。
普段であれば、ここまで前に出ることはなかっただろう。
だが、場の中心を取る者が誰もいなかった。
そのため彼が声を上げると、場内は瞬く間に静まり返り、誰もが闇の神官長を見るようになった。
その視線を受け、マクシミリアンは少し間を置き、軽く咳払いをしてから言葉を続けた。
「────皆、喜ばしい気持ちはよく分かる。だが、このように騒がしくしていては、後ほどお会いする神への礼儀に反するのではないか」
正論だった。
いくら絶望的な状況であっても。
このように整わず、統一されないまま、亜人のように振る舞えば、せっかく訪れた神は我々を見限って去るかもしれない。
そう考えた瞬間、場内は一同静まり返った。
「正論だな。では、最大限身なりと場を整え、神をお迎えに行かねばなるまい」
周囲が完全に静かになると、マクシミリアンに続いて正気を取り戻した神官長たちは、冷静に現状を収拾し、今すぐできることを決めた。
「では、皆で行こう。神を、迎えに」
───────────
「アンティリーネ、ここの人たちは元々あんなにせっかちなのか?」
「え? 違うと思うけど? でも、それはどうして?」
「いや、言葉もものすごくどもっているし、敬礼や動きなんかも、何というか……何も考えずに動いているみたいでさ」
スレイン法国に到着した後。
カリムは、自分が予想していた姿とはまるで違う光景を目にしていた。
法国の警備隊は右往左往し、慌てふためき、軍規など微塵も感じられない様子を見せていた。
そのため彼は、多少心配そうな声でアンティリーネにそう尋ねた。
「え、分からないわ」
やや突拍子もないカリムの質問に、アンティリーネはわざと知らないふりをして、適当に答えた。
普段、そこまで大きく気にしたことがなかったためでもある。
確かに、彼らはものすごく焦っているように見えた。
正気を失っているようにも見えた。
だが、そういう部分だけを見て軍規がないと判断するカリムが、少し不思議でもあった。
──同時に内心では、これらはすべてカリム、あなたのせいよ、と言ってやりたかった。
法国の人間にとって、六大神が持つ意味はとてつもなく大きい。
それなのに、その六大神と同じ場所から来た存在が現れた。
しかも外見的には、事実上人間に見える存在だ。
さらに、その存在が自ら法国へやって来た。
それは神の再臨であり、まるで救いの手を差し伸べられたような形でもある。
法国の誰をあの場に連れてきても、きっと同じような反応を見せただろう。
「そうか? 変だな」
わざと誤魔化す彼女を見て、カリムは少し奇妙な気分になった。
だが、特に重要なことではなかったため、そのまま流すことにした。
「お?」
そうして、どれくらいの時間が流れただろうか。
遠くから、人々が猛烈な勢いで走ってくるのが見えた。
それを見たカリムは、少し呆れたような表情で眺める。
いくら考えても、法国という場所は、せっかちな人たちばかりいるようだった。
「神よ、ようこそおいでくださいました」
神官長たちはもちろんのこと。
高官たち。
警備兵たち。
そして、ほぼすべてと言ってよい特殊部隊までもが。
普段の権威や威厳など考えもせず、皆がカリムの前に跪き、彼を迎え入れた。
──その瞬間、カリムは一気に気分が悪くなりそうになった。
だが、隣にいるアンティリーネを見て、辛うじて落ち着きを取り戻す。
一体、この歓迎の挨拶は何なのだ。
そして神という称号は、また何なのか。
彼らにとって、ユグドラシルとは一体どういう意味を持つのか。
疑問に疑問が重なったが、今すぐ答えが出るものではなかった。
「────アンティリーネ」
「今はただ、合わせておいて。後で私が全部叱っておくから」
カリムは瞬間的に不満を表に出そうとした。
だが、それに気づいたアンティリーネは、急いでカリムを制止しながら言った。
その姿にカリムは、彼らの反応が多少疲れるものであるとは思いつつも、ここが彼女の祖国であることを思い出す。
ひとまずは彼女の言葉に従うことにした。
この先、どんな面倒な出来事が起こるのか。
まったく予想もできないままに。
本日もお読みいただき、誠にありがとうございます。
明日もまたお越しいただけますと幸いです。