We are Always Searching Happy Goal   作:Redemptor

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We are Always Searching Happy Goal - 40

「それでは、魔法のハンドベルが鳴りましたら、開始です」

 

法国に到着した翌日。

 

神官長たちはカリムに、神にふさわしい空間を用意しようとした。

 

しかし、それをひどく負担に感じたカリムは彼らの提案を断り、そのままアンティリーネの部屋で、彼女と一緒に眠ることを選んだ。

 

その姿に神官長たちは当然ながらひどく戸惑ったのだが、それは少し後の話である。

 

カリムは法国を適当に見物し、適当に怠けてから帰るつもりだった。

 

そんな時ふと、自分が第一席次に言った言葉を思い出す。

 

そして、フィードバックを口実に、即興でアンティリーネに手合わせを求めた。

 

思いがけない要請に、アンティリーネは少し悩んだ。

 

嫌なわけではない。

 

ただ、自分の強さにすらついてこられなかった者たちが、カリムの強さについてこられるのか。

 

それが心配だったのだ。

 

それでも、未来を考えるなら、理解できずとも見せておいた方がいい。

 

そう判断し、アンティリーネはカリムの提案を承諾した。

 

神と神人の手合わせ。

 

その知らせは、すぐに聖殿内部へ知れ渡った。

 

手合わせの参観者は、法国のすべての特殊部隊と神官長たち。

 

あまりにも即興で開かれたため、彼らは大いに喜びながらも同時に慌てふためき、聖殿周辺の指定された場所へと集まってきた。

 

決して見逃してはならない、非常に大きな出来事。

 

見逃すわけにはいかなかった。

 

そして、見逃してもならなかった。

 

そうして参観者がすべて集まり、張り詰めた緊張感と神聖な雰囲気が場を満たす中。

 

占星千里の合図に従い、神と神人の手合わせが始まった。

 

「はぁ、あああぁっ──!!」

 

合図が下された直後。

 

探り合いすらなく、アンティリーネが先にカリムへ突進した。

 

現在、彼女が手にしているアイテムは、六大神の神器ではない。

 

彼から贈られた『死の舞踏』だった。

 

最初、彼らは番外席次の手に、六大神のアイテムではなく、生まれて初めて見るアイテムが握られていることに気づいた。

 

六大神のアイテムはどこへ行ったのか。

 

そんな考えが一瞬、彼らの頭をよぎる。

 

だが、その悩みも本当に一瞬だけだった。

 

神と神人の激突。

 

それを目の当たりにした瞬間、すべての神経をそちらへ集中せざるを得なかったのだ。

 

「あれが、神の武力なのか……」

 

単なる手合わせであるにもかかわらず、そこからあふれ出る圧倒的な武力と速度。

 

そのあまりの雰囲気に、彼らは戦慄するしかなかった。

 

同時に、決して到達できない境地に対する恐怖と敬畏の念を抱く。

 

「────!!」

 

「おっと」

 

圧倒的だったのは、武力と速度だけではない。

 

弾き出される余波もまた、圧倒的だった。

 

あくまでも余波であるため、彼らのレベルでも、見てから防いだり避けたりすることはできた。

 

だが、余波だけで周囲に被害を与えるその様子は、あまりにも常識外れだった。

 

「はぁぁぁぁ────!!」

 

そうして余波を防ぎながら、間近で手合わせを見守っているうちに。

 

手合わせそのものは、いつの間にか序盤を越え、中盤へと向かっていた。

 

番外席次は、彼の攻撃をなんと二十回も受け流していた。

 

ごくたまにではあるが、すれすれのところで反撃する機会を掴むことさえあった。

 

「やるじゃないか、アンティリーネ!」

 

以前とは確実に変わったアンティリーネの姿に、カリムは軽く微笑みながら、豪快に言った。

 

まだ、リミッターをすべて解除したわけではない。

 

しかし、手加減しているわけでもなかった。

 

速度に関して言えば、アンティリーネがここからさらにレベルと経験を積めば、完全に解除することになるだろう。

 

その境地まで、残りはわずかだった。

 

力に関しては、まだかなり余裕がある。

 

だが少なくともカリムから見て、アンティリーネは力よりも速度をさらに磨き上げる方が効率的だった。

 

そのため、今のところ問題になる部分はなかった。

 

「ちっ!」

 

数日前よりも、力も速度も上がっている。

 

現在の自分は、カリムと出会った頃と比べれば、あらゆる面で確実に強くなっていた。

 

それは自分でも体感できるほどだ。

 

数日前と比べても、少しではあるが確かに伸びている。

 

そしてそれは、カリムの状態もまた同じだった。

 

数日前よりも、彼の速度はさらに速くなっている。

 

ようやく目で見てついていけるようになっていたはずなのに、格差が再び開いた。

 

「ここね!」

 

あまり勘だけに頼るな。

 

それはフィードバックの過程で出た言葉だった。

 

彼女自身も同意していた部分だ。

 

