ドラえもんのび太の異世界からの来訪者   作:セナドライ

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#第五十二話

翌日の午後。

野比家には、いつもの面々が集まっていた。

居間のテーブルには地図やノート、ドラえもんが取り出した古い記録が山積みになっている。

「うーん……」

ドラえもんは腕を組みながら唸った。

「確かあの時は……」

のび太が首を傾げる。

「新しい方ではアマゾンだったはずだぜ」

ジャイアンが言う。

「いや、でも途中の経路が思い出せないんだよなぁ」

スネ夫も記憶を辿る。

当時の冒険からかなりの年月が経っている。

しかもドラえもん達自身、ペコの王国へ辿り着くまでに様々な出来事があったため、細かな経路までは曖昧になっていた。

「とりあえず確認しよう」

ドラえもんは古い記録をめくった。

「ペコの本名はクンタック王子。そして彼が治めていた国は――」

「バウワンコ王国」

のび太が懐かしそうに呟く。

その名前を聞いて、#朔夜は少し驚いた。

「本当に王子だったんだ……」

ペコ本人から直接聞いたわけではない。

だから半信半疑だったのだ。

「すごいよね」

しずかが微笑む。

「最初はただの犬だと思ってたのに」

「いや、今思い返してもだいぶすごい話だよな」

スネ夫も頷いた。

犬だと思っていた相手が実は異世界の王子だった。

普通なら信じられない。

しかし彼らにとっては実際に体験した事実だった。

「それで、その王国の近くにあったのが神像だったよな」

ジャイアンが言う。

「神像……」

その言葉に、#朔夜は反応した。

神像。

どこかで聞いたことがある。

記憶の引き出しを探る。

[newpage]

ある日の学校の光景が浮かんだ。

数か月前。

昼休み。

珍しく出木杉君が興奮気味に話しかけてきたことがあった。

『見てくれないか、#朔夜くん』

そう言って見せられた写真。

海外の遺跡だった。

巨大な石像。

人を模したような不思議な姿。

そして。

出木杉は確か言っていた。

『アマゾンの奥地で発見された神像らしいんだ』

『ヘビー・スモーカーズ・フォレストと関係があるかもしれないって』

――そこまで思い出した瞬間だった。

「ヘビーなスモーカーってやつだっけ……」

無意識に言葉が漏れる。

その瞬間。

部屋の空気が止まった。

「……え?」

#朔夜は顔を上げる。

すると。

ドラえもん。

のび太。

しずか。

ジャイアン。

スネ夫。

全員がこちらを見ていた。

「な、何?」

思わず後ずさる。

ドラえもんが立ち上がった。

「それだ!!」

「へ?」

「ヘビー・スモーカーズ・フォレスト!!」

ドラえもんは机を叩いた。

「思い出した!」

「僕も!」

のび太が叫ぶ。

「神像!」

「そうだ!」

ジャイアンも拳を握る。

「神像の近くだった!」

「入口の目印だったのよ!」

しずかも思い出したように言う。

一斉に盛り上がり始める面々に、#朔夜だけが置いていかれる。

[newpage]

「え、えっと……?」

スネ夫が説明してくれた。

「魔境へ行く手掛かりだよ!」

「昔の冒険で見つけた神像があったんだ!」

「その場所が入口に繋がってたんだよ!」

次々に飛んでくる説明に、朔夜はようやく理解した。

つまり。

出木杉が見せてきた写真。

あれが重要だったのだ。

ドラえもんは急いで四次元ポケットを探り始める。

「よし!」

取り出したのは世界地図だった。

「場所はアマゾン!」

「細かい位置は調べ直さないといけないけど、方向性は確定だ!」

のび太が勢いよく立ち上がる。

「ペコを助けに行こう!」

「おう!」

ジャイアンが拳を突き上げる。

「待ってろよペコ!」

「鬼太郎さん達より先に着けたりしてな」

スネ夫が笑う。

「それは無理だと思う」

冷静にアキノリが突っ込んだ。

だが誰も気にしていない。

久しぶりの大冒険。

しかも助けに行く相手は昔の友人だ。

その場にいる全員の目が輝いていた。

#朔夜も思わず笑う。

昨日までの重苦しい空気が少しだけ軽くなった気がした。

[newpage]

こうして。

ドラえもん一行。

妖怪探偵団。

そして#朔夜。

彼らは魔境への手掛かりを掴み、新たな冒険へ向けて動き始める。

一方その頃。

遥か遠く。

深い森に囲まれたバウワンコ王国では。

黒い太陽が、不気味な光を放ちながら空に浮かんでいた。

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