黄金のキバがダンジョンに迷い込むのは間違っているだろうか 作:蛇弟
ある街の近くの森のハズレに少年とコウモリのような生き物が居た。
少年は短く粗雑に切られているがそれでも綺麗な黒髪に紅い目をしていて服装は黒を基調とした布服、革靴を履いておりその上に古びた裾がボロボロのローブを羽織っている。
コウモリ?は少年と同じ紅い目に羽や耳?に金色の装飾をつけておりどこか無機物を思わせる見た目をしている。
「ほい、これ食っとけ。それとあそこだよな。」
「ング。あぁ、あそこのはずだぜ」
「もう一息ってところだな。」
少年の頭ほどある革袋の口を開け、干し肉をコウモリに渡しながら自身も口に咥えながら口を締め、肩に紐を掛け背負いながらハズレから見えている街...『オラリオ』に向かっていく
少年、蝙蝠移動中...
多くの冒険者たちが行き交う大都市、オラリオ。
その都市の周りを囲うようにして聳え立つ石壁、大都市への入口となる大きな門を前に1人とフードに隠れている1匹が見上げる。
「着いたは良いが、時間かかりそうだな...」
『まぁ、仕方ねぇと思うぜ?』
「まぁこんだけ人がいたらな」
キバットとコソコソ周りに気づかれないよう話しながら前の方を見ると、馬車に乗った行商人だったりやたらガタイのいい剣士だったり、多種多様な人がぞろぞろ並んでいる。
(まぁ、そりゃ世界の中心なんか言われてるぐらいだ。こんだけ集まるわな〜....聞いた噂じゃここにいるって話だが...連中、いなかったらまたどっかに探し行かんといけん。)っと次か」
入門受付の人に軽く会釈し、ここに来た目的を話す。それを聞いた門番が渋い顔をする。
「君も冒険者志望なのかぁ...なんとも間が悪い」
「今何か起きてるんですか?」
「今のオラリオは闇派閥イヴィルスが多くできて治安も悪化してきていてね。俺も門番として不審人物は通さないようにしてるんだ」
「へぇ...闇派閥、ですか」
(なんつーか、世界超えても変わんねぇな人間ってよ。)
世界超えても人間は人間よ。だから悪事を働こうとするやつもいればそれを抑える奴らもいる...まぁ、揉め事は勘弁なんだけどねぇ....
「革袋の中身もポケットも見せましたし、これで検閲って終わりですかね?」
「いや、最後に背中に神の恩恵ファルナが刻まれてないか確認させてくれ。」
「うーす....ウライケ」ラジャ!
そう言われてローブを片方肩から下ろし背中が見えるように服を捲る。
「よし、神の恩恵は刻まれてないな。行っていいぞ。事件に巻き込まれないようにな!」
「ありがとうございました。事件に関しては向こうから来ない限り首なんて突っ込みませんよ、めんどくさい。」
服装を整えた少年は門番にお礼を告げ受付を抜け、オラリオ内部に入る...すると先程の門番に呼ばれる。後ろを振り向くとこちらを手招きしており何かと思い戻る。
「どうしました?」
「言い忘れてた、今のオラリオの夜は仮に恩恵を貰ったとしても出歩くなよ」
「どうしてですか?さっきの闇派閥ってやつのせいですか?」
「いやそれもあるが違う。どうも妙な噂があってな」
「噂...?」
呼び戻されたのが妙な噂だけだと分かり思わず顔を顰めるが続きを聞くと目を開きより顰めるの深くなる。
「あぁ、オラリオは本来魔物が地上に出てくるなんてことは無いんだがその地上で夜に魔物を見たって噂がな。それも誰も見たことがない新種らしき、な」
「地上に魔物...しかも街中、このオラリオで...ですか?」
「あぁ、しかも妙な半透明な牙みたいを浮かせて人に突き刺して何か吸い取ってる所を見たって話まである。」
「半透明な...牙」
「まぁ、取り敢えず話はそれだけだ。悪かったな、わざわざ呼び戻して。行っていいぞ」
「いえ、ありがとうございます。助かりました、では」
「おう、行ってこい」
( '-' )スゥゥゥ↑....思いっきり『ファンガイア』いるじゃねぇかぁ!?
どうなってやがるぅ!?あれぇ?ここ日本でも地球でも無いよねぇ!?
「もう...訳分からん....」
(激しく同意だぜ...なんでファンガイアがいんだよ...)
