眩しい青空。
どこまでも続く海。
打ち寄せる波の音。
そして――
「海だぁぁぁぁぁーっ!!」
のび太が真っ先に駆け出した。
「待てよのび太ー!」
ジャイアンが続き、
「転ぶなよー!」
スネ夫が笑いながら追いかける。
海辺にはすでにドラえもん達の荷物が並べられていた。
あの漁港を見つけてから約一週間。
調査の準備も終わり、今日は黒い扉の向こうにあるこの海辺へ遊びに――もとい、調査に来ていた。
もっとも。
「完全に海水浴だよな……」
#朔夜はぼそりと呟いた。
誰も否定しなかった。
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しばらくして。
各自着替えを済ませ、砂浜へ集まり始める。
ドラえもんは麦わら帽子。
のび太達は海パン姿。
ケータ達も思い思いの格好をしている。
そんな中。
ドラえもんが首を傾げる。
「あれ?」
「#朔夜は着替えないの?」
視線が集まる。
#朔夜はきょとんとした。
「着替えるけど?」
「いや、まだ服だからさ」
「今から脱ぐ」
そう言って上着に手を掛ける。
何故か。
一部が慌てた。
「ちょ、ちょっと待って!」
「え?」
「せめて更衣室で!」
「?」
#朔夜は首を傾げた。
意味が分からない。
だが一応言われた通りに近くの更衣スペースへ向かう。
数分後。
戻ってきた#朔夜を見て。
全員が固まった。
「……」
「……」
「……」
現れたのは。
スクール水着だった。
さらにその上から薄手のラッシュガードまで羽織っている。
露出は極めて少ない。
むしろ誰よりも少ない。
だが。
「スク水ぅ!?」
思わずスネ夫が叫んだ。
「なんで!?」
「これしかなかったんだ」
#朔夜は当然のように答える。
「いや、そうじゃなくて!」
「泳げればいいだろ?」
「そうだけど!」
「日焼けも嫌だし」
ラッシュガードの袖を整える朔夜。
本人は至って真面目だった。
ドラえもんが苦笑する。
「#朔夜らしいなぁ」
「何が?」
「ううん、何でもない」
納得していないのは男子勢だけだった。
女子勢は何故か微笑ましそうに見ている。
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その後。
海水浴は思い思いに進んだ。
のび太は浮き輪でぷかぷか浮かび。
ジャイアンは全力で泳ぎ回り。
スネ夫は持参したゴーグルを自慢している。
ケータ達も海で遊び始めていた。
少し離れた場所では。
「焼けたぞー!」
アキノリが歓声を上げる。
コンロの上では肉や野菜が美味しそうな音を立てていた。
「いつの間に準備したんだ……」
#朔夜が呟く。
「ドラえもんの秘密道具じゃない?」
トウマが答えた。
なるほど。
それなら納得である。
ジャイアンとアキノリはすでに三皿目らしい。
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しばらくして。
#朔夜は波打ち際を歩いていた。
海風が心地良い。
暑い季節だが、この世界の海は不思議と過ごしやすかった。
その時。
ふと視線を感じた。
顔を上げる。
少し離れた場所。
ナツメがこちらを見ていた。
「?」
目が合う。
ナツメは何故かにやりと笑った。
そのまま隣にいたしずかへ何かを耳打ちする。
しずかもこちらを見る。
そして。
二人で頷いた。
「……?」
嫌な予感がした。
とても嫌な予感だった。
経験上。
あの二人が何か企んでいる時はろくなことがない。
#朔夜はそっと視線を逸らした。
見なかったことにしよう。
そう思った。
だが。
「#朔夜ー!」
呼ばれた。
逃げられなかった。
ナツメが満面の笑みで近付いてくる。
しずかも一緒だ。
「何?」
「ちょっと借りるねー」
「何を?」
「#朔夜を」
「意味が分からない」
即答だった。
しかしナツメは気にしない。
#朔夜の腕を掴む。
「はい行くよー」
「待て」
「大丈夫大丈夫」
「何が?」
「すぐ終わるから」
「だから何が?」
説明がない。
まったくない。
しずかもにこにこしている。
余計に不安だった。
「ナツメ」
「なーに?」
「嫌な予感しかしない」
「気のせい気のせい」
絶対気のせいじゃない。
そう確信した。
だが時すでに遅し。
ずるずると引っ張られていく。
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その様子を遠くから見ていた男子勢。
のび太が首を傾げる。
「何か用事かな?」
「じゃない?」
ケータも気にしていない。
ジャイアンは肉を食べている。
スネ夫はスイカを切っている。
誰も深く考えなかった。
ドラえもんだけが何となく察したような顔をしていたが、あえて何も言わなかった。
その頃。
連行される#朔夜は。
「だから何なんだ……」
と、ひたすら首を傾げていた。
そしてまだ知らない。
この後、自分に何が待っているのかを――。