ドラえもんのび太の異世界からの来訪者   作:セナドライ

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#百一話

「そういえば、その子は誰なんだ?」

ミステリートレインのラウンジで荷物を整理していた朔夜は、ナツメたちの傍に見慣れない少女がいることに気付いた。

どこかふわふわした雰囲気を纏った少女だった。

その問いに答えたのはナツメだった。

「あー……紹介してなかったわね」

少しだけ面倒そうな顔をした後、少女の肩を軽く叩く。

「姫乃アヤメ。私たちの知り合い」

「姫乃アヤメです。よろしくお願いします」

丁寧に頭を下げるアヤメ。

#朔夜も慌てて頭を下げ返した。

「月見台小の#朔夜です。よろしく」

その様子を見ながら、トウマが苦笑する。

「本当は連れてくる予定じゃなかったんだけどな」

「アキノリが全部喋ったのよ」

ナツメがジト目でアキノリを見る。

当の本人はというと、

「いやぁ……だって楽しそうだったし……」

などと視線を逸らしていた。

その隣ではアヤメが呆れたような顔をしている。

どう見てもアキノリは鼻の下が伸びていた。

「ふーん……」

トウマ。

「分かりやすい」

ケータ。

周囲の視線にアキノリは真っ赤になった。

「う、うるさい!」

そんなやり取りをしている内に、車内アナウンスが響く。

『間もなくドリーマーズランドへ到着いたします』

一同は自然と窓へ視線を向けた。

そして――。

「うわぁ……」

しずかが思わず声を漏らした。

宇宙空間に浮かぶ無数の小惑星。

しかしそれらはただの岩塊ではない。

緑豊かな森。

巨大な城。

遊園地。

湖。

恐竜が歩く大地。

様々な環境を持った小惑星が銀河の中に散りばめられていた。

まるで惑星そのものをテーマパークにしたような光景だった。

「これ全部がドリーマーズランド……?」

#朔夜が呟く。

「すげぇ……」

ジャイアンも素直に感嘆していた。

やがて列車は巨大なターミナルへ到着する。

乗客たちは次々と降車していった。

[newpage]

案内ロボットから配られたパンフレットを眺めながらドラえもんが説明する。

「滞在期間は二泊三日だよ」

「二泊三日かぁ」

のび太が言う。

ドラえもんは頷いた。

現代世界ではほとんど時間が経過しない。

便利ではあるが、その分あっという間に終わってしまうとも言えた。

「じゃあ初日はどうする?」

スネ夫がパンフレットをめくる。

するとジャイアンが勢いよく指差した。

「決まってるだろ!」

そこには大きく、

『恐竜の星』

と書かれていた。

「恐竜レース!恐竜サファリ!恐竜牧場!」

ジャイアンの目が輝く。

「俺はここがいい!」

「面白そうじゃん」

スネ夫も賛成した。

「恐竜なら自由研究にも使えるかも」

しずか。

「僕も行きたいかな」

のび太。

賛成意見が次々と上がる。

「半分以上賛成だな」

ドラえもんは笑った。

「じゃあ最初は恐竜の星で決まり!」

歓声が上がった。

 

 

転送ゲートを抜けた先には、広大な草原が広がっていた。

遠くではブラキオサウルスが首を伸ばし、群れを成したトリケラトプスが歩いている。

まさに恐竜時代そのものだった。

「すげぇぇぇぇ!」

ジャイアンが叫ぶ。

「本物だ!」

スネ夫も興奮している。

一行はまずコントローラーセンターへ案内された。

施設の職員ロボットが簡単な説明を始める。

『恐竜の星へようこそ』

『当施設では恐竜との触れ合い、観察、レースなどをお楽しみいただけます』

「レース?」

のび太が反応する。

『はい。本日のメインイベント、恐竜レースです』

大型モニターに映像が流れた。

恐竜に乗った参加者たちが大草原を駆け抜けていく。

「面白そう!」

ジャイアンが即答した。

「今度こそ優勝してやる!」

どうやら前回は参加できなかったらしい。

スネ夫もやる気満々だった。

「絶対勝つ!」

その後、自由行動が許可される。

するとジャイアンたちは真っ先にレース受付へ向かっていった。

アキノリも動こうとする。

しかし向かった先はレース会場ではなく、

「アヤメさん、一緒に見て回らない?」

だった。

「……別にいいけど」

アヤメは少し呆れながらも了承する。

その瞬間のアキノリの顔は見事なまでに緩んでいた。

「分かりやすいなぁ」

ケータが呟く。

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その頃。

#朔夜は案内図を見上げていた。

「恐竜レースか……」

興味はあった。

だが別のことが気になっていた。

空。

広大な青空。

そしてそこを飛ぶ翼竜たち。

バウワンコ王国で一反木綿に乗って以来、#朔夜は飛行移動に憧れ始めていた。

地上を移動するより早い。

障害物も少ない。

視界も広い。

何より気持ちがいい。

「乗れそうな翼竜探してみるか」

そう決める。

タケコプターを取り出した。

「空から探した方が早いし」

ふわりと浮上する。

 

 

草原を越え、森林を越え、さらに高度を上げる。

遠くに翼竜の群れが見えた。

「あっちかな」

向かおうとしたその時だった。

「#朔夜ー!」

聞き覚えのある声。

振り返ると、

「やっぱりいた!」

タケコプターで飛んでくるのび太とドラえもんの姿があった。

「のび太?」

「#朔夜も翼竜探してるんでしょ?」

「……もしかして」

「うん!」

のび太は得意げに笑った。

「空飛ぶなら翼竜が一番だと思って!」

どうやら考えることは同じだったらしい。

ドラえもんも苦笑する。

「君たち、本当に似たような発想するよね」

こうして三人は顔を見合わせる。

そして同時に翼竜の群れへ視線を向けた。

「行こう!」

「おう!」

青空の向こうへ。

三人は翼竜を求めて飛び立つのだった。

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