「今のところ連中が連れてきた線が濃厚だな...考えるのやーめた...あそこのリンゴでも食うか...おっちゃん3個くれ」
「まいど!」
思いがけないところでとんでもない話を聞いてしまい、動揺する少年とコウモリモドキ。少年が入口を抜けると見たことがあったりなかったりする食べ物や武器を売ってる店などの建物が乱立しており、多種多様な種族がいることに少し羨ましい...と言うべきリンゴを齧りながらだが思いが湧いてくる。
「...本当に他種族がいっぱいいるんだな。少し羨ましい、かな。正体を隠さなくてもいいんだから...このリンゴウマっ。オレニモクレ!....お前は後でな、今やったらフードにリンゴしまう変人になっちまう。チェ」
フードの中に隠れているコウモリに苦笑しながら歩みを進める。
しばらく歩みを進めていると突然視線を感じとったので感じ取ったのを悟らせないようにさりげなく辺りを見渡すと金髪の綺麗な少女がすごい目でこっちを見ていた。横には緑髪の美麗のエルフが立っていて少女がどこを見ているかは気づいていないようだ。
「....これ完全に見られてるよな、俺。」
(当たりだと思うぜ...つってもオレ様は見えねぇけどよお)
「試しに撒いてみるか...?」
そう言って後ろ側にあった路地に入り駆けていく。そのまま走りながら少し後ろを向くとすぐそばに先程の少女がいた。
「ヘァ!?なんで!?結構距離あったよね!?」
「あの程度ならあってないようなもの...それよりなんでモンスターと一緒にいるの?」
「ッ!?...なんの、ことかな!!」
「答え...って!!」
「グエ!?」
かなりの距離があったはずにも関わらず少女はすぐそばにいて尚且つモンスター...コウモリモドキのことを勘づかれており動揺のあまり速度が一瞬落ちるがその隙をついて少女にフードを捕まれてしまう。
「げふっ!?い、いきなり人のフード掴んでそれごとぶん投げて奪うやつがどこにい...居たわ、目の前に...」
「むぐっ...ん、多分のフードの裏に...居ない?」
「(ヒューセーフ!投げ飛ばされる瞬間に視界が隠れたぽいから上手く逃げれたぜ!んじゃこのまま逃げさせt)」
「おい!アイズ、どこに行って....なんだ、このコウモリ?は」
「しまったァ!?オレ様としたことが!?後ろの気配に気づかないとは、キバットバット三世一生の不覚!?」
少年が少女に捕まり投げ飛ばされ無理やりローブを剥ぎ取られる瞬間、一瞬少女には大きかったのかそのまま被さってしまい視界が塞がった隙に改造フードの裏から出て少女の背後に回ってトンズラここうとしていたコウモリモドキ...『キバットバット三世』はすぐ背後に置いていかれていたのであろうエルフの女性に見つかってしまい一瞬固まってしまう。
「バカ!んな事言ってる場合か!上に避けろ、キバット!!」
「ッ!?あっぶね!?なにしやがんだ、嬢ちゃん!」
「いいからはよこっちこい、キバット...あ」
「ん、外した...でも次は当てる...!【
アイズと呼ばれた少女がキバットの後ろから斬りかかるが、少年の声によりギリギリで躱す。続いてアイズがな何かしようとしていたがいつの間にか背後に立っていたエルフが拳を掲げているのを見て少年はキバットを呼び寄せながらこの後の展開を察してしまった。
「はぁ....取り敢えずやめんか、アイズ!!」
「ふぎゅ!」
「「知ってた」」
少年とキバットの予想通り、見事に綺麗にゲンコツがアイズの頭に落ち怖いほど綺麗な音が鳴る。余程痛いのであろう先程まで握っていた剣を手放して頭を両手で抑えている。
「うぅ....リヴェリア、痛い...」
「お前がいきなり走り出すから何事かと思えば、まさかそこの少年をぶん投げるとは思わなかったぞ。自業自得だ、甘んじて受け入れていろ....すまない、怪我は無いか?」
「えぇ、無いっすけど...」
「おう!かすり傷、擦り傷2人揃って傷ひとつないぜ!」
「そうか、それは良かった。それにしてもやはりか、先程から思っていたがコウモリが喋るとは....」
