ドラえもんのび太の異世界からの来訪者   作:セナドライ

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#第四十二話。

眩しい青空。

どこまでも続く海。

打ち寄せる波の音。

そして――

「海だぁぁぁぁぁーっ!!」

のび太が真っ先に駆け出した。

「待てよのび太ー!」

ジャイアンが続き、

「転ぶなよー!」

スネ夫が笑いながら追いかける。

海辺にはすでにドラえもん達の荷物が並べられていた。

あの漁港を見つけてから約一週間。

調査の準備も終わり、今日は黒い扉の向こうにあるこの海辺へ遊びに――もとい、調査に来ていた。

もっとも。

「完全に海水浴だよな……」

#朔夜はぼそりと呟いた。

誰も否定しなかった。

[newpage]

しばらくして。

各自着替えを済ませ、砂浜へ集まり始める。

ドラえもんは麦わら帽子。

のび太達は海パン姿。

ケータ達も思い思いの格好をしている。

そんな中。

ドラえもんが首を傾げる。

「あれ?」

「#朔夜は着替えないの?」

視線が集まる。

#朔夜はきょとんとした。

「着替えるけど?」

「いや、まだ服だからさ」

「今から脱ぐ」

そう言って上着に手を掛ける。

何故か。

一部が慌てた。

「ちょ、ちょっと待って!」

「え?」

「せめて更衣室で!」

「?」

#朔夜は首を傾げた。

意味が分からない。

だが一応言われた通りに近くの更衣スペースへ向かう。

数分後。

戻ってきた#朔夜を見て。

全員が固まった。

「……」

「……」

「……」

現れたのは。

スクール水着だった。

さらにその上から薄手のラッシュガードまで羽織っている。

露出は極めて少ない。

むしろ誰よりも少ない。

だが。

「スク水ぅ!?」

思わずスネ夫が叫んだ。

「なんで!?」

「これしかなかったんだ」

#朔夜は当然のように答える。

「いや、そうじゃなくて!」

「泳げればいいだろ?」

「そうだけど!」

「日焼けも嫌だし」

ラッシュガードの袖を整える朔夜。

本人は至って真面目だった。

ドラえもんが苦笑する。

「#朔夜らしいなぁ」

「何が?」

「ううん、何でもない」

納得していないのは男子勢だけだった。

女子勢は何故か微笑ましそうに見ている。

 

[newpage]

 

その後。

海水浴は思い思いに進んだ。

のび太は浮き輪でぷかぷか浮かび。

ジャイアンは全力で泳ぎ回り。

スネ夫は持参したゴーグルを自慢している。

ケータ達も海で遊び始めていた。

少し離れた場所では。

「焼けたぞー!」

アキノリが歓声を上げる。

コンロの上では肉や野菜が美味しそうな音を立てていた。

「いつの間に準備したんだ……」

#朔夜が呟く。

「ドラえもんの秘密道具じゃない?」

トウマが答えた。

なるほど。

それなら納得である。

ジャイアンとアキノリはすでに三皿目らしい。

 

[newpage]

しばらくして。

#朔夜は波打ち際を歩いていた。

海風が心地良い。

暑い季節だが、この世界の海は不思議と過ごしやすかった。

その時。

ふと視線を感じた。

顔を上げる。

少し離れた場所。

ナツメがこちらを見ていた。

「?」

目が合う。

ナツメは何故かにやりと笑った。

そのまま隣にいたしずかへ何かを耳打ちする。

しずかもこちらを見る。

そして。

二人で頷いた。

「……?」

嫌な予感がした。

とても嫌な予感だった。

経験上。

あの二人が何か企んでいる時はろくなことがない。

#朔夜はそっと視線を逸らした。

見なかったことにしよう。

そう思った。

だが。

「#朔夜ー!」

呼ばれた。

逃げられなかった。

ナツメが満面の笑みで近付いてくる。

しずかも一緒だ。

「何?」

「ちょっと借りるねー」

「何を?」

「#朔夜を」

「意味が分からない」

即答だった。

しかしナツメは気にしない。

#朔夜の腕を掴む。

「はい行くよー」

「待て」

「大丈夫大丈夫」

「何が?」

「すぐ終わるから」

「だから何が?」

説明がない。

まったくない。

しずかもにこにこしている。

余計に不安だった。

「ナツメ」

「なーに?」

「嫌な予感しかしない」

「気のせい気のせい」

絶対気のせいじゃない。

そう確信した。

だが時すでに遅し。

ずるずると引っ張られていく。

[newpage]

その様子を遠くから見ていた男子勢。

のび太が首を傾げる。

「何か用事かな?」

「じゃない?」

ケータも気にしていない。

ジャイアンは肉を食べている。

スネ夫はスイカを切っている。

誰も深く考えなかった。

ドラえもんだけが何となく察したような顔をしていたが、あえて何も言わなかった。

その頃。

連行される#朔夜は。

「だから何なんだ……」

と、ひたすら首を傾げていた。

そしてまだ知らない。

この後、自分に何が待っているのかを――。

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