しかし、今はそれを気にする余裕などなかった。

 

せめて力だけでも少しは拮抗しているならともかく。

 

力も速度も、アンティリーネの立場からすれば、相変わらず不条理だった。

 

──使える武技は、すでにすべて使っている。

 

集中もまた、これまで以上に研ぎ澄ませている。

 

結果は今回も同じだろう。

 

それくらいは分かっていた。

 

それでも、本能的に、二十一回目の攻撃を受け流した。

 

鉄と鉄がぶつかったにしては、あまりにも大きな轟音が響く。

 

その轟音に耳が震えるような感覚を覚えたが、アンティリーネは意に介さず、彼へ剣を振るった。

 

カリムがわずかに驚きながら、二十二回目の攻撃を仕掛ける。

 

今回も、彼女は受け流した。

 

二十一合目よりもさらに強烈な轟音が響き渡り、空間そのものを震わせる。

 

「────!!」

 

ここまで受け流すとは。

 

二十回までは予想していた。

 

現在、ユグドラシルのレベルで見れば九十三程度。

 

そして実力は、今まさにレベル八十の入り口に到達したように見えた。

 

レベル六十にすら届いていなかった最初と比べれば、かなりの上昇速度だ。

 

だからこそ、適度にリミッターを解除し、適当なアイテムを使う自分の攻撃を、それくらいまでは受け流すだろうと予測していた。

 

しかし、先ほどの二十一、二十二回目はまったく予想外だった。

 

いくら自分と修練や手合わせを続けていたとはいえ、上昇幅が凄まじい。

 

少し妙な例えだが、株やコインで言うなら、仕手株扱いされても文句の言えない伸び方だった。

 

「誇らしいな」

 

カリムは内心で誇らしげに、軽く呟いた。

 

そして、今の状態なら、もう少し解除しても大丈夫だろうと判断する。

 

「────それじゃあ、もう少し上げてみようか」

 

「何を────」

 

二十二回目以降、カリムは前回のように。

 

いや、前回よりもさらに速く、連続で攻撃を仕掛けた。

 

本当に、刹那の間に攻撃が押し寄せてくる。

 

三回か。

 

それ以上か。

 

目で追うことは、すでに諦めていた。

 

本能的に。

 

感覚だけで受け流す。

 

二十三。

 

二十四。

 

二十五。

 

そして、二十六。

 

「はぁっ────!!」

 

二十合を超えた時点で、身体はすでに限界を超えていた。

 

これ以上無理をすれば、大変なことになりかねない。

 

死地でもなく、恋人との単なる手合わせで大変なことになれば、本当に滑稽だろう。

 

それでも、アンティリーネは今回も限界を超えようとした。

 

「くっ……!」

 

奇跡のように二十六回目の攻撃を防ぎきる。

 

直後に来る二十七回目も、押し負けることなく受け止めた。

 

そして、次なる二十八回目。

 

ごくわずかな隙だった。

 

彼女としては初めて見る、ほんのわずかな隙。

 

二十七回目の後、姿勢を立て直す瞬間が見えた。

 

アンティリーネは自分の姿勢が崩れているにもかかわらず、目標に到達するという一念だけで剣を突き出した。

 

アイテムを握る手に、非常に久しぶりの感覚が伝わる。

 

漆黒聖典の絶死絶命だった頃には、常に感じていた感覚。

 

攻撃が。

 

打撃が。

 

成功した。

 

そしてその感覚は、カリムもまた感じていた。

 

彼女と出会ってから、初めて感じる感覚だった。

 

油断したわけではない。

 

手加減したわけでも、なおさらない。

 

リミッターをさらに少し解除したにもかかわらず、完全に、彼女自身の努力だけで到達した一撃だった。

 

カリムはその結果を、当然のように誇らしく思った。

 

ただ、今はまだ手合わせ中だ。

 

残念ながら、その感情を表に出すことはせず、そのまま次の攻撃へと繋げた。

 

「きゃ、あっ────!!」

 

二十九回目。

 

姿勢が完全に崩れていたアンティリーネは、そのまま地面を転がった。

 

体力も精神も、激しく消耗していた。

 

普段なら気絶していただろう。

 

だが、初めて有効打に成功した喜びのおかげか、前回のように意識を失うことまではなかった。

 

「しゅ、終了────!!」

 

神話の戦いのようだった手合わせは、アンティリーネのリタイアによって終わった。

 

アンティリーネが自分の横すれすれを飛んでいくように倒れると、占星千里は畏敬と恐怖の入り混じった表情で、悲鳴のように終了を宣言した。

 

以前見た魔導王の力。

 

そして今、目の前にいる神の力。

 

最近になって圧倒的な力を立て続けに目にしたせいで、占星千里は完全に廃人になる寸前だった。

 

「これが、神……」

 

「と、とうていついていけるはずが……」

 

「法国にさえお越しいただければ……」

 

