ドラえもんのび太の異世界からの来訪者   作:セナドライ

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#第三十四話

一方その頃。

双天山の別ルートへ飛ばされてしまった#朔夜とアキノリは、岩肌の露出した山道を進んでいた。

「ナツメたち、大丈夫かな」

アキノリが空を見上げる。

「きっと、向こうもそう思ってる」

#朔夜は短く答えた。

どちらにせよ、今は合流する方法がない。

進むしかなかった。

 

 

その頃、ナツメたちも目的地へ辿り着いていた。

鳥たちが降り立ち、一行は次々と背中から降りる。

「着いたー!」

ケータが伸びをする。

しかし次の瞬間。

「あれ?」

ナツメが周囲を見回した。

「アキノリは?」

トウマも気付く。

「#朔夜もいない」

全員が辺りを見回した。

だが二人の姿はどこにもない。

「まさか……途中ではぐれた?」

「そんな!」

ケータが顔を青くする。

ナツメは唇を噛んだ。

だが来た道を振り返る。

鳥たちは既に姿を消している。

そして目の前には先へ続く一本道。

「戻れない……」

静かに呟く。

カイラ様から聞いた予言。

不動明王に関わる異変。

今は立ち止まっている場合ではない。

「アキノリなら大丈夫」

トウマが言った。

「#朔夜もいるし」

ナツメは小さく頷く。

「信じて進もう」

そうして一行は再び歩き始めた。

[newpage]

その頃。

「……終わった」

アキノリが絶望した顔で立ち尽くしていた。

目の前には崩れた橋。

本来なら谷を渡るための縄橋だったのだろう。

しかし支えていたロープが切れてしまったらしく、橋は谷底近くまで垂れ下がっている。

「これは無理」

#朔夜も頷いた。

飛び越えられる距離ではない。

谷底も見えないほど深い。

「どうする?」

アキノリが尋ねる。

#朔夜はドラえもんから預かったスペアポケットを開いた。

ごそごそと中を探る。

「あった」

取り出したのは小さな青いロボットだった。

「……誰?」

「ミニドラ」

「ドラえもんの親戚?」

「違うと思う」

アキノリは余計に混乱した。

ミニドラは元気よく敬礼する。

「ミニミニー!」

#朔夜はしゃがみ込んだ。

「橋を作ってほしいんだ。お願いできる?」

「ミニミニ!」

元気よく返事をするミニドラ。

どうやら了承してくれたらしい。

「通じてるのか?」

「たぶん」

#朔夜は矢を一本取り出した。

そしてミニドラを器用に括り付ける。

「ちょっ、雑!」

「落ちなければ大丈夫」

そう言って弓を構えた。

狙うは向こう岸。

シュッ!

矢は綺麗な弧を描き、無事に対岸へ到着した。

「ミニー!」

ミニドラが手を振る。

続いて#朔夜はロープを括り付けた矢を放つ。

こちらも成功。

するとミニドラはロープを器用に編み始めた。

「あいつ凄くないか?」

「たしかに」

数分後。

簡易的ではあるものの、しっかりした網橋が完成した。

「できた!」

アキノリが感心する。

「ドラえもん、じゃないな」

「?」

「ドラえもんにしては小さい」

「ミニドラだから」

「そのまんまじゃねぇか」

二人は顔を見合わせて笑った。

[newpage]

橋を渡ってしばらく進む。

今度は開けた崖地帯へ出た。

その瞬間。

ゴォォォォォッ!!

突風が吹き荒れた。

「うわっ!」

アキノリがよろめく。

立っているのも難しい。

風は絶え間なく吹き続けていた。

「これ進める?」

「無理そうだな」

#朔夜はポケットを漁る。

その時。

何かが転がり落ちた。

銀色の懐中時計だった。

「あ」

拾い上げようとした瞬間。

カチッ。

何かが押された。

すると。

風が止んだ。

「……え?」

アキノリが固まる。

さっきまで荒れ狂っていた風が嘘のように消えている。

木々も揺れていない。

空気そのものが静止したようだった。

「壊した?」

「いや……」

#朔夜も困惑する。

だが考えていても仕方がない。

「今のうちに行こう」

二人は慎重に進んだ。

風は吹かない。

崖道も安全に通れる。

そして危険地帯を抜けた頃。

#朔夜は何気なく時計を見た。

「……もう一回押してみよう」

カチッ。

次の瞬間。

ゴォォォォォォッ!!

「うわぁぁぁっ!?」

猛烈な風が復活した。

慌てて岩陰へ飛び込む二人。

しばらくして落ち着く。

「なるほど」

#朔夜が呟いた。

「時間を止める道具」

「今ので理解したのかよ」

アキノリは半ば呆れ顔だった。

だが結果的には助かった。

双天山の試練はまだ続く。

それでも。

二人は少しだけ自信を付けていた。

「行くか」

「ああ」

先に何が待っているのかは分からない。

だが。

仲間たちと再会するためにも。

二人は再び山の奥へと歩き出したのだった。

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