それなら、それで描写しますし。お寿司。さて、ブリザーガを連れ去ったのは誰なんでしょうね(・∀・)
――眩しい。
最初に感じたのは、それだった。ぼんやりと瞼を開ける。
知らない天井。
白く丸みを帯びた照明。
淡い青色の壁。
どこか氷みたいに透き通った部屋。
「……ここ」
身体を起こす。
頭が少し重い。
最後の記憶は――。
吹雪。
崩壊するブリザーガ。
そして、吹雪の向こうにいた“誰か”。
「っ……」
思い出そうとした瞬間、軽い頭痛が走った。
その時。
外から、賑やかな声が聞こえてくる。
笑い声。
音楽。
何かを叩くリズム。
まるで祭りみたいな喧噪だった。
#朔夜はゆっくりベッドを降り、窓へ近づく。
窓を開けた瞬間、冷たい風が吹き込んだ。
「わっ……」
思わず目を細める。
外には、ヒョーガ・ヒョーガ星の街並みが広がっていた。
氷でできた建物。
淡く光る街灯。
雪の中を行き交う異星人達。
その中央では、大勢が集まり騒いでいる。
[newpage]
「起きたズラ?」
突然、すぐ横から声がした。
「!?」
#朔夜が飛び退く。
窓の外。
屋根の上。
そこにいたのは、コマさんだった。
ただし。
昨日の巨大で威圧感のある姿ではない。
なんかゆるい。
「…………」
朔夜は数秒固まった。
「……誰?」
『失礼ズラね』
コマさんがショックを受ける。
『ちゃんとコマさんズラ』
「いやでも昨日と違いすぎるでしょ……」
シャドウサイド状態とのギャップが凄まじい。
昨日は完全に“伝説級妖怪”みたいな迫力だったのに。
今はなんか可愛い。
『あっちは本気モードみたいなものズラ』
「へぇ……」
まだちょっと混乱していた。
コマさんは屋根へ腰掛けながら続ける。
『みんななら下にいるズラよ』
「下?」
『祝賀会ズラ』
「……祝賀会?」
『ブリザーガの反応が完全に消えたズラ』
コマさんがどこか嬉しそうに言った。
『この星の人達、ずっと怯えてたズラからねぇ』
その言葉に、#朔夜は少しだけ息を吐く。
(……終わった、のかな)
少なくとも今は。
吹雪は止んでいた。
[newpage]
会場は、ラボ近くの大広場だった。
氷のテーブル。
光る雪。
異星人達の歌声。
そこかしこで宴が開かれている。
「#朔夜!」
真っ先に気づいたのはしずかだった。
「大丈夫!?」
「うん、なんとか」
「よかったぁ……!」
その隣では。
「うめぇぇぇ!!」
ジャイアンが巨大な肉にかぶりついていた。
「これ何の肉!?」
「知らん!! でも美味い!!」
雑だった。
一方。
「このスープやば……」
ケータが目を輝かせる。
「めっちゃ温まる……」
「おかわりあるズラよ」
コマさんがどこか得意げだ。
トウマは静かに料理を観察していた。
「星ごとに食文化違うの、ちょっと面白いな」
「お前そういうとこ冷静だよな……」
アキノリが呆れる。
その本人はというと。
「祭りだぁぁぁぁ!!」
完全にテンションが振り切れていた。
異星人達に混ざって踊っている。
ノリが良すぎる。
[newpage]
ナツメはそんな様子を眺めながら、小さく息を吐いた。
「……騒がしいわね」
「でも嫌いじゃないでしょ?」
しずかが笑う。
ナツメは少しだけ口元を緩めた。
その時。
「よぉし!!」
聞き覚えのある声が響いた。
嫌な予感。
#朔夜はゆっくり振り返る。
そこには。
どこから持ってきたのか分からないマイクを握るジャイアン。
「今日は特別に!!」
「まさか」
のび太の顔が青ざめる。
「俺様リサイタルを開催する!!」
静寂。
数秒後。
「やめてぇぇぇぇぇ!!」
のび太とスネ夫が同時に叫んだ。
「ジャイアン待って!!」
ドラえもんも慌てる。
「この星壊れる!!」
「そこまで!?」
ケータがツッコむ。
だが。
「いいじゃねぇか!!」
予想外にも、アキノリが乗ってきた。
「祭りなら音楽だろ!!」
「おっ、分かってるじゃねぇか!」
ジャイアンが嬉しそうになる。
「トウマお前も来い!!」
「なんで」
「盛り上がってきたニャン!!」
『祭りズラァァ!!』
妖怪組まで乗り始めた。
カオスだった。
[newpage]
「止めて!! 本当に止めて!!」
ドラえもん達だけが必死だった。
だが。
周囲の異星人達はむしろ歓迎ムードである。
「歌うの?」
「祭りの歌手ズ?」
「すごそう~!」
誰も知らない。
“剛田武の歌唱力”を。
「……まぁ」
#朔夜は苦笑した。
この空気なら。
今くらいは。
「いいか」
そう思ってしまった。
空を見上げる。
ヒョーガ・ヒョーガ星の夕空は、静かに藍色へ染まり始めていた。
吹雪は、もうない。
けれど。
その遥か向こう。
夜の空の奥で。
ほんの一瞬だけ。
黒い影が、揺れた気がした。