ドラえもんのび太の異世界からの来訪者   作:セナドライ

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#十八話 化かす者に、捕まる者

ガサリ――。

茂みの奥から現れたそれに、全員が身構えた。

「来た……!」

ナツメのウォッチが強く光る。

のび太は油揚げを抱えたまま固まっていた。

そして。

現れたのは――。

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「……なんだアレ」

朔夜が思わず呟く。

そこにいたのは、もふもふした神秘的な妖怪――ではなかった。

モサモサだった。

全体的に毛がボサボサ。

しかも妙に二足歩行に慣れている。

加えて。

シュールストレミングス[[rb:シュールストレミングス> 激臭爆弾]]の臭気直撃で涙目。

「ぐぬぬぬぬ……!!」

目を真っ赤にしたムジナが、鼻を押さえている。

哀れである。

「なんか……思ってたより締まらねぇな……」

#朔夜は微妙な顔をした。

「もっとこう、妖怪らしい威厳とか……」

「くっさぁぁぁぁ!!」

ムジナが絶叫した。

台無しだった。

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「よくも人を迷わせてくれたニャン!」

ジバニャンが飛び出した。

その身体が黒い妖気に包まれる。

「シャドウサイド!」

漆黒の炎のような妖気が吹き荒れた。

「うぉぉぉぉ!?」

ムジナが慌てて尻尾を振るう。

その一撃が。

「ミッチー!?危な――」

べしぃっ!!

「み゛っ゛――」

ミッチーが遥か彼方へ吹き飛んだ。

キラーン……。

夜空の星になった。

「「「ミッチィィィ!!?」」」

即落ち二コマである。

しかし。

その隙は致命的だった。

「今だニャン!!」

シャドウサイド状態のジバニャンの一撃が、ムジナに炸裂。

「ぶべらっ!?」

ムジナは綺麗に一回転して地面に激突した。

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「……勝った?」

のび太がおそるおそる聞く。

ピクピク痙攣している。

どう見てもノックアウトである。

「よし!」

ドラえもんがポケットから掃除機のような道具を取り出した。

『四次元掃除機』

「吸い込んだものを四次元ゴミ袋に保存できるんだ!」

「なんでもあるな、そのポケット……」

#朔夜が半目になる。

ズゴゴゴゴゴ!!

「ぬわぁぁぁぁぁぁ!?」

気絶していたムジナは、そのまま吸い込まれていった。

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数十分後。

一行は桜町ニュータウンへ戻っていた。

アキノリの祖母が張った結界の中心。

そこへ。

ぽいっ。

「ぬぐっ!?」

四次元掃除機から放り出されたムジナが地面を転がる。

周囲には淡い光の壁。

完全封鎖である。

「さて」

トウマが腕を組む。

「なんで人を迷わせてた?」

「…………」

ムジナはそっぽを向いた。

「答えろ」

「…………」

「おい」

「…………」

全く口を割らない。

アキノリが頭を掻く。

「こりゃダメだな……」

「武力行使する?」

ナツメがさらっと怖いことを言う。

「待て待て待て」

#朔夜が止めに入る。

だが。

「ひっ……!」

ムジナは完全に怯えていた。

ジバニャン(シャドウサイド)が無言で前に出る。

威圧感が凄い。

「言わないと……どうなるか分かるニャン?」

「ひぃっ!!」

もう悪役側が可哀想になってくるレベルである。

その時だった。

「やめるんだ!!」

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突然。

空から声が響いた。

全員が反射的に見上げる。

夜空を裂くように、一つの影が舞い降りた。

下駄の音。

翻るちゃんちゃんこ。

そして。

片目を髪で隠した少年。

「……あれ?」

#朔夜が目を瞬く。

ドラえもん達も目を丸くした。

その少年は、ムジナの前に立つ。

「そいつをいじめないでくれ」

静かな声だった。

だが、その場の空気が一変する。

アキノリのおばあちゃんが目を細める。

「ほぉ……」

少年はゆっくりと名乗った。

「僕は――鬼太郎」

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