ヒャッコイ博士のラボに、温かな湯気が広がっていた。
「こんな時こそこれ!」
ドラえもんが得意げに取り出したのは、一枚の白い布。
「グルメテーブルかけ〜!」
テーブルへ広げた瞬間、豪華な料理が次々と並び始める。
「うおぉぉ!?」
ケータが目を輝かせた。
「何これ!?」
「料理が勝手に出てきてる!」
アキノリも大騒ぎする。
一方で、ナツメとトウマは若干遠い目をしていた。
「……もう驚くの疲れてきた」
「分かる」
だいぶ未来道具に慣れ始めていた。
「さあ、好きな料理を言って!」
ドラえもんの声に、全員が一斉に反応する。
「カツ丼!」
「ラーメン!」
「寿司!」
料理がぽんぽん現れる。
その中で。
『チョコボーだろ!』
『チョコボーに決まってるニャン!』
新旧ジバニャンが声を揃えた。
数秒の沈黙。
「いやそれおやつでしょ」
ナツメが冷静に言う。
「ちゃんとご飯食べなさいよ」
ケータも呆れた。
『立派な主食ニャン!』
「絶対違う」
トウマが即答した。
そんな中。
◇
「私はホットケーキかな」
しずかが微笑みながら言った。
すると。
『は!?』
『なんでアイツは許されるニャン!?』
新旧ジバニャン達が抗議する。
「ホットケーキは食事にもなるでしょ?」
「チョコボーとは違うよ」
しずかとのび太が当然のように返した。
『納得いかないニャン!!』
ラボに笑い声が広がる。
◇◇
その空気を見ながら、ヒャッコイ博士が静かに目を細めた。
「……しかし」
博士の視線が、ケータ達へ向く。
「君たちは、一体?」
「あ」
ケータが固まる。
ドラえもん達とは違う。明らかに異質な面々。
その中には朔夜も含まれていた。
数秒。
沈黙。
そして。
「よくぞ聞いてくれた!」
アキノリが勢いよく立ち上がった。
ばんっ、と机を叩く。
「俺たちは――妖怪探偵団だ!!」
無駄に決まったポーズ。
静寂。
「いや違うでしょ」
ナツメが即座にツッコむ。
「また始まった……」
トウマが苦笑した。
一方。
「いいじゃんそれ!」
ケータはノリノリだった。
「なんかカッコいいし!」
「だろ!?」
アキノリが得意げになる。
ドラえもん達はぽかんとしていた。
「妖怪……探偵団?」
のび太が首を傾げる。
「何するの?」
「妖怪絡みの事件を解決するんだ!」
アキノリが胸を張る。ジャイアンがちょっと羨ましそうな顔をした。
その時。
「君もかい?」
ヒャッコイ博士が、#朔夜へ視線を向けた。
一瞬。
全員の目が集まる。
◇◇◇
「え」
#朔夜は少し困った顔をした。
「……いや、自分は妖怪探偵団じゃなくて」
一拍。
「ドラえもん達の、ただの友達です」
そう言って苦笑する。
「えぇ〜!?」
アキノリが大袈裟に声を上げた。
「そこは仲間って言う流れだろ!?」
「いや急に言われても」
「今からでも遅くない!」
アキノリがぐいっと距離を詰める。
「ようこそ妖怪探偵団へ!」
「いやだから――」
「歓迎するぞ同志!」
「話聞いてる?」
#朔夜が若干押され気味になる。
トウマはまた苦笑。
ナツメは呆れ顔。
ケータは面白そうに眺めていた。
◇◇◇◇
――その時だった。
ビーッ! ビーッ!
突然、ラボ中に警報音が鳴り響いた。
全員の動きが止まる。
「な、何!?」
しずかが立ち上がる。
ラボ中央のモニターが自動起動した。映し出されたのは、巨大なレーダー反応。
異常な速度で接近してくる“何か”。
そして。
赤い警告文字。
【WARNING】]
【BLIZZARDA APPROACHING】]
ヒャッコイ博士の顔色が変わる。
「……来た」
ラボの空気が、一瞬で凍りついた。
本当に!グルメテーブル掛けって便利だよね。あれ?材料を出しちゃうヒミツ道具開発したのって誰だっけ?