ドラえもんのび太の異世界からの来訪者   作:セナドライ

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朔夜達の視点に戻りました。皆さんは気づいているはずです。ブリザーガの反応が消えたのは、再封印されたわけでは無いことに。
それなら、それで描写しますし。お寿司。さて、ブリザーガを連れ去ったのは誰なんでしょうね(・∀・)


#第十二話 凍星の祝宴

――眩しい。

最初に感じたのは、それだった。ぼんやりと瞼を開ける。

知らない天井。

白く丸みを帯びた照明。

淡い青色の壁。

どこか氷みたいに透き通った部屋。

「……ここ」

身体を起こす。

頭が少し重い。

最後の記憶は――。

吹雪。

崩壊するブリザーガ。

そして、吹雪の向こうにいた“誰か”。

「っ……」

思い出そうとした瞬間、軽い頭痛が走った。

その時。

外から、賑やかな声が聞こえてくる。

笑い声。

音楽。

何かを叩くリズム。

まるで祭りみたいな喧噪だった。

#朔夜はゆっくりベッドを降り、窓へ近づく。

窓を開けた瞬間、冷たい風が吹き込んだ。

「わっ……」

思わず目を細める。

外には、ヒョーガ・ヒョーガ星の街並みが広がっていた。

氷でできた建物。

淡く光る街灯。

雪の中を行き交う異星人達。

その中央では、大勢が集まり騒いでいる。

[newpage]

「起きたズラ?」

突然、すぐ横から声がした。

「!?」

#朔夜が飛び退く。

窓の外。

屋根の上。

そこにいたのは、コマさんだった。

ただし。

昨日の巨大で威圧感のある姿ではない。

なんかゆるい。

「…………」

朔夜は数秒固まった。

「……誰?」

『失礼ズラね』

コマさんがショックを受ける。

『ちゃんとコマさんズラ』

「いやでも昨日と違いすぎるでしょ……」

シャドウサイド状態とのギャップが凄まじい。

昨日は完全に“伝説級妖怪”みたいな迫力だったのに。

今はなんか可愛い。

『あっちは本気モードみたいなものズラ』

「へぇ……」

まだちょっと混乱していた。

コマさんは屋根へ腰掛けながら続ける。

『みんななら下にいるズラよ』

「下?」

『祝賀会ズラ』

「……祝賀会?」

『ブリザーガの反応が完全に消えたズラ』

コマさんがどこか嬉しそうに言った。

『この星の人達、ずっと怯えてたズラからねぇ』

その言葉に、#朔夜は少しだけ息を吐く。

(……終わった、のかな)

少なくとも今は。

吹雪は止んでいた。

[newpage]

会場は、ラボ近くの大広場だった。

氷のテーブル。

光る雪。

異星人達の歌声。

そこかしこで宴が開かれている。

「#朔夜!」

真っ先に気づいたのはしずかだった。

「大丈夫!?」

「うん、なんとか」

「よかったぁ……!」

その隣では。

「うめぇぇぇ!!」

ジャイアンが巨大な肉にかぶりついていた。

「これ何の肉!?」

「知らん!! でも美味い!!」

雑だった。

一方。

「このスープやば……」

ケータが目を輝かせる。

「めっちゃ温まる……」

「おかわりあるズラよ」

コマさんがどこか得意げだ。

トウマは静かに料理を観察していた。

「星ごとに食文化違うの、ちょっと面白いな」

「お前そういうとこ冷静だよな……」

アキノリが呆れる。

その本人はというと。

「祭りだぁぁぁぁ!!」

完全にテンションが振り切れていた。

異星人達に混ざって踊っている。

ノリが良すぎる。

[newpage]

ナツメはそんな様子を眺めながら、小さく息を吐いた。

「……騒がしいわね」

「でも嫌いじゃないでしょ?」

しずかが笑う。

ナツメは少しだけ口元を緩めた。

その時。

「よぉし!!」

聞き覚えのある声が響いた。

嫌な予感。

#朔夜はゆっくり振り返る。

そこには。

どこから持ってきたのか分からないマイクを握るジャイアン。

「今日は特別に!!」

「まさか」

のび太の顔が青ざめる。

「俺様リサイタルを開催する!!」

静寂。

数秒後。

「やめてぇぇぇぇぇ!!」

のび太とスネ夫が同時に叫んだ。

「ジャイアン待って!!」

ドラえもんも慌てる。

「この星壊れる!!」

「そこまで!?」

ケータがツッコむ。

だが。

「いいじゃねぇか!!」

予想外にも、アキノリが乗ってきた。

「祭りなら音楽だろ!!」

「おっ、分かってるじゃねぇか!」

ジャイアンが嬉しそうになる。

「トウマお前も来い!!」

「なんで」

「盛り上がってきたニャン!!」

『祭りズラァァ!!』

妖怪組まで乗り始めた。

カオスだった。

[newpage]

「止めて!! 本当に止めて!!」

ドラえもん達だけが必死だった。

だが。

周囲の異星人達はむしろ歓迎ムードである。

「歌うの?」

「祭りの歌手ズ?」

「すごそう~!」

誰も知らない。

“剛田武の歌唱力”を。

「……まぁ」

#朔夜は苦笑した。

この空気なら。

今くらいは。

「いいか」

そう思ってしまった。

空を見上げる。

ヒョーガ・ヒョーガ星の夕空は、静かに藍色へ染まり始めていた。

吹雪は、もうない。

けれど。

その遥か向こう。

夜の空の奥で。

ほんの一瞬だけ。

黒い影が、揺れた気がした。

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