ドラえもんのび太の異世界からの来訪者   作:セナドライ

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オリ設定生えました。解釈違いだったら本つ当にスイマセン。


#第七十一話

[chapter:――排除しろ。]

頭の奥で、誰かの声が響く。

[chapter:――王国を害する者を。]

そうだ。

私は騎士だ。

王国を守る剣だ。

ならば、害する者は斬らねばならない。

それだけだ。

それだけのはずだった。

轟音とともに、大地が砕ける。

三つの首を持つ巨大な魔獣――ケルベロスとなったサーベル隊長は、咆哮を上げた。

咆哮だけで木々がなぎ倒され、地面がひび割れる。

目の前にいた兵士たちも、妖怪たちも、人間たちも。

すべてが吹き飛んでいく。

いい気味だ。

王国を害する者どもめ。

右の首が炎を吐く。

左の首が衝撃波を放つ。

中央の首が牙を剥き出しにして暴れ回る。

逃げ惑う影。

叫び声。

崩れ落ちる建物。

その光景を見ているはずなのに。

なぜか胸の奥がざわついた。

[chapter:違う。]

[chapter:何かが違う。]

だが考える必要はない。

私は王国を守っている。

ただそれだけだ。

[chapter:「サーベルッ!!」]

声が聞こえた。

白い毛並み。

剣を手にした人物。

こちらへ向かって走ってくる。

何か叫んでいる。

だが聞き取れない。

いや。

[chapter:聞き取る必要がない。]

敵だ。

王国を害する敵。

ならば排除するのみ。

巨大な前脚を振り下ろす。

轟音。

土煙。

衝撃。

しかしその人物は跳躍し、間一髪で回避した。

[chapter:「目を覚ましてください!」]

また何か言っている。

知らん。

[chapter:知らんはずなのに――]

[chapter:なぜだ。]

[chapter:なぜ心のどこかで攻撃をためらう。]

[chapter:なぜその声が耳に残る。]

[chapter:なぜその姿に見覚えがある。]

私は知らない。

知らないはずだ。

前脚を振るう。

尾を叩きつける。

炎を吐く。

だが。

だが――

攻撃のたびに。

何かが引っ掛かる。

まるで。

まるで昔。

どこかで。

同じように。

[chapter:誰かへ剣を向けた時のような。]

[newpage]

[chapter:――貴様ァァァァァ!!]

怒号。

鉄のぶつかる音。

土煙。

血の匂い。

違う。

これは今ではない。

記憶だ。

遠い昔の。

忘れたはずの。

[chapter:「何故だ……」]

自分でも気付かぬうちに呟いていた。

王国を守る。

そのために戦う。

それだけのはずなのに。

胸の奥が痛む。

何かを忘れている。

何か大切なものを。

その時だった。

脳裏に。

一人の男の姿が浮かぶ。

優しい目をした男。

威厳に満ちた王。

そして聞こえる。

あの日の言葉。

[chapter:『我が剣となるのだ』]

 

[chapter:ーーああ]

そうだ。

思い出した。

私は。

私はあの日――

[chapter:王を殺そうとした、少年だった。]

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