よくあるやつ。同じ道をグルグル回ってしまうやつ。なんというか。「マヨイガ」というゲームであったので。
あ~マヨイガの説明は面倒なので割愛で。映画あるそうですよ。アニメの。私はまだ見てませんが。
あと、キツネと言えば揚げ物というイメージがあるそうですが、その成り立ちには由緒あるそうで。これもは少しグロいので自己責任で調べることを推奨します。調べて気持ち悪くなった場合、私は責任を負えないので。
放課後。
#朔夜は月見台の道場にいた。
静かな板張りの空間。
乾いた弦音が響く。
――ビィン。
放たれた矢が、まっすぐ的へ刺さった。
「……よし」
小さく息を吐く。
今日は珍しく、師範から直接呼び出されていた。
理由はよく分からない。
結局、軽い射形確認と雑談で終わったのだが。
「最近、少し集中が散っているぞ」
帰り際にそう言われた。
(……バレてるなぁ)
まぁ当然かもしれない。
宇宙行って、妖怪見て、氷の怪物と戦っている。
集中しろという方が難しい。
[newpage]
夕暮れの帰り道。
#朔夜はスマホを確認しながら歩いていた。
グループチャットには、学校の連絡やクラスメイトの雑談。
その中へ、不意に着信画面が表示される。
【ドラえもん】
「ん?」
通話を取る。
「もしもし?」
『あ、#朔夜くん?』
少し真面目な声だった。
『この前のことなんだけど』
「この前?」
『迷子の子の件』
#朔夜は自然と表情を引き締める。
『やっぱり、普通じゃないと思うんだ』
背後で、紙をめくる音がした。
『未来新聞にも、最近おかしな記事が増えてる』
『歴史犯罪者のデータ消失と関係あるかは分からないけど……』
一拍置いて。
『だから、専用の連絡グループ作ろうと思うんだ』
「グループ?」
『うん。秘密のやつ』
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『でもさ』
#朔夜は少し首を傾げた。
「のび太達は?」
『……今回はまだ内緒』
ドラえもんが小声になる。
『変に怖がらせたくないし』
『まだ“確定”じゃないから』
「まぁ……分からなくもない」
のび太は絶対騒ぐ。
スネ夫も怖がる。
ジャイアンは勢いで突っ込みかねない。
しずかは心配して無理をするタイプだ。
『だから、とりあえず』
通知音。
スマホ画面に、新しいグループが表示された。
【境界観測チャット(仮)】
「ネーミングどうしたの」
『三秒で考えた』
雑だった。
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さらに通知が増える。
【有星アキノリが参加しました】
【天野ナツメが参加しました】
【月浪トウマが参加しました】
【天野ケータが参加しました】
『おっ、繋がった!』
すぐさまケータがスタンプを連投し始める。
「早」
『なんだこれ秘密組織っぽくね!?』
『かっけー!!』
『はしゃぎすぎだよ.....』
トウマの冷静なツッコミ。
『で、今回は何の事件?』
ナツメは相変わらず話が早い。ドラえもんが説明を始める。
昨日の迷子。
ループした道。
秘密道具が効かなかったこと。
道祖神への供物。
そして、“向こうの匂い”。
グループが一瞬静まった。
最初に反応したのは、アキノリだった。
『……妖怪案件っぽいな』
『しかも結構古いやつ系』
『あー……民俗寄り?』
ケータも珍しく真面目だった。
『境界系の妖怪かも』
#朔夜はスマホを見つめながら、小さく息を吐く。
やっぱり。
自分達だけでは分からないことがある。
でも。
向こうにも、分かる彼らがいる。
それが少しだけ、不思議だった。
[newpage]
翌日。
学校帰り。
#朔夜は待ち合わせ場所へ向かっていた。
人気の少ない裏山近く。
ドラえもん達と合流し、そのまま“向こう側”へ行く予定だ。
その時。
――パキッ。
小枝を踏む音。
#朔夜が振り返る。
「……」
数秒の沈黙。
木陰から、そろそろと顔を出したのは。
「……のび太」
「えへへ」
「スネ夫」
「いや〜?」
「ジャイアン」
「バレたか!」
「しずかちゃんまで……」
四人揃っていた。
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「尾行?」
#朔夜が聞くと、
「だ、だって!」
のび太が慌てて言う。
「最近ドラえもんと#朔夜、なんか変だったし!」
「コソコソしてるし」
スネ夫も腕を組む。
「怪しいと思うだろ普通」
「お前ら尾行下手すぎ」
#朔夜は半眼になった。
ジャイアンなんて、途中で普通に目立っていた。
しずかが少し申し訳なさそうに笑う。
「ごめんなさい」
その時。
「うわぁ……」
ドラえもんが額を押さえた。
「バレたぁ……」
数秒。
沈黙。
そして。
「……まぁ」
#朔夜は小さく肩をすくめた。
「バレたなら仕方ないか」
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裏山の奥。
黒い扉が、静かに立っていた。
「うわっ……!」
のび太が後ずさる。
「またこれ!?」
「これで移動するの?」
しずかが目を見開く。
ドラえもんは小さく頷いた。
「今回は、ちゃんと説明するよ」
ギィ――。
黒い扉が開く。
白い光。
冷たい風。
その向こう側。
見知らぬ町並みが広がっていた。
妖怪探偵団の活動拠点。
さくらニュータウン。
「……行こう」
#朔夜が、一歩踏み出した。