ドラえもんのび太の異世界からの来訪者   作:セナドライ

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朔夜もたいがい挙動不審だったけど。一番大胆な行動してたのはドラえもん。ことある事に地域猫と話してるんだもん。のび太達がきづかないはずがない。まあ後は、朔夜を見かける事にドラえもんが話しかけにいってて。二人だけの会話を良くしてるから。


#第十七話 妖怪探偵団

黒い扉を抜けた瞬間。

ふわり、と空気が変わった。

「うわぁ……」

のび太が目を丸くする。

見知らぬ町。

見知らぬ空。

だが、どこか日本の町並みに似ている。

夕暮れの風景の中へ、一行が足を踏み入れた、その時だった。

「ほぉ」

しわがれた声。

「お主らが……アキノリ達の“異界友人”じゃな?」

「!?」

全員が振り向く。

そこにいたのは、小柄な老婆だった。

神社の境内。

掃除道具を片手に、こちらをじっと見ている。

鋭い目。

けれど不思議と怖くはない。

「あ、えっと……」

のび太が戸惑う。

老婆は構わず、神社の奥へ向かって声を張った。

「アキノリ! 来ておるぞー!」

「はいはーい!」

ぱたぱたと足音。

裏手から、見慣れた面々が現れる。

アキノリ。

ケータ。

トウマ。

ナツメ。

妖怪探偵団の四人だった。

[newpage]

「おっ、来た来た!」

ケータが手を振る。

だが次の瞬間、目を丸くした。

「あれ?」

視線が、のび太達へ向く。

「のび太達には秘密なんじゃ……?」

「バレちゃった☆彡」

ドラえもんが軽く舌を出した。

「軽っ!?」

トウマが即ツッコむ。

「いや、普通に尾行されてたからね?」

#朔夜が肩をすくめる。

「君たち、隠密向いてなさすぎ……」

ナツメが呆れたように言った。

「だって気になるじゃん!」

のび太が抗議する。

「最近ほんと怪しかったし!」

「それは……ごめん」

ドラえもんは少し申し訳なさそうだった。

[newpage]

「で?」

ジャイアンが腕を組む。

「結局なんの話なんだよ」

「オレ達、まだちゃんと聞いてねーぞ?」

しずかも頷く。

「迷子の件、関係あるんでしょう?」

聞かされていなかった組は、完全に置いていかれていた。

ドラえもんは少し考え込み――。

「……うん」

観念したように頷いた。

境内の空気が、少し静まる。

[newpage]

事情説明は、簡潔だった。

迷子の子。

道のループ。

秘密道具でも原因不明だったこと。

そして。

最近、未来新聞で報じられている歴史異変。

「ボク、近所の猫達にも協力してもらってたんだ」

ドラえもんが言う。

「猫?」

スネ夫が首を傾げる。

「うん。最近、“帰れなくなる人”の噂が増えてるって」

「迷子?」

「大人も子供も」

その言葉に、空気が少し冷えた。

「しかも、みんな似たこと言うんだ」

『同じ場所を回ってた』

『気づいたら知らない場所にいた』

『時間がおかしかった』

「……怖」

のび太が小さく呟く。

[newpage]

その時だった。

「ふむ」

いつの間にか、先ほどの老婆が近くに来ていた。

話を聞いていたらしい。

「まるで、キツネに化かされたようじゃな」

しわがれた声が、静かに響く。

「「「…………」」」

一瞬で全員が黙った。

「え」

「キツネ?」

「化かすって……」

スネ夫が青ざめる。

老婆は平然としていた。

「昔からある話じゃ」

「道をぐるぐる回されたり」

「知らぬ場所へ連れて行かれたり」

「時間を狂わされたり」

「そういうのは、大抵“境界”の妖怪の仕業よ」

#朔夜は、思わず昨日の道祖神を思い出した。

(やっぱり……)

未来道具では解決できず。

供物だけが効いた。

全部、繋がっている。

[newpage]

「つまり妖怪ってこと!?」

ケータが身を乗り出す。

「可能性は高いのぅ」

老婆は頷いた。

「じゃあ犯人探しだな!」

アキノリが拳を握る。

だが老婆は、すぐに続けた。

「ただし」

空気が少し変わる。

「相手が“境界”を渡る類なら、普通には捕まらん」

「え?」

「結界を張る必要がある」

その言葉に、トウマが反応した。

「ばあちゃん、できるの?」

「できるとも」

当然のように言う。

「準備が必要じゃがな」

老婆は掃除道具を肩へ担ぎ直した。

「捕まえたら連絡せい」

「閉じ込める準備をしておく」

そう言い残し、神社の奥へ消えていく。

[newpage]

静寂。

数秒後。

「……なんか」

のび太がぽつりと言った。

「本格的になってきた……」

「今さら?」

ナツメが即答する。

「宇宙行った時点で手遅れよ」

それはそうだった。

「で、どうする?」

ジャイアンが腕を鳴らす。

「捕まえるんだろ?」

「問題は方法だよなぁ」

ケータが頭を掻く。

「相手、普通に逃げる系っぽいし」

「しかも道を狂わせる能力持ち」

トウマが難しい顔をする。

ドラえもんも腕を組んだ。

「秘密道具で拘束するにしても、まず見つけないと……」

「じゃあ」

#朔夜が静かに口を開く。

全員の視線が集まる。

「まず、“どうやって誘き出すか”から考えよう」

夕暮れの神社に。

妖怪探偵団と未来の猫型ロボット達の、作戦会議が始まった。

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