手合わせを見守っていた神官長たちと漆黒聖典の隊員たちは、多種多様な反応を見せた。

 

真剣に手合わせを見守る者。

 

占星千里のようにパニックに陥り、終始恐怖の目で見つめる者。

 

そして、法国の後代神として降臨していただくことを、いまだに諦めきれない者。

 

「よお、アンティリーネ」

 

カリムは自分を見つめている彼らをちらりと見た後、アンティリーネへ近づき、手を差し伸べた。

 

「大したものだ。リミッターをほとんど解除した状態で、有効打を食らうとはな」

 

「ふふっ、そう? じゃあ次は、リミッターを完全に解除したあなたを相手に有効打を入れることが、私の宿題になりそうね?」

 

アンティリーネは、少し冗談めかして褒めるカリムの手を握り、ゆっくりと立ち上がった。

 

声は多少大げさに聞こえた。

 

それでも、彼の眼差しに嘘はなかった。

 

それを感じたアンティリーネは、素直に誇らしい気持ちになった。

 

「ワハハハハ! そうだ、そうこなくちゃな!」

 

本当に、手に負えない。

 

彼女らしく、非常に唐突に次の目標を定める姿に、カリムは豪快に笑いながら言った。

 

「お疲れ様でした!」

 

そうしてカリムが幸せそうな表情でアンティリーネと話している頃。

 

神官長たちと漆黒聖典の隊員たちは、いつの間にか近づいてきていた。

 

そして第一席次が代表して、二人へ挨拶した。

 

先ほどよりもさらに迫力のある挨拶をする第一席次を見て、カリムは小さく微笑んだ。

 

「良い勉強になっていればいいんだがな」

 

「十分でした!」

 

もしかすると、こいつにも可能性があるかもしれないな。

 

アンティリーネほどではない。

 

それでも、この黒髪の男性――第一席次からは、かなり強い気迫が放たれていた。

 

ポテンシャルもまた同じだ。

 

機会があれば、アンティリーネとは違う形でこいつの師匠になり、教えてみたい。

 

そして後でアンティリーネとの間に子供が生まれたら、その子の師匠を頼みたい。

 

そんな欲望が、ほんの少しだけ湧き上がった。

 

「それじゃあ、デートに行ってみるか!」

 

ただ、そうしてしまうと、それを口実に無理やり法国を導かされる可能性もある。

 

カリムは適当に考えを整理した。

 

そしてアンティリーネを軽く抱き寄せ、皆の前で、まるで「アンティリーネはもう俺の女だ」と宣言するかのように言った。

 

その姿に、神官長たちはもちろん、漆黒聖典の誰もが驚いた。

 

番外席次が彼におとなしく抱かれたことも驚きだった。

 

だが、それ以上に彼女の表情が、普段彼らが知っている番外席次の姿ではなかった。

 

妙に恥ずかしがる、平凡な女性の表情をしていたのだ。

 

「あの時のあの言葉、本当だったのですか」

 

第一席次はそんな彼女の姿を見て、誰にも聞こえないように呟いた。

 

私に勝てる男なら。

 

そんな男と子供を作ったら、果たしてどんな存在が生まれるのか。

 

今でも鮮明に覚えている、番外席次の言葉。

 

確かに、あの時は。

 

私は誰とも結婚しないだろうし、誰の子供も産むつもりはない。

 

そういう意味だと思っていた。

 

しかし、昨夜の発言もそうだ。

 

今見せている姿もそうだ。

 

誰が見ても、彼女は神の子供を望んでいるように見えた。

 

私、あの人の子供、産むわ。

 

どうして、だなんて。

 

私を救ってくれたし、私より強いから?

 

行方不明になり、生死が確認されるまで半年を超え、ほとんど一年近い時間が経っていた。

 

その間、神と共に過ごしながら、心境の変化でも生じたのだろうか。

 

それとも、あの時の発言こそが本心だったのだろうか。

 

だとすれば、自分も。

 

そして法国の全員も。

 

これほど長い時間を共に過ごしていながら、番外席次について何一つ分かっていなかったのではないか。

 

番外席次の容姿は、確かに美しかった。

 

しかし、だからといって、特に彼女を慕っていたわけではない。

 

異性としての感情があったわけでもない。

 

仲間としての情と、高い境地にいる者への畏敬の念。

 

その方が大きかった。

 

それにもかかわらず、第一席次は初めて感じる感情に混乱していた。

 

もし、今目の前にいる神が、最初から法国に降臨し、導いていたなら。

 

そうであったなら、どんな結果になっていただろうか。

 

番外席次は、今のような姿で皆を導いていたのだろうか。

 

同じ神人として、より高い境地のために共に力を合わせていたのだろうか。

 

──やや深く、深刻な思考に沈んでいた頃。

 

皆と軽く挨拶を交わした二人は、いつの間にかその場を立ち去り、法国の市内へと向かっていた。

 




本日もお読みいただき、誠にありがとうございます。
明日もまたお越しいただけますと幸いです。
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