アイズがエルフ....リヴェリアと呼ばれた美麗なエルフに苦情を入れるが軽くあしらうと、少年とキバットたち、一人と1匹に無事かと聞き無事だと聞くと安堵したように胸を撫で下ろす。
「ただ、コウモリじゃねぇぞ!キバット族の名門、キバットバット家のキバットバット三世様だ!それ、俺が自己紹介したんだ!お前も、ほれ!あ、それとオレ様はモンスターじゃねぇぞ!あんな理性の欠片もねぇヤツらと一緒にすんなよ!」
「はぁ、なんで...いて!?いてて!?わかったわかった!お前の羽痛いんだよ!はぁ....紅霊牙。霊牙って呼んでくれ。」
「私はロキファミリアのリヴェリア・リヨス・アールヴと言う。そしてさっき迷惑を掛けたのが...アイズ」
「....アイズ、アイズ・ヴァレンシュタインです。」
「先程は家のアイズが迷惑を掛けた...すまない。....アイズ」
「さっきはごめんなさい、急に投げたり斬りつけたりして」
「あぁ、良いっすよ。怪我も無いですし、そもそもとしてこいつがモンスター紛いなのは合ってるんで」
「ちょ!?霊牙さぁん!?扱い酷くねぇか!?」
「お前が大人しくとしけばバレなかった話だろうが!」
霊牙とキバットの口喧嘩を見てリヴェリアが軽く笑う。
「ふふ、仲が良いんだな。君たちは」
「まぁな!霊牙がちみっこの頃からの付き合いだぜ!」
「気づいたらいたからなぁ、気づいた時は思わずとっ捕まえてぶん投げてもうたわw」
「あれ、地味に痛かったんだからな!?」
「知らんな」
「ふむ、君たちはオラリオには来たばかりか?」
「おう、その通りだぜ!」
「まぁ、さっき着いたばっかすね」
「キバットは無理だと仮定して、霊牙、君はファミリアに入る気はあるか?」
「無理とはなんだ!無理とは!」
「はいはい、落ち着く落ち着く...今のところ入る気はあるっすけど着いたばっかりなんでどこ行けば良いかはさっぱりですね」
「そうか、なら良ければだが私たちのファミリアに来る気は無いか?」
「!...この2人?リヴェリア、入れるの?」
「アイズ、それはフィンとロキ次第だ。フィンが許可を出してもロキが却下したら入れんからな。私が決めることではないさ、それにそこまで来るか来ないかは彼が決めることだ」
「...分かった」
「....ちょい待ってください、考えます。良いっすかね?」
「構わん、時間は日が沈むまでまだある。ゆっくり悩んでくれ、急かすつもりなど毛頭ないからな。」
「あざす、キバットちょいちょい」
「おう!」
まさか来て初日でスカウトに近いことされるとは思ってなかったなぁ....さて、流石に考えんと不味いか.....
(どうする、キバット。どっかのファミリアには所属するつもりではあったけどまさか新たに台頭した二大勢力の片割れから誘われるとは思わんかったぞ...)
(それをオレ様に言わないでくれよ...オレ様だってこれは予想外だぜ。誘われるとは思わなんだ。まぁ、下手に零細ファミリアの眷属になっても後が大変だしなぁ....それに闇派閥に間違って入っちまったら俺たちの目的達成できない可能性大だからな。)
(だよなぁ....ここは乗っとくか?大手に誘われるなんてこれっきりかもしれんしな)
(おう、乗っとけ乗っとけ!....何よりあんな美女と美少女がいるところだ、桃源郷が広がってんじゃねぇか?良かったな、霊牙!候補いっぱいだぞ!)
「喧しいわ!このエロ蝙蝠が!!」
「なんだと!誰がエロ蝙蝠だ!オレ様がエロ蝙蝠なら霊牙はエロ猿だな!!」
「んだとコラァ!」
「やんのかぁ!」
「...何があったら喧嘩が突然始まるんだ....」
「変な人と変な蝙蝠....」
「それで考えは固まったか?来るのか?」
「「行きます!あぁ!?被せんな、コノヤロウ!」」
「はぁ...先が思いやられる...」
「確か、喧嘩するほど仲がいい...だっけ?」
....to be continued
はい、蛇弟でございます。なんか変なとこで切りましたけどこうしないと主の他の執筆が追いつかずいつまで経っても投稿できないんでここで切りました。
設定色々変えたんでその内、資料...出すかも?それでは今回はこの辺でサラダバー