ドラえもんのび太の異世界からの来訪者   作:セナドライ

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#第四十三話

ナツメとしずかに両腕を掴まれたまま、#朔夜は砂浜を引っ張られていた。

「ちょ、ちょっと待って……!」

「ダメ」

「逃がさないわ」

即答だった。

嫌な予感しかしない。

そして案の定――。

「みんなー! 連れてきたよー!」

ナツメの声に、その場にいた全員の視線が集まった。

#朔夜は反射的に肩を震わせる。

(終わった……)

そう思った瞬間。

くるりと身を翻し、しずかとナツメの後ろへ隠れた。

「え?」

「どうした?」

集まってきたのび太達が首を傾げる。

だが、隠れようとした#朔夜の肩をナツメががっちり掴んだ。

「はい、前へ」

「やだ」

「ダメ」

「やだ!」

珍しく即答だった。

しかし抵抗も虚しく、ずるずると前へ押し出される。

そして。

#朔夜の姿が全員の前に晒された。

普段は大きめのパーカーと短パンに隠れている身体。

だが今は違う。

黒と白のギンガムチェック柄のフリル付きトップス。

肩が出るデザインで、普段見慣れない白い肌が陽光を受けていた。

腰には黒いスカート付きのボトム。

海風を受けるたびに裾が揺れ、そのたびに朔夜本人が落ち着かなさそうに視線を泳がせる。

さらに今日は、いつも後ろで軽くまとめている髪ではない。

長い水色の髪は丁寧な三つ編みにされ、肩へ流されていた。

そして何より――。

顔が真っ赤だった。

耳までしっかり赤い。

視線は地面を行ったり来たり。

両手は落ち着きなく胸元で握られている。

完全に羞恥心で限界だった。

[newpage]

「……」

「……」

男子勢が固まる。

のび太。

スネ夫。

ジャイアン。

ケータ。

アキノリ。

トウマ。

全員、一瞬言葉を失った。

その反応に#朔夜はさらに赤くなる。

「み、見ないで……」

小さな声。

だがしっかり聞こえた。

その破壊力で男子勢の思考が一瞬止まる。

ただし。

誰一人として余計なことは言わなかった。

本能的に理解したのだ。

ここで何か言えば危険だと。

非常に危険だと。

だから全員、必死に別の感想を探した。

「に、似合ってるんじゃないか?」

最初に言ったのはドラえもんだった。

極めて無難。

極めて安全。

「そ、そうだよ!」

「うんうん!」

「変じゃないぞ!」

慌てて全員が続く。

#朔夜は顔を伏せた。

嬉しいとかそういう問題ではない。

とにかく恥ずかしい。

「やっぱり着替える!」

そう叫んで更衣室へ走ろうとする。

だが。

がしっ。

腕を掴まれた。

「離して」

「離さない」

ナツメだった。

「似合ってるんだからいいじゃん」

「よくない……」

「いいの」

「よくない……」

半泣きである。

そんな様子を見ていたしずかは苦笑した。

[newpage]

一方ナツメは、ちらりと#朔夜の肩を見る。

白い。

びっくりするほど白い。

普段ほとんど肌を出さないせいもあるだろう。

「……なんか悔しい」

「え?」

「何でもない」

ナツメは視線を逸らした。

その時。

「だったらさ」

ドラえもんが提案する。

「ラッシュガードを着ればいいんじゃない?」

#朔夜の目が輝いた。

救世主を見る目だった。

「着る」

即答。

「絶対着る」

数分後。

ラッシュガードを羽織った#朔夜は、ようやく落ち着きを取り戻していた。

肩も隠れた。

風も気にならない。

安心感が違う。

「はぁ……」

安堵のため息。

そんな朔夜を見て、ナツメとしずかは顔を見合わせる。

そして小さく笑った。

どうやら今回の作戦は大成功だったらしい。

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