ドラえもんのび太の異世界からの来訪者   作:セナドライ

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入山届、書いてないと、もしものことが合った時、迅速な対応ができないそうです。山岳救助とか。
ケースケは何かしてる!?と警戒中。


#二十四話 意外な事実

日曜日。

待ち合わせ場所へ着いた朔夜は、思わず足を止めた。

「……あれ?」

思っていたより人が多い。

アキノリ、ナツメ、トウマ、ケータ。

そこまでは予想通りだった。

だが、その隣には。

「あっ、#朔夜くん!」

ドラえもん。

そして。

「おはよう!」

しずか。

「よぉ」

ジャイアン。

「ふわぁ……」

大あくびをしているのび太。

「なんでいるの?」

朔夜が素直に聞いた。

「ドラえもんが呼んだんだよ」

しずかが苦笑する。

「人数多い方が掃除も早く終わるだろって」

「あー」

納得した。

確かに人手は多い方がいい。

その時。

「ひどいよぉ……」

のび太がふらふらと近づいてきた。

目の下に薄っすら隈ができている。

「どうしたの?」

「朝だよ……」

「朝だけど」

「日曜日だよ……?」

「日曜日だけど」

会話になっていない。

「ドラえもんがさぁ!」

のび太が悲痛な声を上げる。

「朝早くから叩き起こしたんだよ!?」

「だって集合時間あるじゃないか」

ドラえもんが当然のように言う。

「ぼく、まだ夢の途中だったのに……」

「どうせ二度寝してたでしょ」

「うっ」

図星だったらしい。

#朔夜は少し納得した。

普段なら遅刻常習犯ののび太が、今日は時間通りに来ている。

そういう理由だったのか。

[newpage]

「それにしても」

スネ夫が辺りを見回した。

「どこ行くんだろうね」

「神社の倉庫だろ?」

ジャイアンが言う。

「でも神社なら近くだよな?」

確かにそうだ。

有星神社なら、わざわざ集合する必要もない。

その疑問に答えたのは――。

「おーい!」

聞き覚えのある声だった。

全員が振り向く。

神社の方から一台のミニバスがゆっくり近づいてきていた。

運転席にはアキノリの祖母。

窓を開けて手を振っている。

「乗るぞー!」

「え?」

「車?」

「バス?」

「思ったより本格的!」

のび太達がざわつく。

ミニバスは全員の前で停車した。

「本当の目的地は山の方じゃ」

おばあちゃんが言う。

「歩いて行くには少し遠いからの」

なるほど。

だから車だったのか。

「お世話になります」

#朔夜が頭を下げる。

「うむうむ」

「お願いします!」

「失礼しまーす!」

みんなが次々に乗り込む。

アキノリだけが妙に得意げだった。

「へへん」

「なんじゃその顔は」

おばあちゃんが即座にツッコむ。

「いや、オレん家のバスだから!」

「お前のじゃない」

「ですよねー」

一秒で終わった。

[newpage]

車内には様々な荷物が積まれていた。

木箱。

縄。

紙で包まれた細長い何か。

見たことのない祭具らしき道具。

少し散らかっている。

「ごちゃごちゃしててすまんの」

おばあちゃんが苦笑した。

「祭りや行事で使う道具が多くてな」

「すごい……」

しずかが興味深そうに見回す。

ドラえもんも目を輝かせていた。

「神社ってこういうの保管してるんだ」

バスはゆっくりと町を離れていく。

住宅街を抜け。

田畑を越え。

徐々に山道へ入っていった。

その途中。

ふと#朔夜は思い出した。

「そういえば」

「ん?」

運転席のおばあちゃんがミラー越しに見る。

「このサイズのバスって、普通免許じゃ運転できなかった気がするんだけど……」

おばあちゃんの眉が少し上がった。

「ほぉ」

意外そうな声。

「よく知っとるな」

「父さんが前に話してたから」

「なるほどの」

少し嬉しそうに頷く。

「その通りじゃ」

「やっぱり」

「大型免許を持っとる」

車内が静かになった。

数秒後。

「えっ」

「大型!?」

「マジで!?」

ジャイアンとスネ夫が同時に声を上げた。

おばあちゃんは平然としている。

「若い頃に取ったんじゃ」

「なんでまた?」

ナツメが尋ねる。

おばあちゃんは少し懐かしそうな顔になった。

「昔の有星神社は今よりずっと賑わっとってな」

窓の外へ目を向ける。

「祭事も多かった」

「へぇ」

アキノリも知らなかったらしい。

少し驚いていた。

「荷物を運んだり、人を送迎したり」

「それで必要になったんじゃ」

「大変そう……」

しずかが呟く。

「苦労したぞ」

おばあちゃんは笑った。

「教習所の坂道発進で何度怒られたことか」

「想像できない……」

トウマがぽつりと言った。

確かに。

今のおばあちゃんが怒られている姿は想像しにくい。

そんな話をしているうちに。

周囲の景色は完全に山へ変わっていた。

[newpage]

ミニバスは小さな駐車場へ入る。

「着いたぞ」

ブレーキが掛かる。

全員が外へ降りた。

澄んだ空気。

鳥の声。

目の前には山道が続いている。

「ここから?」

のび太が嫌な予感を覚えたような顔をした。

「少し待っとれ」

おばあちゃんはそう言うと、近くの管理小屋へ向かう。

しばらくして。

残された面々は自然と雑談を始めた。

「結局なにがあるんだろうね」

のび太が言う。

「さぁ?」

ケータが首を傾げた。

「アキノリ知らないの?」

「前に来たのずいぶん昔だからなぁ」

アキノリも曖昧だった。

「古い書物とかじゃね?」

「適当だなぁ」

#朔夜が苦笑する。

そんな話をしていると。

管理小屋からおばあちゃんが戻ってきた。

「待たせたの」

「何してたんですか?」

ドラえもんが尋ねる。

「入山届じゃ」

「入山届?」

「山へ入る以上は必要じゃろ」

当然のように言う。

ドラえもんは少し気まずそうになった。

「そういうの、ちゃんとあるんだ……」

「当たり前じゃ」

おばあちゃんが呆れる。

「山を甘く見るでない」

「すみません……」

どこか小さくなるドラえもんだった。

おばあちゃんは満足そうに頷き。

そして山道へ向き直る。

[newpage]

「さて」

一本の杖を手に取る。

「ここからは歩きじゃ」

静寂。

数秒後。

「えぇぇぇぇぇぇ!?」

のび太の絶叫が山へ響いた。

「聞いてないよ!?」

「今言ったじゃろ」

「そういう問題じゃない!」

「もう疲れた!」

「まだ何もしてねぇだろ」

ジャイアンが呆れる。

「帰りたい……」

「早すぎるよ!?」

スネ夫がツッコんだ。

そんな騒がしい声を聞きながら。

#朔夜は山の奥を見上げる。

木々の向こう。

有星家の倉庫。

そこに何が眠っているのか。

少しだけ胸が高鳴っていた。

そして一行は、山道へと足を踏み入れた。

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